復習のタイミングとやり方|定期テストで忘れないための勉強法

復習のタイミングとやり方|定期テストで忘れないための勉強法

「毎日勉強しているのに、定期テストになると思い出せない」と悩む中高生は少なくありません。多くの場合、原因は能力や努力の量ではなく、復習のタイミングとやり方にあります。

この記事では、記憶の研究をもとにした復習のタイミングの目安と、点数につながる具体的なやり方、テスト2週間前からの進め方を紹介します。お子さんの勉強の様子が気になる保護者の方も、声かけの参考にしてください。

復習が定期テスト対策の土台になるのはなぜ?

人は覚えた直後から忘れ始めるうえ、授業で「わかった」内容も、自分で解けるとは限らないからです。復習は、この二つのすき間を埋めるための作業です。

覚えたことは最初の1日で大きく失われる

ドイツの心理学者エビングハウスは1880年代に、意味のない音の並びを覚え、時間をおいて覚え直す実験をしました。記録したのは「どれだけ忘れたか」ではなく、「覚え直す手間がどれだけ減ったか(節約率)」です。

節約率は20分後に約6割、1日後には約3分の1まで下がりました。その後の下がり方はゆるやかで、1か月後でも約2割が残っていました。

よく「1日で74%忘れる」と紹介されますが、これは覚え直しの節約率を読み替えたもので、正確な言い方ではありません。この曲線は2015年に、アムステルダム大学の研究者によるエビングハウスの忘却曲線の再現実験(PLOS ONE掲載)でも、ほぼ同じ形が確認されています。

大切なのは、忘れるのは自然なことだと知ったうえで、忘れきる前にもう一度その内容に触れることです。

「わかる」と「解ける」は別もの

授業で説明を聞いて納得できても、それはまだ「わかる」の段階です。たとえば数学の公式の意味を理解していても、初めて見る問題に自分で当てはめられるかは別の話です。

定期テストで問われるのは、何も見ずに「解ける」かどうかです。復習では説明を読み返すより、自分の力で思い出したり、問題を解いたりする時間を多くとりましょう。

点数を伸ばしたいときは、難しい応用問題より、多くの人が正解する基本問題を確実に解けるようにするのが近道です。復習以外も含めた毎日の勉強の組み立て方は、成績が上がる中学生の勉強方法と学習習慣で紹介しています。

復習のタイミングは当日・1週間後・テスト前が目安

1回目は授業の当日、2回目は数日〜1週間後、その後は間隔を広げて繰り返すのが基本です。

間をあけて繰り返す学習は「分散学習」と呼ばれます。同じ時間を一度にまとめて使うより記憶に残りやすいことが、多くの研究で確かめられています。

回数時期やること
1回目授業の当日ノートを閉じて、習ったことを思い出す。
2回目数日〜1週間後ワークの該当ページを解く。
3回目2週間後間違えた問題だけを解き直す。
4回目1か月後・テスト前範囲全体を問題で確認する。

これはあくまで目安です。部活や行事で予定どおりにいかない週は、翌日や週末にずらしてもかまいません。

1回目は授業を受けたその日のうちに

その日のうちに5〜10分でも見直すと、忘れきる前にもう一度記憶に触れられます。長い時間をかける必要はありません。

「数学で一次関数のグラフを習った」「英語で過去形の疑問文をやった」と、ノートを閉じて思い出すだけで十分です。思い出せなかったところだけ、ノートや教科書で確認しましょう。

2回目は少し忘れかけた数日〜1週間後に

翌日から1週間後くらいの、少し忘れかけた頃に2回目の復習をします。完全に忘れてからでは覚え直しになり、時間が多くかかってしまいます。

2008年には、カリフォルニア大学サンディエゴ校などの研究チーム(Cepedaら)が、1,350人以上を対象に復習の間隔を比べた研究を発表しました。テストまで数週間ある場合、最もよく覚えていられた復習の間隔は、テストまでの期間のおよそ2割でした。

テストが1か月後なら、1週間弱あけて復習するのがちょうどよい計算です。

3回目以降は2週間後・1か月後と間隔を広げる

2回目までで覚えた内容も、放っておけばまた薄れていきます。2週間後、1か月後と間隔を広げながら、問題を解いて確認しましょう。

1か月後の復習をテスト前の時期に重ねれば、それがそのままテスト勉強になります。日ごろの復習がたまっているほど、テスト前に覚え直す量は少なくなります。

寝る前の短い見直しは睡眠とセットで考える

英単語や漢字、理科や社会の用語などの暗記ものは、寝る前に短く見直すのも一つの方法です。

1924年にアメリカ・コーネル大学のジェンキンスとダレンバックが行った実験では、覚えた後に眠ったほうが、起きて過ごした場合より記憶がよく残っていました。記憶の定着に睡眠が関わることは、その後の研究でも繰り返し報告されています。

ただし、「寝る前の何分間が特別に効く」という決まった時間があるわけではありません。見直したあとはスマホを見ずに眠り、睡眠時間そのものを削らないことが大切です。

睡眠時間の考え方は、受験生に必要な睡眠時間と成績を守る睡眠のとり方で詳しく解説しています。

点数につながる復習のやり方5つ

効果が高いのは、読み返すより「思い出す」「解く」時間を増やすやり方です。次の5つは、どの教科にも使えます。

教科書とノートを閉じて思い出す

最初に教科書を開くのではなく、閉じたまま「今日は何を習ったか」を思い出してみましょう。自分で記憶を引き出すこの練習は「想起練習」と呼ばれます。

2006年には、ワシントン大学セントルイス校のRoedigerとKarpickeがテストで覚えた内容を思い出す効果についての実験を発表しました。文章を読み返した学生より、思い出すテストをした学生のほうが、2日後と1週間後によく覚えていました。

