英検準1級の勉強を始めようとしたとき、「どの参考書を選べばいいのかわからない」と悩む方は少なくありません。数ある参考書のなかで、スタディサプリの人気講師・関正生先生が手がける「世界一わかりやすい」シリーズは、特に注目度の高い一冊です。

この記事では、関先生の英検準1級対策本の特徴・使い方・他書との比較を徹底的に解説します。自分に合った参考書選びの参考にしてください。

関正生先生とはどんな人物か

英検準1級の参考書を選ぶにあたって、まず著者である関正生先生について知っておくと、本の方向性がより理解しやすくなります。

プロフィールと実績

関正生先生は1975年東京生まれ。慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)を卒業後、英語講師としてのキャリアをスタートさせました。現在はリクルート運営のオンライン予備校「スタディサプリ」で英語講師を務めており、年間140万人以上の有料受講者を指導しています。TOEIC L&Rテストでは満点の990点を取得しており、受験英語から資格試験・ビジネス英語・日常会話まで幅広い指導実績を持ちます。著書の累計部数は300万部を超えており、現代の英語教育界において最も影響力のある講師のひとりです。

関先生の教え方の特徴

関先生の指導スタイルで際立つのは、「丸暗記させない」という姿勢です。なぜその答えになるのかという根拠や思考プロセスを丁寧に解説するスタイルは、単純な答え合わせに終わりがちな過去問学習に深みを与えます。英文法や読解においても「ルールを理解すれば自然と正解にたどり着ける」という考え方が一貫しており、英語を体系的に学びたい人に特に支持されています。

世界一わかりやすい英検準1級シリーズの概要

関先生が手がけた英検準1級対策本は、「世界一わかりやすい」シリーズとして過去問題集の形でKADOKAWAから刊行されています。

本の基本情報

本書の最新版(2021-2022年度用)は、関正生先生と桑原雅弘先生のふたりがタッグを組んで解説した英検準1級の過去問題集です。副題に「聞こえる耳をつくるリスニング解説が充実!」と掲げているとおり、リスニング対策に特に力を入れた構成となっています。収録されているのは3回分の過去問で、CD2枚が付属します。

なお、2024年度の英検リニューアルにより、準1級ではライティングが1題から2題に増加し、長文を読んで要約する「要約問題」が新たに追加されました。また、リーディングの問題数が削減され、試験時間も変更されています。本書(2021-2022年度用)は旧形式に対応したものであるため、最新の試験形式での対策には、2024年度以降の新形式に対応した問題集も合わせて活用することをおすすめします。

構成と収録内容

本書は大きく「準備編」と「答・解説編」のふたつのパートで構成されています。準備編では、大問別の傾向と対策ポイント、一次試験(筆記・リスニング)、二次試験(面接)の解説がまとめられており、はじめて英検準1級を受験する方でも試験の全体像をつかみやすい設計になっています。解説編では3回分の過去問を扱い、各問題について丁寧な解説が加えられています。

本書の3つの強み

多くの受験者から支持される理由は、この本ならではの3つの特長に集約されます。

解答プロセスまで解説してくれる

一般的な過去問題集では、正解の根拠部分を示すだけで終わることがほとんどです。しかし本書では、「なぜその選択肢が正解なのか」「なぜ他の選択肢では不正解なのか」という思考のプロセスまで丁寧に説明されています。この解説スタイルによって、正解・不正解のどちらからも学べるようになっており、過去問演習の質が大きく高まります。「答え合わせして一喜一憂するのではなく、ミスを対処できるようになった」という声が多いのも、この解説の充実度が理由です。

リスニング対策が英検以外にも応用できる

準1級のリスニングは、2級と比べて音声が長く、扱われる内容も難度が上がります。関先生は「音が聞き取れない最大の原因は、想定している発音と実際の発音のズレにある」と指摘しており、本書では音声スクリプトに実際の発音の変化が示されています。この解説を通じて、自分がどの部分でつまずいているのかを把握できるため、英検対策にとどまらず、総合的なリスニング力の底上げにもつながります。

