英検準1級に落ちたとき、「また落ちた」「もう受からないかもしれない」と落ち込む方は多いと思います。準1級は大学中級程度とされる難しい級で、一度で合格できないのは珍しいことではありません。
結論から言うと、次の受験で合格するための近道は、成績表のCSEスコアで弱点の技能を確かめ、その技能に学習時間を多めに配分することです。この記事では、不合格の原因の見つけ方、技能別の対策、二次試験で落ちた場合の対処、2026年度の次の受験機会までを順に解説します。
英検準1級に落ちたら、まず成績表を確認しましょう
不合格のあとに最初にやるべきことは、成績表で「どの技能が、合格基準からどれだけ離れているか」を確かめることです。成績表には、次の対策を決めるための材料がそろっています。
周りに受験を話していた人ほど、「恥ずかしい」「やばい」と感じるかもしれません。それは真剣に取り組んできた証拠でもあります。気持ちが少し落ち着いたら、結果を「次の作戦を立てるデータ」として見直してみましょう。
合否は技能ごとではなく合計スコアで決まる
英検の成績は「英検CSEスコア」で示されます。CSEスコアとは、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの力を共通の尺度で表した点数です。準1級の満点と合格基準スコアは次のとおりです。
| 区分 | 満点 | 合格基準スコア |
|---|---|---|
| 一次試験(リーディング・リスニング・ライティング) | 2250(各技能750) | 1792 |
| 二次試験(スピーキング) | 750 | 512 |
一次試験は3技能の合計スコアで合否が決まり、技能ごとの合格ラインはありません。1792点を3で割ると約597点なので、各技能のスコアを597点前後と比べると、どの技能が足を引っ張っているかが見えやすくなります。
なお、スコアは回ごとに統計的な方法で算出されます。同じ正答数でも回によってスコアが変わるため、正答数から自分でスコアを計算することはできません。詳しくは英検準1級の合格点とCSEスコアの関係で解説しています。
英検バンドで「あと何点足りないか」をつかむ
成績表には「英検バンド」も表示されます。英検バンドは、合格基準スコアからの差を25点刻みで示したものです。「−1」のようにマイナスの数字が小さいほど、合格基準に近かったことを意味します。
あと少しで届かなかった人は、弱点の技能を1つ伸ばすだけで結果が変わる可能性があります。点差に応じた対策は、英検準1級で「あと100点・50点」を埋めるスコアアップ戦略も参考にしてください。
英検準1級はそもそも難しい試験です
英検準1級は、英検協会が「大学中級程度」を目安としている級です。合格者の英語力は、CEFRのB2に相当する目安とされています。CEFRとは、外国語の力をA1からC2の6段階で示す国際的な基準です。
2級(高校卒業程度)から一段上がるだけで、語彙や長文のテーマは大学レベルになります。準1級で足踏みする人が多いのは、ある意味で自然なことです。
合格率は現在公表されていない
英検協会は現在、級別の合格率を公表していません。インターネット上では、準1級の合格率として「約16%」という数字が見られます。ただし、これは2015年度とされる過去の数値で、協会の一次資料では確認できない参考値です。
正答率は7割程度がひとつの目安
協会は、2016年度第1回の一次試験では「1級・準1級は各技能の正答率7割程度の受験者の多くが合格した」と説明しています。これは特定の回のデータにもとづく目安です。7割取れば必ず合格するという意味ではありません。
それでも、満点を取る必要はないことは覚えておきましょう。苦手な技能のスコアを極端に低くしないことが、合計スコアを安定させるポイントです。
英検準1級に何度も落ちる人に多い4つのパターン
何度受けても合格できない場合、原因は次の4つのどれかに当てはまることが多いです。成績表と照らし合わせて、自分に近いものを探してみてください。
語彙力が足りていない
