「英検準1級と数検準1級は、どちらが難しいの?」という疑問はよく聞かれます。結論からいうと、2つは測る力も試験の形もまったく違うため、どちらが難しいかは得意分野と進路によって変わります。
この記事では、英検準1級と数検準1級を試験内容・合格基準・合格率・進路での使い道から比べます。TOEICや漢検、数検1級との位置づけや、どちらを先に取るべきかの考え方もまとめました。
英検準1級と数検準1級の違いを一覧で比較
名前は同じ「準1級」でも、実施団体・レベル・試験の形はまったく別物です。まずは主な違いを表で確認しましょう。
| 項目 | 英検準1級 | 数検準1級 |
|---|---|---|
| 正式名称 | 実用英語技能検定 | 実用数学技能検定 |
| 実施団体 | 公益財団法人 日本英語検定協会 | 公益財団法人 日本数学検定協会 |
| レベルの目安 | 大学中級程度 | 高校3年程度 |
| 試験の構成 | 一次(リーディング・ライティング・リスニング)と二次(面接) | 1次(計算技能検定)と2次(数理技能検定) |
| 合格の基準 | 英検CSEスコアで判定(一次1792点・二次512点) | 1次は全問題の70%程度、2次は60%程度 |
| 合格率 | 現在は公表されていない | 24.3%(2025年度・国内) |
英検は「読む・聞く・書く・話す」の4技能を測る試験です。一方の数検は、計算力や数学的に考える力を記述で答える試験です。同じ「準1級」という名前から、同じ難しさだと考えないことが大切です。
英検準1級とは|レベル・試験内容・合格基準
英検準1級は、日本英語検定協会が「大学中級程度」を目安とする級です。社会的な話題について、英語で理解し、意見を伝える力が求められます。
試験の構成(2026年度)
- 一次試験:筆記90分(リーディング31問、ライティングは要約と意見論述の2題)、リスニング約30分(29問)。
- 二次試験:面接委員1人との面接で約8分。4コマのイラストを使ったナレーションと質疑応答。
2024年度のリニューアルで、ライティングに要約問題が加わりました。長文の話題は環境・医療・テクノロジーなど、学術的で社会性のあるものが中心です。
合格基準とCEFRの目安
合否は、正答数ではなく「英検CSEスコア」で決まります。CSEスコアは、英検協会が技能ごとの成績を共通の尺度で表した点数です。
準1級の合格基準スコアは、一次が1792点(満点2250点)、二次が512点(満点750点)です。この基準は回によって変わりません。詳しくは英検準1級の合格点とCSEスコアの解説をご覧ください。
協会は、2016年度第1回の一次試験で「準1級は各技能の正答率7割程度の受験者の多くが合格」と説明しています。あくまでその回のデータにもとづく目安です。
国際的な基準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に当てはめると、準1級の合格はB2相当が目安です。必要な語彙数は公式には示されていませんが、一般に7,500〜9,000語程度といわれます。
数検準1級とは|出題範囲・合格基準・合格率
数検準1級は、日本数学検定協会が「高校3年程度」を目安とする級です。高校数学の発展的な内容まで含む、高校数学の総仕上げといえるレベルです。
出題範囲と試験の形式
協会が示す検定の内容は、数列と極限、関数と極限、微分法・積分法、行列の演算と一次変換、複素数平面、統計処理などです。
- 1次(計算技能検定):7問・60分。
- 2次(数理技能検定):2題必須と、5題から2題を選ぶ選択問題・120分。
数検は、計算・作図・表現・証明などの力を記述で答える検定です。2次では電卓を使えます。1次か2次の一方だけ合格した場合は、次回以降にその部分の免除を申請できます。
合格基準と合格率
合格基準は、1次が全問題の70%程度、2次が60%程度です。協会が公表している国内の合格率は次のとおりです。
| 年度 | 1級 | 準1級 | 2級 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 9.4% | 24.3% | 33.5% |
| 2024年度 | 13.1% | 23.5% | 32.6% |
| 2023年度 | 8.5% | 20.9% | 32.3% |
準1級の合格率は、この3年間で2割台で推移しています。2級より明らかに低く、数学が得意な人にとっても簡単な級ではありません。
英検準1級と数検準1級はどちらが難しい?
