進学校で落ちこぼれた末路は?その後の進路と4つの選択肢

進学校で落ちこぼれた末路は?その後の進路と4つの選択肢

「進学校に入ったのに、授業についていけなくなった」「このまま落ちこぼれたら、どんな末路になるのだろう」と不安になっていませんか。成績が学年の下のほうにあっても、その後の道は一つに決まっていません。この記事では、公的なデータで見た実態と、そこから選べる4つの進路を順番に整理します。

進学校で落ちこぼれた末路は本当に悲惨?

結論からいうと、決まった「末路」はありません。成績が下位のままでも、多くの人はそのまま卒業し、大学や専門学校、就職へと進んでいきます。

文部科学省の令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によると、全国の高校の中途退学者は44,571人でした。在籍者に占める割合は1.4%です。

中途退学の理由で最も多いのは「進路変更」の41.5%で、「学校生活・学業不適応」が35.0%、「学業不振」は6.3%です。なお、この調査の中途退学者には、ほかの高校へ移った転学者は含まれていません。

ネットで目にする「悲惨な末路」の話は、印象に残りやすい一部の例だと考えてください。大切なのは、今の状況に合った道を早めに選ぶことです。落ちこぼれる原因や勉強の立て直し方は、進学校の落ちこぼれから挽回するための原因と勉強の立て直し方で詳しくまとめています。この記事では、その後に選べる進路に絞って解説します。

その後に選べる道は大きく4つ

進学校で成績が振るわなくなったあとの進路は、次の4つに分けて考えると整理しやすくなります。

進路向いている人
今の学校に残る通学は続けられ、大学進学をめざしたい人。
通信制・定時制に移る今の学校に通うのがつらいが、高校は卒業したい人。
高卒認定試験を受ける高校を離れても、大学や専門学校を受験したい人。
専門学校・就職学びたい分野や就きたい仕事が見えている人。

どれか一つが正解というわけではありません。心と体の状態や単位の状況、やりたいことに合わせて選びます。

今の学校に残って大学受験で巻き返す

通学を続けられるなら、今の学校で卒業をめざしながら大学受験で巻き返す道があります。まずは卒業できる見通しを確かめ、そのうえで受験の作戦を立てましょう。

先に進級と卒業の条件を確認する

高校では、科目ごとに単位を修得し、決められた単位数をそろえて進級・卒業します。単位を認める基準や進級の判定は、学校ごとの規程で決まっています。

定期テストの赤点に加えて、欠席の多さも判定に使われるのが一般的です。「授業時数の3分の1を超えて欠席した科目は単位を認めない」といった基準を置く学校もありますが、数字は学校によって違います。赤点や欠席と留年の関係は、高校で留年する条件と回避の方法で詳しく解説しています。

不安があるときは、次のことを担任の先生に聞いておくと安心です。

  • 単位を落としそうな科目があるか。
  • 追試や補習はいつ、どのように行われるか。
  • 今の欠席・遅刻の数で進級に影響が出ないか。

追試や補習は、早めに相談するほど使いやすくなります。成績の話は切り出しにくいものですが、学期末を待たずに動くことが大切です。

一般選抜を軸に、基礎からやり直す

大学の一般選抜は、主に入試当日の学力試験の得点で合否が決まります。校内の順位が低くても、受験科目で点が取れれば合格の可能性は十分にあります。

一方で、学校推薦型選抜や総合型選抜では、調査書の評定平均を出願の条件にしている大学が少なくありません。校内成績が振るわないときは、推薦に頼る計画は立てにくいと考えておきましょう。

進学校の授業は進度が速く、すべてについていこうとすると息切れしがちです。志望校の受験科目を早めに決め、分からなくなった単元まで戻って基礎を固めるほうが、結果的に近道になります。英語や数学を中学の範囲から復習する手順は、大学受験に向けて中学の内容からやり直す方法が参考になります。

浪人して1年かけて準備する道もある

高校3年間では間に合わないと感じたら、卒業後に1年かけて受験勉強をする浪人も選択肢です。費用や気持ちの負担はありますが、基礎から積み直す時間を確保できます。受験がうまくいかなかったときの考え方は、大学受験に失敗したときの立て直し方でもまとめています。

通信制・定時制高校に移って卒業をめざす

今の学校に通い続けるのがつらいなら、通信制や定時制の高校に移って卒業をめざす方法があります。環境を変えることで、落ち着いて勉強に向き合えるようになる人もいます。

学校教育法では、全日制の修業年限は3年、定時制と通信制は3年以上と定められています。通信制や定時制には、学年の区切りを設けない単位制の学校も多く、自分のペースで単位を積み上げられます。

