英検準1級の一次試験に合格したものの、二次試験で惜しくも不合格になってしまった——そんな経験をお持ちの方に、ぜひ知っておいていただきたい制度があります。それが「一次試験免除制度」と「英検S-CBT(エスシービーティー)」です。これらをうまく活用すれば、一次試験をスキップして二次試験(スピーキング)から再挑戦できます。本記事では、制度の条件や申請方法、S-CBTの特徴、そして二次試験突破に向けた対策まで、まとめてわかりやすく解説します。
一次試験免除制度とは
英検には、一次試験をパスした実績がある受験者が再挑戦しやすくなる「一次試験免除制度」が設けられています。前回の結果を無駄にせず、次回は二次試験だけに集中できるというのが、この制度の大きな魅力です。
免除制度が使える条件
一次試験免除制度を利用できるのは、1級〜3級の一次試験(リーディング・リスニング・ライティング)に合格し、二次試験(スピーキング)を不合格になったか、棄権(欠席)した方です。準1級もこの対象に含まれます。
一次試験に合格しただけで二次試験を受けていない場合でも、二次試験を棄権した扱いになるため免除資格を取得できます。ただし、一次試験自体を不合格だった場合には免除制度は利用できない点に注意が必要です。
免除資格の有効期間
免除資格が使える期間は、二次試験のウェブ合否公開日時から翌年度の同じ回までです。たとえば、2024年度第1回の英検で一次試験免除資格を取得した場合、2025年度第1回検定まで申請することができます。
有効期間は約1年間と考えるとわかりやすいでしょう。この期間を過ぎると資格は失効しますので、再挑戦を考えている方は早めに計画を立てておくことをおすすめします。
一次試験免除の申請方法
免除制度を利用するには、通常の申込とは別に、免除申請の手続きが必要です。申請自体はそれほど複雑ではありませんが、必要な情報を事前に確認しておくとスムーズに進められます。
申請に必要な情報と手順
英検(従来型)で一次試験免除を申請する場合は、申込フォームの「一次試験免除申請」欄に以下の4点を入力します。
- 一次試験を合格した受験年度と回次
- 受験した級
- 個人番号
- 生年月日
これらの情報は、合否結果のページや合格証書などで確認できます。申請後も検定料は通常と同額が必要ですので、注意してください。
注意すべきポイント
免除申請で受験する場合でも、試験当日に提示が求められる本人確認書類は通常と同じです。受験票・本人確認書類を忘れずに持参しましょう。また、一次試験免除で申し込んだ場合でも、希望すれば一次試験から受験することも可能です。ただし、その場合は一次試験の結果にかかわらず二次試験に進むことになります。
英検S-CBT(エスシービーティー)とは
英検S-CBTは、日本英語検定協会が実施しているコンピューター形式の英語検定試験です。「S-CBT」の「S」はSpeaking、「CBT」はComputer Based Testの略で、パソコンを使って1日で4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)を一括受験できるのが最大の特徴です。従来型英検が年3回の実施であるのに対し、S-CBTは試験日の選択肢が多く、部活や学校行事の合間を縫って受験スケジュールを組みやすい点が魅力です。
なお、S-CBTで受験できる級は準1級・2級・準2級・3級(2025年6月から「準2級プラス」も追加)に限られており、1級・4級・5級はS-CBTでは受験できません。
S-CBTで一次試験免除を使う方法
英検S-CBTでも一次試験免除制度を活用できます。S-CBT・従来型英検・英検S-Interviewいずれかで取得した免除資格があれば、S-CBTの申込時に免除申請をすることで、スピーキングテストのみ受験することが可能です。
従来型英検の一次試験で合格した資格を持つ方が「S-CBTのスピーキングだけ再受験したい」という場合にも対応しているため、試験日の融通がきくS-CBTを二次試験の代替として活用するのは非常に効果的な戦略です。
S-CBTのスピーキングテストについて
S-CBTでは、スピーキングテストが試験の最初に行われます。従来型英検の二次試験は面接委員と対面で行われますが、S-CBTのスピーキングはマイクへの録音方式であり、カメラはなく対面プレッシャーがない分、緊張が和らぐという受験者も多くいます。
また、S-CBTではスピーキングの後に、リーディング・ライティング・リスニングの試験が続きます。ライティングは手書き(筆記)とタイピングのどちらかを選択でき、タイピングが得意な方には有利な選択肢です。
従来型英検とS-CBTの違い
従来型英検とS-CBTはどちらも英検の一種であり、合否・スコアの価値は同等ですが、受験形式にはいくつかの違いがあります。再挑戦にあたってどちらを選ぶかは、自分のスタイルや状況に合わせて判断しましょう。
解答用紙・マークシートの違い
従来型英検の一次試験では、ライティング部分を除いてマークシート形式の解答用紙を使用します。HBの黒鉛筆またはシャープペンシルのみが使用可能で、サインペンやボールペンは使えません。なお、2025年度第1回から個人番号の形式が「級ごとのアルファベット1文字+数字6桁」に変更されています。
練習時にマークシートの形式に慣れておきたい場合は、英検公式サイトから練習用の解答用紙PDFをダウンロードすることができます。
一方、S-CBTでは解答用紙・マークシートは不要です。すべての解答はコンピューター上で行います。リーディング・リスニングはクリック操作、ライティングは画面上への入力(または手書き)となります。
どちらを選ぶべきか
紙の試験に慣れていてリラックスして受験したい方には従来型英検、試験日の選択肢を増やしたい方・対面の面接が苦手な方にはS-CBTが向いています。一次試験免除を使う場合、従来型もS-CBTも申請の仕組みは同様ですが、S-CBTはスピーキングのみの受験日を自分のペースで設定できるため、準備期間を確保しやすいというメリットがあります。
一次試験免除で二次試験に合格するための対策
一次試験免除を利用する場合、次のステップはスピーキング(二次試験)対策のみに集中できます。この集中できる環境を最大限に活かすことが合格への近道です。
二次試験で問われること
英検準1級の二次試験(スピーキング)では、面接委員と1対1で行われる面接形式のテストが実施されます。4コマのイラストを見てナレーションを行う問題と、社会的・抽象的なテーマについて意見を述べる質問が出題されます。日常会話レベルを超えた語彙力・論理的表現力が求められるため、しっかりとした準備が必要です。
効果的な練習方法
二次試験対策では、まず英検公式サイトで公開されている過去問やバーチャル二次試験動画を活用して、試験の流れや出題形式を把握することが重要です。ナレーション練習では時間を計りながら声に出して話す訓練を繰り返し、意見を問う質問には「主張→理由→具体例」の構成で答えられるよう準備しておきましょう。
S-CBTで受験する場合は、録音方式に慣れておくことも大切です。自分の声を録音して聞き直す練習を日頃から取り入れることで、本番でも落ち着いて話せるようになります。