「テストが返ってきたら、思っていたより点数が低かった……」そんな経験、一度はあるのではないでしょうか。高校生活では、定期テストの点数が赤点ラインを下回ってしまうと、補習や追試、最悪の場合は留年につながることもあります。でも、「そもそも赤点って何点から?」「赤点をとったら本当に留年になるの?」と、正確な基準を知らないまま不安を抱えている生徒も多いはずです。
この記事では、赤点とは何か、何点から赤点になるのか、赤点をとったときに起こること、そして対処法まで、教育ラボが丁寧に解説します。まずは正しい知識を持って、冷静に対応しましょう。
赤点とは何か
赤点とは、高校の定期テストで学校が定める基準点を下回った点数のことを指します。正式な教育用語ではなく、昔の通知表や成績表で落第点を赤い文字で記入していたことから「赤点」と呼ばれるようになった俗語です。
中学校は義務教育のため、定期テストで低い点数をとっても進級や留年には基本的に影響しません。しかし高校では話が異なります。赤点は単位の取得に直結するため、繰り返しとってしまうと進級・卒業に深刻な影響が出る可能性があります。赤点に相当するような点数をとり続けることは、高校生にとって非常にリスクが高いのです。
赤点は何点から?学校ごとの基準
「赤点は何点から?」という疑問を持つ生徒は多いですが、実は赤点の基準は学校や教科によって異なります。全国一律で「〇点以下が赤点」という決まりはなく、各高校がそれぞれ独自の基準を設けています。
一般的な赤点の目安
赤点の基準には大きく2つのパターンがあります。
1つ目は「平均点の半分以下」を赤点とするパターンです。これがもっとも多い基準とされています。計算式は「平均点 ÷ 2」で、たとえば数学の平均点が60点だった場合、30点以下が赤点ラインになります。平均点が低いテストなら赤点ラインも下がり、平均点が高いテストなら赤点ラインも上がるため、毎回のテストで基準が変わる点に注意が必要です。
2つ目は「〇点以下は赤点」と固定されているパターンです。テストの難易度や平均点に関わらず、一律に「30点未満」「40点未満」と決められている学校もあります。この場合は点数の目安が明確なので、自分の学校の基準をあらかじめ確認しておくと安心です。
学校によって異なる赤点ライン
同じ「高校」でも、公立と私立、進学校と普通科では赤点の設定が大きく異なることがあります。特に進学校では平均点が高くなりやすく、赤点ラインも自動的に上がる傾向があります。また、教科ごとに別々の基準を設けている高校もあります。
自分の学校の赤点基準を正確に把握するためには、学校の先生や生徒手帳、保護者向けのプリントなどで確認することをおすすめします。「なんとなく30点以下だろう」という思い込みで安心してしまわないよう、必ず正確な情報を得るようにしましょう。
また、模試や実力テストで低い点数をとっても赤点にはなりません。赤点が適用されるのは基本的に学校の定期テストのみです。外部の模擬試験での点数は高校の評定とは無関係なので、その点は安心してください。
赤点をとったらどうなる?
赤点をとってしまったからといって、すぐに留年が決まるわけではありません。ただし、何もしなければ状況は悪化します。赤点をとった場合に考えられる影響を、順番に確認していきましょう。
補習・追試になる
赤点をとった生徒に対して、学校は放置するのではなくさまざまな救済措置を用意しています。もっとも代表的なものが「補習(補習授業)」と「追試験」です。
補習とは、赤点をとった生徒を対象に放課後や長期休み中に実施される授業です。先生が復習プリントを配ったり問題の解説をしてくれたりと、再度理解を深める機会が与えられます。補習に参加しないと「反省の意志がない」と判断され、留年の検討につながる場合があるため、必ず出席するようにしましょう。
追試験とは、赤点を取った生徒が一定の基準点をクリアするために再度受けるテストです。多くの場合、定期テストと同じ問題や類似問題が出題されます。補習をしっかり受けていれば合格できる内容であることが多いため、補習と追試はセットで真剣に取り組む必要があります。
救済措置の内容は学校によって異なり、補習のみの場合、追試のみの場合、レポート提出で代替する場合など様々です。自分の学校がどのような対応をしているか、早めに担任の先生に確認することが大切です。
内申点や成績への影響
赤点をとると、定期テストの点数が低くなるため、5段階評定の内申点が1〜2になる可能性があります。内申点が下がると、大学入試における学校推薦型選抜(指定校推薦・公募制推薦)で必要な評定基準を満たせなくなることがあります。「評定平均4.0以上」などの条件がある推薦入試の場合、赤点をとった教科があると基準を達成することは難しくなるでしょう。
また、奨学金の認定にも影響が出る場合があります。日本学生支援機構(JASSO)の第一種奨学金(無利子)などは学力基準が設けられており、評定平均が一定以上でないと認定されない場合があります。赤点を繰り返すことで奨学金を受けられなくなるリスクも、頭に入れておきましょう。
なお、成績は定期テストだけでなく、授業態度・提出物の提出状況・小テストの点数なども総合的に評価されます。たとえテストで低い点数をとってしまっても、日頃の積み重ねで評定を下支えすることは可能です。
留年の可能性
1回赤点をとっただけで即座に留年が決まるわけではありません。留年かどうかは、定期テストの点数単体ではなく、年間を通じた総合的な成績で判断されます。
ただし、同じ教科で複数回赤点をとり続けたり、補習や追試で合格点をとれなかったりすると、留年の検討対象になります。年間4〜5回行われる定期テストのうち、半数以上で赤点をとると進級が厳しくなるケースが多いです。
留年が検討される場合は、学期末の成績会議を経て、保護者との面談が行われます。留年の正式名称は「原級留置」といい、翌年度も同じ学年をやり直すことになります。留年を避けるためには、早い段階で先生に相談し、救済措置に誠実に対応することが最も重要です。
全教科赤点だとどうなる?
