目覚ましを止めたはずなのに、気づいたら家を出る時間になっていた。朝練や1時間目に間に合うか、毎朝ひやひやしている中学生・高校生は少なくありません。
早起きは、気合いだけではなかなか続きません。この記事では、朝起きられない原因と、朝と夜にできる早起きする方法、それを習慣にするコツをまとめました。
朝起きられないのは意志が弱いからとは限らない
朝がつらい原因の多くは、睡眠時間の不足と生活リズムのずれにあります。自分を責める前に、次の4つに当てはまらないか確かめてみましょう。
睡眠時間がそもそも足りていない
いちばん多い原因は、単純に眠る時間が足りないことです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することが勧められています。
たとえば6時に起きて8時間眠るには、22時には眠っている必要があります。部活や塾で毎日は難しくても、まずは今の睡眠時間を1週間記録して、どれくらい足りないのかを知ることから始めましょう。受験期の睡眠については、受験生に必要な睡眠時間の考え方で詳しく紹介しています。
寝る前のスマホで寝つきが悪くなっている
布団の中でスマホを見る習慣も、朝がつらくなる大きな原因です。厚生労働省のガイドによると、寝そべってデジタル機器を使うと画面が目に近くなり、ブルーライトを浴びやすくなります。その結果、寝つきや睡眠の質が悪くなるとされています。
動画やSNSは「あと1本だけ」と続けやすく、寝る時刻そのものが遅くなりがちな点も見逃せません。
休日の寝坊で生活リズムがずれている
平日の睡眠不足を休日の寝だめで取り戻そうとすると、生活リズムがずれてしまいます。平日と休日で起きる時刻が大きく違う状態は、「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」とも呼ばれます。日曜の夜に寝つけず、月曜の朝が特につらいなら、このずれを疑ってみましょう。
朝起きる理由がはっきりしない
何のために起きるのかが決まっていないと、温かい布団の誘惑に負けやすくなります。朝練に間に合わせる、朝ごはんをゆっくり食べる、登校前に英単語を10個覚えるなど、目的は小さなもので構いません。起きた後にやることを1つ決めておくと、布団から出るきっかけになります。
早起きする方法|起きてすぐにやる4つのこと
目が覚めたら、まず体に「朝が来た」と知らせることが大切です。起きてから数分でできることを4つ紹介します。
カーテンを開けて朝の光を浴びる
起きたら最初にカーテンを開け、朝の光を浴びましょう。厚生労働省のe-ヘルスネット「快眠と生活習慣」によると、人の体内時計の周期は平均すると24時間より長いとされています。そして、朝に浴びた光には体内時計の時刻を早める働きがあります。
朝の光を浴びないまま過ごすと、体内時計は少しずつ夜型にずれていきます。曇りの日も、窓際で朝ごはんを食べたり、明るい部屋で支度をしたりすることを意識してみてください。
アラームは布団から離れた場所に置く
目覚まし時計を枕元に置くと、寝ぼけたまま止めて二度寝しがちです。机の上など、立ち上がって数歩歩かないと届かない場所に置きましょう。
スマホを目覚まし代わりにしていると、後で紹介する「スマホを寝室に持ち込まない」工夫と両立できません。目覚まし時計を1つ用意すれば、スマホを部屋の外に置いたまま起きられます。
水を飲んで体を軽く動かす
布団から出たら、コップ1杯の水を飲み、大きく伸びをしたり肩や首を回したりしてみましょう。激しい運動は必要ありません。体を動かし始めると、布団に戻りたい気持ちを断ち切りやすくなります。眠気が強い日は、冷たい水で顔を洗うのも気分を切り替える方法です。
朝ごはんを食べる
厚生労働省の睡眠ガイドでも、子どもの生活習慣として、朝は太陽の光を浴びて朝食をしっかりとることが挙げられています。前の晩にパンやおにぎりを用意しておけば、時間がない朝でも食べやすくなります。
早起きは前の晩の過ごし方で決まる
翌朝の目覚めは、前の晩に何時に眠れたかで大きく変わります。夜のうちにやっておきたい準備を5つ紹介します。
起きる時刻から逆算して寝る時刻を決める
早起きの第一歩は、起きる時刻ではなく寝る時刻を決めることです。8時間眠ることを目安にすると、眠っていたい時刻は次のようになります。
- 6時に起きるなら、22時までに眠る。
- 6時30分に起きるなら、22時30分までに眠る。
- 7時に起きるなら、23時までに眠る。
布団に入ってから眠るまでには少し時間がかかります。寝つくまでの時間も見込んで、少し早めに布団に入るようにしましょう。
お風呂は寝る1〜2時間前に済ませる
