臨海セミナーの離職率は高い?退職理由と労働環境を公開情報で確認

臨海セミナーの離職率は高い?退職理由と労働環境を公開情報で確認

臨海セミナーの離職率は高いのか、辞める人はどんな理由で辞めているのか。就職や転職を考えている方にとって、気になるところですよね。塾の仕事は生徒の成長に関われる一方で、夜型の勤務や講習期の忙しさがあり、向き不向きが分かれやすい仕事です。

この記事では、運営会社の株式会社臨海が公開している募集要項や会社概要、厚生労働省の統計をもとに、離職率について分かることと分からないことを整理します。口コミサイトに多い退職理由と働きがい、入社前に確認しておきたい点もまとめました。

臨海セミナーの離職率は公表されていない

結論から言うと、臨海セミナーを運営する株式会社臨海は、離職率や新卒社員の定着率を公表していません。「離職率が高い」という話は主に口コミサイトの投稿から広まったもので、数字として確かめられるものではありません。

株式会社臨海はどんな会社か

株式会社臨海は、1974年に個人塾として始まった学習塾の運営会社で、本社は横浜市にあります。集団指導の臨海セミナーや個別指導の臨海セレクトを運営し、神奈川・東京・千葉・埼玉・大阪に教室があります。

臨海セミナーグループの会社概要によると、正社員数は1,502名(2025年9月現在)です。売上高は2016年3月期の約159億円から2026年3月期の約271億円まで伸びており、採用情報では教室数を500校以上としています。

募集要項で公開されている数字と非公開の数字

新卒採用サイトから案内されている募集要項(マイナビ2027掲載、2026年9月時点)を見てみましょう。働き方に関する項目は並んでいますが、新卒の離職者数と定着率の欄は「-」で、数字は出ていません。

項目募集要項の記載
新卒採用者数2023年223名、2024年213名、2025年162名。
新卒の離職者数・定着率非公開。
平均勤続年数非公開。
月平均の所定外労働時間非公開。
有給休暇の平均取得日数8.4日(2024年度)。
育児休業の取得率男性41.2%、女性100%(2024年度)。

毎年160〜220名ほどの新卒を採用していますが、そのうち何人が辞めたかは分かりません。そのため、外部から離職率を計算することはできないのが実情です。

「離職率が高い」という声をどう受け止めるか

口コミサイトには多くの投稿があり、若手の退職が多いと感じたという声も見られます。ただ、投稿するのは退職した人や不満を持った人に偏りやすく、書き込みの数や評価点から離職率を推し量ることはできません。

ネット上では「やばい」「パワハラ」といった強い言葉も目にしますが、個々の投稿の事実関係は外部から確かめられません。校舎や上司、配属コースによって働き方が大きく変わることも踏まえて読む必要があります。

塾を含む教育業界は離職率が高め

臨海セミナーに限らず、塾を含む教育業界は、若手の離職率が全産業の平均を上回っています。

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、大卒者の3年以内の離職率は全体で33.8%でした。これに対して「教育、学習支援業」は44.2%で、宿泊業・飲食サービス業などに次いで3番目に高い数字です。

高卒者でも、教育、学習支援業の3年以内の離職率は53.6%で、全体の37.9%を大きく上回ります。なお、この分類には学校や学習塾、習い事の教室などがまとめて含まれており、学習塾だけの数字ではありません。

塾の仕事で離職が起きやすい理由

塾の授業は学校が終わった夕方から夜に行われるため、勤務は午後から夜までが基本です。夏期講習や冬期講習、定期テスト前は授業が増え、受験期には面談や進路相談も重なります。

また、講師であっても生徒募集や退塾の防止といった教室運営の役割を担うことが多く、授業以外の負担を重く感じて辞める人もいます。こうした事情は多くの塾に共通しており、臨海セミナーだけが特別に厳しいかどうかは公開データからは判断できません。

口コミに多い退職理由と募集要項の記載

口コミサイトで退職理由としてよく挙がるのは、勤務時間の長さ、残業の扱い、授業以外の業務、休みの取りにくさの4つです。ここでは、それぞれを募集要項の記載と並べて確認します。

夜までの勤務と講習期の忙しさ

募集要項に記載された講師職の勤務時間は13時から22時で、実働は8時間です。口コミサイトには、授業準備や面談、生徒の質問対応で終業が遅くなる、講習期は特に忙しいという声が見られます。

夜型の生活リズムが自分に合うかどうかは、入社前に考えておきたい点です。

固定残業代(みなし残業)の仕組み

臨海の給与には、固定残業代が含まれています。2027年卒向けの募集要項では、大卒の講師職の月給は314,000円です。

内訳は、基本給170,000円、一律の調整給56,000円、一律の住宅手当10,000円です。これに固定残業代にあたる時間外手当78,000円(約44時間分)が加わります。

募集要項には、固定残業代を超えて働いた分は追加で支給すると明記されています。また、新卒採用サイトのよくある質問では、みなし残業時間について「規定時間を超えたことはございません」と説明しています。

一方で口コミサイトには、残業が当たり前になっている、残業を申請しにくいと感じたという投稿もあります。基本給だけを見ると月給の印象より低くなるため、額面と内訳の両方を見て判断することが大切です。