合格率だけで2つを比べることはできません。英検協会は現在、級別の合格率を公表していないためです。
過去の公表値として出回っている数字では、英検準1級の合格率は16%前後(2015年度とされる参考値)です。ただし一次資料では確認できず、今の合格率とはいえません。英検の合格率の扱いは英検準1級の合格率と難易度の記事でも詳しく解説しています。
難しさの中身で比べると、違いがはっきりします。
- 英検準1級:語彙の多さ、長文の読解スピード、要約・意見論述、面接でのスピーキングなど、4技能すべてが壁になります。
- 数検準1級:高校3年までの幅広い単元を理解し、記述で正確に答える力が壁になります。
英語が得意な人には英検準1級が、数学が得意な人には数検準1級が取り組みやすく感じられるはずです。「どちらがすごいか」より「自分の強みと目標に合うのはどちらか」で考えるのがおすすめです。
英検準1級は、語彙・要約・面接と対策すべき範囲が広い級です。独学で伸び悩んだときは、英検に特化したマンツーマン指導で弱点を見つけてもらうのも一つの方法です。
TOEIC・漢検・数検1級との位置づけ
ほかの検定と比べるときは、測っている力と使われる場面の違いに注目すると整理しやすくなります。
TOEICとの比較
TOEIC L&Rはリスニングとリーディングの2技能をスコアで測る試験で、主に社会人の英語力の証明に使われます。英検準1級は、ライティングと面接を含む4技能で合否を判定します。
英検とTOEICの点数を直接換算する公式の表はありません。比べる場合は、両者をCEFRに当てはめた目安で考えます。詳しくは英検準1級とTOEICの比較記事で解説しています。
漢検準1級との比較
漢検(日本漢字能力検定)準1級は、常用漢字を含む約3,000字が対象とされる難関級です。国語力や教養の証明にはなりますが、大学入試で活用できる場面は英検ほど多くありません。
数検1級との比較
数検1級は「大学程度・一般」が目安で、多変数関数を含む解析、線形代数、確率統計などを扱います。2025年度の合格率は9.4%で、準1級よりさらに難しい級です。理系の大学・大学院を目指す人は、準1級の先に1級を目標にする道もあります。
大学受験・進路での活かし方
進路での使いやすさでは、英検準1級のほうが活用できる場面が多いのが実情です。ただし、どう使えるかは大学・学部・年度によって違います。
英検準1級の活用
英検は多くの大学入試で「英語外部試験」として使われています。使い方には、英語の得点への換算、加点、出願資格などがあります。
国際系・外国語系の学部では、英検準1級レベルを出願の条件にする入試方式もあります。条件は毎年見直されるため、必ず志望校の募集要項で確認してください。大学ごとの傾向は英検準1級が使える大学一覧にまとめています。
英検を語学力の証明として認める海外の大学やカレッジもあります。求められる級やスコアは学校ごとに違うので、留学先の条件を確認しましょう。
数検準1級の活用
数検準1級は、総合型選抜や学校推薦型選抜で数学への意欲や実力を示す材料になり得ます。理系学部を志望する人には、履歴書や活動実績に書ける客観的な証明にもなります。
一方で、一般選抜では入試そのものの得点が合否を決めます。数検の勉強と受験勉強のバランスは、志望校の入試方式を見て決めるとよいでしょう。
どちらを先に取るべき?進路別の考え方
どちらを先に取るかは、進路の目標しだいです。目安として、次のように考えると決めやすくなります。
- 文系・国際系・外国語系を目指す:英検準1級を優先します。入試で使える場面が多く、留学の準備にもつながります。
- 理系を目指す:英語は理系の大学でも必要なので、英検準1級は役に立ちます。数学の実績を示したい場合は、数検準1級もあわせて検討します。
- 両方取りたい:受験の時期が重ならないように、一方に集中する期間を決めて進めます。
英検準1級を目指す場合は、何から始めるかを先に決めておくと遠回りを防げます。英検準1級の合格戦略も参考にしてください。
まとめ|「準1級」という名前に惑わされないために
英検準1級と数検準1級は、同じ「準1級」でも内容・合格基準・使われる場面がまったく違います。大切なのは、取ったあとにその資格をどこで使うかを考えて選ぶことです。
英検の日程や検定料は年度ごとに変わります。最新情報は英検公式サイトで、数検の情報は数検公式サイトでご確認ください。
英検準1級は、要約や面接など自分では採点しにくい課題が多い級です。完全マンツーマン・完全オンラインで英検全級に対応するJumpstart Englishでは、小学生から高校生まで一人ひとりに合わせて英検対策を進められます。
