「毎日机に向かっているのに、テストの点数が上がらない」と悩んでいませんか。時間をかけているのに成績が伸びないときは、努力が足りないのではなく、勉強のやり方がずれていることがよくあります。
この記事では、成績が伸びない5つの原因と、今日から変えられる勉強法、保護者ができるサポートを順番に紹介します。
勉強しても成績が伸びない5つの原因
成績が伸びない原因の多くは、勉強の量ではなく中身にあります。次の5つに当てはまるものがないか、確認してみてください。
読み返しやまとめ直しが中心になっている
教科書を読み返したり、ノートをきれいにまとめ直したりしていると、勉強した手応えを感じやすいものです。ただ、テストで求められるのは、何も見ずに答えを思い出して書く力です。
米国心理科学協会の学術誌に2013年に掲載されたダンロスキーらの学習法のレビュー論文は、よく使われる10の勉強法を比較しています。その中で、読み返しや下線引きは「有用性が低い」と評価されました。一方で、練習テストと、間隔をあけた復習は有用性が高いとされています。
間違えた問題をそのままにしている
問題集を解いて丸つけをしたら終わり、という進め方では、できない問題はできないまま残ります。点数につながるのは、一度間違えた問題を自力で解けるようになったときです。
解説を読んで納得したら、答えを隠してもう一度解くところまでやりましょう。そこで手が止まる問題が、本当の苦手です。
今の学力に合わない教材を使っている
友達が使っているから、難関校向けで評判だから、という理由で選んだ問題集が、今の実力に合っていないことがあります。基礎が抜けたまま応用問題に取り組むと、解説を読んでも理解できず、時間だけが過ぎてしまいます。
解説を読んでも半分以上わからないときは、一つ前の学年や基礎レベルの教材に戻るのが近道です。遠回りに見えても、土台ができると応用問題の理解も速くなります。
計画がなく、得意な科目ばかり勉強している
その日の気分で教材を開いていると、好きな科目や得意な単元に時間が偏りがちです。苦手な部分が手つかずのまま残り、合計点が伸びません。
「いつまでに、どの教材を、どこまで終わらせるか」を決めておくだけでも、偏りに気づきやすくなります。
睡眠不足やスマホで集中できていない
夜遅くまで勉強しても、睡眠が削られていると翌日の授業や勉強に集中しにくくなります。厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023は、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するよう推奨しています。
同じガイドは、睡眠不足と学業成績の低下との関係にも触れています。また、スマホを手の届く場所に置いたまま勉強すると、通知のたびに集中が途切れてしまいます。
成績を上げる方法は「思い出す・間をあける・解き直す」
成績が必ず上がる方法はありませんが、効果が確かめられている勉強のやり方はあります。基本は、思い出す練習、間をあけた復習、間違えた問題の解き直しの3つです。
教科書を閉じて、思い出す練習を増やす
読んで覚えたつもりの内容も、何も見ずに書き出してみると意外に出てこないものです。教科書やノートを閉じ、覚えたことを白紙に書き出したり、問題集を解いたりする時間を増やしましょう。
英単語なら日本語を見て英語を書く、社会なら用語の意味を自分の言葉で説明する、という形で答えを引き出します。思い出せなかった部分が、次に復習すべき場所です。
一度に詰め込まず、日をあけて繰り返す
同じ内容を一晩で詰め込むより、日をあけて何度か復習したほうが記憶に残りやすくなります。先ほどのレビュー論文でも、間隔をあけた学習は有用性が高い方法の一つでした。
例えば、習った日の夜に軽く見直し、数日後と1週間後にもう一度問題を解く、という流れです。復習を入れる時期の目安は、定期テストに向けた復習のタイミングとやり方で詳しく紹介しています。
間違えた問題に印をつけ、解けるまで解き直す
問題集で間違えた問題には印をつけておき、2回目以降は印のついた問題だけを解き直します。すべてを最初からやり直すより、短い時間で弱点に集中できるのが利点です。
間違えた問題と解き方のポイントを一か所にまとめておくと、見直しが楽になります。ノートの作り方は、解き直しに使える過去問ノートの作り方を参考にしてください。
定期テストと受験で変えたい勉強の進め方
基本のやり方は同じでも、定期テストと受験では準備期間と使う教材が違います。目の前の目標に合わせて、進め方を調整しましょう。
定期テストは2週間前から逆算して学校のワークを回す
