英検準1級を目指す人の中には、学校で配られたZ会の「速読英単語」をそのまま使えないかと考える人も多いと思います。結論から言うと、速読英単語シリーズは準1級の土台づくりには役立ちますが、これだけで準1級の語彙をカバーするのは難しい教材です。
この記事では、必修編・上級編・速読英熟語・入門編のレベルと、準1級専用に作られたGakkenの「速読探究」シリーズの特徴を整理します。そのうえで、今の実力に合わせた組み合わせ方を紹介します。
結論:速読英単語は準1級の「土台」、仕上げは英検向け教材で
速読英単語シリーズは大学入試向けの教材で、英検の級に合わせて作られたものではありません。そのため、長文の中で語彙を覚える土台として使い、準1級特有の単語は英検向けの教材で補うのが現実的です。各教材の概要を表にまとめます。
| 教材(出版社) | 最新版 | 収録の目安 | 準1級対策での役割 |
|---|---|---|---|
| 速読英単語 入門編(Z会) | 改訂第3版(2021年3月) | 1,400語・英文68本 | 2級レベルに不安がある人の基礎固め |
| 速読英単語 必修編(Z会) | 改訂第8版(2025年3月) | 約1,900語(派生語・関連語を含め約3,300語) | 準1級に向けた土台づくり |
| 速読英単語 上級編(Z会) | 改訂第5版(2023年3月) | 約1,200語 | 難関大レベルの語彙と長文への橋渡し |
| 速読英熟語(Z会) | 改訂版(2024年2月) | 熟語・構文 約1,080 | 熟語の穴を埋める |
| 英検準1級 速読で覚える英単語(Gakken・速読探究) | 2025年3月発売 | 準1級向けの語彙と長文 | 英検の出題テーマと要約に慣れる |
収録数や版は各出版社の案内に基づいています。改訂されることがあるため、購入前に最新版を確認してください。
英検準1級に必要な語彙力と出題の特徴
英検準1級は、英検協会が「大学中級程度」とする級です。合格者の英語力は、国際的な指標であるCEFRでB2相当が目安とされています。
必要な語彙数は7,500〜9,000語程度とよく言われます。ただし、これは一般的な目安で、協会が公表している数字ではありません。社会問題や科学など、抽象的なテーマの語彙が多いのが特徴です。
語彙だけでなく、4技能すべてが問われます。一次試験の筆記では語彙問題・長文読解に加えて、要約と意見論述の2題を書きます。リスニングには、会話や説明文のほか、状況を読んでから放送を聞く「Real-Life形式」もあります。
このため、単語を1語ずつ覚えるだけでなく、長文の中で語彙を覚え、音声でも確認できる教材が準1級対策と相性のよい教材です。語彙対策の全体像は英検準1級の単語対策でも解説しています。
速読英単語「必修編」のレベルと準1級での使い方
必修編は、準1級の語彙に直接届く教材ではありません。ただし、準1級の前提となる大学入試の頻出語を固めるには向いています。
必修編のレベルと収録内容
最新の改訂第8版(2025年3月)は、7つのSTAGEに約70本の英文を収録しています。見出し語は約1,900語で、派生語や関連語を含めると約3,300語です。Z会は対象を「入試基礎・共通テスト・2次私大」としています。
番号付きの単語すべてに例文があり、英文と単語の音声はWebから無料で聞けます。各ページの二次元コードから再生でき、イギリス英語の読み上げもあります。
準1級対策での位置づけ
出版社は英検の級との対応を示していません。大学入試の頻出語が中心なので、準1級対策では土台づくりの1冊と考えるのが自然です。
2級に合格したばかりの人や、長文を読みながら単語を覚える学び方に慣れたい人は、まず必修編から始めるとよいでしょう。すでに必修編をほぼ覚えている人は、次の上級編や英検向けの単語帳に進んでかまいません。
速読英単語「上級編」のレベルと準1級での使い方
上級編は、速読英単語シリーズの中で準1級に最も近いレベルの1冊です。ただし、英検の出題に合わせて単語を選んだ教材ではない点に注意しましょう。
上級編のレベルと収録内容
最新の改訂第5版(2023年3月)は、難関大学を目指す人向けに約1,200語を厳選しています。音声はWebから無料で提供されていて、ダウンロードとストリーミングのどちらでも聞けます。
準1級対策での使い方
上級編は、必修編の内容がある程度身についてから取り組むのが前提です。英文のレベルも上がるため、基礎が固まる前に始めると消化しきれないことがあります。
進め方は、英文を何度も音読し、文脈の中で単語を定着させるのが速読英単語らしい使い方です。難関大向けの語彙には準1級で見かける語も含まれますが、準1級の語彙問題に出る語をすべて扱っているわけではありません。英検向けの単語帳と併用しましょう。
速読英熟語のレベルと準1級での使い方
