「大学受験用の参考書で、英検準1級の長文対策もできないかな」と考える人は多いでしょう。ルールズ、やっておきたい英語長文、入門英文問題精講、ネクステはどれも受験の定番書です。
結論からいうと、読解力の土台づくりには役立ちますが、英検の形式と語彙には別の対策が必要です。この記事では、4冊の特徴と英検準1級との相性、組み合わせ方を解説します。
大学受験の参考書は英検準1級の長文対策に使える?
使えます。ただし、役割を決めて使うことが大切です。4冊の位置づけをまとめると次のとおりです。
| 参考書 | 主な役割 | 準1級対策での使い方 |
|---|---|---|
| 関正生のThe Rules英語長文問題集(旺文社) | 長文を読むための「ルール」を学ぶ | 論理展開の追い方を身につける |
| やっておきたい英語長文(河合出版) | 長めの英文での演習量の確保 | 長文を読み切る体力をつける |
| 入門英文問題精講(旺文社) | 英文を正確に読む精読の基礎 | 構文をつかむ力を固める |
| Next Stage 英文法・語法問題(桐原書店) | 文法・語法の整理 | 読解の前提になる文法を確認する |
一方で、英検準1級のリーディングは全問が選択式で、語彙の難しさも受験英語とは傾向が違います。最終的には英検の過去問で形式に慣れることが欠かせません。
英検準1級リーディングの形式と大学受験との違い
参考書を選ぶ前に、英検準1級のリーディングの形を確認しておきましょう。一次試験は筆記90分(リーディングとライティング)とリスニング約30分です。
| 大問 | 内容 | 問題数 |
|---|---|---|
| 1 | 短文の語句空所補充 | 18問 |
| 2 | 長文の語句空所補充 | 6問 |
| 3 | 長文の内容一致選択 | 7問 |
2024年度のリニューアルで、リーディングは41問から31問に減りました。大問1は25問から18問に、長文の内容一致選択は10問から7問になっています。その分、ライティングに要約問題が加わりました。
大学受験の長文との違い
大学入試は大学ごとに出題形式が異なり、和訳や内容説明などの記述問題も多く出ます。英検準1級は、社会・科学・環境などのテーマの英文を読み、選択肢から答えを選ぶ形式です。
また、英検準1級は大問1の語彙問題の難しさが特徴です。受験用の単語帳では見かけない語も多いため、英検向けの単語帳で別に対策する必要があります。長文の解き方の全体像は英検準1級リーディング対策で詳しく解説しています。
ルールズは英検準1級に使える?
ルールズは、英検準1級の長文で必要な「論理の流れを追う力」を身につけるのに向いた問題集です。4冊の中でも、読み方そのものを学べる点で相性がよい1冊です。
ルールズの特徴
正式な書名は『関正生のThe Rules英語長文問題集』で、旺文社から2021年7月に刊行されました。1「入試基礎」、2「入試標準」、3「入試難関」、4「入試最難関」の4冊があります。
問題を解き、解説を読む中で、長文を読み解くための「ルール」を身につける構成です。3「入試難関」の場合、英文すべてに構文の解析が付き、音声もアプリやダウンロードで聞けます。
準1級対策でのおすすめの使い方
英検準1級を目指すなら、3「入試難関」から4「入試最難関」が取り組む目安です。問題を解くことよりも、解説にあるルールを理解することに重点を置きましょう。
ルールを覚えたら、英検の過去問で「このルールがどこで使えるか」を確かめます。逆接や因果関係を示す語に注目する読み方は、内容一致選択でも長文の語句空所補充でも役立ちます。
やっておきたい英語長文は英検準1級に使える?
