英検準1級の合格を目指しているけれど、塾や専門スクールに通う時間が取れない——そんな方にとって、スタサプ(スタディサプリ)・進研ゼミ・Z会といった通信教育サービスは魅力的な選択肢です。しかし、「本当にこれらのサービスで準1級レベルまで対応できるの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、通信教育3サービスの英検準1級への対応状況を詳しく比較し、それぞれの強みと限界をわかりやすく解説します。自分に合った学習方法を見つけるための参考にしてみてください。
英検準1級の難易度と求められるレベル
そもそも英検準1級がどれほど難しいのかを正確に把握しておくことが、教材選びの出発点になります。難易度を過小評価したまま学習計画を立てると、対策が不十分になりやすいため注意が必要です。
合格率と試験の概要
英検準1級の一次試験の合格率は15〜18%程度とされています(2016年度以降は公式非公表ですが、難易度に大幅な変化はないと考えられています)。二次試験の合格率は約89%です。
合格者の内訳をみると、社会人が約44%、大学生が約24%、高校生が約20%を占めています。つまり、英検準1級は大学生や社会人でも難しいと感じる本格的な資格試験であることがわかります。
試験は一次試験(筆記90分+リスニング25分)と二次試験(面接)に分かれており、2024年度のリニューアルにより、リーディングの大問の一部が削減され、ライティングには要約問題が加わりました。
求められる語彙・文法・スキル
英検準1級のレベルは大学中級程度(必要語彙数7,500〜9,000語)とされており、「社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる」水準です。CEFRではB2レベルに相当します。
英検2級の必要語彙数が4,000〜5,000語であるのに対して、準1級では約7,500〜9,000語を習得している必要があります。リーディングの長文読解は文章量が増えるだけでなく、題材の難易度も上がります。
また、二次試験は日本人およびネイティブスピーカーの面接委員と1対1で約8分話す形式で、社会生活に関するさまざまなトピックが出題されます。
これだけの幅広いスキルが求められることを念頭に置いた上で、各通信教育サービスの対応状況を確認していきましょう。
スタディサプリ(スタサプ)で英検準1級対策はできるか
スタサプには「スタディサプリ(進学・受験向け)」と「スタディサプリENGLISH(英語4技能向け)」の2種類があります。英検準1級対策を検討する際は、この2つを混同しないことが重要です。それぞれの機能をしっかり把握した上で活用方法を考えましょう。
スタサプ(進学向け)で対策できる領域
スタディサプリ(進学向け)の英検対策講座は、低価格で英検2級まで対応しており、スマホやパソコン・タブレットで映像授業を受けることができます。一方で、英検準1級や1級を目指している場合は、専用の対策講座は現時点では用意されていません。
ただし、スタサプの高校講座で扱う英文法・英文読解の内容は難関大学入試レベルに対応しており、英検準1級合格に必要な読解力・文法力の土台作りには十分活用できます。2024年度のリニューアルで追加された「要約問題」や「Eメール作成」といった新形式のライティングについては、英作文の基礎をスタサプで学んだ上で、市販の予想問題集や生成AIの添削を組み合わせて演習を補う方法が効果的です。
スタディサプリENGLISHで対策できる領域
スタディサプリENGLISHには、レベル1からレベル7まであり、最上位のレベル7は英検準1級レベルに相当します。英検準1級のリスニング対策として、このレベル7を繰り返しレッスンすることが有効です。
また、学校向けの「スタディサプリ ENGLISH 英語4技能コース」では、英検3級〜準1級を対象に過去5回分の過去問題が提供されており、解答・解説だけでなく間違えやすいポイントも学べます。
スタサプだけでは不足する部分
