「塾に通わせたいけれど、実際にいくらかかるのか見当がつかない」と悩む保護者の方は多いと思います。塾の料金は、学年や授業の形式、受講する科目の数によって大きく変わります。
この記事では、文部科学省の調査をもとに学年別の年間費用の目安を紹介します。あわせて、個別指導と集団塾の料金の決まり方、月謝以外にかかる費用、使える支援制度も順に整理します。
塾の料金は年間いくら?文部科学省の調査で見る目安
塾に通っている家庭の年間の塾費用は、平均で公立中学校が約34万9千円、公立高校が約38万1千円です。月に直すと3万円前後で、この金額には講習費や教材費も含まれます。
数字の出典は、文部科学省の令和5年度子供の学習費調査です。2024年12月に公表され、2026年1月に訂正版が出ています。この調査の「学習塾費」には、入会金、授業料、講習会費、教材費、塾での模試代、塾への交通費がまとめて含まれます。
塾に通っている家庭だけで見た年間の平均額
塾の費用を実際に払った家庭だけの平均額は、次のとおりです。
| 学校 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 小学校 | 約19万3千円 | 約36万1千円 |
| 中学校 | 約34万9千円 | 約32万8千円 |
| 高校(全日制) | 約38万1千円 | 約44万4千円 |
いずれも年間の額です。12か月で割ると、公立小学校で月約1万6千円、公立中学校で月約2万9千円、公立高校で月約3万2千円になります。講習費などをならした金額なので、毎月の請求額とは一致しない点に注意してください。
同じ調査では、公立中学生の家庭のうち塾の費用が0円だったのは34.0%でした。つまり約3人に2人は、何らかの形で塾の費用を払っていることになります。公立小学校と公立高校では、0円の家庭がそれぞれ61.0%、61.4%でした。
学年別に見ると受験学年で大きく上がる
次は、公立校に通う子の学年ごとの平均額です。塾に通っていない子の0円も含めた平均なので、通っている家庭の実際の負担はこれより高くなります。
- 小学4年生は約8万1千円、5年生は約10万7千円、6年生は約14万5千円です。
- 中学1年生は約13万4千円、2年生は約21万4千円、3年生は約34万1千円です。
- 高校1年生は約9万円、2年生は約14万9千円、3年生は約20万6千円です。
公立中学校では、中3の平均額が中1の約2.6倍になっています。高校受験に向けて、授業のコマ数や講習、模試が増えるためと考えられます。
私立小学校の6年生は約44万3千円で、全学年の中で最も高い金額でした。中学受験の準備が本格化する時期と重なっています。
個別指導と集団塾の料金はどう違う?
集団塾は学年とコースごとに月謝が決まり、個別指導は指導形態とコマ数で料金が決まるのが一般的です。同じ授業回数なら、講師1人が受け持つ生徒の少ない個別指導のほうが高くなりやすい傾向があります。
なお、文部科学省の調査は、塾の形式ごとには金額を分けていません。形式別の正確な相場は示しにくいため、候補の塾で見積もりを取って比べるのが確実です。
集団塾は学年・コース・科目数で月謝が決まる
集団塾では、学年が上がるほど、また受講する科目が増えるほど月謝が上がる料金表が多く見られます。1人の講師が大勢の生徒に教えるため、1回あたりの費用は抑えやすい形式です。
一方で、難関校向けのコースや受験学年の特別講座は、通常のコースより高く設定されている場合があります。授業の進み方が決まっているので、つまずいたときに補習を別料金で足すと、結果的に費用がかさむこともあります。
個別指導はコマ数と指導形態で料金が変わる
個別指導の料金は、主に次の条件で変わります。
- 講師1人に生徒1人か、2〜3人か。
- 週に何コマ受けるか、1コマが何分か。
- 担当が学生講師か、社会人やプロの講師か。
- 定期テスト対策か、受験対策か。
計算の例として、仮に1コマ3,000円の塾で週2コマ受けると、月4週で2万4,000円になります。同じ塾でも1対1の指導は1対2より単価が高く設定されることが多いので、形態ごとの料金を確認しましょう。個別指導の仕組みをもう少し知りたい方は、個別指導塾の特徴と選び方も参考になります。
料金だけで形式を決めないほうがよい理由
集団塾は月謝が安く見えても、授業についていけずに個別指導を追加すると、かえって高くつくことがあります。反対に、周りと競い合うほうが頑張れるお子さんなら、集団塾のほうが費用に見合った効果を得やすいでしょう。
集団の授業が合うかどうか迷うときは、集団塾に向かない子の特徴を確認してから形式を選ぶと、後からの塾替えを防ぎやすくなります。
塾ではなく家庭教師も候補にするなら、家庭教師の料金相場で1時間あたりの目安や費用の内訳を比べられます。
月謝以外にかかる費用は?入会金・教材費・講習費の内訳
塾の費用は月謝だけではなく、入会金、教材費、季節講習費、模試代、設備費などが加わります。受験学年では特に講習費の割合が大きくなるので、年間でいくらかかるかを先に確かめておくことが大切です。
