大学受験で中学からやり直す方法|英語・数学の効率的な勉強法と教材を解説

大学受験で中学からやり直す方法|英語・数学の効率的な勉強法と教材を解説

「高校の英語も数学も、何を言っているのかまったくわからない」「問題集を開いても、どこから手をつければいいのかすらわからない」——そんな状態で大学受験を目指している人は、実はかなり多い。

焦る気持ちはよくわかる。でも、むやみに高校レベルの参考書に突撃しても、土台がなければ砂の上に家を建てるようなものだ。遠回りに見えても、中学レベルから丁寧にやり直すことが、最短で合格に近づく道だということを、最初に伝えておきたい。

この記事では、中学レベルから大学受験勉強をやり直す具体的な方法を、科目ごとの教材・学習スケジュールとあわせて解説する。教育ラボ編集部が受験のプロの知見をもとにまとめた内容なので、ぜひ参考にしてほしい。

なぜ中学からやり直すことが大切なのか

大学受験の土台は中学範囲にある

大学入試の問題は、一見すると高度で複雑に見える。しかし、その根っこを辿ると、中学で学んだ基礎知識や基本的な計算・文法・語彙に行き着くことがほとんどだ。難関大の入試問題であっても、基本の理解を問う内容が数多く含まれている。

基礎力が不足していると、解き方を覚えようとしても理解がついてこない。逆に基礎がしっかり固まると、応用問題にも自然と対応できるようになり、より高得点を狙えるようになる。

特に英語と数学は「積み上げ教科」と呼ばれる。中学の範囲が身についていないと、高校の範囲はほとんど理解できない。いきなり高校内容をやろうとしても、穴だらけの状態では成績が伸びにくいのだ。

「恥ずかしい」と思わなくていい

中学に戻って勉強することを「恥ずかしい」と感じる人もいるかもしれない。しかし、よく考えてほしい。「わかったふり」をしたまま勉強を続けることのほうが、よほど時間の無駄だ。

現実を直視して基礎から積み上げる受験生が、結果的に合格を手にすることが多い。中学範囲の復習にかかる時間は、英語と数学を合わせておよそ1ヶ月〜1ヶ月半程度だ。1ヶ月の投資で残りの受験期間の勉強効率が大幅に上がるなら、やらない理由はない。

やり直すべき科目はどれか

優先すべきは英語と数学の2科目

大学受験に向けて中学からやり直すべき科目は、基本的に英語と数学の2科目だ。

理由は2つある。まず、英語と数学はどちらも「積み上げ型」の科目で、中学の内容が理解できていないと高校の内容はまったく歯が立たない。次に、大学受験において、文系なら英語・理系なら英語と数学が得点に直結する最重要科目だからだ。

文系で数学を使わない受験生は、英語に集中すればよい。数学I・Aのみ使う場合も、中学数学の復習は必要だ。

理科・社会はどうするか

理科や社会は、英語・数学ほど「積み上げ式」ではない面もある。そのため、まずは英語・数学の中学範囲を固めてから、余裕があれば理科や社会にも手を伸ばすという順番が現実的だ。

ただし、志望大学の入試科目によっては、理科・社会も早めに着手する必要がある。自分の受験科目を確認したうえで優先順位をつけよう。

英語の中学やり直し|具体的な勉強法と教材

英単語から着手する

英語の復習でまず取り組むべきは、中学英単語の総復習だ。単語が頭に入っていないと、文法を学んでも長文を読んでも意味がわからないままになってしまう。

おすすめの教材は「中学版システム英単語」だ。受験対策で定評のあるシステム英単語シリーズの中学版で、頻出単語が効率よくまとまっている。スキマ時間を活用してコツコツ進めよう。中学英単語は量が多くないため、1冊を完璧にしたら、すぐに大学受験用の単語帳に移行することができる。

英文法を体系的に復習する

単語と並行して、英文法の総復習も必要だ。おすすめは「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」(学研)だ。イラストを多用したわかりやすい解説が特徴で、英語を最初からやり直したい受験生に向いている。

この参考書は1冊で文法を網羅することはできないが、英語の土台を作るのに最適だ。音声学習ができるアプリも活用することで、リスニング対策もあわせてできる。

文法書を1周したあとは、問題集で演習を積み重ねよう。「くわしい問題集英文法 中学1〜3年」は典型問題を網羅しており、高校英語へのスムーズな移行を助けてくれる。

英語の中学やり直しにかかる期間

英単語と英文法を並行して進めた場合、おおむね1ヶ月弱で中学英語の総復習を終えられる。急ぎすぎる必要はないが、ダラダラとやり続けると時間がもったいない。1日の学習量と終了期限を最初に決めておくと、テンポよく進められる。