転入学と編入学の違い

学校を移る方法には、在籍したまま別の高校に移る「転入学」と、いったん退学してから入り直す「編入学」があります。前の学校で修得した単位や在籍期間をどこまで引き継げるかは、移る先の学校が判断します。

今の学校に籍があるうちに移る先へ相談すると、学習の空白期間を作らずに済みます。退学を先に決めてしまう前に、まず情報を集めましょう。

学校選びで確かめたいこと

通信制・定時制と一口にいっても、登校日数や学費、サポートの手厚さは学校ごとに大きく違います。資料請求や見学のときは、次の点を確かめましょう。

  • 年間の登校日数と、通学の方法を確認する。
  • 授業料のほかにかかる費用を確認する。
  • 大学進学を希望する生徒への支援があるかを聞く。
  • 気軽に相談できる先生やカウンセラーがいるかを聞く。

学校選びをやり直すときの考え方は、高校選びに失敗したと感じたときの立て直し方も参考にしてください。

高卒認定試験で大学・専門学校の受験資格を得る

高校を離れる場合でも、高卒認定試験に合格すれば大学・短大・専門学校を受験できます。文部科学省が実施する試験で、正式には「高等学校卒業程度認定試験」といいます。

受験できるのは、受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる人です。高校に在籍している人も受けられます。試験は毎年8月と11月の2回行われます。

合格した科目は記録に残るため、何回かに分けて受けることもできます。高校で修得した単位によって、一部の科目が免除される制度もあります。ただし、すべての科目を免除にはできず、少なくとも1科目は受験して合格する必要があります。

合格しても最終学歴は「高校卒業」にならない

注意したいのは、合格しても最終学歴は高校卒業にならない点です。文部科学省の高卒認定試験Q&Aでも、高校を卒業しなければ最終学歴は高校卒業にならないと説明されています。

一方で、合格者は高校卒業者と同等以上の学力があると認められます。大学などに進学して卒業すれば、最終学歴はその学校になります。採用試験や国家資格の中には、合格を高校卒業と同等に扱うものもあります。

また、満18歳未満で合格した場合、合格の効力は18歳の誕生日から生じます。その年度のうちに18歳になるなら、大学を受験することは可能です。

専門学校への進学や就職を選ぶ

大学進学だけが、その後の道ではありません。学びたい分野や就きたい仕事が見えているなら、専門学校や就職も十分に現実的な選択です。

専門学校には、高校を卒業した人や高卒認定試験に合格した人などが入学できます。看護・調理・IT・デザインなど、仕事に直結する知識と技術を学べるのが特徴です。

高校卒業後すぐに就職する道もあります。高校生の就職活動は、学校に届く求人をもとに先生と相談しながら進めるのが一般的です。希望があれば、早めに進路指導の先生に伝えておきましょう。

どの道を選ぶにしても、「何をしたいか」から逆算して選ぶと後悔が少なくなります。周りの友だちと同じ道でなくても、自分に合った道であれば問題はありません。

進路を決める前に本人と保護者で話し合いたいこと

焦って退学や転校を決める前に、心と体の状態と、単位の状況を落ち着いて確かめることが先です。そのうえで、本人と保護者が同じ情報を見ながら話し合いましょう。

気持ちがつらいときは一人で抱え込まない

成績が下がると、「自分はだめだ」と感じて気持ちが沈むことがあります。眠れない、朝起きられない、学校に行けない日が続くといった状態なら、勉強より先に心と体を休めることを考えてください。

相談先には、学校のスクールカウンセラーや保健室の先生、自治体の教育相談窓口があります。文部科学省の子供のSOSの相談窓口では、夜間や休日にも相談できる窓口が紹介されています。つらさが強いときや長く続くときは、医療機関に相談することも考えましょう。

保護者ができること

保護者の方は、まずお子さんを責めずに話を聞くことから始めてください。進学校で順位が下がるのは、周りのレベルが高い環境に変わったことも大きく、努力不足だけが理由とは限りません。

そのうえで、担任や進路指導の先生と面談し、単位の状況や選べる進路を一緒に確認しましょう。転校や高卒認定を考える場合も、学校の先生に相談しながら進めると手続きの漏れを防げます。

まとめ

  • 進学校で落ちこぼれても、決まった「末路」はない。高校の中途退学率は1.4%で、理由の最多は進路変更。
  • 今の学校に残るなら、進級と卒業の条件を確かめ、一般選抜を軸に基礎からやり直す。
  • 通信制・定時制に移る道や、高卒認定試験で大学・専門学校の受験資格を得る道もある。
  • つらいときは一人で抱え込まず、学校や相談窓口を頼る。

今の成績が、この先のすべてを決めるわけではありません。自分に合う道を一つずつ確かめながら、次の一歩を選んでいきましょう。