学歴ランクとは?大学序列の全体像と就職・年収との関係

学歴ランクとは?大学序列の全体像と就職・年収との関係

「学歴ランクって、結局どうやって決まっているの?」「就職や年収にはどのくらい関係するの?」と気になっている高校生や保護者の方は多いと思います。学歴ランクは公式な格付けではありませんが、大学選びや就職の話題ではよく使われる言葉です。この記事では、大学群で見た序列の全体像と、就職・年収との関係を、公的なデータをもとに整理します。

学歴ランクとは?国が決めた格付けではない大学序列の目安

学歴ランクとは、主に入試の難しさをもとに大学を並べた、世間で使われる目安のことです。法律や国が決めた格付けではなく、決まった計算方法もありません。

序列のもとになっているのは入試の難易度

学歴ランクの土台になっているのは、予備校が公表している入試の難易度です。たとえば河合塾は、合否の可能性が50%で分かれるラインを「ボーダーライン」と呼んでいます。

河合塾Kei-Netの入試難易予想ランキング表では、このボーダーラインを学部・学科ごとの偏差値で示しています。同じ大学でも、学部や入試方式によって数値は変わります。

河合塾自身も、ボーダーラインは入試の難易度を表すもので、大学の教育内容や社会的な位置づけを示すものではないと説明しています。学歴ランクは、あくまで入試の難しさから見た一面にすぎません。

世間で語られる学歴ランクには、知名度や就職実績のイメージが加わることもあります。そのため、話す人によって並び順が少しずつ違うのが実情です。

学歴ランクが気にされる理由

学歴ランクが話題になりやすいのは、日本の新卒採用では出身大学が目に入りやすいからです。多くの学生が同じ時期に就職活動をするため、大学名が比べられる場面が生まれます。

受験生にとっては、志望校が全体のどのあたりにあるのかを知る手がかりにもなります。「高学歴」と呼ばれるのはどの大学群からかという線引きは、高学歴はどこからかを整理した記事で詳しく解説しています。

学歴ランクの全体像は?大学群で見る序列

学歴ランクは、難易度の近い大学をまとめた「大学群」という通称で語られるのが一般的です。よく使われる大学群を、難易度の高いほうからおおまかに並べると次のようになります。

目安大学群主な大学特徴
最上位東京一工東京大、京都大、一橋大、東京科学大国立の最難関です。
最上位早慶早稲田大、慶應義塾大私立の最難関です。
上位旧帝大(東大・京大以外)北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大各地方を代表する国立大です。
上位上位国立筑波大、千葉大、横浜国立大、神戸大など旧帝大に次ぐ国立大です。
上位上理ICU上智大、東京理科大、国際基督教大早慶に次ぐ私立です。
中堅上位GMARCH学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政首都圏の上位私立です。
中堅上位関関同立関西、関西学院、同志社、立命館関西の上位私立です。
中堅上位〜中堅地方の国公立大金沢大、岡山大、広島大、新潟大など地域の中心となる大学です。
中堅日東駒専日本、東洋、駒澤、専修首都圏の中堅私立です。
中堅産近甲龍京都産業、近畿、甲南、龍谷関西の中堅私立です。
中堅の次大東亜帝国大東文化、東海、亜細亜、帝京、国士舘首都圏の私立大学群です。

大学群は受験の世界で使われる通称で、公式の区分ではありません。表の並びはおおよそのイメージで、実際の難易度は学部や入試方式によって前後します。学部ごとの偏差値は、大学のレベル一覧とランキングをまとめた記事で比べられます。

最上位は東京一工と早慶

国立の東京大、京都大、一橋大、東京科学大をまとめて「東京一工」と呼びます。東京科学大は、2024年10月に東京工業大と東京医科歯科大が統合してできた国立大学です。

私立では早稲田大と慶應義塾大が最難関とされ、「早慶」とまとめて呼ばれます。どちらも学部の数が多く、全国から受験生が集まる大学です。

旧帝大・上位国立・上理ICUが続く

旧帝大は、戦前の帝国大学を前身とする7つの国立大学の総称です。東大と京大のほかに、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大が含まれます。

筑波大、千葉大、横浜国立大、神戸大なども、旧帝大に近い位置で語られることが多い国立大です。私立では上智大、東京理科大、国際基督教大(ICU)がこのあたりに入ります。

