英検準1級を受験しようと決めたものの、「どの参考書を選べばいいかわからない」「もりてつ先生の本が気になるけど自分に合うか不安」という方は多いのではないでしょうか。
この記事では、アルク刊行の『1カ月で攻略!英検準1級』について、著者の特徴・本書の構成・各セクションの具体的な使い方・学習スケジュール・実際の評判まで徹底的に解説します。購入を検討している方がすっきり判断できるよう、良い点も気になる点も包み隠さずお伝えします。
英検準1級とはどんな試験か
本書の内容を理解する前提として、英検準1級がどのような試験なのかを簡単に整理しておきます。
英検準1級は、大学上級程度の英語力が求められる資格で、英検の中でも難易度が高い部類に入ります。一次試験はリーディング・リスニング・ライティングの3技能で構成され、CSEスコアの合計で合否が判定されます。一次試験の合格基準スコアは3技能合計で1792点(満点2250点)です。各技能でバランスよく得点することが求められ、特定の技能だけ突出していても合格は難しい試験です。
二次試験はスピーキング(面接)で実施され、ナレーション問題と質疑応答問題に対応する力が問われます。また、2024年度からライティングに要約問題が新たに追加されており、対応する参考書を選ぶ際はこの変更に対応しているかどうかも確認が必要です。
『1カ月で攻略!英検準1級』はどんな書籍か
本書は英検準1級の一次試験と二次試験の両方を1冊でカバーする総合対策書で、アルクから発行されています。定価は2,530円(本体2,300円+税)、ISBN番号は978-4-7574-4252-8です。音声DL付(音声ダウンロード付き)の仕様となっており、リスニング対策の音声を無料でダウンロードして学習に活用できます。
著者・もりてつとはどんな人物か
もりてつ先生こと森田鉄也先生は、YouTubeチャンネル「Morite2 English Channel」を運営する英語教育系インフルエンサーとして広く知られています。武田塾英語課課長・English Directorを務め、複数の武田塾校舎のオーナーでもあります。
学歴・資格の面では、慶應義塾大学文学部英米文学専攻を卒業後、東京大学大学院言語学修士課程を修了という非常に高い学術バックグラウンドを持ちます。英語資格の実績も顕著で、TOEIC L&Rテスト990点(満点)・英検1級・TEAP満点・GTEC CBT満点など、主要な英語資格をすべてトップレベルで取得しています。
本書は森田先生が監修・著として中心的役割を担い、共著者として岡﨑修平先生(東進ハイスクール特別講師・英検1級)と斉藤健一先生(代々木ゼミナール講師・英検1級)の2名が加わっています。3名全員が英検1級取得者であり、試験対策のプロとして信頼性の高い布陣です。
本書の基本情報と構成
本書の構成は、第1章がライティング、第2章がリーディング、第3章がリスニング、第4章がスピーキング(二次試験・面接)という4章立てになっています。一次試験から二次試験まで1冊で対策できる点が大きな特徴です。
各章の担当は明確に分かれており、森田先生が総合戦略・スピーキングを、岡﨑先生がリーディング・リスニングを、斉藤先生がライティングを担当しています。それぞれが最も得意とする分野を受け持つことで、各セクションの解説の質が高く保たれています。さらに、本番と同形式・同レベルの模試1回分(別冊) が付属しており、本番想定の総合演習ができる点も見逃せません。
本書の特徴と他の参考書との違い
英検準1級対応の参考書は多数存在しますが、本書が他と一線を画すのは「型」による解法の体系化と、専門講師3名によるチーム執筆の2点です。単なる過去問解説集ではなく、どんな問題が来ても応用できる解法の型を体得することを主眼に置いている点が際立った強みです。
もりてつ式メソッドとは何か
本書全体を貫くのが、「型」という考え方です。英検準1級の各問題形式に対して、それぞれ最適な解き方のパターンが設定されています。たとえばリーディングには「視線の型」「照合の型」、ライティングには「要点把握の型」「言い換えの型」、リスニングには「視線の型」「言い換えの型」、スピーキングには「3文の型」といった具合に、セクションごとに具体的な型が用意されています。
