「英検2級に強い高校はどこだろう」「志望校では、どのくらいの生徒が英検2級を持っているのだろう」と気になる保護者や中高生は多いはずです。
結論から言うと、英検2級に強い高校には「英語を使う授業が多い」「留学や発信の機会がある」「学校が英検受験を後押ししている」という共通点があります。また大阪府の公立進学校のように、入試制度の影響で英検2級を持って入学する生徒が多い地域もあります。
この記事では、共通点と公立・私立の具体例、志望校の取得状況の調べ方、取得までの計画を順に紹介します。学校の情報は公式サイトや公的資料で確認できる範囲で書いています。最新の状況は各校の募集要項や説明会で確認してください。
英検2級に強い高校の3つの共通点
英検2級の取得者が多い高校には、偏差値や公立・私立の違いを問わず、次の3つの特徴がよく見られます。
英語の授業で4技能を使っている
英検2級は、一次試験でリーディング・リスニング・ライティング、二次試験の面接でスピーキングが問われます。文法や読解だけでなく、英作文や発表まで授業で扱う学校では、英検の出題形式とふだんの学びが自然に重なります。外国人講師の授業やオンライン英会話を取り入れる学校もあります。
留学や英語で発信する機会がある
英検2級のライティングでは、英文の要約と、テーマについて意見と理由を書く問題が出ます。二次試験の面接でも、自分の意見を英語で述べる力が必要です。留学やディスカッション、プレゼンテーションの機会が多い学校の生徒は、こうした問題に慣れやすくなります。
学校全体で英検受験を後押ししている
学年ごとに目標の級を決めたり、先生が面接練習をしたりと、受験を個人任せにしない仕組みを持つ学校もあります。校内が準会場(学校などが団体で申し込んで受験する会場)になっていれば、受験のハードルも下がります。
英検2級のレベルと高校生の取得状況
英検2級は「高校卒業程度」が目安の級で、公立高校3年生のうち英検2級相当以上の力がある生徒は2割あまりです。
英検2級は高校卒業程度・CEFR B1の目安
英検協会は、2級のレベルの目安を「高校卒業程度」としています。合格者の英語力は、国際的な基準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)でB1にあたるとされます。B1は、身近な話題なら標準的な英語の要点を理解でき、筋の通った簡単な文章を書ける段階です。
一次試験と二次試験の両方に合格すると2級に認定されます。試験の全体像は英検2級とは?試験の概要と問題構成で詳しく解説しています。
公立高校3年生の2割あまりが英検2級相当
根拠は、文部科学省の令和7年度「英語教育実施状況調査」です。公立高校3年生のうち、CEFR B1(英検2級相当)以上の割合は23.9%でした。この数字には、資格の取得者に加えて、同程度の力があると先生が判断した生徒も含まれます。
調査開始以来の最高水準ですが、国が2027年度までの目標とする30%には届いていません。英検2級は高校生にとって誰もが取れる級ではないため、取得者が多い学校は英語教育に強みがあると考えられます。学年別の取得の目安は高校生と英検2級の関係をまとめた記事で紹介しています。
大阪府の公立進学校に英検2級の取得者が多い理由
大阪府の公立高校入試では、英検の級に応じて英語の得点が保障されます。そのため上位校の受験生の多くが、中学のうちに英検2級を取っています。
大阪府の一般入学者選抜には、英語の学力検査で外部検定の結果を点数に読み替える仕組みがあります。現行の制度では、英検2級なら英語の得点の80%、準1級なら100%が保障されます。当日の試験の点数のほうが高ければ、そちらが使われます。
週刊大阪日日新聞(2023年9月)は府教育委員会のデータをもとに、2023年春の入試で北野高校の受験生の95%が英語資格を活用したと報じました。天王寺高校は85%、茨木高校は83%で、上位10校の受験生の約6割が得点保障を得て試験に臨んでいたとされます。
つまり大阪の公立進学校の取得率の高さは、高校で伸ばした力だけでなく、入学前に身につけた英語力による部分も大きいのです。大阪・東京の高校入試での英検の扱いは英検2級の高校受験での優遇でもまとめています。
2028年春の入試から読み替え率が下がる
大阪府は、令和10年度(2028年春入学)の選抜から入試制度を見直すと発表しています。英検の読み替え率は、2級が80%から70%に、準1級・1級が100%から90%に下がります。
新しく設けられる「学校特色枠」は、各校が独自の方法で募集人員の一部を選ぶ枠です。この枠の選抜方法に「英語資格を活用しない点数とする」と明記している学校もあります。
2026年度の中学2年生から対象になるため、英検2級だけに頼らず、当日の試験で得点できる力をつけておくことが大切です。詳しくは大阪府の「令和10年度以降の公立高等学校入学者選抜制度について」や、志望校の募集要項で確認してください。
文理学科10校(天王寺・三国丘など)
大阪府は、次の10校をグローバルリーダーズハイスクール(GLHS)に指定しています。北野・豊中・茨木・大手前・四條畷・高津・天王寺・生野・三国丘・岸和田の10校です。
10校はいずれも文理学科を置く進学校で、英語の学力検査には最も難しいC問題を使ってきました。天王寺高校や三国丘(みくにがおか)高校もこの10校に含まれ、英検2級以上を持って受験する生徒が多い学校です。
千里高校・住吉高校など国際文化科のある学校
千里高校と住吉高校は、どちらも国際文化科と総合科学科という2つの専門学科を置いています。住吉高校の国際文化科では、1年生全員が英語の暗唱大会に参加します。2年生からは韓国・朝鮮語、中国語、フランス語、スペイン語から1つを第二外国語として学びます。