授業以外の業務と数字の目標

臨海セミナーの講師職は、授業だけを担当する仕事ではありません。募集要項によると、集団指導の講師は授業に加えて生徒・保護者との面談を行い、掲示物の作成やイベントの企画も担当します。

個別指導の臨海セレクトでは、授業よりもマネジメントが中心です。生徒・保護者への対応、タイムテーブルの作成、講師スタッフの研修などを担います。個別指導の仕組みは臨海セレクトの評判・料金・特徴で紹介しています。

口コミでは、生徒数の目標や入塾・退塾の数字へのプレッシャーを負担に感じたという声が目立ちます。教えることに集中したいと考えて入社した人が、業務の幅とのギャップに悩んだという投稿も見られます。

休日と有給休暇の取りやすさ

募集要項では、年間休日は115日で、年間カレンダーによる変形労働制をとっています。週休2日のほか、祝日、ゴールデンウィーク、夏季、冬季の休みが設けられています。

有給休暇の平均取得日数は、2024年度で8.4日と公表されています。口コミサイトには、担当する授業のコマが決まっているため私用で休みにくい、講習期やテスト前は休日出勤があったという声が見られます。

職場の雰囲気と上司との関係

体育会系の雰囲気を感じた、上司との相性で働きやすさが大きく変わったという声もあります。反対に、教室のチームで生徒を見る雰囲気が好きだという声もあり、配属先によって受け止め方は分かれます。

入社後にハラスメントや長時間労働で困ったときは、社内の相談窓口のほか、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーに無料で相談できます。一人で抱え込まないことが大切です。

働きがいとして挙がる点

厳しい声がある一方で、臨海セミナーで長く働く社員もいます。口コミや公式の採用情報からは、研修の手厚さ、若いうちからの裁量、会社の安定性、生徒の成長に関われることが働きがいとして挙がっています。

研修とメンター制度

新卒採用サイトによると、講師職は入社後12月までの9か月間、週に1回の新人研修を受けます。2年目のフォローアップ研修や教室ごとの模擬授業もあり、塾講師の経験がない人でも授業の基礎を学べる仕組みです。

社員教育を担う「人材育成センター」という部署があり、新人には担当者がついて授業内容などの相談に乗ります。別の校舎の先輩がメンターとしてつく制度もあると紹介されています。

若いうちから教室運営を任される

口コミには、若いうちから教室長を任され、マネジメントの経験を積めたという声が多く見られます。募集要項にも、教室責任者や地域責任者などに管理職手当が付くことが記載されています。

反対に、役職に就かないと年収が上がりにくいと感じた人もいるようです。長く教壇に立ち続けたいのか、教室運営にも関わりたいのかで、この点の評価は変わります。

業績の安定と生徒の成長に関われること

売上高が長く伸び続けていることや、賞与が年2回(7月・12月)あることを安心材料に挙げる声もあります。そして特に多いのが、生徒の成績が上がったときや志望校に合格したときにやりがいを感じるという声です。

入社前に確認しておきたい5つのこと

離職率が分からない以上、自分に合う職場かどうかは、説明会や面接で具体的に確かめるのが確実です。次の点を質問しておくと、入社後のギャップを小さくできます。

  • 固定残業代が何時間分か、超えた分をどう申請して支給されるか。
  • 集団指導と個別指導のどちらに配属されるか、授業とマネジメントの比重はどのくらいか。
  • 講習期やテスト前の休日の取り方と、有給休暇を取るときの授業の代わり方。
  • 配属予定の教室が何人の社員で運営されているか。
  • 過去3年間の新卒採用者のうち、何人が辞めたか。

最後の点については、若者雇用促進法により、新卒の応募者は企業に職場情報の提供を求めることができます。ただし、企業に義務があるのは3つの分野ごとに1項目以上の提供で、離職者数を必ず教えてもらえるとは限りません。

配属については、新卒採用サイトのよくある質問に説明があります。自宅から1時間以内なら希望の地域に配属され、コースは選考中から内定期にかけて3回行う希望調査をもとに決まるとのことです。

通っている家庭は先生の入れ替わりを心配すべき?

お子さんを臨海セミナーに通わせている保護者の中には、先生の入れ替わりが気になって離職率を調べる方もいるかもしれません。大手の塾では異動などで担当の先生が変わることもあるため、気になるときは教室に引き継ぎの方法を聞いてみると安心です。

塾としての評判は、臨海セミナーが「やばい」と言われる理由の検証や臨海セミナーの口コミの傾向で詳しくまとめています。ほかの塾と比べたい場合は、中学生の塾の選び方も参考にしてください。

まとめ

  • 運営会社は離職率や新卒の定着率を公表しておらず、数字では確認できない。
  • 教育、学習支援業は大卒の3年以内離職率が44.2%で、業界全体として離職が多い。
  • 口コミに多い退職理由は、夜までの勤務、残業の扱い、授業以外の業務、休みの取りにくさ。
  • 研修の手厚さや若いうちからの裁量、生徒の成長に関われる点を働きがいに挙げる声もある。

働きやすさは配属先によって大きく変わります。口コミだけで判断せず、説明会や面接で気になる点を具体的に確かめてから決めてください。