準1級では、社会問題や科学などの話題で使われる語彙がよく出ます。必要な語彙数は一般に7,500〜9,000語程度と言われますが、これは公式の数字ではなく目安です。
リーディングは全31問のうち18問が短文の語句空所補充なので、語彙力が得点に直結します。単語がわからないと、長文読解やリスニングの理解にも影響します。語彙はすべての技能の土台と考えましょう。
リーディングで時間が足りなくなる
一次試験の筆記は、リーディングとライティングを合わせて90分です。長文を一文ずつ訳しながら読んでいると、ライティングに使う時間が足りなくなります。
「読めているのに時間が足りない」と感じる人は、じっくり読む精読と、要点をつかむ速読の使い分けができていない可能性があります。
ライティングの対策が後回しになっている
2024年度のリニューアルで、準1級のライティングは「要約」と「意見論述」の2題になりました。ライティングは、リーディングやリスニングと同じ750点満点の1技能として扱われます。問題数が少ないぶん、1題の出来がスコアに大きく影響します。
「何を書けばいいかわからない」「論理的な構成が作れない」まま本番に臨むと、大きく失点しやすいセクションです。
リスニングで内容をつかめない
準1級のリスニングは約30分で29問です。会話、説明文、実生活の場面を想定した「Real-Life形式」の3部構成で、社会的なテーマも多く出題されます。
「音声を聞いても意味がつかめない」「選択肢を読んでいるうちに音声が先に進んでしまう」という悩みは、受験経験者によく見られる課題です。
次こそ合格するための技能別リベンジ対策
対策の基本は、弱点の技能に時間を多めに配分しつつ、ほかの技能のスコアも落とさないことです。ここでは技能ごとの具体的な勉強法を紹介します。
学習時間は弱点の技能に多めに配分する
成績表でもっともスコアが低かった技能を最優先にします。目安として学習時間の6割ほどを弱点の技能に使い、残りでほかの技能を維持するとバランスを取りやすくなります。
語彙は単語帳と例文でくり返し覚える
準1級向けの単語帳では、旺文社の『英検準1級 でる順パス単』がよく使われています。単語・熟語が出題頻度の高い順に並んでいるため、優先度の高い語から覚えられます。
単語は単独で覚えるより、例文といっしょに覚えるほうが長文やリスニングで気づきやすくなります。1日30〜50語を目安に進め、数日後に必ず復習する流れを作りましょう。
ライティングは型を決めて添削を受ける
要約問題は、英文を60〜70語で要約する問題です。語数は指定の範囲なので、必ずこの範囲に収めます。本文の主旨をつかみ、具体例を一般的な表現に言い換える練習が効果的です。
意見論述は、TOPICについてPOINTSから2つを使い、序論・本論・結論の構成で書く問題です。語数の目安は120〜150語です。本論を理由ごとに2段落に分けると、論理の流れが伝わりやすくなります。
問題冊子には、要約になっていない解答やTOPICに対応していない解答は0点になることがあると書かれています。英検準1級ライティングの採点基準と対策も参考にしながら、第三者に添削してもらいましょう。
リスニングはシャドーイングで音に慣れる
リスニング対策には、過去問の音声を使ったシャドーイングが効果的とされています。シャドーイングとは、聞こえた英語を少し遅れて声に出してまねる練習法です。
最初はスクリプトを見ながら行い、慣れてきたらスクリプトなしで内容をつかむ練習に移りましょう。
リーディングは精読と時間を計った演習を組み合わせる
まず過去問の長文を精読して、内容と構文を正確に理解します。次に時間を計って解き直し、1題にかけられる時間の感覚をつかみます。
長文のテーマは環境、テクノロジー、社会問題など幅広い分野にわたります。英語のニュースサイトを日ごろから読んで、さまざまな話題に慣れておくのもおすすめです。
独学では弱点の見極めやライティングの添削が難しいと感じる場合は、英検に特化したマンツーマン指導を取り入れて学習計画から見直すのもひとつの方法です。
二次試験(面接)で落ちた場合の対策
二次試験で不合格になった場合は、一次試験免除の制度を使えば次回は面接から受けられます。まずは面接の形式と合格基準を確認しましょう。