型を習得することで、初見の問題でも一定の正答率が期待できるようになるのがこのメソッドの核心です。試験本番で焦った場面でも、身につけた型に沿って手を動かすことで冷静に解答できるという学習者の声が多く聞かれます。また、総合戦略と各大問の攻め方については、森田先生自身による解説動画も提供されており、書籍と映像の両方で学べる環境が整っています。
音声ダウンロード特典の活用法
本書は音声DL付の仕様で、リスニング問題の音声をアルクの公式プラットフォームからダウンロードして使用できます。ダウンロードした音声はスマートフォンや音楽プレーヤーで再生でき、通学・通勤中など隙間時間の学習にも活用できます。
音声の活用方法として特に効果的なのが、シャドーイングとの組み合わせです。まずテキストを見ながら音声を確認し、次にテキストを見ずに音声だけを流してシャドーイングを行います。さらに余力があれば、音声を聴きながら内容を書き取るディクテーションに挑戦することで、リスニング力を段階的かつ確実に高めることができます。
各セクション別の使い方
本書は章ごとに独立した構成になっているため、苦手なセクションを優先して取り組む使い方も可能です。ただし、一次試験の合格基準スコアを安定してクリアするには3技能をバランスよく強化することが不可欠なので、最終的には全章を網羅することを目指してください。
ライティングセクションの取り組み方
2024年度の問題形式リニューアルにより、英検準1級のライティングは意見論述問題と要約問題の2種類になりました。本書では、要約問題に対する「要点把握の型」「言い換えの型」、意見論述に対する「構成の型」が丁寧に解説されています。
ライティングは他の技能と比べて短期間でスコアを伸ばしやすい技能です。解説を読んで型をインプットしたら、必ず自分でも実際に文章を書いてみることが上達の鍵です。書いた解答を本書の模範解答と照らし合わせ、どの部分が型から外れているかを自己分析する習慣をつけましょう。
リーディングセクションの取り組み方
リーディングは語句空所補充問題(大問1・大問2)と長文の内容一致選択問題(大問3)で構成されています。本書では各問題形式に対して「視線の型」「照合の型」が設定されており、どこを読むべきか・どのように選択肢を絞り込むかを論理的に習得できます。
取り組む際は「解説先読み → 問題演習 → 答え合わせ → 再演習」のサイクルがおすすめです。解き方の型を頭に入れた状態で問題に臨むことで、無駄に時間をかけずに効率よく正解を導く感覚が身についていきます。語彙問題(大問1)については、本書の解説と並行して単語帳も活用し、語彙量そのものを継続的に増やしていくことが重要です。
リスニングセクションの取り組み方
リスニングはPart 1(会話の内容一致選択)・Part 2(文の内容一致選択)・Part 3(Real-Life形式の内容一致選択)の3パートで構成されています。本書では各パートに「視線の型」「言い換えの型」が用意されており、音声が流れる前に選択肢をどう確認するかという視点の使い方から丁寧に学べます。
リスニングの上達には、音声DLの特典を積極的に活用して繰り返し聴き込むことが不可欠です。問題演習後は必ず音声を聴き直し、聞き取れなかった箇所を特定して、その原因(語彙不足・発音の知識不足・スピードへの慣れ不足)ごとに対処法を変えて補強することが効率的な上達につながります。
スピーキングセクションの取り組み方
二次試験(面接)の対策は後回しにされがちですが、本書では第4章としてスピーキングが独立した章で解説されています。ナレーション問題には「視線の型」が、質疑応答問題には「3文の型」が設定されており、何をどの順で話すかという構成を明確に学べます。
特に活用してほしいのが、森田先生による面接解説動画です。入室から退室までの流れ、ナレーションや質疑応答の実演を視覚的に確認できるため、初めて二次試験を受ける方が試験の雰囲気をイメージするのに非常に役立ちます。
1カ月で攻略するための学習スケジュール例
「1カ月で攻略」というタイトルに惹かれる方も多いですが、本書は英検2級合格レベル以上の英語力を前提とした参考書です。基礎的な英語力が整っている方であれば、1カ月の集中学習で合格水準に到達することは十分に現実的です。以下に目安のスケジュールを示します。