速読英熟語は、準1級の直前対策というより、熟語の穴を埋めるための教材です。熟語があいまいなまま準1級の長文を読むと、意味を取り違えやすくなります。
速読英熟語のレベルと収録内容
最新の改訂版(2024年2月)は、約1,080の熟語・構文を収録しています。英文は、モノローグ70本と4コマ・イラスト4本です。Z会は対象を「入試基礎・共通テスト・2次私大」としています。
音声はダウンロードとストリーミングに対応し、ナチュラルスピードとハイスピードの2種類があります。
準1級の熟語対策としての使い方
準1級の語彙問題では、句動詞などの熟語も問われます。単語の意味を知っていても、組み合わさったときの意味がわからないと、長文も正確に読めません。
速読英熟語で入試レベルの熟語を固めておくと、長文を読むスピードと正確さが上がりやすくなります。ハイスピードの音声で音読やシャドーイングをすれば、リスニングの練習にもなります。
どの教材を使うにしても、一人だと覚えた語彙を使う練習が不足しがちです。ライティングや面接で使える形にしたい場合は、英検に特化したマンツーマン指導で、アウトプットの機会を増やすのも一つの方法です。
速読探究『英検準1級 速読で覚える英単語』の特徴
「速読探究」は、Gakkenが2025年に刊行を始めたシリーズです。Z会の速読英単語とは別の出版社の教材で、英検の級ごとに作られている点が大きな違いです。
速読探究の特徴
準1級版は、嶋津幸樹さんの著書で、2025年3月に発売されました。出版社の紹介によると、過去の英検を分析して重要語句や類義語を選び、準1級で扱われるテーマに合わせた長文で速読力と語彙力を鍛える構成です。
単語や熟語ごとに類義語と例文が載っています。2024年度に始まった英作文の要約問題にも対応しているとされています。音声は、音声再生アプリ「my-oto-mo(マイオトモ)」かMP3形式のダウンロードで聞けます。
準1級対策での使いどころ
速読探究は、準1級の受験を具体的に決めた段階で使うのが向いています。速読英単語で大学入試レベルの語彙を固めたあと、英検のテーマや要約に慣れるための1冊として組み合わせると、役割が重なりにくくなります。
要約問題は、書き方の型を知っておくと取り組みやすくなります。詳しくは英検準1級の要約問題の解き方を参考にしてください。
レベル別のおすすめルートと組み合わせ方
どの教材から始めるかは、今の実力と試験までの期間で決めましょう。ここでは3つのケースに分けて、組み合わせの例を紹介します。
2級に合格し、これから準1級を目指す人
まず必修編で、長文を読みながら単語を覚える学び方に慣れます。次に速読英熟語で熟語を補い、上級編で難度の高い語彙と長文に進みます。時間に余裕があれば、最後に速読探究で英検のテーマと要約に慣れておくと仕上がりがよくなります。
2級の内容にまだ不安がある人
入門編から始めることも検討してください。入門編の改訂第3版は、1,400語と68本の英文を収録し、Z会は対象を「入試基礎・共通テスト」としています。段階を飛ばして上級編や速読探究に進むと、英文が難しすぎて効果が出にくくなります。
短期間で準1級を狙いたい人
2級に合格していて語彙にある程度自信がある人は、英検向けの教材を中心に据えましょう。速読探究や『英検準1級 でる順パス単』(旺文社)などで準1級の語彙を集中的に覚え、上級編は長文の音読用に使うと効率的です。
英検向けの単語帳の違いは英検準1級の単語帳ランキングで比べています。同じく長文で覚えるタイプの文で覚える単熟語(文単)の使い方も参考になります。
速読シリーズだけで合格できるか
速読英単語・速読英熟語をしっかり仕上げれば、語彙力と読解力の土台はかなり固まります。ただし、準1級の語彙問題には大学入試ではあまり見かけない語も出るため、英検向けの単語帳との併用がおすすめです。
リスニング・ライティング・面接の対策も、単語帳だけでは足りません。過去問や技能別の教材と組み合わせて、4技能をバランスよく仕上げましょう。長文の解き方は英検準1級リーディング対策で詳しく紹介しています。
まとめ:速読英単語は土台づくりに、仕上げは英検向け教材で
速読英単語の必修編・上級編と速読英熟語は、準1級の土台づくりに役立つ教材です。英文の中で語彙を覚えられるのが強みです。ただし大学入試向けの教材なので、準1級特有の語彙は英検向けの単語帳で補う必要があります。
英検の出題テーマと要約にも慣れたい人は、準1級専用に作られたGakkenの速読探究を組み合わせるのも一つの方法です。今の実力に合った1冊から始め、音読と復習を続けることが語彙を定着させる近道です。
単語帳で覚えた語彙を、ライティングや面接で使えるようにするには練習の場も大切です。Jumpstart Englishでは、小学生から高校生を対象に、英検全級に対応した完全マンツーマンのオンラインレッスンを行っています。準1級に向けた学習計画づくりに迷ったときは、検討してみてください。