千里高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)にも指定されており、国際と理数の両面に力を入れています。どちらも英語の比重が高い学科を持つため、英検2級やその上の級を目指す生徒にとって選択肢になる学校です。
箕面高校・八尾高校・寝屋川高校など地域の進学校
文理学科に次ぐ地域の進学校でも、英検2級を持って受験する生徒は珍しくありません。箕面高校はグローバル科を置き、英語や国際理解の学びに力を入れています。
ただし2028年春の学校特色枠では、箕面高校や八尾高校のように英語資格を活用しない点数で判定すると示している学校もあります。志望校の選抜方法は、学年が上がるたびに最新の資料で確認しましょう。
英語教育に力を入れる私立高校の例
私立では、留学や英語で学ぶ授業を看板にする学校で、英検2級やその上の級を目指す生徒が多く見られます。
桃山学院高校(大阪)の国際コース
大阪市阿倍野区の桃山学院高校には、海外留学が必須の国際コースがあります。カナダへの約1年の長期留学か、約3か月の短期留学のどちらかを経験します。
ハーバード大学の学生がメンターとして入るオンラインワークショップや、外国人講師との個人レッスンもあります。学校は国際コースで全員が英検2級以上をめざすと掲げ、ケンブリッジ英語検定の受験にも力を入れています。
西大和学園・啓明学院など関西の私立
奈良県の西大和学園は全国有数の進学校です。中学3年のアメリカ研修や高校1年の海外探究プログラムなど、海外で学ぶ機会を設けています。
神戸市須磨区の啓明学院は関西学院の系属校で、関西学院大学への進学を見すえた一貫教育を行っています。学校を選ぶときは、海外研修の内容や英語の授業時間を説明会で確かめると比較しやすくなります。
広尾学園・三田国際科学学園・山手学院など首都圏の学校
東京の広尾学園にはインターナショナルコースがあり、社会・数学・理科などを英語で学びます。帰国生など英語力の高い生徒のグループ(AG)は、英検1級の取得を目標にしています。
三田国際科学学園(2025年4月に三田国際学園から校名変更)にも、英語で授業を行うインターナショナルクラス・コースがあります。横浜市の山手学院では、高校生全員がカナダやアメリカでホームステイをする北米研修プログラムを行っています。
こうした学校では、英検2級はさらに上の級へ進むための通過点と考えられることが多いです。
偏差値50前後や通信制の高校でも英検2級はねらえる
英検2級は、偏差値の高い学校の生徒だけのものではありません。正しい順序で対策すれば、どの高校からでも十分に目指せる級です。
偏差値50前後の高校から目指すコツ
英検2級で問われるのは、中学・高校で学ぶ英語が中心です。単語・熟語を固めてから過去問を解き、ライティングと面接の型を練習すると得点が伸びやすくなります。
一次試験はリーディング・リスニング・ライティングの合計スコアで判定され、合格基準スコアは1520点(1950点満点)です。満点を目指す必要はないので、得意な技能で稼ぎながら苦手な技能を底上げする戦略が有効です。具体的な手順は英検2級の勉強法ロードマップを参考にしてください。
学校の授業だけでは不安な場合は、英検に特化したマンツーマンのオンライン指導で、ライティングや面接を個別に見てもらうのも一つの方法です。
通信制高校の英検サポート
通信制高校の中にも、英検対策の講座や個別のサポートを用意している学校があります。自分のペースで学べるため、レポート学習と並行して資格取得を目指せます。
英検2級は、大学進学や就職の場面で英語力を客観的に示せる資格です。通信制高校を選ぶときは、英検のサポート体制や受験実績を説明会で確認しておくと安心です。
志望校の英検2級取得率を調べる方法
学校の英検実績は、主に次の3つの方法で確認できます。
- 学校の公式サイトや学校案内を見る。英検の取得状況や上位級の合格者数を載せている学校があります。
- 学校説明会やオープンスクールで質問する。パンフレットにない最新の状況を聞けることがあります。
- 大阪府立高校なら入試の資料や報道を見る。英語資格を活用した受験者の割合がわかることがあります。
数字を見るときは、それが入学前から持っていた資格なのか、高校で伸ばした結果なのかを分けて考えましょう。そうすると、その学校が英語力をどれだけ伸ばしているかが見えやすくなります。
英検2級の取得は中学から高校までの計画で考える
英検2級は、高校入学の前後にまたがる計画を立て、段階的に級を上げていくのが無理のない進め方です。
中学のうちに3級・準2級を固める
目安の一例は、中1で3級、中2で準2級、中3から高1で準2級プラスや2級に進む流れです。2025年度からは準2級と2級の間に「準2級プラス」が新設され、段階を踏みやすくなりました。
英検(従来型)は年3回実施され、飛び級での受験もできるため、不合格でも次の回に再挑戦できます。2026年度第3回の一次試験(本会場)は2027年1月24日(日)です。個人申込は10月30日から12月14日までで、支払い方法によって締切が少し早まります。日程や申込方法の最新情報は英検公式サイトで確認してください。
中学生のうちに2級を目指す方法は、中学生で英検2級に合格するための勉強法で紹介しています。
高校入学後も4技能を伸ばし続ける
英検2級は、大学入試で出願資格や得点換算に使われることが多い級です。高校では留学や英語での発表の機会を生かし、準1級も視野に入れて4技能を伸ばしましょう。
英検2級に強い高校を選ぶ意味は、入学後も英語力を伸ばし続けられる環境があることです。学校の特色と自分の目標を照らし合わせて、進路を選んでいきましょう。
学校の環境に加えて、家庭での学習の質も合否を左右します。級ごとに対策が変わるため、英検に特化したマンツーマン指導を取り入れるのも近道です。Jumpstart Englishは、小学生から高校生を対象に、英検全級に対応した完全マンツーマン・完全オンラインのレッスンを行っています。
