進学校の落ちこぼれは挽回できる?原因と勉強の立て直し方

進学校の落ちこぼれは挽回できる?原因と勉強の立て直し方

必死に勉強して進学校に入ったのに、テストのたびに順位が下がっていく。周りが優秀に見えて、「自分は進学校の落ちこぼれなのでは」と不安になっている人は少なくありません。

この記事では、進学校で成績が落ちる主な原因と、基礎から勉強を立て直す具体的な手順を解説します。保護者の方に向けた関わり方や、気持ちがつらいときの相談先もまとめました。

進学校の落ちこぼれとはどんな状態?

多くの場合、能力が落ちたのではなく、周りとの比較で順位が下がった状態です。まずは、気にしすぎなくてよい状態と、早めに手を打ちたい状態を分けて考えましょう。

順位が下がるのは環境が変わったから

進学校には、中学で上位だった生徒が集まります。全員が中学時代と同じ順位を保つことはできないので、入学後に順位が下がる人が出るのは自然なことです。

順位で見れば、学年の半分は必ず真ん中より下になります。定期テストの順位が真ん中より下でも、それだけで「落ちこぼれ」と決めつける必要はありません。

早めに対処したいサイン

一方で、次のような状態が続いているなら、勉強のやり方を見直すタイミングです。

  • 授業を聞いても、何が分からないのかを自分で説明できない。
  • 赤点(欠点)の科目がある、または赤点ぎりぎりの科目が増えてきた。
  • 課題や小テストをこなすだけで精一杯で、復習する時間が取れない。
  • 学校に行くのがつらい、朝起きられない日が続いている。

特に赤点が続くと、単位の修得や進級に関わってきます。基準は学校ごとに違うので、高校の赤点の基準と、とってしまったときの対処法もあわせて確認しておきましょう。

進学校で落ちこぼれる主な原因は?

原因はひとつではなく、授業のスピード、勉強法のずれ、自信の低下、生活の負担が重なっていることが多いです。自分に当てはまるものを探してみてください。

授業の進度が速く、復習が追いつかない

進学校の授業は進度が速く、1回の授業で扱う量も多くなりがちです。学校によっては、高3になる前に教科書の範囲をひととおり終え、高3を大学入試の演習に充てるカリキュラムを組んでいます。

このペースでは、一度つまずいた単元をそのままにすると、次の単元も分からなくなります。特に数学と英語は積み上げ型の教科なので、遅れが雪だるま式に広がりやすいのです。

中学までの勉強法が通用しなくなる

中学の定期テストは、教科書やワークを繰り返せば点が取れる問題が中心でした。高校では、公式や文法を覚えたうえで、初めて見る問題に応用する力が求められます。

成績が落ちたのは能力が下がったからではなく、求められる力の種類が変わったからです。勉強の量を増やす前に、やり方を高校の内容に合わせて変える必要があります。

周りと比べて自信をなくす

中学では「できる側」だった人ほど、周りとの差にショックを受けやすいものです。テストが返ってくるたびに落ち込み、勉強に向かう気力がなくなる悪循環に入ることもあります。

比べる相手を同級生から少し前の自分に変えるだけでも、気持ちは楽になります。前回より解けた問題が増えたかどうかに目を向けてみてください。

部活・通学・睡眠など生活の負担

部活の練習が長い、通学に時間がかかるなど、勉強以外の負担が大きいと復習の時間が削られます。睡眠を削って勉強時間を作ると、授業中に集中できず、かえって理解が遅れがちです。

高校受験を終えて気持ちが緩んだり、燃え尽きたような状態になったりする人もいます。勉強だけでなく、1日の過ごし方全体を見直すと原因が見つかることがあります。

勉強を立て直す5つのステップ

基本は、つまずいた場所まで戻って基礎を固め、毎日の復習を回せる状態に戻すことです。次の順番で進めると、何から手をつければよいか迷わずに済みます。

ステップ1 どこでつまずいたかを特定する

最初に、定期テストや模試の答案を見直し、失点した問題を単元ごとに書き出します。「数学が苦手」ではなく「二次関数の最大・最小が解けない」のように、具体的に絞り込むのがポイントです。

いつから成績が落ち始めたのかをたどると、つまずいた時期と単元が見えてきます。

ステップ2 分かるところまで戻って基礎を固める

つまずいた単元が分かったら、その前提になる内容まで戻ります。高校数学の土台が中学の計算や関数にある場合は、中学の範囲に戻ることも遠回りではありません。

戻り方の具体例は、大学受験に向けて中学の内容からやり直す方法で英語と数学を中心に紹介しています。教材は学校の難しい問題集ではなく、解説が詳しく、今の自分でも大半が解けるレベルのものを選びましょう。

