家で勉強できない原因は?集中できる環境と習慣の作り方

家で勉強できない原因は?集中できる環境と習慣の作り方

「学校や図書館ならできるのに、家だとどうしても勉強が進まない」。そんな悩みを持つ中高生は少なくありません。家で勉強できないのは、意志の強さだけの問題ではなく、家という場所の性質や環境が大きく関わっています。この記事では、家で勉強できない主な原因と、集中できる環境や習慣の作り方を紹介します。

家で勉強できないのはなぜ?学校との違い

一番の理由は、家がもともと「くつろぐための場所」だからです。学校や塾では勉強する時間と場所が決まっていて、周りにも机に向かう人がいます。家にはそうした区切りがなく、テレビやスマホ、ベッドなど、気持ちを緩めるものがすぐそばにあります。

つまり、家で集中しにくいのは自然なことで、自分を責める必要はありません。「甘えなのでは」と気になっている人は、家で勉強できないのは甘えなのかを考えた記事も読んでみてください。ここからは原因を一つずつ確認し、環境の側から整える方法を見ていきます。

家で勉強できない主な原因

原因は一つではなく、いくつかが重なっていることがほとんどです。自分に当てはまるものがないか、確かめながら読んでみてください。

スマホやゲームがすぐ手の届く場所にある

家には、スマホやゲーム、テレビ、マンガなど、すぐに楽しめるものがそろっています。通知が鳴るたびに手が止まり、気づけば30分たっていたという人も多いでしょう。

仙台市教育委員会と東北大学などは、「学習意欲」の科学的研究に関するプロジェクトを続けています。2013年度には、仙台市の小学5年生から中学3年生の調査結果を分析しました。スマホや携帯電話を長く使う子ほど、家で長く勉強していても成績が低い傾向が見られたと報告されています。同プロジェクトのリーフレットでは、使用時間を1日1時間までにするよう呼びかけています。

人の目がなく、緊張感が生まれにくい

教室や自習室では、周りの人も勉強しています。そのため、自然とほどよい緊張感が生まれます。自分の部屋にはその目がないので、少し休むつもりがそのまま寝てしまうこともあります。ベッドやソファのようにくつろげる場所が近いほど、気持ちは勉強から離れやすくなります。

家で勉強する習慣がまだできていない

帰宅後の過ごし方が決まっていないと、毎日「いつ始めようか」と迷います。迷っている間にスマホを見たりテレビをつけたりして、時間が過ぎていきます。帰ったらまずスマホを見るという流れができている人ほど、勉強に切り替えるのが難しくなります。

机や部屋が勉強に向いていない

机の上に関係のない物があると、つい手が伸びてしまいます。家族の話し声やテレビの音が聞こえる、部屋が暗い、椅子の高さが合わないといったことも、集中が続かない原因になります。

やることが決まっていない、気がかりなことがある

とりあえず机に向かっても、何から手をつけるか決まっていないと、なかなか進みません。友人関係や受験への不安などで頭がいっぱいのときも、集中しにくくなります。

気分の落ち込みや眠れない状態が長く続くときは、一人で抱え込まないでください。家族や担任の先生、スクールカウンセラーに相談してみましょう。

家に集中できる環境を作る4つの方法

家で勉強できるようにする近道は、やる気に頼らず、集中しやすい環境を先に整えることです。今日から始められる方法を4つ紹介します。

勉強する場所を決め、机の上は教材だけにする

まず、「ここに座ったら勉強する」という場所を一つ決めましょう。机の上には、その日に使う教科書やノート、筆記用具だけを出しておきます。マンガやゲーム機は引き出しや別の部屋にしまい、座ったときに目に入らないようにします。

自分の部屋で気が散るなら、リビングやダイニングのテーブルで勉強するのも一つの方法です。家族の気配がほどよい緊張感になり、分からないところをすぐに聞ける良さもあります。

スマホは別の部屋に置く

勉強中のスマホは、通知を切るだけでなく、別の部屋に置くか家族に預けるのが確実です。手元にあると、つい画面を見てしまうからです。調べものや音声教材でスマホを使うなら、使うアプリと時間を先に決めておきましょう。

iPhoneのスクリーンタイムやAndroidのDigital Wellbeingなどの機能を使うと、アプリごとに使える時間の上限を決められます。決めた時間が来るまで開かない鍵付きの箱(タイムロッキングコンテナ)に入れる人もいます。設定のしかたは、スマホをやめて勉強に集中するための対策で詳しく紹介しています。

音・明るさ・姿勢を整える

周りの音が気になるなら、家族にテレビの音量を下げてもらったり、耳栓を使ったりしてみましょう。手元が暗いと目が疲れやすいので、部屋の照明に加えて卓上ライトを使うのもおすすめです。

