英検準1級の壁として多くの受験者がぶつかるのが、語彙の難しさです。単語だけを一生懸命覚えても、句動詞・副詞・英熟語への理解が追いつかないと、本番の試験でスコアに結びつかないことがあります。

この記事では、英検準1級合格に向けて押さえておきたい句動詞・副詞・英熟語の重要表現を体系的に整理し、効果的な覚え方や学習スケジュールまでわかりやすく解説します。

英検準1級で問われる句動詞・副詞・英熟語とは

英検準1級の語彙対策を進めるにあたって、まず「何を覚えればよいのか」を整理することが大切です。句動詞・副詞・英熟語は一見バラバラに見えますが、いずれも英検準1級の出題範囲に含まれる重要な語彙分野です。それぞれの特徴と出題形式を正しく把握することで、効率よく対策を立てられます。

句動詞・副詞・英熟語の違いと出題傾向

句動詞とは、動詞に前置詞や副詞が組み合わさって新しい意味を持つ表現のことです。たとえば “come up with”(〜を思いつく)や “carry out”(〜を実行する)がその代表例です。副詞は文全体や動詞・形容詞を修飾する品詞で、英検準1級レベルになると “presumably”(おそらく)や “considerably”(かなり)のように高度な語が問われます。英熟語は前置詞句を中心とした決まり文句で、”in terms of”(〜の観点から)や “on behalf of”(〜を代表して)などがよく登場します。

英検準1級の一次試験(筆記試験)は全42問のうち25問が単語・熟語に関するリーディング問題で構成されており、そのうち21問は単語に関する知識が、残り4問は熟語や句動詞についての理解度が求められます。

英検準1級 語彙問題における重要度

英検準1級では、出題される単語・熟語の数は英検2級の5,100語程度から7,500語程度に増加します。これは大学中級レベルに相当する難易度であり、日常会話で使う基本的な表現だけでなく、ビジネス・政治・科学に関する高度な語彙への対応が求められます。

句動詞は英会話の中で頻繁に使われる表現の一つであり、ドラマや映画でもよく登場します。英検準1級レベルの英単語は英会話ではあまり使わないものも多い一方、同レベルの句動詞は日常的に頻繁に使われるものが多い傾向があります。つまり、試験対策のみならず実用英語の習得という観点からも、句動詞・英熟語の学習は欠かせない分野です。

英検準1級 頻出句動詞リスト

英検準1級の句動詞は、数ある動詞の中でも特定の基本動詞を軸に出題される傾向があります。ここでは代表的な動詞ごとに分類して紹介します。まずは主要な句動詞を動詞のグループ別に整理し、効率的に覚えていきましょう。

動詞 come / go / take を使った重要句動詞

come up with(〜を考え出す・思いつく)は英検準1級の長文読解でも頻繁に登場するため、必ず押さえておきましょう。その他にも以下の表現が重要です。

  • come across:〜に偶然出会う / 〜という印象を与える
  • come down to:〜に行き着く・要約される
  • go through:〜を経験する・〜を調べる
  • go over:〜を見直す・確認する
  • take on:〜を引き受ける・(様相を)帯びる
  • take over:〜を引き継ぐ・乗っ取る
  • take into account:〜を考慮に入れる

これらは単体で覚えるだけでなく、文中での使われ方をセットで確認しておくことが重要です。たとえば “come across as” は「〜という印象を与える」という使い方で、ライティングでも活用できます。

動詞 give / put / turn を使った重要句動詞

  • give in:屈服する・折れる
  • give rise to:〜を引き起こす
  • put off:〜を延期する・うんざりさせる
  • put forward:〜を提案する・提出する
  • turn down:〜を断る
  • turn out:〜であるとわかる・結果的に〜になる

give rise toput forward は英検準1級のライティング(英作文)で非常に使いやすい表現です。「環境問題が新たな課題を引き起こす」「解決策を提案する」といった文脈で積極的に活用しましょう。