ステップ3 授業の復習をその日のうちに回す

基礎を戻すのと並行して、新しい授業の内容を翌日に持ち越さない習慣をつくります。1日15〜30分でもよいので、その日のノートを見返して例題を解き直すと、理解が残りやすくなります。

すべての科目を完璧にしようとせず、まずは数学と英語の復習を優先するのがおすすめです。どちらも積み上げ型で、放っておくと遅れを取り戻すのに時間がかかるからです。

ステップ4 先生に質問し、学校の補習を使う

分からないところは、まず学校の先生に質問するのが近道です。授業の進め方を一番よく知っているのは先生なので、何を優先して復習すべきかも相談できます。

分からない問題に印をつけておき、放課後や休み時間に聞きに行きましょう。補習や講習、質問対応の時間を設けている学校もあるので、担任や教科の先生に確認してみてください。

ステップ5 必要なら塾や家庭教師を組み合わせる

自分だけで計画を立てるのが難しいときは、学校の外のサポートを使うのも一つの方法です。つまずいた単元まで戻って教えてほしいなら、個別指導塾や家庭教師のように一人ひとりに合わせてくれる形が向いています。

ただし、通うだけで成績が上がるわけではありません。自宅での復習とセットにしないと効果が出にくい理由は、塾に通っても成績が上がらない理由と勉強の見直し方で詳しく解説しています。

保護者はどう関わればいい?

一番のサポートは、成績を責めずに話を聞き、お子さんが立て直しに向かえる環境を整えることです。

「もっと頑張りなさい」は逆効果になりやすい

進学校に合格したということは、それだけ努力を重ねてきたということです。すでに頑張っているのに結果が出ない状態で「もっと頑張りなさい」と言われると、お子さんはさらに追い詰められてしまいます。

「せっかくいい学校に入ったのに」といった言葉も、お子さんの自信を削ります。点数より先に、どこで困っているのかを一緒に整理する姿勢を意識してみてください。

話を聞いて、学校と連携する

まずは解決策を急がず、お子さんがどう感じているのかを最後まで聞きましょう。そのうえで担任の先生との面談を申し込み、学校での様子や補習の有無を確認すると、状況がつかみやすくなります。

成績が悪い理由を「怠けているから」と決めつけないことも大切です。睡眠不足や人間関係の悩みなど、勉強以外のところに原因が隠れていることもあります。

気持ちがつらいときは一人で抱え込まない

心のつらさが大きいときは、勉強より休むことと相談することを優先してください。

学校に行こうとすると体調が悪くなる、眠れない日が続くといった状態があるなら、無理を重ねないことが大切です。スクールカウンセラーや保健室の先生、自治体の教育相談窓口に相談してみましょう。

学校や家族には話しにくいときは、文部科学省が案内している24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310、通話無料)も利用できます。体の不調が続く場合は、医療機関に相談することも考えてください。

休むことは逃げではありません。心と体が回復してから勉強を再開したほうが、落ち着いて立て直しに向かえます。

進学校で落ちこぼれた「その後」はどうなる?

一度成績が落ちても、その後の道はいくつもあります。大切なのは、今の学校で必要な単位を取り切ることと、自分に合った進路を早めに考え始めることです。

高校を卒業するには、各教科・科目の単位を修得する必要があります。文部科学省の高等学校学習指導要領(平成30年告示)では、卒業までに修得させる単位数を74単位以上と定めています。

単位を認定する基準は学校ごとに定められています。落とした科目が増えると留年の可能性も出てくるため、高校で留年する条件と回避方法も確認しておくと安心です。

大学受験では、高2の終わりや高3から基礎をやり直して志望校に届く人もいます。一方で、今の学校が合わないと感じる場合は、転校や通信制高校への転入といった選択肢もあります。

進路の選択肢や、よく言われる「末路」の実態については、進学校で落ちこぼれた後の進路と立て直しのヒントで詳しくまとめています。

まとめ

進学校で成績が下がるのは珍しいことではなく、多くは環境と勉強法のずれから起きています。

  • 順位が下がっただけで「落ちこぼれ」と決めつけなくて大丈夫です。
  • つまずいた単元を特定し、分かるところまで戻って基礎を固めましょう。
  • 授業の復習をその日のうちに回し、分からない点は先生に質問しましょう。
  • つらいときは一人で抱え込まず、学校や相談窓口を頼ってください。

できることから一つずつ始めれば、勉強は何度でも立て直せます。