英検準1級の合格を目指して参考書を探していると、必ずといっていいほど目にするのが旺文社の「過去6回全問題集」シリーズです。しかし書店や通販サイトを見ると、2023年度版・2024年度版・2025年度版・2026年度版と複数の年度版が並んでいて、「どれを買えばいいの?」「CDはあるの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、各年度版の収録内容の違いや音声の聴き方、旧版CDの活用法まで、徹底的に解説します。受験時期や手元にある本に合わせて、最適な一冊を選ぶ参考にしてください。
英検準1級 過去6回全問題集とはどんな本か
旺文社の「英検準1級 過去6回全問題集」は、英検準1級の本試験(一次・二次)を6回分まるごと収録した過去問集です。1970年代から続くロングセラーシリーズで、毎年春に新年度版が発行されます。
基本的な構成と特徴
本書は「本冊」と「別冊解答」の2冊セット構成です。本冊には6回分の試験問題と解答用紙が収録されており、別冊には全問題の解答・訳・解説が掲載されています。解説には正答率の高い問題に★印が付いているため、優先して取り組むべき問題がひと目でわかる工夫がされています。
巻頭には「英検インフォメーション」として試験の概要や合否判定の仕組みが解説されており、初めて準1級を受験する方でも試験全体の流れを把握してから学習をスタートできます。また、二次試験(面接)の問題カードと解答例・解説も掲載されているため、一次試験から二次試験まで一冊でカバーできる点が大きな強みです。
2024年度からの試験リニューアルについて
2024年度第1回検定(2024年6月実施)より、英検準1級を含む3級以上の試験が大きくリニューアルされました。準1級・1級・2級ではライティング問題が1題から2題に増加し、既存の意見論述問題に加えて「要約問題」が新設されました。あわせてリーディングの問題数が一部削減され、試験時間も調整されています。
2024年度以降に発行された年度版には、この新形式に対応した旺文社オリジナル予想問題や解答例が掲載されています。これから受験を予定している方は、必ず新形式対応の年度版を選ぶことが重要です。
年度版別の収録試験と違いを徹底比較
「過去6回全問題集」はほぼ毎年新版が出ますが、年度が変わるたびに収録される試験回が更新されます。ここでは2023年度版から2026年度版まで、それぞれの収録内容と特徴をまとめます。
2023年度版(収録:2022年度第3回〜2021年度第3回)
2023年度版には、2024年度のリニューアル前の旧形式問題が全6回収録されています。ライティングは意見論述のみ1題、リーディングも旧来の問題数で構成されており、現在の試験形式とは異なります。
これから新形式で受験する方には内容が古くなっているため、積極的に選ぶ必要はありません。ただし、旧形式で蓄積された出題傾向の分析や語彙・読解の練習には活用できます。
2024年度版(収録:2023年度第2回〜2021年度第3回)
2024年度版には、新形式の要約問題に対応した旺文社オリジナル予想問題と英検公式サンプル問題(解答例・訳・解説付き)が巻頭に掲載されています。一方、収録されている過去問6回分は2024年度リニューアル前のものが中心のため、実際のリニューアル後の問題はほぼ含まれていません。
音声はアプリ「英語の友」またはダウンロードで利用でき、アプリ・ダウンロードの利用期限は2024年2月28日〜2025年8月31日と設定されていました。現在この期限が切れているため、購入を検討している場合は注意が必要です(期限内にダウンロード済みの音声は引き続き使用可)。
2025年度版(収録:2024年度第2回・第1回、2023年度第3回・第2回・第1回、2022年度第3回)
2025年度版は、2024年度のリニューアルを実際に反映した過去問が初めて2回分(2024年度第1回・第2回)収録された点が大きな特長です。新形式の要約問題を実際の試験問題で体験できるようになり、実戦的な練習ができます。
旺文社オリジナル予想問題と英検公式サンプル問題も引き続き掲載。二次試験についても、2024年度から一部変更されたスピーキングの形式に対応した予想問題が収録されています。音声のアプリ・ダウンロードサービス利用期限は2025年2月25日〜2027年2月28日です。
2026年度版(収録:2025年度第2回・第1回、2024年度第3回・第2回・第1回、2023年度第3回)
最新の2026年度版は、リニューアル後の新形式問題が5回分収録されており、現在の英検準1級の出題傾向を最も正確に反映しています。2025年度の傾向と攻略ポイントも巻頭に掲載されているため、最新の試験動向を踏まえた学習ができます。
音声のアプリ・ダウンロードサービス利用期限は2026年2月20日〜2028年2月29日で、2026年現在も有効です。これから英検準1級の受験を目指す方には、最新の2026年度版が最も適した選択肢です。
CDはいつ廃止されたのか
以前の「過去6回全問題集」には、リスニング・面接の音声を収録したCDが別売りで販売されていました。しかし、2026年度版からCDの刊行がなくなり、音声はアプリ「英語の友」またはダウンロードのみでの提供となっています。
CDあり・なしの見分け方
書籍のタイトルを確認することで、CDの有無を判断できます。旧版では「CD付き」「CD」という表記が書名に含まれている場合があります。2023年度版以前の一部シリーズにはCDが存在していました。現行の2025・2026年度版については、本体(書籍)+音声はアプリ/ダウンロード対応のみで、CDは存在しません。