定期テストは、授業の内容や学校のワークと重なる問題が出やすいテストです。2週間前には範囲を確認し、「この日までにワークを1周終える」と締め切りから逆算して予定を立てます。
1周目で間違えた問題に印をつけ、2周目と3周目は印のついた問題を中心に解き直します。テスト前日までに、ワークの問題を何も見ずに解ける状態を目指しましょう。中学生向けの毎日の学習習慣は、成績が上がる中学生の勉強方法でも紹介しています。
受験は基礎を固めてから過去問に進む
受験に向けた長い勉強では、周りのペースに焦らず、基礎を固めることが先です。英単語や漢字、計算、基本の公式など、どの問題にも必要な土台から固めましょう。
模試の結果で弱い単元を確かめ、そこを優先して復習します。基礎が整ったら志望校の過去問に取り組み、時間配分や出題の傾向に慣れていきます。
正しいやり方で続けていても、成績がしばらく横ばいになる時期はあります。そうした時期の乗り越え方は、成績が伸び悩むプラトー状態の原因と抜け出し方で解説しています。
教科別に見る成績が伸びないときの見直しポイント
同じ「思い出す練習」でも、教科によって効果的な形は少しずつ違います。5教科それぞれで見直したい点をまとめました。
英語は毎日の音読と単語の書き出しを続ける
英語は、週に1回まとめて勉強するより、短い時間でも毎日触れたほうが身につきやすい教科です。教科書の本文を音声に合わせて音読すると、語順やリズムに慣れ、長文やリスニングにも役立ちます。
単語は、眺めて覚えるのではなく、日本語を見て英語を書くテスト形式で確認しましょう。
数学は途中式を書き、解き方を説明できるようにする
公式を丸暗記するだけでは、問題の形が変わると使えなくなります。なぜその公式を使うのかを説明できるようにしておくと、応用問題にも対応しやすくなります。
計算ミスが多い人は、暗算に頼らず途中式を書き、解き終わったら検算する習慣をつけましょう。
国語は語彙を増やし、根拠に線を引きながら読む
国語の土台は漢字と語彙です。1日10分でも続けると、文章を読むときの負担が軽くなります。
読解問題では、「しかし」「つまり」のあとの筆者の主張や、登場人物の気持ちが表れた言葉に線を引きながら読みます。答えの根拠を本文から探す癖がつくと、記述問題にも強くなります。
理科と社会は仕組みや流れを理解してから覚える
理科は、生物や地学のように覚える内容が多い分野と、電気や化学変化のように計算が必要な分野に分かれます。覚える分野は教科書の図と一緒に仕組みを理解し、計算の分野は問題演習の量を増やしましょう。
社会の歴史は、出来事を「なぜ起きたか」「その結果どう変わったか」という流れでつなげると覚えやすくなります。地理は地図帳を横に置き、場所と気候や産業を結びつけて覚えるのがおすすめです。
成績が伸び悩む子どもに保護者ができるサポート
保護者にできるのは、勉強を教え込むことより、続けやすい環境と気持ちを整えることです。お子さんを責めず、次の3つを意識してみてください。
点数より取り組み方に目を向けて声をかける
「どうしてこんな問題もできないの」「〇〇さんはもっとできているのに」といった言葉は、お子さんの自信を奪います。その結果、勉強への苦手意識がかえって強くなりがちです。
「自分から机に向かっていたね」「間違えた問題をやり直していたね」など、具体的な行動を認める声かけを意識しましょう。点数が上がらない時期でも、やり方を変えようとしていること自体は認めてあげられます。
睡眠と勉強する場所を整える
勉強する時間と場所が決まっていると、迷わず取りかかりやすくなります。夕食後の1時間はリビングの同じ席で勉強する、というように習慣にしてしまうのも一つの方法です。
睡眠を削って勉強時間を増やすのは逆効果になりやすいため、就寝時刻を家族で決めておくと安心です。先ほどの睡眠ガイドでも、デジタル機器は寝室に持ち込まず、別の部屋に置くことがすすめられています。
家庭だけで難しいときは学校や塾を頼る
親子だと感情的になりやすく、家で教えるのがうまくいかないこともあります。そのときは、学校の先生に苦手な単元を相談したり、塾や家庭教師を利用したりするのも選択肢です。
ただし、塾に通うだけで成績が上がるわけではありません。すでに通っている場合は、塾に通っても成績が上がらない理由と勉強の見直し方もあわせて確認しておくと安心です。
まとめ
勉強しているのに成績が伸びないときは、努力の量より、やり方を見直すことが近道です。
- 読み返しより、何も見ずに思い出す練習を増やす。
- 一度に詰め込まず、日をあけて復習する。
- 間違えた問題に印をつけ、解けるまで解き直す。
- 睡眠を削らず、集中できる環境を整える。
すべてを一度に変える必要はありません。まずは一つ選んで、今日の勉強から試してみてください。