椅子と机の高さが合っていないと、体が疲れて集中が続きません。座り方や机まわりの整え方は、長時間でも疲れにくい勉強の姿勢と環境づくりを参考にしてください。

家族に協力をお願いする

家での勉強は、家族の協力があるとぐっと続けやすくなります。勉強する時間帯を家族に伝えて、その間は話しかけるのを控えてもらったり、テレビの音を小さくしてもらったりしましょう。

保護者の方は、部屋をのぞいて注意するより、勉強する時間と場所をお子さんと一緒に決めてみてください。自分で決めたルールのほうが、お子さんも守りやすくなります。スマホを預かるかどうかも、親子で話し合って決めましょう。

家で勉強する習慣をつけるコツ

環境を整えたら、次は勉強を毎日の流れに組み込みます。習慣になれば、机に向かうたびに迷うことが減っていきます。

始める時間と終わる時間を決める

「夕食の後、19時から20時まで」のように、勉強する時間帯を決めておきましょう。終わりの時間が見えていると、それまでは頑張ろうという気持ちになりやすくなります。最初は15分や30分など、短い時間からで十分です。

その日にやることを具体的に書き出す

「数学を勉強する」ではなく、「問題集の20〜25ページを解く」のように、やることを具体的に決めます。紙やノートに書き出しておけば、机に座ってすぐに始められます。終わったものに線を引いていくと、進み具合が目に見えて励みになります。

最初は「1問だけ」から始める

やる気が出ないときは、「教科書を開くだけ」「1問だけ解く」など、ハードルを思い切り下げてみてください。いったん手を動かすと、そのまま続けられることは少なくありません。できた日はカレンダーに印をつけるなど、小さな達成を積み重ねましょう。

同じ時間・同じ場所で続ける

習慣は、同じ場面で同じ行動をくり返すことで身についていきます。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームは、2009年に習慣づくりに関する研究を発表しました。参加者に毎日同じ場面で決めた行動を続けてもらったところ、自然にできるようになるまでの日数は18日から254日と、人によって大きな差がありました。

一方で、1日やり忘れても、習慣づくりへの影響は大きくなかったと報告されています。できない日があっても、翌日から再開すれば大丈夫です。

朝の時間を使ってみる

夜は疲れて集中できないという人は、朝に勉強する時間を作ってみましょう。家族が起きる前の時間は静かで、スマホの通知も少なく、落ち着いて取り組めます。ただし、睡眠時間を削ると日中の集中力が落ちてしまいます。朝型にするなら、寝る時間も早めることが前提です。

それでも家で集中できないときは場所を変える

環境を整えても家ではどうしても集中できない日は、勉強する場所を変えてみましょう。家は休む場所、外は勉強する場所と分けるのも、立派なやり方です。

図書館や公共施設の学習スペース

地域の図書館や公民館などには、無料で使える学習スペースがあることがあります。ただし、図書館によっては閲覧席での持ち込み学習を禁止していたり、学習室の利用時間や対象を決めていたりします。出かける前に、ホームページでルールを確認しておきましょう。

塾や学校の自習室

塾に通っているなら、自習室を積極的に使いましょう。周りも勉強しているので集中しやすく、分からないところを先生に質問できる場合もあります。塾に通っていない人が自習室を使える条件は、自習室だけ使える塾の条件と料金でまとめています。学校の図書室や自習室を放課後に使えるかどうかも、先生に聞いてみてください。

カフェやファストフード店

少しざわざわした場所のほうが集中できる人には、カフェも選択肢になります。ただし、混雑する時間帯の長居や勉強を控えるよう求めている店もあります。注文をしたうえで、混んできたら席を譲るなど、お店のルールとマナーを守りましょう。ほかの勉強場所も比べたい人は、近くで勉強できる場所の選び方も参考にしてください。

オンライン自習室

家から出られない日は、オンライン自習室を使う方法もあります。ビデオ通話で友だちとつなぎ、それぞれ黙って勉強するだけでも、見られている感覚が生まれます。動画サイトには、勉強する様子を配信する「勉強ライブ」もあります。サービスの種類や選び方は、オンライン自習室の仕組みと選び方で詳しく紹介しています。

知らない人とつながるサービスを使うときは、保護者と相談してから使いましょう。顔や部屋、制服が映らないようにし、名前や学校などの個人情報は伝えないことが大切です。

まとめ

家で勉強できないのは、家がくつろぐための場所で、誘惑が多く緊張感が生まれにくいからです。自分を責めるより、環境と習慣を少しずつ整えていきましょう。

  • スマホは別の部屋に置き、机の上は教材だけにする。
  • 勉強する時間とやることを、前もって具体的に決める。
  • 最初は「1問だけ」から始め、同じ時間・同じ場所で続ける。
  • 家で集中できない日は、図書館や自習室に場所を変える。

全部を一度に変える必要はありません。今日できそうなことを一つ選んで、試してみてください。