二次試験の流れと合格基準
準1級の二次試験は、面接委員1人と行う約8分の面接です。流れは次のとおりです。
- 入室後の自由会話
- 4コマのイラストを使ったナレーション(考える時間1分、話す時間2分)
- No.1〜No.4の質問(イラストに関する質問1問、カードのトピックに関する質問2問、社会性のある話題の質問1問)
二次試験はスピーキングのCSEスコアだけで合否が決まり、合格基準は750点満点中512点です。一次試験の高得点は持ち越せないため、一次合格後はすぐに面接対策に切り替えましょう。
意見を問われる質問では、賛成か反対かを先に述べ、そのあとに理由を続けると伝わりやすくなります。2024年度からは、No.4の質問の前に話題を導入する文が加わりました。流れと対策は英検準1級 二次試験の流れと対策ロードマップで詳しく解説しています。
一次試験免除制度を活用する
一次試験に合格し、二次試験で不合格または欠席になった人は、一次試験免除で申し込めます。従来型で得た免除資格は、翌年度の同じ回まで使えます。たとえば2026年度第1回で得た資格は、2027年度第1回まで有効です。
一次試験免除で申し込む場合も、検定料は通常と同じ金額です。免除資格は従来型と英検S-CBTの間で互いに使えます。制度の詳細は英検準1級の一次試験免除制度とS-CBTの仕組みにまとめています。
次はいつ受ける?2026年度の日程と英検S-CBT
2026年9月現在、従来型の2026年度第2回はすでに申込が締め切られています。これから申し込めるのは第3回で、主な日程と検定料は次のとおりです。
| 項目 | 2026年度第3回(準1級) |
|---|---|
| 個人申込期間 | 2026年10月30日(金)〜12月14日(月) ※コンビニ申込などは12月11日(金)まで |
| 一次試験(本会場) | 2027年1月24日(日) |
| 一次試験の合否閲覧(ウェブ) | 2027年2月15日(月) |
| 二次試験 | A日程 2月28日(日)/B日程 3月7日(日) |
| 検定料(2026年度) | 本会場 10,400円/英検S-CBT 10,500円 |
二次試験の日程は自分では選べません。個人申込の場合、21歳以上はA日程、20歳以下はB日程になります。
英検S-CBTも選択肢になる
英検S-CBTは、コンピューターで受ける英検です。従来型と同じ級・同じCSEスコアとして扱われ、1日で4技能すべてを受験します。
準1級のS-CBTは実施日が限られますが、同じ検定回の中で最大3回まで受けられます。従来型との併願もできるため、受験の機会を増やしたい人に向いています。結果が出るのは、試験の約4〜5週間後が目安です。
また、2026年度から準1級を含む1級〜3級では、試験当日に顔写真付き身分証明書の原本を提示する必要があります。日程や料金は変わることがあるため、最新情報は英検公式サイトでご確認ください。
モチベーションを保って次の合格を目指すコツ
リベンジを成功させるには、試験日から逆算した計画と、無理なく続けられるペースが欠かせません。
試験日から逆算して計画を立てる
第3回の一次試験(2027年1月24日)を目指すなら、準備期間はおよそ4か月です。月ごとに「語彙」「ライティング」「過去問演習」などの重点を決め、週ごとの目標に落とし込みましょう。
「1日1時間、週5日」のように続けやすい量を決めることが、長く続けるコツです。予定どおりに進まない週があっても、自分を責めずに翌週で調整すれば問題ありません。
完璧を目指さず、合格基準を安定して超える
準1級の合格に必要なのは、完璧な英語力ではありません。合格基準スコアを安定して超えられる力です。合格体験記を読むと、苦手な技能を少しずつ伸ばしていった人の工夫が参考になります。
一度受験したことで、試験の雰囲気や自分の弱点ははっきりしました。成績表をもとに対策の順番を決めれば、次の受験は前回よりも的を絞って準備できます。
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