はじめに:英検3級の「通常形式」と「S-CBT形式」どちらを選ぶべきか

英検3級には、紙で受ける従来の通常形式と、コンピュータで受験するS-CBTの二つの受験形式があります。通常形式は一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)と二次試験(面接)に分かれ、年3回、全国の本会場や学校・塾などの準会場で実施されます。S-CBTは四技能を原則1日で受けられるのが特長で、同一検定期間内なら同じ級を最大3回まで受験できます。不合格後の“再チャレンジ”を素早く行いたい人にはS-CBTが向きます。一方、学校経由で受けたい、紙のマークシートが安心という人は通常形式を選ぶと良いでしょう。合格を急ぐ場合は、通常形式とS-CBTを併用する戦略が最短ルートになります。

通常形式(一次・二次試験)の日程・概要

通常形式の英検3級は、一次でリーディング・ライティング(65分)とリスニング(約25分)を受け、合格すると二次の面接(約5分)に進みます。一次と二次のあいだには数週間の間隔があり、受験者は合否発表と成績表の到着を待って次の手続きに進みます。

申込み期間・本会場・準会場の違い

本会場は英検協会が設置する公開会場で、個人受験者が申し込みます。準会場は学校や塾などの団体が実施する会場で、団体受験として一次試験のみを実施し、二次試験は本会場で受けます。個人受験では回次ごとに定められたインターネットやコンビニでの申込期間に手続きし、団体受験では所属団体がA〜Fのいずれかの実施日程を選択します。準会場のF日程は本会場の日程と同じタイムスケジュールで運用されます。

試験日(一次/二次)+合否発表日・成績表到着日(2025年度)

2025年度の英検3級・本会場スケジュールは次のとおりです。各回とも一次→二次まで数週間の間隔があり、ウェブ合否は固定日に公開されます。

回次一次試験一次ウェブ合否二次A日程二次Aウェブ合否二次B日程二次Bウェブ合否
第1回6/1(日)6/23(月)7/6(日)7/15(火)7/13(日)7/22(火)
第2回10/5(日)10/27(月)11/9(日)11/18(火)11/16(日)11/25(火)
第3回1/25(日)2/16(月)3/1(日)3/10(火)3/8(日)3/17(火)

準会場(団体)の一次はA〜Fの枠で実施され、F日程は本会場と同日です。成績表(紙)はウェブ合否の後に順次到着します。

試験時間・リスニング時間・面接(2次試験)の所要時間 試験時間・リスニング時間・面接(2次試験)の所要時間

3級の一次は65分のリーディング・ライティングと約25分のリスニングで構成されます。二次は面接で、応対そのものはおよそ5分です。ただし当日の集合・待機・移動を含めると会場滞在はもう少し長くなります。二次の集合時刻は受験票の指示に従ってください。

「不合格だった場合」の再チャレンジ選択肢

合格発表で不合格となった場合、選択肢は二つあります。次回の通常形式を待って再受験するか、S-CBTを利用して同一年度の検定期間中に早めに受け直すかです。前者は準備時間を確保しやすい一方、受験間隔が長くなります。後者は日程の柔軟性が高く、勢いのあるうちに再チャレンジできます。

再受験を考えるタイミングと注意点

一次で惜敗した場合は、弱点だった大問や技能を特定し、最短の日程でS-CBTを予約するのが効果的です。二次で不合格だった場合は、一次試験免除(一免)を活用してS-CBTのスピーキングのみを受験すると、最短でのリベンジが可能になります。いずれの場合も申込締切と座席の先着制に注意し、合否発表から逆算して学習と予約を進めましょう。

通常形式の次回回受験を待つメリット・デメリット

通常形式を待つメリットは、団体で受けやすく、紙の解答に慣れている人が実力を出しやすい点です。デメリットは、受験間隔が数週間から数か月と空くため、学習の勢いを維持しにくい点にあります。再受験の優先順位を、日程の早さと学習の整えやすさのどちらに置くかで選択が変わります。

S-CBT形式とは?:英検3級で利用できるS-CBTの概要

S-CBTはコンピュータを使用して四技能を1日で受験する方式です。合否の基準や級の認定は通常形式と同じで、取得できる資格に差はありません。同一検定期間に同じ級を最大3回まで受けられるため、短期間で結果を出したい受験者に適しています。

S-CBTの仕組み・形式の特徴・試験範囲

出題範囲や問題形式は原則として通常形式と同一です。スピーキングは面接官との対面ではなく録音方式で行われ、所要時間はおよそ15分です。リーディング・ライティング・リスニングとスピーキングの判定はCSEスコアに基づいて別々に行われ、級の認定には両方の合格が必要です。

