英検準1級の合格を目指すにあたり、語彙力の強化は避けて通れない課題です。単語帳選びに悩む受験者の間で近年とくに注目を集めているのが、ジャパンタイムズ出版が刊行する「出る順で最短合格! 英検準1級単熟語EX」(以下「単熟語EX」)です。この記事では、単熟語EXの基本情報から実際の使い方、他の単語帳との違いまで、購入を検討している方が知りたい情報をまとめて解説します。

単熟語EXとはどんな参考書か

単熟語EXは、英検準1級に特化して設計されたジャパンタイムズ出版の語彙対策本です。2023年の大幅改訂以来、多くの受験者から高い評価を集めており、準1級の語彙学習における定番書のひとつとして定着しています。

書籍の基本情報と構成

現在書店で入手できる最新版は「第2版」で、2023年3月30日に発売されました。15年分の過去問(約27万語)を徹底分析したうえで、準1級突破に必要な約2,400語句を収録しています。関連語(類義語・反意語・派生語)まで含めると、収録語句の総数は3,100語を超えます。

本書の構成は以下の通りです。

  • Part 1(単語):Unit 1〜14。筆記大問1の高難度語彙を優先して収録。
  • Part 2(熟語):Unit 15〜17。試験頻出の熟語・句動詞を網羅。
  • Part 3(テクニカルターム):Unit 18〜21。長文読解で登場する専門用語をジャンル別に掲載。

各見出し語には、試験で最も出やすい意味に絞り込んだ訳語、コロケーションを押さえたシンプルな例文、記憶の手がかりになる語源情報が掲載されています。また、全見出し語句と例文を収録した音声アプリ「OTO Navi」と音声ダウンロードが無料で利用でき、耳からの学習にも対応しています。

他の英検準1級単語帳との違い

英検準1級向けの単語帳としては、旺文社の「でる順パス単」が長年定番でした。しかし最新版(5訂版)で収録単語の難易度が下がったとの声が多く、現在は単熟語EXに軍配が上がると評価するユーザーが増えています。

両書の最大の違いは語彙選定の方針にあります。単熟語EXは筆記大問1(語彙問題)の選択肢に使われた語を中心に選定しているのに対し、パス単は長文やリスニング全体をカバーする形で語彙を選んでいます。語彙問題での得点力を直接高めたい場合は、単熟語EXの方が即戦力になりやすいといえます。

単熟語EXのレベル感

購入前に気になるのが「自分にとって難しすぎないか」というレベル感の問題です。実際の難易度とどんな人に向いているかを確認しておきましょう。

収録語彙の難易度

単熟語EXの語彙レベルは、英検準1級の語彙問題に特化した高難度設定です。とくにPart 1のUnit 1〜12は、筆記大問1で正解・誤答問わず選択肢として登場した語彙を優先収録しており、準1級の試験では見慣れない単語が多く並んでいます。

英検2級合格レベルの語彙力では、はじめて本書を開いたときに知らない単語が多く感じられるかもしれません。目安として、英検2級のリーディング第1問で安定して高得点(23問以上の正解など)が取れるようになってから取り組み始めると、無理なくステップアップできます。

こんな人に向いている

単熟語EXが特に力を発揮するのは、次のようなケースです。

英検準1級の語彙問題で安定した得点を目指している人には最適です。過去問から厳選された語句が「出る順」に並んでいるため、学習効率が非常に高くなっています。

語源・派生語まで体系的に覚えたい人にも向いています。各語には類義語・反意語・派生語情報が付いており、1語から周辺の語彙ネットワークを広げる学習ができます。

一方で、英検2級にまだ合格していない段階での使用は難易度的に厳しい場面が多く、基礎語彙の固まっていない段階では別の単語帳から始める方が学習効率は上がります。

単熟語EXの効果的な使い方

単熟語EXは収録語数が多く、全て一気に覚えようとするとすぐに挫折しがちです。ここでは、無理なく語彙を定着させるための具体的な進め方を紹介します。

1周目の取り組み方

1周目の目的は「全体像をつかむ」ことです。1語1語を完全に記憶しようとするのではなく、まず全Unitを一通り読み通すペースで進めましょう。

1回の学習セッションでは1Unit(おおよそ20〜25語)を目安にし、意味が浮かばない単語には軽くチェックを入れておきます。各語に付いている例文も必ず声に出して読むことで、単語の使われ方のイメージを作りやすくなります。音声アプリを活用して、通学・通勤中の隙間時間にも音を聞く習慣をつけると、記憶の定着速度が上がります。

2周目以降の定着法

2周目からは、1周目でチェックした苦手語に集中します。知っている語は素早く流し、知らない語に時間を割く「選択と集中」の学習が効果的です。

語源情報を積極的に活用するのがこの段階の重要なポイントです。たとえば接頭辞「mal-(悪い)」を知っていれば、malevolent(悪意ある)・malfunction(誤作動)など複数の語を関連づけて記憶できます。単語を孤立した情報として覚えるよりも、語源・派生語のネットワークで覚えることで長期記憶への定着率が大きく高まります。

3周目以降は、間隔を置いた反復(いわゆるスペースド・レペティション)を意識して取り組みましょう。前日の復習→3日後の復習→1週間後の復習というサイクルを組むと効率的です。

熟語セクションの攻略

Part 2の熟語セクション(Unit 15〜17)は、単語パートと比べて的中率のばらつきが大きいとされています。英検準1級の熟語問題は出題パターンが読みにくく、対策が難しいパートです。

そのため、熟語セクションは完璧を目指すより「確実に2問取れる」水準を目標に設定することが現実的です。本書の熟語を一通り押さえたうえで、知らない語が出た場合は消去法で対応できる力を養うことを意識しましょう。テクニカルタームパート(Part 3)は長文読解の補助として機能する部分なので、単語と熟語の学習が一通り終わった後に取り組むと効果的です。

単熟語EXだけで合格できるか

「この1冊だけで準1級の語彙は足りるか」という疑問を持つ方は多いでしょう。単熟語EXは英検準1級の語彙対策書として現状トップクラスの網羅性を持っており、語彙問題に関しては本書1冊を仕上げることが合格への大きな近道です。

ただし、英検準1級の試験は語彙問題だけではありません。長文読解・リスニング・ライティング・スピーキングといった他の技能も問われます。単熟語EXで語彙力の土台を固めたうえで、過去問演習や技能別の対策教材と組み合わせることで、合格力が一層高まります。

なお、語彙の定着に不安がある方には、単熟語EXと完全対応した「英検準1級単熟語EX 徹底強化ドリル」も刊行されています。EX収録の2,400項目を問題形式で確認できる1冊で、「覚えたつもりだったのに本番で出てこない」という課題を克服するのに役立ちます。

まとめ

英検準1級 単熟語EX(英検準1級 単語帳 EX)は、15年分の過去問分析に基づいた約2,400語句を収録する、現在の準1級語彙対策書の中でも特に信頼性の高い1冊です。出る順の配列、語源・派生語情報、音声アプリとの連携など、学習効率を高める工夫が随所に施されています。

英検2級レベルの語彙力がある方であれば、すぐに取り組み始めることができます。1周目は全体をざっと通読し、2周目以降でチェックした苦手語に集中する進め方が、最も挫折が少なく効果的です。

語彙問題での得点安定を目指すなら、単熟語EXを軸にした学習を検討してみてください。