「指定校推薦の校内選考はいつ決まるの?」「評定平均はどれくらい必要なの?」と気になっている高校生は多いと思います。学校の中で候補者を決める手続きなので、外から情報が見えにくいのが不安の原因です。
この記事では、指定校推薦の校内選考が行われる時期、見られている材料、評定平均の基準の調べ方を整理します。文部科学省の実施要項と大学の公式な入試情報をもとにまとめました。落ちたときの切り替え方も最後に説明します。
指定校推薦の校内選考はいつ行われる?
結論から言うと、校内選考は10月までに終わるのが日程上の前提です。大学への出願そのものが11月に入ってからしか受け付けられないからです。
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は、学校推薦型選抜の入学願書受付を「令和8年11月1日以降」と定めています。判定結果の発表は12月1日以降です。
出願には、学校が作成する推薦書と調査書が必要です。校長名で出す書類なので、作成にも校内の手続きにも日数がかかります。そこから逆算すると、誰を推薦するかは10月のうちに決まっている必要があります。
具体的な日程は高校ごとに違う
校内選考の進め方は、国や自治体が決めているものではありません。希望調査の締切、面談の回数、選考会議の日付は、どれも高校が独自に決めています。
そのため「◯月◯日までに希望を出す」という情報は、進路指導部が配る資料にしか書かれていません。ネットの一般論ではなく、自分の学校の予定表を確認してください。夏休み前の段階で希望を聞く学校もあります。
校内選考から合格までの流れ
- 大学から高校へ、学科ごとの推薦依頼が届きます。
- 高校が希望者を募り、校内選考で候補者を決めます。
- 校長の推薦を受けて、11月1日以降に出願します。
- 大学が書類審査や面接を行います。
- 12月1日以降に合否が発表されます。
校内選考で見られているもの
中心になるのは評定平均です。ただし、それだけで決まるわけではありません。実施要項は学校推薦型選抜を「調査書を主な資料としつつ」評価する方式と説明していて、調査書には成績以外の記録も入ります。
推薦書についても、実施要項は志願者の学習歴や活動歴を踏まえた評価を書くものとしています。つまり高校は、成績と学校生活の両方を材料に候補者を選ぶことになります。
希望者が枠の数より多いときは、高校が順位を付けて選びます。評定平均が並んだ場合にどこで差を付けるかは、学校の方針によって違います。だからこそ、基準そのものを進路指導部に聞くのがいちばん確実です。
評定平均は1年生から積み上がる
評定平均は、正式には「全体の学習成績の状況」と呼ばれます。すべての科目の評定を合計し、評定の数で割って出します。1年生の成績もそのまま含まれます。
3年生の1学期や前期までの成績が入るため、追い上げられる幅は限られます。計算の詳しい手順と学習成績概評の段階は、調査書とは?何が書いてあるかで解説しています。
評定は定期テストの点数だけでは決まりません。現在の学習評価は3つの観点で行われ、提出物やレポートも材料になります。校内で実施される実力テストの扱いは、高校の実力テストは成績に入る?で整理しました。
出欠と生活面も記録される
調査書には出欠の記録の欄があります。欠席が多いと、校内選考でも大学の審査でも気にされることがあります。
ただし実施要項には、欠席の扱いについての留意事項が置かれています。本人に責任のない事情は備考欄に書く対応が示されており、大学にも配慮が求められています。事情がある人は担任に早めに伝えてください。欠席が続いている場合の影響は、高校を休みすぎるとどうなる?にまとめています。
部活・委員会・資格は補助的な材料
部活動や委員会、資格・検定は、調査書の「指導上参考となる諸事項」に書かれることがあります。ただし実施要項は、この欄を必要最小限にとどめるよう求めています。
評定平均が同じくらいの人が並んだときの判断材料、という位置づけで考えるのが現実的です。資格を入試でどう活かせるかは、漢検1級は意味ない?大学受験での活かし方も参考になります。
評定平均の基準は公開されていないことが多い
ここがいちばん知られていない点です。指定校推薦の評定基準は、大学が高校に個別に通知しているため、一般には公開されていない場合が多いのです。
たとえば横浜市立大学の指定校制学校推薦型選抜を見てみましょう。2027年度の出願資格は「高等学校在学中の学業成績が一定基準以上の者」です。詳細は指定校宛に通知すると案内されており、数値はサイトに出ていません。
上智大学の推薦入学試験(指定校制)も同じ形です。2027年度は「各学科の指定した学習成績の状況を在学全期間を通じて満たした者」を条件としつつ、具体的な基準は指定校に送る要項を見るよう案内しています。
つまり、自分の学校に来ている枠の基準を知っているのは進路指導部だけです。ネットで見かける「評定4.0以上」といった数字は、別の大学や別の年度のものかもしれません。必ず学校で確認してください。
指定校推薦は、募集人員の上限も国が決めています。実施要項は学校推薦型選抜の募集人員を、学部等の募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲で各大学が定めるとしています。大学全体の枠が限られているぶん、1つの高校に来る枠は1名や2名になることも珍しくありません。
指定校推薦は専願が原則
校内選考に応募する前に必ず知っておきたいのが、専願であることです。合格したらその大学に入学する前提で受けます。
横浜市立大学は出願資格に「本学への入学を強く希望し、合格した場合には入学することを確約できる者」と明記しています。上智大学も、他大学との併願はできないと案内しています。
実施要項もこの形を前提にしています。高校との丁寧なマッチングが図られ、合格したら入学することを志願者が確約して受験する非公募型については、面接の要否を大学が判断できるとされています。
枠は学校と大学の信頼関係で成り立っています。「第一志望かどうか」を自分に確かめてから希望を出すことが、後輩のためにもなります。迷っているなら、担任に正直に相談したほうが早く整理できます。
校内選考の前にできること
評定平均は一夜では動きません。それでも、選考までにできることはあります。
- 直近の定期テストを落とさないようにします。
- 提出物の期限と質を安定させます。
- 欠席や遅刻の事情は担任に共有しておきます。
- 志望理由を自分の言葉で書けるようにします。
- 枠の有無と基準を進路指導部で確かめます。
志望理由は校内の面談でも聞かれます。「家から近い」だけでは弱いので、学びたい内容と結びつけて話せるよう準備しておきましょう。
校内選考に落ちたときの切り替え方
落ちたとしても、その年の受験が終わるわけではありません。むしろ校内選考の結果が出る時期は、まだ選択肢が残っている時期です。
公募制の学校推薦型選抜は、指定校と同じく11月1日以降の出願です。総合型選抜は9月1日以降に出願が始まり、判定結果は11月1日以降に発表されます。日程が合う入試が残っていないか、募集要項で確認しましょう。
一般選抜に切り替える場合は、共通テストまでの残り期間を数えて計画を立て直します。進め方は高2から受験勉強を始めても間に合う?の手順が、高3後半からの立て直しにも使えます。
気持ちの整理には時間がかかって当然です。ひとりで抱えず、担任や進路指導の先生に次の一手を一緒に考えてもらってください。
まとめ
- 出願は11月1日以降なので、校内選考は10月までに終わります。
- 細かい日程は高校ごとに違うため、進路指導部の資料が正解です。
- 評定平均が中心ですが、出欠や活動の記録も材料になります。
- 評定の基準は指定校に個別通知されるため、学校でしか確認できません。
- 専願が原則なので、第一志望かどうかを先に自分に確かめます。
指定校推薦の校内選考は、特別な対策よりも、1年生からの積み重ねと正確な情報が効く仕組みです。まずは自分の学校に来ている枠を、進路指導部で確かめることから始めてみてください。