「難関大学」と呼ばれる範囲がどこまでかは、人や資料によって違います。定義の考え方は、難関大学の定義と一覧をまとめた記事で整理しています。

GMARCH・関関同立は中堅上位の代表

首都圏のGMARCHは、学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政の6大学です。学習院を除いて「MARCH」と呼ぶこともあります。関西の関関同立は、関西、関西学院、同志社、立命館の4大学を指します。

どちらも受験者が多く、知名度の高い大学群です。ただ、同じ大学群の中でも学部による難易度の差は大きめです。6大学の並び順は、GMARCHの偏差値と序列を比べた記事で紹介しています。

日東駒専・産近甲龍と地方の国公立大

首都圏では日東駒専(日本、東洋、駒澤、専修)、関西では産近甲龍(京都産業、近畿、甲南、龍谷)が中堅私立の代表です。どちらも規模が大きく、全国的に名前が知られています。

金沢大や岡山大、新潟大など、各地域の国公立大もこの前後に位置づけられることが多い大学です。国公立大の一般選抜では共通テストと個別試験の両方に備えるため、偏差値の数字だけでは難しさを比べにくい面もあります。

大東亜帝国と「Fラン」という呼び方

中堅に続く首都圏の大学群としては、大東文化、東海、亜細亜、帝京、国士舘をまとめた「大東亜帝国」がよく知られています。

河合塾は、不合格者が少なく合格率50%となる偏差値帯がない場合を「ボーダー・フリー(BF)」としています。俗に「Fラン」と呼ばれることがありますが、正式な区分ではありません。

入りやすい大学でも、資格取得の支援や地元企業とのつながりに力を入れているところはあります。入試の難易度だけで、大学の良し悪しを決めつけないことが大切です。

学歴ランクは就職にどう影響する?

応募が集中する人気企業では、大学名が選考の入口に影響するといわれます。ただし、学歴だけで合否が決まるわけではありません。入口を越えた先では、面接などを通して本人の力が見られます。

学歴フィルターとは?企業は基準を公表していない

学歴フィルターとは、出身大学によって説明会の予約や書類選考に差がつくとされる仕組みです。応募者が多い企業が、選考の手間を減らすために使っているのではないかといわれています。

ただ、企業がその有無や基準を公表することはまずありません。ネット上では「人気企業はMARCH・関関同立が境目」といった話も見られます。実際の事情は企業や年度によって違い、外から確かめることはできません。

噂をうのみにするより、志望する大学が公開している就職実績を確かめるほうが確実です。どの業界にどれくらいの卒業生が進んでいるかを見ると、現実的な見通しが立てやすくなります。

インターンシップなど学歴以外で評価される機会も広がっている

大学名以外の材料で評価される仕組みも整ってきました。2022年6月には、文部科学省・厚生労働省・経済産業省によるインターンシップの基本的な考え方(いわゆる三省合意)が改正されています。

この改正により、2025年3月に卒業・修了する学生から、基準を満たすインターンシップで得た学生の情報を、企業が採用選考に使えるようになりました。

使えるのは採用選考の開始時期以降に限られ、実施期間が5日間以上(専門活用型は2週間以上)であることなどの基準があります。詳しくは文部科学省のインターンシップに関するページで確認できます。

このほか、企業が学生のプロフィールを見て声をかけるスカウト型の就職サービスもあります。大学名だけでは伝わらない強みを、早いうちから経験や成果として形にしておくと、選択肢が広がります。

学歴ランクと年収にはどんな関係がある?

国の統計で確かめられるのは、大学名ではなく最終学歴ごとの賃金の差です。大学ごとの年収は民間の調査が中心で、業界や職種の違いが大きく影響しています。

最終学歴別の賃金は大学卒が高校卒より月約10万円高い

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の月額の賃金(男女計)は次のとおりです。ここでの賃金は2025年6月分の所定内給与額で、残業代や賞与は含みません。

  • 高校卒は29万7,200円です。
  • 専門学校卒は31万3,700円です。
  • 高専・短大卒は32万1,200円です。
  • 大学卒は39万6,300円です。
  • 大学院修了は51万7,400円です。

年齢が上がるほど差は広がり、45〜49歳では大学卒が45万8,400円、高校卒が32万2,200円です。ただし、この統計は同じ仕事どうしを比べたものではないため、学歴だけが差の理由とは言い切れません。

この調査は毎年行われており、令和7年分は2026年3月に公表されました。数字は年によって変わるので、最新の結果は厚生労働省のページで確認してください。

大学別の年収ランキングは参考程度に

大学ごとの平均年収のランキングは、民間の調査会社やメディアが独自に出しているものです。回答者の年齢や業界の偏りで結果が変わるため、数字をそのまま比べるのは難しいといえます。

学歴ランクの高い大学ほど年収が高く出やすいのは、給与水準の高い業界に進む卒業生が多いことが大きな理由と考えられます。同じ大学の出身でも、選んだ業界や職種、働き方によって年収には大きな差が出ます。

業界・職種によって学歴の見られ方はどう違う?