3回分という量が「やり切れる」設計になっている

過去問題集のなかには6回分・9回分など大量に収録したものもありますが、それがかえって「やり切れない」という挫折につながるケースもあります。本書は3回分に絞ることで、1回ごとの解説を徹底的に充実させており、「3回分で十分な吸収ができる」と感じる受験者が多いのが特徴です。まず本書で3回分をしっかりやり込んでから、他の問題集に展開するという使い方が効果的です。

実際の使い方と学習ステップ

本書を最大限に活用するための具体的な使い方を紹介します。

Step 1:準備編で試験全体を把握する

まず過去問を解く前に、準備編を通読して英検準1級の試験形式・各大問の特徴・合格に必要な得点感覚を理解しましょう。特に二次試験(面接)の対策は早めに意識しておくことが重要です。

Step 2:制限時間内で本番形式の演習を行う

準備が整ったら、実際の試験時間を計りながら1回分の過去問を解きます。本番を想定した環境で解くことが実力把握の前提になります。リスニングはCDを使用し、音声のスピードや状況に慣れることを意識してください。

Step 3:解説を徹底的に読み込む

採点後は、正解した問題も含めて解説をすべて読み込みます。「なぜ正解なのか」を言語化できるようになることが、次の問題への応用力につながります。リスニングについては、スクリプトと音の変化の説明を照らし合わせながら、音読・シャドーイングを繰り返すことが効果的です。

Step 4:3回分を繰り返してから他書へ展開する

3回分の演習と復習が完了したら、同シリーズの内容を定着させたうえで、必要に応じて他の問題集へ移行します。特に語彙力の強化(単語集の併用)と、ライティング・面接対策の補強が合格に向けて欠かせないステップです。

他書との比較

本書を選ぶかどうかを判断するために、競合する代表的な参考書と比較してみましょう。

旺文社・英検準1級 過去6回全問題集

旺文社は英検書の販売冊数でNo.1を誇るシリーズです(日販調べ)。最大の特長は6回分の過去問を収録している点で、演習量を確保したい受験者に適しています。2024年度以降のリニューアルに対応した最新版も出版されており、新形式の要約問題の解説が加わっています。一方、解説のわかりやすさより量を重視したい場合には向いていますが、解説の詳細さという点では関先生本のほうが丁寧という意見が多いです。

英検準1級 赤本シリーズ(教学社)

大学受験でおなじみの赤本の英検対策版で、9回分の過去問が収録されています。徹底的に問題数をこなしたい受験者や、試験直前に出題パターンを幅広く確認したい方に向いています。ただし、解説の詳しさという面では本書ほどの深みはなく、ある程度の英語力がついた段階での活用に適しています。

どんな人に関先生の本が向いているか

解説の詳しさ・わかりやすさを重視する方、英語の「なぜ」を理解しながら学びたい方、スタディサプリを使っていて関先生のスタイルに親しみがある方には、本書が特に向いています。逆に、演習量の確保を最優先したい方や、2024年以降の新形式に完全対応した教材のみを使いたい方は、旺文社の最新版と組み合わせて使うことを検討してみてください。

本書を使う際の注意点

本書には多くの強みがある一方で、使う前に知っておくべき点もあります。

収録回数が3回分に限られる点は、演習量に物足りなさを感じる方には制約となります。本書だけで合格ラインに達しようとするのではなく、単語集・ライティング対策本・面接対策本と組み合わせて使うのが現実的です。

また、2021-2022年度用の本書は旧形式に対応したものであるため、2024年度以降に追加された要約問題やリーディング問題数の変更には対応していません。新形式の試験を受験する場合は、最新年度の問題集を別途用意することが必要です。

まとめ

関正生先生の「世界一わかりやすい 英検準1級に合格する過去問題集」は、解説の質と丁寧さという点では英検準1級の参考書のなかでも際立った一冊です。丸暗記に頼らず、英語の仕組みを理解しながら合格を目指したい方に特におすすめです。

一方で、試験形式が2024年に大きく変わったことを踏まえると、本書は「解説力を活かした実力養成」の位置づけで使い、新形式対応の問題集と組み合わせるのが最も効果的な活用法です。関先生のわかりやすい解説を土台にしながら、最新の出題傾向への対応も加えることで、英検準1級合格に向けた万全の準備が整います。