スタサプが得意とするのは、動画講義による基礎固めと4技能バランスの向上です。一方で、ライティング(英作文・要約)の添削サポートがない点は大きな弱点です。準1級合格には記述式ライティングが重要なウエイトを占めるため、添削指導を別途補う必要があります。
また、二次試験(面接・スピーキング)の対策も単体では不十分で、面接シミュレーションや発話練習ができる環境を別途用意することが求められます。
スタサプの料金と使い方
スタディサプリ高校講座は月額2,178円〜(ベーシックプラン)と非常にリーズナブルです。コスパを重視して基礎力を上げたい方や、リスニング強化を目的としてスタディサプリENGLISHと組み合わせたい方にはおすすめの選択肢といえます。
進研ゼミで英検準1級対策はできるか
進研ゼミは小・中・高校生向けに幅広い講座を提供しており、英語4技能の対応にも力を入れているサービスです。英検準1級レベルへの対応状況を確認してみましょう。
進研ゼミの英検対策コンテンツ
進研ゼミでは、CEFR B2レベル(英検準1級相当)まで得点力を高めていける「12段階習熟度別トレーニング」を導入しており、英語検定試験対策にも活用できます。
試験の約2か月前からアプリで語彙・文法対策を行い、約1か月前から英語検定対策BOOKに取り組む学習の流れが推奨されています。
高校講座では英語を1教科から受講することも可能で、進研ゼミ高校講座の会員向けの有料オプションを利用すれば、英語レッスンと英検対策を受講することができます。
進研ゼミで対策できる範囲と限界
進研ゼミの強みは、日々の学校授業との連動性が高い点と、4技能をバランス良く育てる設計にある点です。しかし、英検準1級に特化した問題演習量という点では専門スクールや市販問題集には及びません。
ライティング添削については、一部オプションで英作文の添削が受けられますが、準1級合格に十分な添削量を確保するには追加コストがかかる場合があります。また、スピーキング対策については、オンラインスピーキングの有料オプションを活用することで補完できます。
進研ゼミは「学校の勉強と並行しながら英検準1級を目指したい」高校生にとって、取り組みやすい選択肢といえます。
Z会で英検準1級対策はできるか
Z会は難関大学受験に強いことで知られ、記述・論述問題への対応力を養うカリキュラムが特徴です。英検準1級との相性という観点でも注目したいサービスです。
Z会の英検対策コンテンツ
Z会では、英検のスコアを登録することで技能ごとにぴったりのレベルの問題が出題される教材が用意されています。また、過去問の傾向を徹底分析したZ会オリジナルの模試型教材で本番さながらの演習が可能で、3級以上の面接対策までフルサポートしています。
Z会の英語教材は長文読解の質が高く、大量の英文に触れながら読解スピードと精度を鍛えることができます。英検準1級で問われる社会・環境・科学といったアカデミックなテーマへの対応力も、Z会の日常学習の中で自然と育まれる点が大きな特徴です。
Z会の強みと弱み
Z会の最大の強みは、ライティングの添削指導が充実している点です。記述問題の添削が丁寧に行われるため、英検準1級のライティング(意見論述・要約)対策において特に効果を発揮します。
一方、Z会の教材は難易度が高めに設定されており、英検2級レベルの基礎が十分に固まっていない状態では取り組みにくいと感じる場合があります。「準1級対策の専用コース」という形ではなく、高校講座の英語学習全体を通じてスキルを積み上げていく設計です。Z会は2025年度からタブレット特化の学習スタイルとなっており、AIを搭載したタブレットで効果的に学習を進めることが可能です。
3サービスを比較して選ぶポイント
スタサプ・進研ゼミ・Z会にはそれぞれ異なる特徴があります。どのサービスが英検準1級対策に向いているかは、学習目的や現在のレベル、予算によって大きく変わります。
料金・コスパで選ぶ
コストパフォーマンスを最優先に考えるなら、**スタサプ(月額2,178円〜)**が最もリーズナブルです。基礎的な映像授業とリスニング対策に絞って活用するなら、非常にコスパよく使えます。