1〜2週目:インプットに集中する
最初の2週間は、本書の「型」をしっかりとインプットすることを最優先にします。各章の解説を精読し、問題に対するアプローチのフレームワークを頭に定着させていく期間です。1問1問を解くよりも、型の理解と習得に時間をかけることを意識してください。
この期間は語彙の強化も並行して進めることが重要です。英検準1級対応の単語帳(でる順パス単など)を毎日一定量こなしながら本書の解説を読み進めると、語彙問題の得点力も同時に底上げできます。1日あたり2〜3時間程度の学習時間が確保できれば、インプット期間を着実に消化できます。
3〜4週目:アウトプットと実戦演習
後半の2週間は、インプットした型を実際の問題演習で定着させるフェーズに移行します。本書の練習問題と付属の模試を解き終えたら、英検公式サイトや過去問集を活用して実戦形式の演習を積み重ねましょう。
過去問に取り組む際は、必ず本番と同じ時間制限を設けて解くことが大切です。制限時間内での解答ペースを体で覚えることで、本番での時間切れを防ぐことができます。各問題を解いた後は本書の型に立ち返り、正解・不正解にかかわらず「型に沿って解けていたか」を振り返る習慣をつけましょう。
実際に使った人の口コミ・評判
本書を実際に使用した学習者の声を参考にすると、全体的にポジティブな評価が多い一方で、特定の層には物足りなさを感じるという意見も見られます。
よかった点
利用者から特に多く挙げられる評価が、「解説がわかりやすい」「型が明確なので何をすればいいか迷わない」という点です。英検試験を初めて受ける方や、これまで感覚的に解いていた方にとって、「型」という明確なフレームワークを得られることへの満足度は高い傾向があります。
また、書籍と解説動画の連携が理解を深める効果があるという声も目立ちます。文章だけでは掴みにくいニュアンスや試験の流れも、動画で視覚的に確認することで腑に落ちやすくなると好評です。3名の専門講師がそれぞれの得意分野を担当しているため、どのセクションの解説も質が高く保たれている点も評価されています。
気になった点・注意点
一方で、「基礎英語力がないと読み進めるのが大変」「語彙問題の対策が本書だけでは不十分」という声も一定数あります。本書は解法の型の習得を主眼としており、語彙を大量にインプットするツールとしては設計されていません。
また、「1カ月で攻略」というタイトルは、すでに一定の英語力がある人を前提とした表現であることを念頭に置く必要があります。英検2級に合格したばかりで基礎力がまだ不安定な方が取り組む場合は、本書と並行して語彙強化や文法の補強を行うことが合格への現実的な道筋になります。
この参考書が向いている人・向いていない人
購入前に、自分のレベルと目的が本書に合っているかを確認しておきましょう。
本書が向いているのは、英検2級に合格しており準1級へのステップアップを目指している方、問題に対して明確な「型」を学びたい方、書籍と動画を組み合わせた学習スタイルが好きな方、一次試験と二次試験を1冊でまとめて対策したい方です。
一方、本書が向いていないのは、英語の基礎力がまだ英検2級相当に達していない方、語彙を大量に習得することを主目的としている方(別途単語帳が必要)、問題数を大量にこなすことを重視する方(本書は型の解説に比重があるため問題数は多くありません)です。
英検準1級の独学を検討している方には、本書を「方向性と解法の型を学ぶ一冊」として位置づけ、語彙帳・公式過去問と組み合わせて使うことを強くおすすめします。
まとめ
『1カ月で攻略!英検準1級』は、英検に精通した3名の専門講師が「型」によって解法を体系化した、信頼性の高い総合対策書です。一次試験(リーディング・リスニング・ライティング)から二次試験(面接)まで1冊で対応できる構成、音声DL付の特典、さらに別冊模試1回分の付属と、コストパフォーマンスの面でも優れています。
本書の強みを最大限に活かすには、型の解説を丁寧にインプットした上で実際の問題演習に落とし込み、解説動画と組み合わせて理解を深めることが重要です。英検準1級合格に向けた第一歩として、ぜひ本書を手に取ってみてください。