| 費用 | かかる時期 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 入会金 | 入塾時に1回 | キャンペーンや兄弟割引で免除されるか。 |
| 教材費 | 年度初めや講習ごと | 月謝に含まれるか、別に請求されるか。 |
| 季節講習費 | 春・夏・冬 | 参加が必須か、受けるコマ数を選べるか。 |
| 模試代 | 受けるたび | 塾の模試を受けるのが必須か、年に何回あるか。 |
| 設備費・管理費 | 毎月や半年ごと | 名目が違っても、同じ種類の費用が重なっていないか。 |
| 交通費 | 通うたび | 徒歩や自転車で通えるか、定期代がかかるか。 |
季節講習は年間の費用を大きく左右する
春期・夏期・冬期の講習は、通常の月謝とは別に請求されるのが一般的です。受験学年ほど講習のコマ数が増え、講習費も高くなる傾向があります。
塾によっては、在籍している生徒は原則として講習に参加する決まりになっている場合もあります。入塾前に、年間の講習日程と費用の目安を聞いておくと安心です。中学生の夏休みの講習については、中学生の夏期講習の費用と塾の選び方で詳しくまとめています。
入会金や教材費は割引の対象になることもある
入会金は、新学期や講習の時期にキャンペーンで無料になる塾があります。兄弟姉妹で通うと入会金や授業料が割り引かれる制度を設けている塾もあります。条件は塾ごとに違うので、公式サイトや面談で確認してください。
年間の総額はどう見積もる?入塾前に確認したいこと
月謝を12か月分足し、そこに入会金、教材費、講習費、模試代、設備費を加えた「年間総額」で比べるのが基本です。月謝だけで比べると、講習費の高い塾が安く見えてしまうことがあります。
見積もりをもらうときに聞いておきたいこと
- 月謝に教材費やテスト代が含まれているか。
- 春・夏・冬の講習は必須か、費用はどのくらいか。
- 受験学年になると、授業数や月謝がどう変わるか。
- 途中で科目やコマ数を減らせるか、退塾の手続きはどうか。
公式サイトに料金を載せていない塾も多いため、無料体験や面談の場で書面の見積もりをもらうのが確実です。複数の塾で同じ条件の見積もりをそろえると、比べやすくなります。
受験学年は講習や模試の分を多めに見込む
文部科学省の同じ調査では、公立中学生の23.3%が年間40万円以上を塾に支出していました。中3や高3で塾に通う場合は、通常の月謝に加えて、夏期講習や冬期講習、直前講習の費用を予算に入れておきましょう。
中1や高1のうちから、受験学年の料金表を見せてもらうのも一つの方法です。数年分の費用の見通しが立つと、家計の計画も立てやすくなります。
塾の費用を抑える方法と使える支援制度
費用を抑えるには、受講する科目とコマ数を目的に合わせて絞ることと、自治体の支援制度を調べることが有効です。無理に安い塾を選ぶより、必要な授業だけを受ける形に整えるほうが、学習の効果も落としにくくなります。
科目とコマ数を目的に合わせて絞る
苦手な科目だけを個別指導で受け、得意な科目は自分で勉強するといった組み合わせ方があります。コマ数を増やしすぎると、費用がかさむうえに復習の時間が足りなくなることもあるので注意が必要です。
月謝の安い塾の探し方は、安い塾の選び方と月謝を抑えるコツで詳しく紹介しています。高校生の場合は、高校生が通える安い塾の探し方もあわせて読んでみてください。
通塾にこだわらなければ、自宅で受けられるオンライン塾も選択肢になります。料金の目安はオンライン塾の料金相場と安く選ぶコツで確認できます。
自治体の助成金や貸付制度を調べる
自治体によっては、塾の費用を助成したり、無利子で貸し付けたりする制度があります。ここでは2026年9月時点の公式の案内から、代表的な2つを紹介します。
大阪市の大阪市習い事・塾代助成事業は、市内に住む小学5年生から中学3年生が対象です。月額1万円を上限に、市に登録された学習塾や家庭教師、習い事教室の費用に使えます。2026年4月からは、スマートフォンで使うデジタルクーポンに切り替わりました。
東京都の受験生チャレンジ支援貸付事業は、中学3年生や高校3年生などの受験生がいる、一定の収入以下の世帯が対象です。塾の受講料を30万円まで無利子で借りられ、高校や大学などに入学すると返済が免除されます。申し込みはお住まいの区市町村の窓口で行います。
対象や金額は年度によって変わることがあります。ほかの地域にお住まいの場合も、市区町村のホームページで「塾代」「学習支援」などの言葉で探してみてください。
まとめ
- 塾に通う家庭の年間の塾費用は、公立中学校で平均約34万9千円、公立高校で約38万1千円です。
- 受験学年では講習や模試が増え、費用が大きく上がります。
- 個別指導は指導形態とコマ数、集団塾は学年とコースで料金が決まるのが一般的です。
- 月謝だけでなく、講習費や教材費を含めた年間総額で比べましょう。
料金の安さだけでなく、お子さんに合った形式かどうかもあわせて考えると、納得のいく塾選びにつながります。