英検準1級の単語対策といえば「でる順パス単」を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、学習スタイルや覚え方の好みは人によってさまざまです。パス単では記憶が定着しにくいと感じる方、別のアプローチで語彙力を伸ばしたい方に向けて、この記事ではパス単以外のマイナー単語帳4冊をまとめて紹介します。それぞれの特徴や向き不向きを丁寧に解説しますので、自分に合った一冊を見つける参考にしてください。

英検準1級の単語帳はパス単だけじゃない

英検準1級の合格には、大学中級程度の語彙力が求められます。必要な単語数は約8,000語とも言われ、2級からさらに約3,000語を新たに習得する必要があります。これだけの語彙を身につけるには、自分の学習スタイルに合った単語帳を選ぶことが非常に重要です。

なぜマイナー単語帳が注目されるのか

定番のパス単は多くの受験者に使われてきた信頼性の高い単語帳ですが、「単語を1つずつ順番に覚えていくのが苦手」「例文が少なくてイメージを持ちにくい」といった声も少なくありません。マイナー単語帳は、フレーズ暗記・速読トレーニング・例文一括暗記・頻度ランキングなど、それぞれ独自のアプローチを採用しており、パス単で行き詰まった方にとって突破口になることがあります。英検準1級のボキャブラリーを増やすうえで、複数の単語帳の特徴を知っておくことはとても有効です。

この記事で紹介する単語帳一覧

この記事で紹介するのは以下の4冊です。

  • 英検準1級 単熟語 フレーズシステム(駿台文庫)
  • 1語1秒英単語 英検準1級(テイエス企画・トフルゼミナール)
  • 例文でまるごと覚える 合格できる単熟語 英検準1級(アスク出版)
  • 英検準1級 英単語1900 英検ランク順(学研)

それぞれの単語帳を比較しながら確認していきましょう。

英検準1級 単熟語 フレーズシステム

「英検準1級 単熟語 フレーズシステム」は、システム英単語(駿台文庫)の英検準1級バージョンとして2023年に発売された比較的新しい単語帳です。まだ使っている人が少ないマイナーな存在ですが、独自のアプローチで注目を集めています。

特徴と学習スタイル

この単語帳の最大の特徴は、ミニマルフレーズと呼ばれる短いフレーズ単位で単語を覚えるアプローチです。単語を単体で覚えるのではなく、他の単語と組み合わせた「かたまり」として記憶することで、定着率を高めることをねらいとしています。また、一般的な準1級の単語帳では扱われにくい多義語についても触れられており、語彙の奥行きを広げられる点も特徴の一つです。音声はダウンロード形式で提供されており、音声を聞くだけでも学習が進められるという声もあります。一方で、語彙問題対策として見ると難易度がやや低めと感じる利用者もおり、長文やリスニングとあわせて活用するスタイルが向いています。

こんな人に向いている

フレーズシステムが特に向いているのは、**「単語を1語ずつ覚えるのが苦手」**という方です。単語帳での丸暗記に苦労してきた経験がある人や、まとまった意味の塊として記憶したい人にとって、フレーズ暗記のアプローチはとても相性がよいでしょう。また、音声を使ったリスニング学習と組み合わせたい方にも向いています。すでにパス単などで基礎語彙を固めており、フレーズの定着度を上げたいという方のサブ教材としても活躍します。

1語1秒英単語 英検準1級

「1語1秒英単語 英検準1級」は、トフルゼミナール・日本アイアールが編著した単語帳で、2019年にテイエス企画から発行されています。タイトルの通り、**1秒のリズムで単語を瞬時に思い出す「瞬発力」**を鍛えることをコンセプトにした個性的な一冊です。

特徴と学習スタイル

この単語帳は3つのステップで構成されています。STEP 1では、過去問9年分のデータを分析してまとめた頻出単語を「でる順A・B・Cランク」に分類し、1語につき1つの意味を1秒のリズムに乗せてスピーディに覚えていきます。STEP 2では、STEP 1で覚えた単語を使った例文を読み・聞くことで記憶を定着させ、ライティングやスピーキングへの応用力も養います。STEP 3では英検頻出の熟語や会話表現を取り上げ、得点力を強化します。音声は無料でダウンロードでき、赤シートを使って英単語・日本語訳の両方をテストできる設計になっています。

こんな人に向いている

「とにかくスピードを上げて単語数をこなしたい」という方や、スキマ時間にリズムよく暗記を進めたい方に向いています。1語1語を素早く反射的に答えられる力を鍛えたい方、単語テストの回転数を上げたい方にも相性がよいでしょう。ただし、ステップ構成上、STEP 1は意味が1つしか掲載されていないため、多義語をカバーしきれない点は補足が必要です。

例文でまるごと覚える 合格できる単熟語 英検準1級

「例文でまるごと覚える 合格できる単熟語 英検準1級」はアスク出版が発行する単語帳で、「30日完成」バージョンも存在します。1つの例文に複数の頻出単熟語をまとめて盛り込むという、一般的な単語帳とは一線を画した学習スタイルが特徴です。