動詞 bring / carry / look を使った重要句動詞

  • bring about:〜をもたらす・引き起こす
  • bring up:〜を育てる・話題を持ち出す
  • carry out:〜を実行する・遂行する
  • carry on:続ける・継続する
  • look into:〜を調査する
  • look up to:〜を尊敬する

bring aboutcarry out は、特に英検準1級の長文読解・英作文の両方で頻出です。社会・環境・テクノロジーをテーマにした文章で繰り返し登場するため、文脈の中で自然に使える状態まで定着させましょう。

英検準1級 重要副詞リスト

英検準1級の語彙問題で出題される副詞は、程度・頻度・確信度などを表す高度なものが多くなります。単語単体で覚えるよりも、どのような文脈で使われるかを意識しながら学習することが大切です。

文修飾副詞(文全体に意味を加える副詞)

文修飾副詞とは、文頭や文中に置かれて文全体のトーン・話者の態度を修飾する副詞のことです。英検準1級の長文読解・リスニングの両方で登場します。

  • presumably(おそらく・推測するに):Presumably, the policy will be revised.
  • consequently(その結果として):Consequently, the project was delayed.
  • nonetheless(それにもかかわらず):Nonetheless, the team achieved its goal.
  • supposedly(伝えられるところでは・おそらく):She is supposedly the best candidate.
  • remarkably(驚くべきことに・著しく):The results were remarkably positive.

これらの副詞は、英文の論理展開を掴む上で重要な「つなぎ」の役割を果たします。長文読解の設問で「筆者の論調」を問われる場合、こうした副詞の意味を正確に理解していることが得点に直結します。

程度・頻度を表す副詞

  • considerably(かなり・相当に):The cost has increased considerably.
  • extensively(広範に・徹底的に):The topic has been studied extensively.
  • noticeably(目立って・顕著に):Prices have risen noticeably.
  • barely(かろうじて・ほとんど〜ない):She barely passed the exam.
  • substantially(実質的に・大幅に):The plan was substantially revised.

barely は「ほとんど〜ない」というニュアンスで、肯定文の形でも否定的な意味を持つ点に注意が必要です。英検準1級のリーディングでは細かなニュアンスの違いが問われることがあるため、こうした語の使い方に慣れておきましょう。

英検準1級 重要英熟語リスト

英検準1級の英熟語は、前置詞を含む決まった表現(前置詞句)が中心です。英検準1級の熟語問題では、基本的に句動詞(動詞+前置詞)が出題されます。以下では特によく出る前置詞のグループ別に整理して紹介します。

前置詞 in / on / at を使った重要英熟語

  • in terms of(〜の観点から・〜に関して)
  • in light of(〜を踏まえて・〜に照らして)
  • in the wake of(〜の後に・〜の結果として)
  • on behalf of(〜を代表して・〜のために)
  • on the verge of(〜の寸前で)
  • at the expense of(〜を犠牲にして)
  • at the mercy of(〜のなすがままで)

at the mercy of は「〜の情け次第の状態に置かれ、自分の力ではどうすることもできない」というニュアンスから「〜のなすがままになって」という意味を持ちます。たとえば “at the mercy of the market”(市場の動向に左右されて)のように使われます。

前置詞 by / for / with を使った重要英熟語

  • by means of(〜を使って・〜によって)
  • by virtue of(〜のおかげで・〜の力によって)
  • for the sake of(〜のために・〜を考慮して)
  • for the time being(当面・しばらくの間)
  • with regard to(〜に関して)
  • with a view to(〜を目的として・〜を見越して)

by means of は「〜という手段によって、〜を用いて」という意味で、手段・方法を示す際に使われます。ライティングで “by means of technology”(テクノロジーを活用して)のように応用できる便利な表現です。 Note

句動詞・副詞・英熟語の効果的な覚え方

語彙を丸暗記するだけでは、試験本番で使えない知識になりがちです。英検準1級の語彙を確実に得点力に変えるには、「インプット→整理→アウトプット」という3段階のアプローチが有効です。

