「英検準1級と数検準1級って、どちらが難しいの?」「同じ”準1級”でも内容は全然違うの?」という疑問を持つ方は少なくありません。名称が似ているため混同しやすいですが、この二つは試験の性質も難易度も大きく異なります。さらに、TOEIC・漢検など他の検定と比べたとき、どの資格をいつ取るべきか迷うケースも多いです。

この記事では、英検準1級と数検準1級を中心に、主要な資格・検定のレベルを徹底比較します。大学受験や進路選択での活用方法もあわせて解説しますので、どの資格を目指すか判断する際の参考にしてください。

英検準1級と数検準1級の基本情報

英検準1級と数検準1級は、どちらも「準1級」という名称ですが、測る能力も試験の構造もまったく異なります。それぞれの概要を確認しておきましょう。

英検準1級とは

英検(実用英語技能検定)準1級は、公益財団法人 日本英語検定協会が実施する英語の資格試験です。レベルは「大学中級程度」とされており、社会生活で求められる英語を十分に理解し使用できる力が求められます。必要な語彙力は約7,500〜9,000語とされており、英検2級に比べると2,500〜4,000語もの差があります。

英検準1級のCEFRレベルはB1からB2とされており、CSEスコアでは1980〜2599の範囲に相当します。試験は一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)と二次試験(スピーキング)で構成されており、4技能すべてが評価されます。

数検準1級とは

数検(実用数学技能検定)準1級は、公益財団法人 日本数学検定協会が実施する数学の資格試験です。数学検定の各級のレベルは「1級:大学・一般程度」「準1級:高校3年程度」「2級:高校2年程度」となっており、準1級は高校3年生レベルの数学が出題されます。

試験は一次試験(計算技能検定)と二次試験(数理技能検定)の2段階で行われます。出題範囲には微分積分、数列、確率・統計、ベクトルなどが含まれており、高校数学の総仕上げともいえる内容です。

難易度・合格率の比較

同じ「準1級」でも、合格率や難易度にはどのような違いがあるのでしょうか。データをもとに比較します。

英検準1級の難易度

英検準1級の合格率は、2016年以降は公表されていませんが、2015年までのデータでは約15%とされています。6.7人に1人しか合格できない計算になるため、難易度は「高い」といえます。

難易度をTOEICスコアに換算すると、740〜840点レベルに相当するといわれています。TOEICスコアが800点以上の場合でも、英検準1級の合格可能性は80%程度にとどまるとされており、英語の総合力が問われる試験であることがわかります。

一次試験の合格ラインは各技能で正答率約7割、二次試験では約6割が目安とされています。問題の内容は学術的・社会的なテーマが多く、単純な語彙暗記だけでは太刀打ちできません。読む・聞く・書く・話すの4技能すべてを高いレベルで仕上げることが合格への条件です。

数検準1級の難易度

2024年度の数検準1級の合格率は23.5%です。1級(13.1%)ほどではありませんが、2級(32.6%)に比べると明らかに難易度が高くなっています。

受検生の10代と20代以上がそれぞれ約50%を占める中で、20%以下という合格率は英検2級の合格率(約25%)を下回るものであり、数学がある程度得意な受検生の中でも決して簡単ではないことがわかります。

出題はすべて記述式で、解答過程を正確に表現する力も求められます。高校の授業をひと通りこなしていても、記述形式の答案作成には別途の対策が必要です。

英検準1級 vs 数検準1級 難易度まとめ

合格率だけを比べると数検準1級(約23%)のほうが英検準1級(約15%)より合格しやすく見えますが、単純な比較はできません。英検準1級は4技能の総合力が問われる一方、数検準1級は高校3年間の数学知識と記述力が求められます。どちらが難しいかは、受験者自身の得意分野によって大きく変わります。

他の主要検定との難易度比較

英検・数検だけでなく、TOEICや漢検など他の資格と比べるとどのようなポジションになるのでしょうか。

TOEICとの比較

英検準1級はTOEICスコアで740〜840点レベルに相当するとされています。ただし、試験の目的や評価基準が異なるため、一対一での換算には注意が必要です。TOEICがリーディングとリスニングの2技能を重視するのに対し、英検準1級はライティングとスピーキングも含む4技能を評価します。

