高校で初めて実力テストを受けて、定期テストより点数がぐっと下がり、驚いた人は多いと思います。「この点数は成績に入るの?」と心配になるのも自然なことです。この記事では、まず実力テストが成績(評定)に入るのかを整理します。そのうえで、定期テストとの違い、偏差値の読み方、点数を上げる勉強法を順に説明します。
高校の実力テストとは?目的と種類
実力テストは、それまでに習った内容がどれだけ身についているかを確かめるテストです。範囲を区切らずに出題されるため、今の本当の学力が表れやすいのが特徴です。
実力テストの目的
目的は大きく2つあります。1つは、生徒が自分の得意・不得意を客観的に知ることです。もう1つは、先生が学年全体や一人ひとりの学力をつかみ、学習指導や進路指導に役立てることです。
校内実力テストと模試の違い
高校の実力テストには、学校が独自に作る校内実力テストと、予備校などが作る模試の2種類があります。模試を学校で受け、それを「実力テスト」と呼んでいる学校もあります。
校内実力テストは先生が問題を作ることが多く、比べる相手は同じ学校の同じ学年です。そのため順位や校内偏差値は、あくまで学校の中での位置を表します。
模試は全国の高校生が同じ問題を解くため、全国の中での位置が分かります。たとえば河合塾の全統模試には高1・高2向けの回もあり、志望大学の合格可能性が判定として示されます。
実施時期と教科数は学校ごとに違う
いつ、何教科で行うかは学校が決めています。長期休みの明けに、休み中の課題の範囲も含めて出題する学校もあります。教科は国語・数学・英語の3教科の学校もあれば、理科・社会まで含める学校もあります。
実力テストは成績(評定)に入る?
多くの高校では、実力テストの点数は通知表の評定に直接は入りません。ただし、評価の方法は各学校が決めるため、扱いは学校によって違います。
高校の評定はどう決まるのか
高校の評定は、各教科・科目の学習状況を5段階で表したものです。国立教育政策研究所の学習評価の在り方ハンドブック(高等学校編)では、評定は3つの観点の評価をまとめたものと説明されています。3つの観点とは「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」です。
観点ごとの評価には、定期テストのほか、レポートや発表、提出物、授業での取り組みなどが使われます。どの材料をどのくらい反映させるかは、各学校や教科の先生が決めています。
実力テストは、授業ごとの到達度ではなく積み重ねた学力を確かめるためのテストです。このため評定の材料に含めない学校が多いのですが、平常点の一部として扱う学校がないとは言い切れません。
成績に入らないなら気にしなくていい?
そうとは言えません。実力テストの結果は、三者面談や進路相談で今の学力を示す資料としてよく使われます。学校によっては、補習の対象やクラス編成を決める参考にすることもあります。
また、学校推薦型選抜や総合型選抜で大学に提出する調査書には、各科目の評定が書かれます。実力テストで見つかった弱点を早めに補えば、定期テストの点数を通して評定を支えることにもつながります。調査書に何が書かれるかは、調査書と内申書の違いを解説した記事で詳しく説明しています。
自分の学校の扱いを確かめる方法
いちばん確実なのは、自分の学校のルールを確認することです。年度初めに配られるシラバスや評価の説明を読み、分からなければ担任や教科の先生に「実力テストは評定に関係しますか」と聞いてみましょう。
定期テストとの違いは範囲・難しさ・対策のしかた
いちばん大きな違いは出題範囲の広さです。範囲が広い分、問題も応用的になりやすく、点数は定期テストより低く出るのが普通です。
出題範囲の違い
定期テストは、前回のテストから今回までの授業で扱った範囲から出題されます。一方、実力テストはそれまでに習った内容すべてが範囲で、学年が上がるほど広くなります。
高1の最初の実力テストでは、中学の内容が中心になることもあります。中学での実力テストの範囲や平均点の目安は、中3の実力テストの範囲と勉強法をまとめた記事で紹介しています。
難しさと平均点の違い
定期テストは授業の内容をどれだけ身につけたかを確かめるため、教科書やワークに近い問題が中心です。実力テストは学力の差がはっきり出るように、初めて見る形の問題や考える力を問う問題が増えます。
そのため、定期テストで高得点だった人でも、実力テストでは点数が大きく下がることがあります。点数だけで落ち込まず、平均点や順位と合わせて見ることが大切です。
対策のしかたの違い
定期テストは範囲が決まっているため、直前に集中して勉強しても点数を上げやすいテストです。実力テストは範囲が広く、直前の詰め込みだけでは対応しきれません。
ふだんの復習の積み重ねがそのまま結果に出ます。実力テストは「定期テストの勉強が身についていたか」を確かめる機会と考えると、取り組みやすくなります。