複数教科、あるいは全教科で赤点をとってしまった場合、事態はより深刻です。特定の1教科だけが赤点であれば補習や追試で対応できる場合がほとんどですが、多数の教科で基準点を下回ると、単位の取得数が大幅に不足し、留年の可能性が高まります。
ほとんどの高校では「赤点を3教科以上とったら留年の可能性がある」というケースが多く見られますが、これも学校によって基準が異なります。全教科赤点のような状況が続くと、最終的には退学・転校を検討する必要が出てくることもあります。
もし現在そのような状況にある場合は、一人で抱え込まず、すぐに担任の先生や保護者に相談することが先決です。学校によっては通信制高校への転籍や、単位制高校への転校という選択肢もあります。どんな状況でも、早めの行動と相談が状況改善の鍵です。
赤点を取ってしまったときの対処法
赤点をとってしまったことを知ったとき、最初にすべきことは何でしょうか。焦りや恥ずかしさを感じる気持ちは自然ですが、大切なのは素早く、誠実に行動することです。
まず先生に相談する
赤点をとったら、まず担任の先生、またはその教科の先生に早めに相談することをおすすめします。補習や追試のスケジュール、評定への影響、今後の対策など、必要な情報をまとめて教えてもらえます。
先生も人間であり、「この生徒はきちんと反省して頑張ろうとしている」という誠意が伝わると、いざというときにサポートしてもらいやすくなります。 補習に真剣に取り組む姿勢を見せることが、評定面でもプラスに働くことがあります。反対に、補習や追試をサボると留年リスクが一気に高まるため、どんな事情があっても必ず出席しましょう。
補習・追試に向けた勉強法
補習や追試に向けた勉強で意識すべきことは、テストで問われた範囲の基礎を確実に理解し直すことです。追試では定期テストと同じ問題、または類似した問題が出題されることがほとんどです。問題をやり直すだけでなく、「なぜ間違えたのか」「どこが理解できていなかったのか」を把握することが重要です。
補習で配られたプリントや解説は、追試に直結する内容です。補習中にわからないことがあればその場で先生に質問し、理解が曖昧なまま追試に臨まないようにしましょう。 追試でも合格点をとれない場合は、さらに厳しい状況になるため、1回で確実に通過できる準備をしてください。
苦手科目の根本的な対策
赤点をとってしまった科目は、そもそも基礎的な理解が不足していることが多いです。追試対策と並行して、苦手科目の根本的な克服にも取り組む必要があります。
具体的な方法としては、教科書や配布プリントを使った基礎の見直し、授業中に解いた小テストの再挑戦、そして塾や家庭教師などの外部サポートの活用が有効です。特に数学や英語のように積み上げ型の科目は、一度つまずいた箇所を放置すると次のテストでも赤点になるリスクが高いため、早めに苦手を潰す習慣をつけることが大切です。
赤点を回避するための日頃の勉強習慣
赤点対策としてもっとも効果的なのは、そもそも赤点をとらないようにすることです。定期テスト前の一夜漬けに頼らず、日頃からコツコツ勉強する習慣が、赤点回避の最大の武器になります。
授業で配られた小テストやプリントは、先生が「重要」と判断した内容が凝縮されています。 これらを繰り返し解いて完璧に理解できるようになれば、定期テストで平均点前後を狙える実力が身につきます。
また、苦手科目こそ捨てずに勉強時間を確保することが重要です。 得意科目で100点をとっても、苦手科目で赤点をとれば留年リスクが生じます。すべての教科に最低限の時間を割くよう、定期テスト2週間前から計画的に勉強を始めることをおすすめします。
わからない箇所は放置せず、先生への質問や塾の活用で早期に解消しておくと、テスト直前に焦るリスクを大幅に減らすことができます。小さな積み重ねが、赤点回避の確実な近道です。