「夏期講習に行かせたいけれど、費用がどのくらいかかるのか分からない」と迷っている保護者の方は多いのではないでしょうか。家計のことを考えると、申し込む前に総額の見当をつけておきたいところです。
この記事では、中学生の夏期講習の費用の目安を、文部科学省の調査と塾の公式料金をもとに学年別に整理します。費用を抑える方法や使える支援制度、今の塾以外で講習だけを受けるときの注意点も紹介します。
中学生の夏期講習の費用はいくら?
夏期講習だけの平均額を示した公的な統計はありません。そこで、国の調査でわかる年間の塾代と、塾が公開している講習の料金から目安をつかみましょう。
年間の塾代は中3が中1の約2.6倍
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」では、公立中学生の学習塾費の年間平均が学年別に示されています。
| 学年 | 学習塾費の年間平均 |
|---|---|
| 中学1年生 | 133,647円 |
| 中学2年生 | 213,759円 |
| 中学3年生 | 341,220円 |
中3は中1のおよそ2.6倍です。この平均には塾に通っていない家庭も含まれており、公立中学生の34.0%は学習塾費が0円でした。塾に費用を払った家庭だけで見ると、平均は年間約34万9千円になります。
ここでいう学習塾費には、授業料のほか入会金や講習会費、教材費、模擬テスト代、通塾の交通費も含まれます。つまり、夏期講習の費用もこの年間の金額の一部です。詳しくは文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」の結果で確認できます。
個別指導は1コマの料金とコマ数で決まる
個別指導塾の講習は、1コマごとの料金に受けるコマ数をかけて計算するのが一般的です。
例えば、ナビ個別指導学院の夏期講習2026は、1コマあたり中1・中2が3,700円、中3が3,800円でした(税込、2026年9月時点・公式サイトより)。この料金で計算すると、中2が20コマ受けた場合は74,000円です。中3が30コマ受けた場合は114,000円になります。
教科によっては、これとは別にテキスト代がかかります。料金は塾や年度によって変わるため、申し込む前に最新の案内を確認してください。
集団塾は学年ごとのセット料金が多い
集団塾では、学年ごとに教科や日程をまとめた講座として料金を案内することが多くあります。1人の講師が複数の生徒に教えるため、同じ時間数なら個別指導より安くなりやすい形式です。
ただし中3の講習は、授業の日数が増えるうえ、志望校別の講座や模試が加わることもあります。そのぶん、中1・中2より総額が大きくなりやすいと考えておきましょう。
授業料のほかにかかる費用
講習の見積もりを見るときは、授業料だけでなく総額で比べることが大切です。塾によっては、次のような費用が別にかかります。
- 講習用のテキスト代や教材費。
- 講習だけ受ける場合の入会金や諸経費。
- 講習期間中に受ける模試の受験料。
- 通塾の交通費や、長時間の日のお弁当代。
月謝も含めた塾代全体の相場は、個別指導と集団塾の料金相場を学年別に比べた記事で詳しく紹介しています。冬の講習の日程と費用については、冬期講習はいつから始まるかをまとめた記事で確認できます。
夏期講習は中学生に必要?行くかどうかの目安
夏期講習は、すべての中学生に必要なものではありません。夏休みに何を取り戻したいのか、家で勉強を続けられるのかで判断するのがおすすめです。
講習が役立ちやすいケース
- 1学期の内容で、分からないまま進んだ単元がある。
- 家では勉強が続かず、決まった時間に机に向かう場所がほしい。
- 中3で、受験に向けて苦手を洗い出したい。
夏休みは学校の授業が進まないため、つまずいた単元を落ち着いて復習できる時期です。毎日の予定が決まることで、生活リズムを保ちやすくなる面もあります。
自宅学習で十分なケース
学校の授業に無理なくついていけていて、自分で計画を立てて進められるなら、講習に通わなくても困らないことが多いです。その場合は、夏休みの計画づくりを優先しましょう。
計画の立て方は中学生の夏休みの勉強計画ガイドが参考になります。中3の場合は、中3受験生の夏休みの勉強時間とスケジュール例もあわせて確認してみてください。
夏期講習の費用を抑える方法は?