実力テストの偏差値の読み方
偏差値は、受けた人の中で自分がどのあたりにいるかを表す数字です。平均点ちょうどなら偏差値50になり、点数そのものよりも集団の中での位置が分かります。
偏差値の計算方法と目安
偏差値は「(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50」で計算されます。標準偏差は、点数のばらつきの大きさを表す数字です。
点数の分布が平均を中心にした左右対称の山型に近い場合、偏差値60は上位約16%、偏差値70は上位約2%にあたります。反対に偏差値40は、下から約16%の位置です。偏差値50がどのくらいの位置なのかは、偏差値50の意味とレベルを解説した記事も参考になります。
校内偏差値と模試の偏差値は比べられない
偏差値は、誰と比べたかで意味が変わります。校内実力テストの偏差値は同じ学校の生徒との比較で、模試の偏差値は同じ模試を受けた全国の受験者との比較です。
学力の高い生徒が集まる学校では、校内偏差値が50でも、全国規模の模試では60を超えることがあります。その逆もあるため、校内偏差値だけで志望大学を判断するのは避けましょう。
1回の結果より推移を見る
実力テストの結果は、出題された単元との相性で上下しやすいものです。1回の偏差値で判断せず、複数回の推移と教科ごとの偏差値を見て、伸びている教科と伸び悩んでいる教科を確かめましょう。
実力テストの点数を上げる勉強法
点数を上げる近道は、これまでの定期テストの内容を確実に解ける状態に戻すことです。そのうえで、苦手な単元に絞って時間を使います。
定期テストの解き直しで基礎を固める
まず、これまでの定期テストや授業のワークを解き直します。間違えた問題と、正解したけれど自信がなかった問題に印をつけ、解説を読んで理解してから、印の問題だけを後日もう一度解きます。
印のついた問題がなくなるまで繰り返すと、抜けていた知識が少しずつ埋まっていきます。解き直しを続けるためのノートの作り方は、解き直しに使う過去問ノートの作り方で紹介しています。
苦手な単元を1〜2教科に絞って対策する
範囲が広いぶん、全教科を同時に仕上げようとすると時間が足りません。返却された成績表で得点率の低い単元を確かめ、特に点数が低かった1〜2教科から手をつけるのが現実的です。
英語や数学は、前の単元の理解が次の単元の土台になる教科です。つまずいた単元までさかのぼって復習すると、その後の単元も解けるようになりやすくなります。
長期休みを全範囲の復習にあてる
夏休みや冬休みは、ふだんは手が回らない前の学年の範囲を復習する好機です。休み明けに実力テストを行う学校なら、そのまま直前対策にもなります。
毎日決まった時間に勉強する習慣をつけましょう。理解に時間がかかる教科は集中しやすい時間帯に、暗記ものはすき間時間に回すなど、自分に合う配分を工夫すると続けやすくなります。
テスト後は間違えた理由を3つに分ける
結果が返ってきたら、点数を見て終わりにせず、間違えた問題を見直します。原因を「知識が足りなかった」「理解があいまいだった」「ケアレスミス」の3つに分けると、次にやることがはっきりします。
知識不足なら暗記の復習、理解不足なら教科書や解説に戻って考え方の確認をします。ケアレスミスなら、途中式の書き方や見直しの手順を決めておきましょう。
実力テストの結果を大学受験に活かす方法
実力テストや模試の結果は、大学受験までの距離を測るものさしになります。結果を記録して学習計画の見直しに使うと、受験勉強の方向がぶれにくくなります。
合格可能性の判定は目安として使う
模試では、志望大学ごとにA〜Eの判定が出ることがあります。河合塾の入試情報サイトのKei-Net入試用語集では、A判定を合格可能性80%以上、C判定を50%、E判定を20%以下としています。
ただ、高1・高2の時点では入試までまだ時間があり、判定が低くても挽回の余地は十分にあります。判定そのものより、合格に足りない教科や分野を知る材料として使いましょう。
結果を記録して伸びを確かめる
テストを受けるたびに、教科ごとの点数と偏差値をノートや表に記録しておくと、自分の伸びが目で見て分かります。一時的に下がっても、数回分の流れが上向きなら力はついています。
偏差値を上げるための勉強の進め方は、偏差値を上げる方法と期間の目安でも詳しく説明しています。
まとめ
高校の実力テストについて、押さえておきたい点は次のとおりです。
- 多くの高校では評定に直接は入りませんが、扱いは学校ごとに違うので確認しましょう。
- 定期テストより範囲が広く、点数が下がるのは普通のことです。
- 校内偏差値と模試の偏差値は、比べる相手が違います。
- 定期テストの解き直しと、苦手単元に絞った復習が点数アップの近道です。
実力テストは、今の自分の学力を知るための貴重な機会です。結果を次の勉強に生かしていきましょう。