通常形式との違い(時間・模様・受験日程・手続き)

時間配分は、一次の合計がおよそ90分(65分+25分)で、スピーキングは約15分です。会場ではヘッドセットとPCを使用し、ライティングはタイピングで回答します(会場によっては手書きを選べる場合もあります)。受験日は毎週末を中心に設定され、地域によっては平日枠もあります。申し込みは受験者マイページから行い、一次試験免除がある場合はスピーキングのみの受験も選択できます。

不合格後すぐ再チャレンジ!S-CBTの日程と申し込みの流れ

S-CBTの年間スケジュール・随時受験可能なケース

2025年度の検定期間は、第1回が4〜7月、第2回が9〜11月、第3回が12〜2月です。各期間において、全国のテストセンターで毎週末と一部平日に3級の受験機会が設けられます。合否は受験日ごとに順次公開され、紙の成績表はその後に届きます。

申込み手続き・受験可能地域・対応級(3級)

3級はS-CBTの対象級に含まれます。会場は47都道府県の主要都市を中心に多数設置され、検定期間ごとに設置状況が更新されます。受験者はマイページで会場と日時を選び、支払いまで完了すると受験票と持ち物の案内が表示されます。二次不合格で一次試験免除を持つ場合は、スピーキングのみの受験を選択できます。

再チャレンジするための準備ポイント(勉強法・対策)

パソコン操作に慣れておくことがS-CBTでは重要です。特に英作文はタイピングで回答するため、25〜35語程度の構成を短時間で打てるように練習しておきます。ヘッドセットを用いたリスニングと録音の練習も、音量調整や環境ノイズへの対処という観点で有効です。時間配分は、リーディングでは取りこぼしの少ない順序で進め、リスニングでは設問の先読みと否定表現の聞き落とし防止を意識すると安定します。スピーキングはカード音読とQ&Aの型を決め、短い準備と明瞭な回答を繰り返し練習しましょう。

通常形式とS-CBTを併用する戦略:級取得を加速させるために

受験計画の立て方(例:一次合格できなかったらS-CBTで次へ)

合格までの時間を短縮したい場合、通常形式とS-CBTを組み合わせるのが有効です。たとえば第1回一次が6月1日で、結果が6月23日に出る想定なら、不合格の場合はすぐに7月中のS-CBT枠を予約します。二次で不合格だった場合は一次試験免除が付与され次第、S-CBTのスピーキングのみを受けて最短で合格を取りにいきます。第2回や第3回に向けては、S-CBTを活用して弱点技能を底上げしておくと、通常形式の本番で得点が安定します。

本会場/準会場・S-CBTの比較表

項目本会場(通常形式・個人)準会場(団体)S-CBT
実施頻度・日程年3回・固定日A〜Fから1日程選択(一次のみ)原則毎週+一部平日
試験構成一次(LRW)+二次(面接)一次(LRW)/二次は本会場LRW+Sを1日で実施
試験時間(3級)65分+約25分/面接約5分同左65分+約25分/S約15分
合否発表回ごとに固定(約2〜3週後)同左受験日ごとに順次公開
再チャレンジ次回回次まで待機同左同一期間中に最大3回可
受験地47都道府県・多数都市団体会場47都道府県・多数エリア
概算費用(3級)6,900円団体設定(目安5,000円)7,800円

費用・時間・手続き面でのメリット・デメリット比較

費用面では、S-CBTの3級は7,800円で、本会場の6,900円よりやや高めです。ただしS-CBTは日程の自由度が高く、短期間で合否を確定できるため、学習計画の切り替えを早められる利点があります。時間面ではS-CBTは1日完結で、通常形式は一次と二次が分かれるため移動や待機の負担が生じます。手続きでは、S-CBTは個人で日時を指定でき、通常形式は回次ごとの申込期間が明確で計画を立てやすいという違いがあります。

まとめ:試験日程を把握して、早めに再チャレンジの備えをしよう

英検3級は、固定日で受ける通常形式と、四技能を1日で受けられるS-CBTの二つをどう組み合わせるかで、合格までのスピードが変わります。S-CBTは同一検定期間に同一級を最大3回挑戦できるため、不合格直後の再チャレンジに最適です。学校や団体での受験を重視するなら通常形式、日程の自由度と結果の速さを重視するならS-CBT、最短合格を狙うなら併用が有効です。