大学名が話題になりやすいかどうかは、業界や職種によってかなり違います。目指す分野での傾向を知っておくと、学歴ランクを必要以上に気にせずにすみます。

大学名が話題になりやすい業界

総合商社や外資系コンサル、投資銀行、大手金融機関、大手広告会社、テレビ局などは、学歴フィルターが話題になりやすい業界です。知名度が高く、応募が集中しやすいことが背景にあります。

大手メーカーの研究職や技術職では、大学院で研究してきた人が多く採用される傾向があります。この場合は大学名に加えて、どんな研究に取り組んできたかが問われます。

スキルや資格が重視されやすい分野

ITエンジニアやWebデザイン、ゲーム開発などの分野では、作品や開発の経験が重視されやすい傾向があります。実際に作ったものを見せられると、大学名以上の説得力を持つことがあります。

医師、薬剤師、看護師、弁護士、公認会計士のように、国家資格が前提になる仕事もあります。こうした職業では資格を取ることが出発点で、その後の専門性や経験が評価の中心になります。

ベンチャー企業やスタートアップでも、行動力や実績を重視する採用が見られます。起業やフリーランスのように、出身大学がほとんど問われない働き方もあります。

専門学校・短大・高専・大学院の学歴はどう見られる?

専門学校や短大、高専、大学院は、4年制大学の大学群とは別の区分として見られます。有利か不利かは、目指す仕事によって大きく変わります。

専門学校・短大は職種との結びつきがカギ

応募条件を「大学卒業以上」としている求人では、専門学校卒や短大卒は対象外になることがあります。目指す職種の求人で、応募に必要な学歴を先に調べておくと安心です。

一方で、調理や美容、医療、ITなど、資格や技術と直結した職種もあります。こうした分野では、専門学校で身につけた力がそのまま評価されやすくなります。

高専は技術系の就職で評価が高い

高専は、中学校を卒業して入学する5年一貫(商船学科は5年6か月)の高等教育機関です。文部科学省によると全国に58校あり、卒業生は産業界からの評価が高いとされています。

令和6年度の卒業生9,755人のうち、58.2%が就職し、38.7%が進学しています。進学先には、2年間の専攻科のほか、大学への編入学があります。

高専を卒業すると「準学士」と称することができます。専攻科を修了して審査を受ければ、大学の学部と同じ学士の学位を得ることもできます。

大学院への進学と社会人の学び直し

大学院の修士課程を修了すると、最終学歴は大学院修了になります。先に見た統計でも大学院修了の賃金は高く、理系の研究職などでは修士修了者の採用が多い傾向があります。

学部とは別の大学の大学院に進む人もいます。ただ、企業によっては学部の出身校もあわせて見るため、大学院だけで評価が大きく変わると考えすぎないほうがよいでしょう。

社会人になってからは、放送大学などの通信制大学や、社会人向けの大学院で学び直す道もあります。ただ、中途採用では学歴よりも、仕事の経験やスキル、実績が評価の中心になります。

学歴ランクとどう向き合えばいい?

学歴ランクは、入試の難しさを中心にした一つの目安です。就職の入口で影響する場面はありますが、その後のキャリアは、大学で何を学び、どんな経験を積むかで大きく変わります。

志望校を考えるときは、学歴ランクだけで決めず、学びたい分野や将来の方向もあわせて考えてみてください。やりたいことがまだ決まっていない場合は、将来の夢がない高校生の大学選びと文理選択の進め方が参考になります。

この記事のポイントをまとめます。

  • 学歴ランクは入試の難易度をもとにした目安で、公式な格付けではありません。
  • 就職では大学名が入口で影響する場面もありますが、インターンシップなど学歴以外で評価される機会も広がっています。
  • 国の統計で分かるのは最終学歴別の賃金差で、大学名だけで年収が決まるわけではありません。
  • 高専や専門学校、大学院など、目指す仕事によって強みになる学歴は変わります。

学歴ランクに振り回されず、自分に合った進路を選ぶための材料の一つとして上手に使ってください。