数学の中学やり直し|具体的な勉強法と教材

まずは計算力を取り戻す

数学は、計算力が土台だ。複雑な問題を解く前に、まず分数・比・ルートなどの基本計算を正確に・素早くできるようにしよう。1日15分の計算練習を続けるだけで、数週間で計算スピードと正確さが大きく改善する。

中学数学の全範囲を網羅できる参考書を使う

数学のやり直しには、「やさしい中学数学 改訂版」(かんき出版)がよく知られている。対話形式の解説でイラストも豊富なため、数学が苦手な人でも取り組みやすい。中学3年間の数学を1冊で総復習できるのが大きな利点だ。

3週間で1冊を完成させるペースが理想的とされている。苦手な分野だけに絞って取り組む使い方も効果的だ。

もう1冊、松濤舎が推薦する「パーフェクトコース中学数学」も選択肢として挙げられる。計算処理から図形問題まで網羅しており、高校数学への準備を整えられる。

偏差値55未満の受験生や、中学時代の定期テストで8割を取れていなかった受験生は、迷わず中学数学の復習から始めることをすすめる。

図形と関数をしっかり押さえる

図形問題や関数の基礎知識は、多くの大学入試問題に直結する。一次関数・二次関数の基本形を理解することで、複雑なグラフの読み取りも可能になる。公式や定理を暗記するだけでなく、問題の解き方そのものを身につけることを意識しよう。

数学の中学やり直しにかかる期間

集中して取り組めば、中学数学の総復習は3週間〜1ヶ月で完了できる。英語とあわせると、合計でおよそ1ヶ月〜1ヶ月半が目安だ。

中学復習から高校内容への移行のタイミング

「完璧」を目指しすぎない

中学の復習に時間をかけすぎると、高校内容の勉強時間が足りなくなる。中学範囲の参考書を1〜2周こなし、基本問題でミスが減ってきたら、高校範囲の学習に移るタイミングだ。

受験勉強を始めるベストタイミングは「今すぐ」だ。志望校によってやるべき対策や試験範囲が異なること、受験シーズン直前は周囲も追い上げてくるため一気に挽回するのが難しくなること——この2つの理由から、先送りにするほど不利になる。

模試で自分のレベルを確認する

中学範囲の復習が終わったら、模試や過去問に挑戦して自分の理解度を確認しよう。模試の結果を見ることで、どの範囲の高校内容に優先して取り組むべきかが明確になる。苦手分野が見つかったら、再び中学範囲にさかのぼって確認する習慣をつけておこう。

勉強を継続するためのコツ

目標を明確に設定する

「中学から大学受験に向けてやり直す」という漠然とした目標では、やる気が続きにくい。「英語の文法を1ヶ月で仕上げる」「数学を3週間で総復習する」という具体的な期限を設定することで、勉強の方向性がはっきりし、継続しやすくなる。

短い勉強時間でも毎日続ける

忙しい高校生活の中でも、1日10分でいいから毎日勉強することが大切だ。まとまった時間が取れない日でも、スキマ時間を活用して英単語を覚えたり、計算問題を数問解いたりするだけで積み重ねになる。習慣化することが、長期的な成績アップの鍵だ。

塾や個別指導を活用する

「どこがわからないのかもわからない」という状態では、独学に限界がある場合もある。個別指導塾を活用することで、自分の弱点を把握しやすくなり、効率的に中学内容の復習を進められる。進路相談や悩み相談ができる環境があると、モチベーションの維持にも役立つ。

中学からやり直して大学受験を突破した実例

個別指導塾での実例として、数学I で7点だった生徒が中学内容からの復習に取り組んで53点まで伸びたケースや、英語・数学ともに30点台だった高校1年生が60〜70点台まで回復したケースが報告されている。

これらの事例から共通して言えるのは、中学範囲の学び直しを「恥ずかしいこと」と思わずに取り組んだ受験生ほど、その後の成長スピードが速いということだ。基礎固めは、決して遠回りではない。

まとめ

大学受験で中学からやり直す際のポイントをまとめる。

まず取り組む科目は英語と数学の2科目だ。英語は単語と文法を並行して約1ヶ月かけて復習し、数学は計算力の回復から始めて図形・関数まで約3週間で仕上げる。合計で1ヶ月〜1ヶ月半という短い期間で、その後の受験勉強の効率が大きく変わる。

「今さら中学レベルか」と思う気持ちはわかる。でも、基礎がない状態でいくら高校内容を詰め込んでも、成績は上がりにくい。中学範囲の復習こそが、逆転合格への最短ルートだということを信じて、まず一歩を踏み出してほしい。