e-ヘルスネットでは、就寝の1〜2時間前に入浴するのがもっとも効果的だとされています。湯船につかると体の内部の温度(深部体温)が上がり、それが寝つきを良くすると説明されています。シャワーだけで済ませがちな人も、早起きしたい日の前の晩は湯船につかってみてください。
スマホは寝室に持ち込まない
厚生労働省の睡眠ガイドでは、デジタル機器は寝室に持ち込まず、電源を切って別の部屋に置いておくことが勧められています。充電する場所をリビングに決めてしまえば、寝る前につい手に取ることもなくなります。
自分だけで守るのが難しいときは、「スマホは22時までにリビングへ」のように家族でルールを決めるのも一つの方法です。スマホとの距離の取り方は、中学生でもできるスマホの集中対策も参考にしてください。
夕方以降はカフェインを控える
コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには、目を覚ます作用があります。e-ヘルスネットでは、カフェインの代謝には個人差があり、敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよいとされています。
夜に勉強するときは、麦茶や水などカフェインを含まない飲み物を選びましょう。飲み物の選び方は、勉強中におすすめの飲み物と選び方でまとめています。
翌日の準備を夜のうちに済ませる
時間割の確認や持ち物、着る服、朝練の道具を夜のうちにそろえておきましょう。朝の支度が少なければ時間に余裕が生まれ、慌てて家を飛び出すことも減ります。
早起きを習慣にする3つのコツ
早起きは1日だけならできても、続けるのが難しいものです。無理なく習慣にするための工夫を3つ紹介します。
休日も平日と同じ時刻に起きる
厚生労働省の睡眠ガイドでは、週末や休日も普段と同じ時間に起きて日光を浴びることが勧められています。休日にたっぷり寝たい気持ちは自然ですが、起きる時刻を大きくずらすと、月曜の朝にまたつらさが戻ってきます。
眠り足りないと感じるときは、朝寝坊で取り戻すより、前の晩に早めに寝るほうが生活リズムを崩さずに済みます。夏休みなど長い休みの生活リズムは、中学生の夏休みの過ごし方も参考にしてください。
起きる時刻は15分ずつ早める
いつも7時に起きている人が、いきなり5時起きを目指しても長続きしません。まずは15分だけ早く起き、数日続けて慣れたら、さらに15分早めるというように少しずつ進めましょう。起きる時刻を早めた分だけ、寝る時刻も早めることを忘れないでください。
朝の楽しみを用意しておく
好きなパンを朝ごはんに用意する、登校前に好きな音楽を1曲聴くなど、朝に小さな楽しみを作っておきましょう。「朝はつらい時間」が「自分のための時間」に変わると、布団から出るハードルが下がります。早起きできた日にカレンダーへ印をつけていくのも、続ける励みになります。
早起きで生まれた時間はどう使う?
早起きして生まれた時間は、まず朝の支度にゆとりを持たせるために使いましょう。遅刻や忘れ物が減るだけでも、1日のスタートがずっと楽になります。
余裕が出てきたら、登校前の10〜15分で英単語や漢字、前の日の授業の見直しをするのもおすすめです。短い時間でも、毎日続ければまとまった勉強量になります。
早起きしたのに授業中に眠くなる場合は、睡眠時間が足りていないサインかもしれません。勉強中に眠くなる原因と眠気対策もあわせて確認してみてください。
どうしても朝起きられない状態が続くときは
生活リズムを整えても朝起きられない日が続く場合は、体の不調が隠れていることもあります。本人の努力不足や怠けと決めつけず、早めに相談することが大切です。
朝起きられないことに加えて、立ちくらみや疲れやすさ、長く立っていられないといった症状が続く場合は注意が必要です。済生会の解説によると、こうした症状が出る起立性調節障害は、小学校高学年から中学生に多くみられる体の病気です。生活に支障が出ている場合は、診察を受ける必要があるとされています。
保護者の方は、まずかかりつけの小児科や内科に相談してみてください。気持ちの面のつらさが関係していそうなときは、学校のスクールカウンセラーや自治体の教育相談窓口も頼れる相談先です。
まとめ
早起きする方法のポイントを振り返ります。
- 朝起きられない原因の多くは、睡眠不足と生活リズムのずれにある。
- 起きたらカーテンを開けて光を浴び、アラームは布団から離して置く。
- 寝る時刻を先に決め、スマホは寝室に持ち込まず、夕方以降のカフェインを控える。
- 休日も同じ時刻に起き、起きる時刻は15分ずつ早める。
まずは今夜、スマホを寝室の外に置くことから始めてみてください。