進研ゼミは学年・受講教科数によりますが、高校講座1教科で月額6,000〜7,000円程度が目安です(学年・申込時期により異なります)。Z会も同様に月額6,000円前後で、こちらも教材の質と添削指導が価格に見合っています。
ライティング添削まで含めた準1級対策コスパで考えると、Z会が最もバランスに優れているといえます。
学習スタイルで選ぶ
スキマ時間に動画で学びたい方にはスタサプが向いています。通学時間や就寝前の短時間でも学習を進めやすい構造になっています。
学校の授業と連動しながら英検対策もしたい方には進研ゼミが適しています。定期テスト対策と並行して英検力を高めていける設計が魅力です。
記述・論述力を鍛えながら本格的に取り組みたい方にはZ会が最適です。ハイレベルな問題と丁寧な添削が、準1級合格に向けた実力を着実に引き上げます。
合格実績・サポートで選ぶ
英検準1級合格に向けて特に重要なのが、ライティングの添削サポートとスピーキング対策です。この2点を通信教育だけで完結させたい場合、Z会か進研ゼミ(オプション活用)が有力な選択肢となります。スタサプは添削がない分、市販の問題集や外部サービスとの組み合わせが必要です。
通信教育だけで英検準1級合格は可能か
「通信教育サービスだけで英検準1級に合格できるのか」というのは、多くの方が知りたい本質的な疑問です。結論から言えば、可能な場合とそうでない場合があります。現在の英語力と学習時間の確保が、分かれ目になります。
合格できるケースとできないケース
すでに英検2級を取得しており、安定した読解力・リスニング力があるならば、Z会や進研ゼミを中心とした通信教育で準1級合格を目指すことは十分に現実的です。特に、毎日の学習習慣が確立されていて、ライティング添削を活用できる環境があれば、合格圏内に入りやすくなります。
一方、英検2級の基礎が固まっていない段階で準1級を狙う場合は、通信教育だけでは学習量が不足しがちです。英検準1級合格には7,500語以上の語彙習得が前提となるため、まずは語彙強化に集中する期間を設けることが大切です。 ESL Club
通信教育と他の教材を組み合わせる方法
通信教育を最大限に活かすためには、補助的な教材や学習ツールを組み合わせることが効果的です。
語彙強化には、旺文社の「でる順パス単 英検準1級」などの専用単語帳が定番です。毎日コツコツ覚える習慣をつくるだけで、読解力・リスニング力の底上げにつながります。
ライティング添削に不安がある場合は、生成AIツール(ChatGPTなど)を活用して英作文を添削してもらう方法も補助的に有効です。ただし、AIによる添削には限界もあるため、可能であれば指導者による添削を受けることをおすすめします。
スピーキング対策については、オンライン英会話との組み合わせが効果的です。定期的に英語で話す機会を設けることで、二次試験に必要な発話スピードや表現力を鍛えることができます。
まとめ
スタサプ・進研ゼミ・Z会は、それぞれ異なる強みを持つ通信教育サービスです。英検準1級対策における各サービスの立ち位置を整理すると、以下のようになります。
スタディサプリは準1級専用講座こそないものの、基礎力強化・リスニング対策として月額2,178円〜というコスパの良さが魅力です。他の教材との組み合わせ前提で使うのがおすすめです。
進研ゼミは学校授業との連動性が高く、習熟度別に英検準1級レベルまで対応できるカリキュラムが整っています。英検対策BOOKやオプション活用で4技能をバランス良く強化できます。
Z会はライティング添削が充実しており、難関大学受験レベルの高品質な英語問題と組み合わさることで、英検準1級合格に最も直結した学習ができます。すでにある程度の基礎力がある方に特に向いています。
どのサービスも一長一短がありますが、現在の英語力・学習スタイル・予算に合わせて選ぶことが最も重要です。また、通信教育単体に頼りすぎず、語彙帳・過去問・添削サービスをうまく組み合わせることが、英検準1級合格への近道です。