英検準1級の合格を目指すとき、「全体的な実力はある程度ついているのに、ライティングだけ伸び悩んでいる」「長文読解の正答率がなかなか安定しない」と感じることはないでしょうか。そのような分野ごとの弱点を集中的に克服したいときに頼りになるのが、旺文社の「英検分野別ターゲット」シリーズです。この記事では、同シリーズから準1級向けに出版されている「ライティング問題」と「長文読解問題120」の2冊を詳しくレビューし、それぞれの特徴や活用法をご紹介します。

英検分野別ターゲットとはどんな参考書か

「英検分野別ターゲット」は、旺文社が手掛ける英検対策シリーズのなかでも、特定の技能・分野に絞って学べるのが最大の特徴です。総合問題集とは異なり、苦手な分野だけをピンポイントで強化できる仕組みになっています。

シリーズの特徴と構成

**「苦手分野だけを集中的に学べる」**ことが、このシリーズの最大の強みです。英検対策本には総合型の問題集が多いなか、分野別ターゲットはライティング、リスニング、リーディング、単語・熟語などカテゴリー別に1冊ずつ揃えられています。そのため、「リスニングは自信があるが、ライティングだけ不安」という受験者が無駄なく学習できる設計になっています。

また、各冊とも単なる問題演習にとどまらず、試験形式の解説・過去問分析・攻略ポイントの説明が充実しているのも特徴です。問題を解くだけでなく、なぜその答えが正しいのか、どういう観点が評価されるのかまで学べるよう工夫されています。音声ダウンロードや旺文社のリスニングアプリ「英語の友」への対応など、デジタルコンテンツとの連携も充実しています。

準1級の分野別ターゲットラインナップ

英検準1級向けのラインナップとしては、ライティング問題、リーディング問題(改訂版)、リスニング問題(改訂版)、単語・熟語問題(改訂版)などが揃っています。長文読解問題120は旧シリーズにあたりますが、準1級の長文力強化を目的とした演習量の多さから現在も多くの学習者に活用されています。自分の弱点に合わせて1冊ずつ選んで取り組むことができるのが、このシリーズを選ぶ大きな理由になっています。

英検準1級ライティング問題の特徴と攻略法

ライティングは英検準1級の合否に大きく影響するセクションです。問題の傾向をしっかりおさえてから教材選びをすることが、効率的な学習への近道です。

英検準1級ライティングの出題形式

2024年度のリニューアルから、英検準1級のライティングには要約問題が新たに追加されました。現在は大問4(英文要約)と大問5(英作文)の2問で構成されており、ライティング全体で750点満点となり、一次試験の3分の1のスコアを占めています。

採点基準は「内容」「構成」「語彙」「文法」の4つの観点からなり、それぞれ0〜4点で評価されるため、英作文は最大16点満点となります。

合格に向けてライティングで安定した点数を確保するためには、この4観点それぞれに対応した練習が欠かせません。単に英文を多く書くのではなく、論理的な構成を意識しながら練習することが求められます。

「英検分野別ターゲット 英検準1級 ライティング問題」の内容と使い方

本書は、英検準1級のライティング問題に特化した対策書です。試験形式と過去問分析、エッセーの構成、エッセーを書く準備から書き方まで、エッセーについて基礎から学べる構成になっています。オリジナル問題13問を収録しており、解答例はAgree/DisagreeまたはYes/Noの2パターンを掲載しているため、多様な解答パターンを学習できます。また、出題が予想される時事トピックの解説と語句・フレーズをまとめた別冊「時事解説&単語ブック」も付属しています。

具体的な使い方の流れとしては、まずChapter 1の「攻略ポイント」をじっくり読み、エッセーの書き方の基礎を理解することから始めましょう。ここで問題形式の理解と採点観点を意識した書き方の軸を作ります。次にChapter 2の練習問題に取り組み、社会・環境・テクノロジー・教育などさまざまなジャンルのトピックで実際に英文を書く練習をします。最後にChapter 3の模擬テストで本番同様の感覚を体験し、時間配分を意識した演習を重ねましょう。

別冊の時事解説&単語ブックには、人工知能・在宅勤務・観光資源など20のトピックが収録されており、英作文で使える語句や表現を効率よく学べます。時事問題に対する知識と英語表現の両面を一度に補強できる点が、この別冊の大きな価値です。

こんな人におすすめ

この教材は特に、以下のような方に向いています。

英作文の書き方の「型」がまだ身についていない方には、Chapter 1の解説が丁寧にその構造を教えてくれます。また、トピックに対して英語でどう意見を述べればよいかが分からない方にとって、Agree/Disagreeの2パターンを示した解答例は非常に参考になります。英語でロジカルな文章を書く練習が不足していると感じている社会人や大学生にも、取り組みやすい1冊です。一方、すでにエッセーの基礎が身についており、より多くの問題演習をこなしたい方には演習量が少し物足りなく感じる場合もあるかもしれません。その場合は本書で型を確認しながら、他の問題集と組み合わせて使うとよいでしょう。