学習面では、時間配分の設計弱点技能の特定が合否を分けます。一次で惜敗したら最短のS-CBT枠を押さえ、二次で落ちた場合は一次試験免除を使ってSのみで早期に取り返します。費用は本会場(3級)6,900円、S-CBT(3級)7,800円が目安で、再受験性やスピードという機会コストも含めて選びましょう。

直近の行動プラン(例)

  1. 今日:回次表とウェブ合否日を確認し、学習を逆算スケジュール化。
  2. 合否発表日:結果に応じてS-CBTの最短枠を予約(一次敗退)/Sのみを予約(二次敗退)。
  3. 受験前1〜2週間:英作文のタイピング練習ヘッドセットでの録音訓練を重点化。

最新の実施情報や空席は変動します。出願・予約前に必ず公式サイトで最終確認を行い、日程の重複や持ち物の不備がないよう準備してください。

9. (付録)2024〜2025年度:英検3級 通常形式&S-CBT 試験日一覧

9.1 2025年度:通常形式(本会場・3級)

次の表に、本会場での一次・二次日程とウェブ合否公開日を整理しました。受験計画は一次の公開日から逆算すると無理がありません。

回次一次試験一次ウェブ合否二次A二次Aウェブ合否二次B二次Bウェブ合否
第1回6/1(日)6/23(月)7/6(日)7/15(火)7/13(日)7/22(火)
第2回10/5(日)10/27(月)11/9(日)11/18(火)11/16(日)11/25(火)
第3回1/25(日)2/16(月)3/1(日)3/10(火)3/8(日)3/17(火)

9.2 2025年度:団体(準会場)一次の実施日(3級・目安)

準会場の一次はA〜F枠で分散実施され、Fは本会場と同日に設定されます。おおよその期間は次表のとおりです(最終決定は所属団体の案内を確認してください)。

2025年度:団体(準会場)一次の実施日(3級・目安)

回次期間の目安
第1回5月下旬〜6月上旬
第2回9月下旬〜10月上旬
第3回1月中旬〜1月下旬

準会場はA〜Fの枠で実施され、各回のF日程は本会場と同日に設定されます。たとえば第1回は5月下旬から6月上旬、第2回は9月下旬から10月上旬、第3回は1月中旬から下旬に実施されます。最終的な実施日は団体の選択と会場の都合で決まるため、所属団体の案内に従ってください。

9.3 2025年度:S-CBT(3級)

S-CBTは同一検定期間に同一級を最大3回まで受験できます。受験日は地域ごとに毎週末および一部平日に設定され、ウェブ合否は受験日単位で順次公開されます。

検定期間実施時期の目安受験回数上限合否公開の目安
第1回4〜7月同一級 最大3回受験後2〜4週間で順次
第2回9〜11月同一級 最大3回受験後2〜4週間で順次
第3回12〜2月同一級 最大3回受験後2〜4週間で順次

参考:費用(2025年度・税込の目安)

通常形式(本会場・3級)は6,900円、S-CBT(3級)は7,800円、準会場の一次は団体設定でおおむね5,000円前後が目安です。

よくあるご質問

Q. 英検3級にはどのような受験形式がありますか?

A. 英検3級には、紙で受ける従来の通常形式と、コンピュータで受験するS-CBTの二つの受験形式があります。

Q. 通常形式とS-CBT形式の主な違いは何ですか?

A. 通常形式は一次試験と二次試験に分かれ、年3回実施されます。S-CBTは四技能を原則1日で受けられるのが特長で、同一検定期間内なら同じ級を最大3回まで受験できます。

Q. 英検3級の通常形式の費用はいくらですか?S-CBTの費用はいくらですか?

A. 通常形式(本会場・3級)は6,900円(税込の目安)です。S-CBT(3級)は7,800円(税込の目安)です。

Q. 通常形式とS-CBTを併用するメリットは何ですか?

A. 合格までの時間を短縮したい場合、通常形式とS-CBTを組み合わせるのが最短ルートになります。不合格となった場合、次回の通常形式を待たずにS-CBTを利用して素早く再チャレンジできます。

Q. S-CBTで英検3級を受験する場合、何回まで受験できますか?

A. 同一検定期間に同じ級を最大3回まで受験できます。

Q. 通常形式で一次試験に合格したが、二次試験で不合格だった場合、最短で合格する方法はありますか?

A. 二次で不合格だった場合は、一次試験免除(一免)を活用してS-CBTのスピーキングのみを受験すると、最短でのリベンジが可能になります。

Q. 英検3級の通常形式の一次試験では、リーディング、ライティング、リスニングの試験時間はそれぞれどのくらいですか?

A. 一次はリーディング・ライティングが65分、リスニングが約25分で構成されます。