欠席が増えてくると、「高校受験で不利にならないかな」と心配になりますよね。ただ、出席日数の扱いは都道府県や入試方式によってかなり違います。
この記事では、高校受験の出席日数がどう見られるのかを、公立高校・私立高校・推薦入試に分けて整理します。欠席が多いときに使える自己申告書の仕組みや、今からできる準備も紹介します。
高校受験の出席日数は合否に影響する?
結論から言うと、欠席日数の多さだけで不合格が決まるような全国共通のルールはありません。ただし、調査書に欠席日数が載る地域や、推薦入試の出願条件に欠席の上限がある学校では、事前の確認が欠かせません。
何日くらい休むと注意が必要かという日数の目安は、中学生は何日休むと受験に響くのかをまとめた記事で詳しく紹介しています。ここでは、入試の仕組みの中で出席日数がどう扱われるかに絞って説明します。
出席日数は調査書を通じて高校に伝わる
出席の状況は、主に中学校が作る調査書(内申書)を通じて高校に伝わります。調査書には各教科の評定のほか、都道府県によっては出欠の記録も書かれます。
調査書にどんな項目があるのかは、調査書の記載内容と内申書との違いで確認できます。なお、インフルエンザなどによる出席停止や忌引の日は、欠席日数とは別に扱われます。
国は欠席だけで不利にしないよう求めている
文部科学省は2026年6月にも、入試での欠席の扱いについて通知を出しています。高等学校入学者選抜等における配慮事項等について(通知)の主な内容は次のとおりです。
- 病気や事故など、本人に責任のない理由で休んだことだけを理由に、合理的な理由なく不利に扱わない。
- この理由には、新型コロナウイルス感染症の後遺症と考えられる症状や、月経随伴症状なども含まれる。
- 調査書に欠席日数の欄を設けるなら、理由を書ける欄や、本人が理由を申告できる機会を設ける。
- 不登校を経験した生徒について、欠席日数だけで出願を制限するような扱いをしないことが望まれる。
同じ通知では、教育支援センターやフリースクール、家庭でのオンライン学習など、学校の外での学びを選抜で考慮することも望ましいとしています。
公立高校では出席日数をどう扱う?
公立高校の入試で出席日数をどう扱うかは、都道府県ごとに決まっています。調査書に出欠の欄そのものがない地域もあれば、欠席の理由を説明する書類を出せる地域もあります。
調査書に出欠欄がない都府県もある
地域によっては、調査書に出欠の記録を書きません。文部科学省の令和7年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査を見ると、2025年春の入試で全校一律に出欠の記録を求めなかったのは10都府県でした。
具体的には、東京都・神奈川県・福井県・長野県・岐阜県・滋賀県・京都府・大阪府・奈良県・広島県です。
さらに埼玉県は、令和9年度入学者選抜のQ&Aで、調査書に「出欠の記録」を書く箇所をなくし、選抜の資料にもしないと示しています。令和9年度入試は、2026年度の中学3年生が受ける入試です。
制度は年度ごとに見直されることがあります。自分の県の最新の入学者選抜実施要項で確認しておきましょう。
欠席が多いときは自己申告書で事情を伝えられる
多くの県には、欠席が多い理由を本人が説明できる「自己申告書」の仕組みがあります。同じ調査では、本人が自己申告書を出せる(または提出を求める)県は、全校で実施しているところだけで26ありました。
書く内容は、欠席の理由や志望の動機、高校生活への抱負などが中心です。提出できる条件として、欠席日数の目安を示している県もあります。
たとえば栃木県は中学3年生の欠席日数が30日以上の場合を「欠席が多い」としています。青森県は、いずれかの学年の欠席がおおむね30日以上の人が、希望すれば提出できるとしています。
ネットでよく見かける「年間30日」という数字は、不合格のラインではありません。文部科学省の調査で長期欠席を数える区切りであり、県によっては事情を説明する機会を用意する目安として使われています。
長期欠席の生徒向けの選抜がある県も
調査書を使わずに選考する、長期欠席の生徒向けの選抜を行う県もあります。
- 埼玉県は令和9年度入試で、不登校の生徒などを対象とした特別な選抜を行います。
- 埼玉県のこの選抜では調査書を使わず、学力検査と面接、自己申告書などで選考します。
- 山梨県は2025年春の入試で、調査書を用いない「長期欠席者等を対象とした特別選抜」を行いました。
対象になる条件や試験の内容は県ごとに違います。利用を考えるなら、担任の先生と早めに確認しましょう。
私立高校や推薦入試では出席日数が重く見られる?