社会人向けの英語力証明としてはTOEICが広く使われますが、大学受験や海外進学においては英検のほうが活用できる場面が多いというのが現状です。

漢検との比較

漢検(漢字検定)準1級は、常用漢字外を含む約3,000字の読み書きが問われる難関資格です。英検準1級と同じく合格率が15〜20%程度とされており、難易度の面では近いポジションといえます。ただし、漢検は語学系検定の中では大学受験での活用場面が英検より限られているため、進路に英語を活かしたい場合は英検準1級を優先するのが現実的です。

数検1級との比較

数学検定1級の合格率は5.7%程度で、出題範囲は大学程度・一般(理数系大学卒業程度)の内容が対象です。多変数関数などの解析分野、線形代数、確率統計など学習範囲が非常に広く、解答は全問記述式です。数検準1級がこの1つ下のレベルにあたるため、理系大学・大学院進学を視野に入れている場合はいずれ1級を目指すルートも考えられます。

大学受験・進路での活用比較

資格・検定を取得したとき、実際の進路にどのように活かせるのかを見ていきます。

英検準1級の大学受験活用

英検準1級は、日本国内の大学入試において幅広く活用されています。活用方法としては、英語試験の得点加算、英語筆記試験の免除、出願資格としての認定などがあります。国際教養学部や外国語学部など英語力が重視される学部では、英検準1級の取得が出願要件となる場合もあります。

例えば法政大学グローバル教養学部では、英検1級または準1級の合格かつCSEスコア2350以上の条件を満たす者のみが出願できる入試方式があります。大学によっては、準1級が単位認定に使えるケースもあります。

英検準1級は、取得しておくと大学受験から入学後まで長期にわたって活用できる資格です。

英検準1級の海外進学・留学活用

英検準1級は、海外の4年制大学への進学においてTOEFLと同様の語学力証明資格として認められているケースがあります。英検2級(2級A)が2年制大学(コミュニティカレッジ)の目安とされているのに対し、準1級は4年制大学進学の目安とされています。

また、英検は海外でも受験が可能です。海外本会場として、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ホノルルで受験できます。ただし、海外本会場での受験可能級は1〜3級のみとなっています。

在英の場合の目安として、現地校通学で英語圏滞在3年程度で準1級にチャレンジできるレベルになるとされています。海外在住の方や留学中の方にとっても、英検準1級は現地での英語力の客観的な証明として機能します。

数検準1級の進路活用

数検準1級を就職活動で活用できる場面はほとんどなく、主に履歴書に記載できる資格として位置づけられています。大学受験を目指すのであれば、数検の合格を目指して勉強するよりも、大学受験のための勉強をするほうが近道であるという意見もあります。

ただし、総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試では、「数検準1級取得」という実績が評価されるケースがあります。特に理系学部や数学が重視される学部を志望する場合は、客観的な数学力のアピール材料になり得ます。

英検準1級と数検準1級、どちらを先に取るべきか

結論からいうと、どちらを先に取るべきかは進路の目標次第です。

文系・語学系・国際系の進路を考えている場合は、英検準1級の優先度が圧倒的に高くなります。大学入試での優遇措置、海外大学への進学、留学時の語学証明など、英検準1級はほぼあらゆる進路シーンで活躍します。

理系・数学系の進路を考えている場合でも、英語力の証明として英検準1級の価値は変わりません。英語は理系の大学でも必須科目であり、大学院進学や研究職を見据えるなら英語力の担保は欠かせません。数検準1級はそれに加えて数学力のアピールとして取得を検討する、という順序が現実的です。

両方を取得する場合は、まず英検準1級に集中し、その後に数検準1級を目指すスケジュールが多くの受験生にとって無理のない進め方といえます。

「準1級」という名称に惑わされないために

英検準1級と数検準1級は、同じ「準1級」という名称でも内容・難易度・活用場面がまったく異なります。重要なのは、どちらが「すごい」かではなく、自分の目標に照らしてどの資格が必要かを判断することです。

大学受験・留学・就職活動など、取得した後にその資格をどんな場面で使うのかをイメージしながら学習を進めることが、最も効率的な資格取得の近道です。英語と数学のどちらも伸ばしたい方は、ぜひ両方の取得を視野に入れてみてください。