文脈の中で覚えるインプット学習法

英熟語は例文とセットで覚えることが定着の近道です。熟語は単語単体の意味とは違うことが多いため、「ひとまとまりの意味」として覚えることが大切です。たとえば “give in” は「与える+中に」ではなく「屈する」という意味で使われます。

英検準1級の過去問や長文読解素材の中で実際に使われている文脈を確認しながら学習することで、試験でも迷わず意味を特定できるようになります。また、過去問や実際の長文で熟語を「見つける」「気づく」という経験が記憶を強化します。

語源・前置詞のイメージで体系的に覚える方法

英熟語を1つずつ丸暗記しようとすると限界があります。そこで効果的なのが、前置詞のコアイメージから意味を推測する方法です。

英熟語の覚え方として、動詞と前置詞それぞれが持つ意味を直訳してみる方法が有効です。たとえば “pass away” であれば「現世を通り過ぎて離れてしまう」という直訳から「亡くなる」という意味を類推できます。

また、句動詞に含まれる動詞の意味や前置詞のコアイメージから正解を絞り込むテクニックは、試験まで時間がない人や暗記が苦手な人にも役立ちます。たとえば “into” は「内側へ入っていく」イメージがあるため、”look into”(調査する=中を見ていく)、”turn into”(〜に変わる)のように関連づけて覚えることができます。

アウトプットを活用した定着法

インプットした表現を定着させるには、自分で使ってみるアウトプット学習が欠かせません。英検準1級の英作文(ライティング)は、覚えた句動詞・英熟語を実際に使う絶好の練習機会です。

覚えた英語を使って英作文をしてみることで語彙の定着度が高まります。たとえば “bring about” を使った英文を自分で作る、”in terms of” を使って意見を述べる練習をするなど、表現を積極的に使う機会を作ることが重要です。音読も効果的なアウトプット法であり、口に出して繰り返すことで記憶に定着しやすくなります。

英検準1級 語彙対策の学習スケジュール

句動詞・副詞・英熟語を効率よく習得するためには、計画的な学習スケジュールが必要です。上位平均文字数や出題範囲を踏まえ、試験3ヶ月前を目安にスケジュールを組むことをおすすめします。

試験3ヶ月前からのスケジュール例

**1ヶ月目(インプット期)**は、単語帳・熟語帳を使い、1日20〜30語・表現を目安にインプットを進めます。句動詞・英熟語は前置詞グループ別に整理しながら覚えると効率的です。

**2ヶ月目(確認・定着期)**は、英検準1級の過去問を素材に、実際の文脈で覚えた語彙が使われている場面を確認します。知らなかった表現をピックアップして復習ノートにまとめましょう。

**3ヶ月目(アウトプット期)**は、英作文の練習と並行しながら、習得した句動詞・英熟語を積極的に使う練習をします。直前2週間は過去問の大問1を繰り返し解き、語彙問題の解答精度を高めましょう。

おすすめ参考書・単語帳

英検準1級の語彙対策に広く使われている参考書を以下に紹介します。

『英検準1級 でる順パス単』(旺文社) は、過去問データをもとに頻出度順で語彙が整理されており、句動詞・熟語のセクションも充実しています。英検準1級対策の定番として長く支持されている一冊です。

『英熟語ターゲット1000』(旺文社) は、英熟語を体系的に習得したい方に適した参考書です。前置詞のイメージごとに整理されており、意味を類推しやすい構成になっています。

過去問集(公益財団法人日本英語検定協会 公式) は、語彙の実際の出題形式に慣れるために必須の教材です。大問1の熟語・句動詞問題を繰り返し解き、自分の弱点を把握しながら学習を進めましょう。

語彙の学習は地道な積み重ねが不可欠です。句動詞・副詞・英熟語を体系的に整理しながら、日々少しずつ覚える習慣を身につけることが、英検準1級合格への確かな近道となります。