特徴と学習スタイル

この単語帳の最大の強みは、1つのダイアログやパッセージに平均15の英検準1級頻出単熟語が収められている点です。120のダイアログ・パッセージ・アナウンスメントを学習するだけで、合格に必要な約1,830語句が身につく構成になっています。ストーリー形式で登場人物が繰り返し出てくるため、楽しみながら単熟語を暗記できます。過去5年・計15回分の試験問題から頻出単熟語をデータ分析して収録しており、実戦に即した内容です。また、ダイアログはリスニングPart 1、パッセージは読解問題とリスニングPart 2、アナウンスメントはリスニングPart 3にそれぞれ対応しており、語彙対策と同時にリスニング・読解の力も鍛えられます。

こんな人に向いている

**「単語を単体で覚えると翌日には忘れてしまう」**という方に特に向いています。長文の中で出会った単語は記憶に残りやすいという特性を活かしており、文脈の中で自然に単語を習得したい人、リスニング対策も同時並行でやりたい人におすすめです。単語暗記が苦手で、読み物として取り組める教材を探している方にも適しています。

英検準1級 英単語1900 英検ランク順

「英検準1級 英単語1900 英検ランク順」は学研が発行する英検シリーズの一冊です。20回分を超える過去問データをもとに、英検準1級に出やすい単語を頻度順にランキング化して掲載しているのが最大の特徴です。

特徴と学習スタイル

過去問の膨大なデータを分析して出やすい順に並べた構成により、優先度の高い単語から効率的に学習できます。また、単語帳の冒頭には「環境・気象」などトピック別の頻出英語表現がイラスト付きで紹介されており、英検準1級に頻出のテーマごとに表現をまとめて確認できます。収録語数は1,900語で、視覚的にも親しみやすいレイアウトが採用されています。音声にも対応しており、耳からの学習にも使えます。

こんな人に向いている

「どの単語から覚えればいいかわからない」という方や、限られた時間で優先度の高い単語を確実に押さえたい方に向いています。コツコツと単語を覚え続けるのが苦手で、イラストや視覚的なデザインを活かして楽しく単語学習を進めたい方にもおすすめです。英検準1級の頻出単語を効率よく網羅したい場合、出やすい順の構成はとても使いやすいでしょう。

4冊を比較してみると

4冊はそれぞれ異なる哲学で設計されており、どれが正解というわけではありません。大切なのは、自分の学習スタイルや現在の語彙レベル、残り時間に合った一冊を選ぶことです。

覚えやすさで選ぶなら

単語を覚えること自体が苦手な方や、なかなか記憶が定着しないと感じる方には**「例文でまるごと」か「フレーズシステム」**が向いています。例文でまるごとはストーリーの流れで複数単語を自然に覚えられ、フレーズシステムはフレーズの塊として単語を記憶できるため、孤立した単語の丸暗記より定着が期待できます。英検準1級の単語の覚え方として、「文脈に落とし込む」という視点はどちらの教材も大切にしています。

試験直前・短期集中なら

試験まであまり時間がない場合や、英検準1級の直前対策として短期間で語彙を固めたい場合は**「ランク順」か「1語1秒」**が有効です。ランク順は出やすい単語から順番に学べるため、限られた時間で最大の効果を狙えます。1語1秒はリズムよくスピーディに反射力を鍛えられるため、試験直前の高速チェックにも向いています。

単語帳の効果的な使い方

どの単語帳を選んでも、一度読んだだけでは覚えられないのが単語学習の難しいところです。使い方次第で学習効果は大きく変わります。

繰り返し学習の重要性

単語暗記においてもっとも重要なのは繰り返しの回数です。1冊を1周するだけでは記憶として定着しにくく、短期間に何度も同じ単語に触れることが長期記憶への近道になります。1日に多くのページを進めようとするより、前日学習した範囲を素早く復習してから新しい範囲に進む「スパイラル学習」が効果的です。通勤・通学時間や休憩時間などのスキマ時間に音声を活用しながら、繰り返し耳で確認する習慣をつけましょう。

他の教材との組み合わせ方

単語帳は単独で使うよりも、過去問演習と組み合わせることで効果が倍増します。実際の試験問題に出てきた未知の単語を単語帳で確認する、あるいは単語帳で学んだ語を過去問の文脈で確認するというサイクルを作ると、語彙が実戦レベルで定着しやすくなります。また、英検準1級は語彙問題(大問1)だけでなく、長文読解・リスニング・ライティング・スピーキングもあります。単語の意味を「知っている」だけでなく「使える」状態まで引き上げるために、アウトプットの機会も設けることが大切です。マイナー単語帳と過去問・ライティング練習を上手に組み合わせることが、合格への最短ルートになるでしょう。