費用を抑えるコツは、受ける内容を目的に合わせて絞ることです。無料で試せる機会や割引の時期もうまく使いましょう。
教科とコマ数を目的に合わせて絞る
5教科すべてを申し込むと、費用はすぐにふくらみます。苦手な教科や、点数に直結しやすい単元に絞るだけでも、総額はかなり変わります。
塾から提案されたプランは、そのまま受け入れる必要はありません。予算の上限を先に伝え、その範囲で優先順位をつけてもらうと安心です。
無料体験やキャンペーンの時期を確かめる
夏の前後は、無料体験授業や、入会金・テキスト代が無料になるキャンペーンを行う塾があります。講習を申し込む前に体験を受けると、授業の分かりやすさや教室の雰囲気も確かめられます。
体験のあとに入塾を案内されることもあります。家庭で「今回は講習だけ」「ほかの塾と比べてから決める」などと方針を決めておくと、落ち着いて返事ができます。
映像授業やオンライン教材を組み合わせる
塾の講習をすべての教科で受けるのではなく、一部を映像授業で補う方法もあります。例えばスタディサプリの中学講座は、Webから申し込んだ場合、月払いで月額2,178円です(2026年9月時点・公式サイトより)。
ただし、映像授業は自分で進める必要があります。一人だと続きにくいお子さんには、決まった時間に通う講習のほうが合う場合もあります。塾選び全体で費用を抑えるコツは、安い塾の選び方と月謝相場のまとめも参考にしてください。
家計が厳しいときに使える支援はある?
塾代を支援する制度は、住んでいる地域によって大きく異なります。まずは、国の制度で何が対象になるのかを押さえておきましょう。
就学援助は塾代の対象外
就学援助は、経済的に困っている家庭の小中学生に、市町村が学校生活の費用を援助する制度です。文部科学省が示す対象は、学用品費や修学旅行費、学校給食費などです。塾の費用は含まれていません。
東京都には中3の塾代を無利子で借りられる制度がある
東京都の受験生チャレンジ支援貸付事業は、中学3年生や高校3年生などがいる一定所得以下の世帯が対象です。学習塾などの受講料を上限30万円まで無利子で借りられます。
高校や大学などに入学した場合は、返済が免除されます。都内に住んでいることや世帯収入などの条件があり、相談の窓口はお住まいの区市町村です(令和8年度の内容)。
地域の無料学習支援を探す
自治体や社会福祉協議会、地域のNPOが、無料や低額の学習会を開いている地域もあります。名前や対象、開催時期は地域ごとに違います。
市区町村のホームページで探すほか、学校の先生や市区町村の窓口に相談すると、使える制度を教えてもらえることがあります。
今の塾以外の夏期講習だけ受けられる?
夏期講習だけの受講を受け付けている塾は少なくありません。例えばナビ個別指導学院は、通常授業を受けていない人も夏期講習のみ受講できると案内しています。
一方で、受け付けの有無や条件は塾や教室によって違います。気になる塾があれば、公式サイトで講習の案内を確認し、教室に直接問い合わせるのが確実です。
申し込む前に確認したいこと
- 講習だけの受講で、入会金や諸経費がかかるか。
- テキスト代や模試代が別にかかるか。
- 講習の内容とレベルが、お子さんの学力に合っているか。
- 今通っている塾の授業や宿題と日程が重ならないか。
講習だけ受けるメリットと注意点
メリットは、入塾を決める前に授業や講師との相性を確かめられることです。いつもと違う授業を受けることで、苦手の原因に気づくきっかけにもなります。
注意したいのは、塾の年間カリキュラムの途中に入る形になることです。進度や使う教材が今の塾と違うと、かえって負担が増える場合もあります。塾を比べるときの視点は、中学生の塾の選び方と塾の種類にまとめています。
講習の効果を高める夏休みの過ごし方
同じ費用をかけるなら、準備と復習で効果に差が出ます。申し込む前と受講中に、次の2つを意識しましょう。
申し込む前に目的を決める
「数学の1次関数をやり直したい」「英語の文法を1学期の分まで固めたい」のように、目的を具体的にしておきます。目的がはっきりしていると、塾との相談でも必要なコマ数を決めやすくなります。
授業のあとにその日のうちに復習する
講習は、授業を受けただけでは身につきにくいものです。帰宅後に30分ほど、その日に解いた問題を解き直す時間をとりましょう。
講習のない日は、学校の宿題と講習の復習を中心に予定を組みます。夏の終わりに、講習で扱った単元をもう一度確かめると、2学期の授業にもつなげやすくなります。
まとめ
- 夏期講習だけの公的な平均はなく、年間の塾代は中3が中1の約2.6倍です。
- 個別指導は1コマの料金とコマ数、集団塾は講座のセット料金で総額が決まります。
- 教科やコマ数を絞り、無料体験やキャンペーンの時期を確かめると費用を抑えられます。
- 家計が厳しいときは、住んでいる地域の支援制度を市区町村の窓口で確認しましょう。
金額だけで決めず、お子さんが夏に何を身につけたいのかを話し合ったうえで選んでみてください。