英検準1級 長文読解問題120の特徴と活用法

長文読解は英検準1級の一次試験において、語彙問題と並んでリーディングの核をなすパートです。ここでしっかり得点できるかどうかが、合否を左右する大きな要因になります。

長文読解問題120の内容と構成

本書の前半には、まず英検準1級レベルへと読解力をアップさせるためのウォーミングアップ問題、そして過去問を徹底分析して良問を厳選し、効果が発揮されるように配列した練習問題が掲載されています。後半にはオリジナル問題から成る模擬テストが2回分収録されています。

構成としては大きく3部に分かれており、「ウォーミングアップ」「練習問題(語句空所補充問題・内容一致選択問題)」「模擬テスト」という流れで段階的に難度が上がっていきます。計120問という問題数の多さが最大のアドバンテージで、繰り返し演習することで長文に対する慣れと読解スピードが自然に身についていきます。

また、語句空所補充問題と内容一致選択問題という2つの出題形式をカバーしているため、準1級のリーディングパートを幅広く網羅的に練習できます。

効果的な使い方と学習ステップ

まず最初のウォーミングアップ問題に取り組み、準1級レベルの英文に慣れることから始めましょう。この段階では正解率よりも「英文を最後まで読み通す習慣をつけること」が大切です。

次に練習問題では、1問ごとに解説を確認しながら語彙と文脈の読み取り方を丁寧に学ぶことが重要です。わからなかった語句や表現はその都度メモし、語彙帳に加えていくと長期的な語彙力強化にもつながります。最後の模擬テストでは時間を計って本番に近い状態で取り組み、自分のスコアと弱点を客観的に把握しましょう。

2周目以降は解けなかった問題だけを重点的に復習する形で使うと、効率的に弱点を潰せます。英文の内容自体も多岐にわたるため、読み込むことで教養と背景知識の幅も広がります。

こんな人におすすめ

「長文が苦手で試験中に時間が足りなくなる」「内容はある程度わかるのに選択肢で迷ってしまう」という方に特に向いています。問題量が豊富なため、量をこなして長文に慣れることを重視する学習スタイルにフィットします。一方で詳細な文法解説を期待する場合は、他の解説重視の参考書と組み合わせて使用するとバランスが取れます。英検受験を目指す方に限らず、英字新聞や英語の学術文章を読む機会が増えてきた方の基礎固めにも適した1冊です。

ライティングと長文読解、どちらから始めるべきか

どちらから優先して取り組むべきかは、現在の自分の弱点と試験までの残り期間によって異なります。一般的な目安として参考にしてください。

ライティングを先に取り組むべき場合としては、英作文でほとんど点数が取れていない方、エッセーの書き方の基礎が身についていない方が該当します。ライティングは2問で750点満点となり、一次試験の3分の1のスコアを占めているため、問題数が少ない分1問あたりの影響が大きく、合否に直結しやすいパートです。そのため、ライティングが極端に弱い場合はまず基礎固めを優先することが合理的です。

長文読解を先に取り組むべき場合としては、すでにある程度ライティングの型が身についており、リーディングの速度や正確さに課題がある方が当てはまります。長文読解は問題数が多く、演習にも相応の時間がかかるため、余裕をもって取り組み始めることが大切です。

理想的には、両方の教材を並行して進めながら、より苦手な分野への比重を高めるやり方が効率的です。

分野別ターゲットシリーズを最大限に活かす学習スケジュール

上位平均文字数が6,000字超の難易度を誇る準1級に合格するためには、計画的な学習が不可欠です。以下は2冊を組み合わせた学習スケジュールの例です。

学習期間の目安として3〜4か月を想定した場合、最初の1か月でライティング教材のChapter 1(攻略ポイント)を読み込みながらChapter 2の練習問題を週2〜3問のペースで進めましょう。同時に長文読解問題120のウォーミングアップと練習問題前半も開始します。

2〜3か月目は、ライティングを模擬テストで仕上げながら、長文読解の練習問題後半を集中的に演習します。時事解説&単語ブックで語彙を補強しながら、英作文で使える表現を増やすことも意識しましょう。

最後の1か月は総仕上げとして、長文読解の模擬テストに取り組み、本番形式で通し練習を行います。解けなかった問題は必ず解き直し、弱点をつぶしてから試験に臨みましょう。

まとめ

旺文社「英検分野別ターゲット」シリーズのライティング問題と長文読解問題120は、準1級合格に向けて分野ごとの弱点を集中的に補強できる教材です。エッセーの書き方の基礎から実践問題まで体系的に学べるライティング問題と、120問という豊富な演習量で読解力を鍛えられる長文読解問題120は、それぞれ異なる役割を持つ対策書です。自分の課題が「書く力」にあるのか「読む力」にあるのかを明確にしたうえで、この2冊を効果的に組み合わせることが準1級合格への確実な一歩になります。