家で勉強できないのは甘え?自分を責めずに立て直す考え方とコツ

家で勉強できないのは甘え?自分を責めずに立て直す考え方とコツ

「学校ではできるのに、家だとどうしても勉強が進まない」。そんな自分を「ただの甘えだ」と責めていませんか。家で勉強できないのは、甘えや意志の弱さとは限りません。この記事では、甘えと決めつけなくてよい理由と、自分を責めずに気持ちを立て直すコツを、保護者の方への話も含めて紹介します。

家で勉強できないのは甘えなの?

結論から言うと、家で勉強できないことを「甘え」と決めつける必要はありません。家はもともと休むための場所で、学校や塾のように「ここからは勉強の時間」という区切りがないからです。

周りに机に向かう人がいなかったり、ベッドやスマホがすぐそばにあったりすると、多くの人は集中しにくくなります。自習室ではできるのに家ではできないなら、性格よりも場所の違いが大きいと考えられます。

「甘え」という言葉は、原因を考える前に話を終わらせてしまいます。大切なのは、なぜできないのかを具体的に見て、変えられるところから手をつけることです。

「自分は甘えている」と感じてしまう理由

自分を甘えていると感じやすいのは、できていない部分ばかりが目に入るからです。そう感じる背景を知っておくと、必要以上に落ち込まずにすみます。

頑張っている人と比べてしまう

SNSや教室では、頑張っている人の姿がよく目に入ります。けれども、見えているのはその人の一部だけで、休んでいる時間やうまくいかなかった日は見えません。自分の「できなかった日」と他人の「できた日」を比べれば、自分が劣って見えるのは当然です。

「勉強しなさい」と言われ続けている

家族から何度も注意されていると、「自分はだめだ」という思いが強くなりがちです。やろうと思った直後に言われて、やる気がしぼんでしまった経験がある人も多いでしょう。言われる回数が増えるほど、勉強が「やらされるもの」に感じられていきます。

責めるほど勉強がいやになる悪循環

自分を責めても、勉強が進むことはあまりありません。先延ばしについては、カナダのビショップス大学とカールトン大学の心理学者が、2013年に研究をまとめた論文(Sirois・Pychyl)を発表しています。

この論文では、先延ばしは、いやな作業を前にしたときの気分を和らげようとして起きやすいと論じられています。勉強を後回しにするのは、怠けたいからというより、不安や面倒さから一時的に逃れたい気持ちの表れでもあるのです。

自分を責めると、勉強はますます「いやな気分になるもの」になります。すると、また後回しにしたくなり、できなかった自分をさらに責めてしまいます。この流れを断ち切るには、責めるより「次はどうするか」を考えるほうが近道です。

家で勉強できない背景にある気持ちの原因

家で勉強できない背景には、環境だけでなく、気持ちの面の原因が隠れていることがあります。自分に当てはまるものがないか、確かめてみてください。

学校や部活で疲れ切っている

授業や部活のあとは、体だけでなく頭も疲れています。帰宅後にやる気が出ないのは、甘えというより、休息が足りていないサインかもしれません。

厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧めています。疲れているときの勉強の進め方は、疲れて勉強できないときに無理なく続ける勉強法も参考にしてください。

苦手な教科や結果への不安が大きい

分からない問題や、点数が悪かったテストに向き合うのは気が重いものです。「やっても成績が上がらなかったらどうしよう」という不安が強いと、始めること自体を避けたくなります。家では一人で向き合うことになるので、この不安をより強く感じやすくなります。

完璧にやろうとしている

「やるなら3時間」「全部終わらせないと意味がない」と考えると、始める前から気持ちが重くなります。目標が大きすぎると、机に向かう前に疲れてしまい、結局何もできないまま一日が終わることもあります。

何のために勉強するのか見えない

目的がはっきりしないと、「今やらなくてもいいか」と感じやすくなります。受験のような遠い目標しかないときは、次の小テストや定期テストなど、近い目標を置くと動きやすくなります。