私立高校は、学校ごとに出願の条件や選考の方法を決めています。とくに推薦入試や単願(専願)では、欠席日数を出願条件に入れている学校があるので注意が必要です。
推薦や単願は出願条件を確認する
推薦入試では、欠席日数の上限を出願条件にしている学校があります。条件を満たしていないと、学力に関係なく出願できないことがあります。
上限の日数や、どの学年の欠席を数えるかは学校によって違います。志望校の募集要項は、中3の早い時期に確認しておきましょう。
単願と併願で出願条件が変わる学校もあります。方式ごとの違いは、単願と併願の違いと併願優遇の仕組みで紹介しています。
一般入試や個別相談で道が開けることも
一般入試では、当日の学力試験の結果を重視する私立高校もあります。欠席が多くても、試験で力を出せれば合格を目指せます。
欠席に事情がある場合は、学校説明会や個別相談会で率直に伝えてみましょう。出願できるか、追加で出す書類があるかを事前に聞いておくと安心です。
出席日数はいつまでの分が調査書に載る?
調査書は出願の前に作られるため、中学3年生の出欠は年度の途中までの記録になります。どの学年の分を載せるか、いつまでを数えるかは、都道府県が定める調査書の作成要領で決まっています。
区切りの時期は、担任の先生に聞けば教えてもらえます。区切りより前に欠席を減らせれば、その分は記録にも反映されます。
調査書に載る期間が終わっても、卒業までの授業は高校での学びにつながっています。入試が終わったあとも、生活リズムを崩さずに過ごしましょう。
欠席が多いと受験で何が不利になりやすい?
実際に影響が出やすいのは、欠席日数の数字よりも、評定と学力の遅れです。どちらも今から手を打てるので、順番に見ていきましょう。
評価の材料が減り評定が下がりやすい
評定は、定期テストや提出物、授業への取り組みなどをもとに各教科の先生がつけます。休みが続くと評価の材料が少なくなり、評定が下がったり、つけられなかったりすることがあります。
登校できる日は、定期テストと提出物を優先すると評定を守りやすくなります。評定が内申点にどう換算されるかは、内申点の出し方と計算方法で解説しています。
授業の遅れは当日の得点に響く
公立高校の一般入試では、当日の学力検査も合否に大きく関わります。数学や英語のように積み上げが大切な教科は、わからない単元を放っておくと取り戻すのに時間がかかります。
休んだ範囲は、教科書の例題と学校のワークで基本を固めましょう。わからないところは、先生や塾に質問して早めに解決しておくと安心です。
面接で欠席について聞かれることもある
面接がある入試では、欠席が多い理由を聞かれることがあります。事情は正直に短く伝え、そのあとに高校でどう過ごしたいかを話せるよう準備しておきましょう。
自己申告書を出す場合は、書いた内容と面接での話が食い違わないようにしておくことも大切です。
出席日数が不安なときに今からできることは?
最初にやりたいのは、担任の先生に状況を伝え、県の入試のルールと志望校の条件を一緒に確認することです。そのうえで、学びを続けている記録を残しておきましょう。
担任の先生と条件を確認する
確認しておきたいのは、次の3点です。
- 調査書に出欠の記録が載るか、載るならいつまでの分か。
- 自己申告書などで欠席の事情を伝える仕組みがあるか。
- 志望校の推薦や単願に、欠席日数の出願条件があるか。
担任の先生が事情を知っていれば、進路の相談でも状況に合った助言をもらいやすくなります。保護者も一緒に相談すると、話がスムーズに進みます。
学校の外での学びも記録しておく
教育支援センターやフリースクールに通った日は、一定の条件を満たせば校長の判断で出席扱いになることがあります。まずは担任の先生に、利用できるかを相談してみましょう。
家で取り組んだ教材や受けた検定、通った施設などを簡単に記録しておくのもおすすめです。自己申告書や面接で、学びを続けてきたことを具体的に伝えやすくなります。
通信制や定時制も含めて進路を考える
毎日の通学に不安があるなら、通信制高校や定時制高校も立派な選択肢です。どちらも卒業すれば、全日制と同じ高校卒業の資格が得られます。
高校に入ると、出席日数は単位の修得や進級に直接かかわるようになります。入学後の仕組みは、高校の出席日数が足りないときの影響と進級の基準で確認できます。
つらいときは専門の窓口を頼る
体調不良が続くときは、無理をせず医療機関に相談してください。学校に行きづらい気持ちが続く場合は、スクールカウンセラーや自治体の教育相談窓口で話を聞いてもらえます。
休んでしまうことを「甘え」や「怠け」と決めつける必要はありません。お子さんが話しやすい大人を一人見つけることが、次の一歩につながります。
まとめ
- 欠席日数だけで不合格が決まる全国共通のルールはなく、扱いは都道府県と入試方式で違います。
- 2025年春の入試では10都府県が調査書に出欠の記録を求めず、埼玉県も令和9年度入試から出欠欄をなくします。
- 欠席が多い場合は、自己申告書などで事情を伝えられる県が多くあります。
- 私立の推薦や単願は、欠席日数を出願条件にしている学校があるので募集要項で確認しましょう。
不安なときほど一人で抱え込まず、担任の先生と一緒に自分の県のルールを確かめるところから始めてみてください。