やっておきたい英語長文は、長い英文を最後まで読み切る力をつける演習用として使えます。ただし設問は大学入試型なので、英検の形式対策にはなりません。
シリーズの特徴
河合出版の「河合塾SERIES」の長文問題集で、300・500・700・1000の4冊があります。改訂版は、300・500・700が2023年12月、1000が2024年5月に発売されました。
| 書名(改訂版) | 収録 | 英文の長さ |
|---|---|---|
| やっておきたい英語長文500 | 20題 | 400〜600語 |
| やっておきたい英語長文700 | 15題 | 600〜900語 |
| やっておきたい英語長文1000 | 10題 | 900〜1600語程度 |
500・700・1000の改訂版は、いずれも音声をダウンロードできます。700と1000は、よく出るテーマを網羅するように英文が選ばれ、背景知識の解説(Topic)も付いています。
準1級対策での使い方と注意点
英検準1級の対策に使うなら、700が中心になります。長めの英文に慣れておくと、本番で長文を読むときの負担が軽くなります。
設問には記述式も含まれるため、英検の選択式とは解き方が違います。読解の体力づくりに使い、形式の練習は英検の過去問で行いましょう。各長文の要約も、英検準1級の要約問題の練習に活用できます。
参考書を何冊か組み合わせると、どこから手をつけるべきか迷いやすくなります。弱点に合わせた順番で進めたい人は、英検に特化したマンツーマン指導で学習計画を立ててもらうのも一つの方法です。
入門英文問題精講は英検準1級に使える?
入門英文問題精講は、準1級の長文そのものより易しい英文で精読の基礎を固める本です。準1級対策の最初の段階で使うと効果的です。
4訂版の特徴
現在の最新版は、竹岡広信先生による「4訂版」で、旺文社から2019年7月に発売されました。英文読解に本当に必要なポイントに絞った構成で、72問を収録しています。
英文の音声と講義動画が付いているため、独学でも解説を理解しやすいのが強みです。音声は旺文社のアプリ「英語の友」でも聞けます。
準1級対策での使い方
英文の構造をつかむのが苦手な人や、読んでいるのに内容が頭に入らない人に向いています。主語と動詞、修飾関係を正確にとらえる練習を積むと、準1級の複雑な英文を読む土台ができます。
精読の基礎が固まったら、ルールズややっておきたい英語長文など、より長い英文の演習に進みましょう。
ネクステは英検準1級に使える?
ネクステは、長文を正確に読むための文法を整理する教材として使えます。ただし、英検準1級には文法だけを問う大問はありません。
ネクステの特徴
『Next Stage 英文法・語法問題』は、瓜生豊・篠田重晃編著の桐原書店の問題集です。「入試英語頻出ポイント218の征服」というサブタイトルのとおり、入試によく出る文法・語法を網羅しています。
現在は4th Editionが刊行されており、新装版も出ています。購入するときは出版社の最新情報を確認してください。
準1級対策で使うときのポイント
英検準1級の大問1は、文法ではなく語彙と句動詞の知識を問う問題です。そのため、ネクステだけで語彙問題の得点を上げるのは難しいでしょう。
ネクステは、長文や英作文で文法があいまいな部分を確認する用途に絞ると効率的です。語彙は英検準1級向けの単語帳で補いましょう。単語帳の選び方は英検準1級の単語帳ランキングを参考にしてください。
参考書を組み合わせた長文対策の学習プラン
4冊は得意分野が違うため、段階に合わせて組み合わせると効果的です。大学受験と並行する人は、次の流れを目安にしてください。
基礎期:精読と文法を固める
入門英文問題精講で英文を正確に読む練習をし、ネクステで文法のあいまいな部分を整理します。この段階では、英検の形式より英語の基礎力を優先しましょう。
強化期:長文の読み方と読解量を増やす
ルールズ3・4で論理の追い方を学び、やっておきたい英語長文700で長い英文に慣れます。英検準1級向けの単語帳もこの時期に並行して進めます。
仕上げ期:英検の過去問で形式に慣れる
最後は英検の過去問を本番と同じ時間で解き、時間配分を身につけます。2024年度のリニューアル後の形式で練習することが大切です。
過去問の入手方法は英検準1級の過去問の入手方法で、長文の語句空所補充の解き方は空所補充問題の攻略ガイドで解説しています。
まとめ|受験参考書は「読解力の土台」として使う
ルールズ、やっておきたい英語長文、入門英文問題精講、ネクステは、英検準1級の長文対策の土台づくりに役立ちます。ただし、英検の形式と語彙には過去問と専用の単語帳で備える必要があります。
受験英語で身につけた読解力は英検の得点につながり、英検の語彙力は大学入試にも活きます。両方を補い合う形で進めるのがおすすめです。
英検準1級は、長文に加えて要約や面接の対策も必要な級です。Jumpstart Englishは、完全マンツーマン・完全オンラインで英検全級に対応しています。小学生から高校生まで、一人ひとりの目標に合わせて準1級の対策を進められます。