一方で、5分後のテストでは読み返したほうが成績がよかったそうです。読み返しは、その場では覚えた気になりやすいということです。

思い出せなかった部分だけ、ノートを開いて確かめます。白紙に書き出す、家族に口で説明するといった形でもかまいません。

読むより問題を解く時間を多めにとる

学校のワークや問題集を使い、実際に手を動かす時間を増やしましょう。読んでいるときは「わかったつもり」になりやすく、解いてみて初めて、分かっていない部分に気づけます。

読む時間と解く時間の比率に決まった正解はありません。迷ったら、復習の時間の多くを問題演習にあてると考えれば十分です。

間違えた問題に印をつけて解き直す

問題集で大切なのは、丸がついた問題より、間違えた問題とたまたま当たった問題です。解いた日付と印をつけておき、2回目以降はその問題だけを解き直しましょう。

解ける問題を何度も解くより、解けない問題に時間を使うほうが効率的です。間違いの記録のしかたは、解き直しで成績を上げる過去問ノートの作り方も参考になります。

人に教えるつもりで声に出して説明する

習った内容を、目の前に聞き手がいるつもりで声に出して説明してみましょう。「なぜこの公式を使うのか」「この出来事はなぜ起きたのか」を話そうとすると、言葉に詰まるところが出てきます。

そこが、まだ理解があいまいな部分です。詰まったところだけ教科書に戻り、もう一度説明できるか確かめます。

スキマ時間は暗記、机では考える問題

電車やバスでの移動中、休み時間などの短い時間は、英単語や漢字、一問一答の暗記に向いています。1回5分でも、1日に6回あれば30分になります。

一方、数学の文章題のように考える時間が必要な問題は、机に向かえる時間にまとめて取り組みましょう。時間の長さに合わせて内容を分けると、短い時間もむだになりません。

定期テスト2週間前からの復習スケジュール

2週間前からは新しいまとめ作りをやめ、ワークを軸にした総復習に切り替えます。

時期やること
2週間前〜1週間前全教科のワークを1周し、間違いに印をつける。
1週間前〜3日前印をつけた問題を解き直す。
前日最後まで解けなかった問題と暗記事項を確認する。

ふだんの予習は授業の準備と割り切る

予習に時間をかけすぎて、復習や睡眠の時間が削られるのは本末転倒です。予習は、授業をスムーズに受けるための準備と考えましょう。

英語の本文で知らない単語を調べる、数学の新しい単元を教科書で一度読んでおく、といった程度で十分です。学校から予習の課題が出ている場合は、その指示を優先してください。

予習で出た疑問を授業で解決し、復習で定着させる。この流れができると、テスト前に慌てることが減ります。

2週間前から1週間前はワークを1周終わらせる

まず、テスト範囲表と日程から逆算して、教科ごとにワークを何周するかを決めます。

2週間前から1週間前までに、全教科のワークを1周終わらせるのが目安です。間違えた問題には、この段階で必ず印をつけておきましょう。

最後の1週間は間違えた問題だけを繰り返す

最後の1週間は、印をつけた問題の2周目と3周目に集中します。3周目でも解けない問題は解き方を教科書で確認し、前日にもう一度解きましょう。

1週間前から始める場合の手順は、テスト1週間前から結果を出すための勉強法で詳しく紹介しています。

効果が出にくい復習のやり方3つ

時間をかけても点数につながりにくいのは、頭を使わずに「見る」「写す」だけで終わる復習です。

2013年にケント州立大学のDunloskyらが発表したレビューでは、10種類の学習法の効果が比べられています。練習テストと分散学習は効果が高いと評価された一方、線を引く、読み返すといった方法の評価は低いものでした。

ノートをきれいに書き直すだけで終わる

色ペンを使ってノートをまとめ直すのは、時間がかかる割に、頭を使わない「写す作業」になりやすい方法です。完成したノートを見て満足してしまうのも落とし穴です。

テストで問われるのは、ノートの見た目ではなく問題を解けるかどうかです。まとめ直す時間があれば、1問でも多く問題を解きましょう。

教科書を眺めたり線を引いたりするだけで終わる

教科書やプリントを読み返すだけでは、「わかったつもり」になりやすくなります。読んでいるときは理解できた気がしても、白紙の解答用紙を前にすると手が止まってしまいます。

読んだら閉じて思い出す、読んだら問題を解く、というセットで進めてください。

復習をテスト直前までためこむ

「部活が忙しいから、テスト前にまとめてやろう」と復習を後回しにすると、多くの内容を忘れた状態からのスタートになります。覚え直しに時間がかかり、範囲全体を回しきれない原因になります。

週末の30分や寝る前の10分など、短くてもこまめに見直すほうが、テスト前の負担は軽くなります。すでに時間が足りない場合は、テスト勉強が間に合わないときの最低限の対策から始めてみてください。

まとめ

復習で大切なのは、忘れきる前に思い出し、問題を解いて確かめることです。

  • 1回目は当日、2回目は数日〜1週間後、その後は間隔を広げて繰り返す。
  • 読み返すより、閉じて思い出す時間と問題を解く時間を増やす。
  • 間違えた問題に印をつけ、解けるようになるまで解き直す。
  • テスト2週間前からは、ワークを軸にした総復習に切り替える。

まずは今日の授業の内容を、寝る前に5分だけ思い出すところから始めてみましょう。保護者の方は、勉強時間の長さよりも「今日は何を習ったの?」と聞いてみると、お子さんが思い出すきっかけになります。