過去に購入した旧版のCDを持っている方は、現在も再生可能です。ただし、CDに収録されているのはリスニングと面接の音声のみで、解説は別売りの本冊と組み合わせて使う必要がある点に注意してください。
音声アプリ「英語の友」の使い方と活用法
現行版の音声は、旺文社の公式アプリ「英語の友」を使って聴くことができます。スマートフォンひとつで学習できるため、CDプレーヤーが不要になり、外出先や通学中の学習もしやすくなっています。
アプリのインストールと音声の登録方法
「英語の友」はApp StoreまたはGoogle Playから無料でインストールできます。アプリを起動してアカウントを作成した後、書籍に記載された利用コードを入力することで、その年度版の音声データがアプリ内に登録されます。
音声の再生方法は主に2通りあります。ひとつはアプリ内でストリーミング再生する方法、もうひとつは音声データをスマートフォンに事前ダウンロードしておく方法です。インターネット環境のない場所でも学習したい場合は、あらかじめダウンロードしておくことをおすすめします。
リスニング学習に役立つアプリの機能
「英語の友」にはリスニング学習をサポートするいくつかの便利な機能があります。
まず再生速度の変更機能です。0.5倍速から2倍速まで調整でき、最初はゆっくり聴いて内容を確認し、慣れてきたら1.2〜1.5倍速でスピードに慣れるという使い方が効果的です。
次に反復再生(リピート)機能です。特定のトラックや区間を繰り返し再生できるため、聴き取れなかった箇所を集中的に練習できます。ディクテーション(音声を聞いて書き取る練習)と組み合わせると、語彙・文法・聴解力を同時に鍛えられます。
シャドーイングの練習にも役立ちます。英検準1級のリスニングは話速が比較的速いため、スクリプトを見ながら音声に続けて声に出す練習を繰り返すことで、リスニング力だけでなく発音やイントネーションも改善できます。
「学びの友」の自動採点機能とは
現行の過去6回全問題集には、採点アプリ「学びの友」との連携機能もあります。マークシート式の問題は「学びの友」アプリを使って自動採点でき、各回の得点や正答率を記録・確認できます。自分の弱点セクションを客観的に把握するのに便利な機能です。ただし、ライティングや面接(スピーキング)の採点は自動では行えないため、別途自己採点が必要です。
効果的な使い方と学習スケジュール
過去6回全問題集は使い方次第で学習効果が大きく変わります。ただ問題を解くだけでなく、戦略的に活用することが合格への近道です。
まず1回分を「実力確認」として解く
書籍を手にしたら、最初の1回分は時間を計って本番と同じ条件で解いてみましょう。現在の自分の実力を把握することが最初のステップです。採点後は各セクション(リーディング・リスニング・ライティング)の得点を記録し、どの分野の失点が多いかを確認します。
この結果をもとに、残り5回分の演習に向けた学習計画を立てることができます。例えばリスニングの正答率が低い場合はシャドーイングを増やし、語彙問題で失点が多い場合は『パス単 準1級』などの単語帳を並行して使う、といった判断がしやすくなります。
解き直しと復習を徹底する
過去問演習で最も大切なのは解いた後の復習です。不正解だった問題は解説をしっかり読んで正答の根拠を理解し、正解したものの自信がなかった問題も確認します。語彙問題は知らなかった単語をノートや単語カードにまとめておくと効率的です。
ライティングは採点基準(内容・構成・語彙・文法の4観点)を意識しながら自己採点し、特に要約問題は「本文の表現を言い換えて簡潔にまとめられているか」を確認するようにしましょう。
6回分の使い方の目安
6回分の過去問をどのタイミングで使うかを計画しておくことも重要です。たとえば試験3ヶ月前から取り組む場合、最初の2〜3回分は実力確認と弱点把握のために使い、残りの3〜4回分は弱点補強後の「仕上げ演習」として試験直前に活用するのが効果的です。6回全部を一気に消費してしまうと、直前期に新しい過去問がなくなってしまうので注意しましょう。
どの年度版を買うべきか
最後に、状況別のおすすめをまとめます。
これから受験を申し込む方・最新の出題傾向で練習したい方には、2026年度版が最適です。新形式問題が5回分収録されており、音声サービスも2028年2月まで有効です。
2025年度版をすでに持っている方は、それで十分です。2024年度リニューアル後の過去問が2回収録されており、現行の試験形式をカバーしています。追加で2026年度版を買い足す必要はありません。
旧版(2023年度版以前)しか手元にない方は、新形式の要約問題に対応した演習ができないため、最新版への買い替えを検討することをおすすめします。語彙・読解・リスニングの基礎練習には使えますが、ライティング対策は別の新形式対応教材で補う必要があります。
中古で安く購入したい方は、音声サービスの利用期限が切れていないかを確認してから購入しましょう。期限切れの場合、音声のアプリ利用はできませんが、事前にダウンロード済みの音声は引き続き使えます。
英検準1級は語彙・読解・ライティング・リスニング・スピーキングと出題範囲が広く、過去問を使った実戦練習は合格に欠かせません。自分の受験スケジュールと手持ちの教材を照らし合わせながら、最適な一冊を選んでください。