自分を責めずに家で机に向かうコツ

気持ちを立て直すコツは、やる気が出るのを待たずに、「できた」と感じられる小さな一歩を用意することです。今日から試せる方法を4つ紹介します。

責める言葉を「次はどうする?」に変える

「今日もできなかった。自分は甘えている」と思ったら、「明日は何から始める?」と自分に聞き直してみてください。反省は1つだけにして、次にやることを1つ決めたら、それで終わりにします。

友だちが同じことで悩んでいたら、きっと責めずに励ますはずです。自分にも、友だちにかけるのと同じ言葉をかけてあげましょう。

最初の一歩を思いきり小さくする

「教科書を開くだけ」「1問だけ解く」のように、始めるハードルを下げましょう。いったん手を動かすと、そのまま続けられることは少なくありません。始められないときの具体的な方法は、勉強しないといけないのにできないときの動き出し方でも紹介しています。

できたことを記録する

その日にできたことを、ノートやカレンダーに一言書いておきましょう。「英単語10個」「数学を15分」でも十分です。できなかったことより、できたことが目に見えるほうが、次の日も続けやすくなります。

家にこだわらず場所を変える

どうしても家で集中できない日は、図書館や学校の自習室に移るのも立派な方法です。家は休む場所、外は勉強する場所と分ければ、家でしっかり休めるようにもなります。

家で勉強したい人は、机まわりやスマホの置き場所を整えるところから始めましょう。具体的な整え方は、家で勉強できない原因と集中できる環境の作り方で詳しく紹介しています。

保護者の方へ「甘え」と言う前にできること

お子さんが家で勉強しない姿を見ると、つい「甘えている」と言いたくなるかもしれません。ただ、その一言で前向きになる子は少なく、話し合うきっかけを失いやすくなります。

まずは理由を聞いてみる

「家だとどんなところがやりにくい?」と、責めずに聞いてみてください。疲れている、分からないところがある、部屋が落ち着かないなど、本人なりの理由が見えてくることがあります。理由が分かれば、一緒に対策を考えられます。

結果より取り組んだことを認める

点数や順位だけでなく、机に向かった時間や続けていることにも目を向けましょう。「昨日も15分やっていたね」のように、見たことをそのまま言葉にするだけで十分です。声かけの具体例は、勉強しない中学生への声かけと関わり方でまとめています。

勉強の時間と場所を一緒に決める

親が一方的に決めたルールより、お子さんと話し合って決めたルールのほうが守りやすくなります。「何時から何時まで、どこで勉強するか」を一緒に決め、うまくいかなければまた話し合いましょう。

甘えではなく相談したほうがいいサイン

次のような状態が続くときは、勉強法を変えるより先に、周りの大人に相談してください。

  • 眠れない日や、朝起きられない日が続いている。
  • 食欲がなく、好きだったことも楽しめない。
  • 勉強だけでなく、学校に行くことや人に会うことがつらい。
  • 「自分なんていないほうがいい」と感じることがある。

相談先には、担任の先生や学校のスクールカウンセラー、住んでいる自治体の教育相談窓口があります。体や気分の不調が続くときは、医療機関にも相談しましょう。

夜間や休日に話を聞いてほしいときは、文部科学省が案内している24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310、通話無料)も使えます。子ども本人だけでなく、保護者も相談できます。

「勉強できないと人生が終わる」とまで思いつめているときは、勉強できないと人生終わりだと感じたときに読んでほしいことも読んでみてください。

まとめ

家で勉強できないのは、甘えと決めつけるより、理由を見つけて手を打つほうが前に進めます。

  • 家は休む場所なので、集中しにくいのは自然なことです。
  • 疲れや不安、完璧を求める気持ちが原因になっていることもあります。
  • 責める代わりに「次はどうする?」と考え、小さな一歩から始めましょう。
  • つらい状態が続くときは、一人で抱えずに相談してください。

今日できなかったとしても、明日やることを1つ決めれば十分です。