英検準1級を目指して、手元にあるターゲット1900をそのまま使えないかと考えている方は多いと思います。大学受験でおなじみのこの単語帳、実は「英検2級〜準1級対応」と記載されていることをご存知でしょうか。とはいえ、実際に準1級レベルに太刀打ちできるのか、単独で使い続けてよいのか、不安に感じる方もいるはずです。

この記事では、ターゲット1900が英検準1級にどこまで対応できるのかを具体的な数字で検証し、準1級専用の単熟語EXとの上手な組み合わせ方も含めて解説します。すでにターゲット1900を使っている方も、これから単語帳を選ぼうとしている方も、ぜひ参考にしてみてください。

ターゲット1900だけで英検準1級に対応できるか

ターゲット1900は大学受験向けの単語帳として広く知られていますが、英検準1級の対策にどこまで使えるのかを、収録語数と実際の出題率の両面から確認してみましょう。

ターゲット1900の収録語数と準1級の要求語彙レベル

ターゲット1900は、書籍名こそ「1900」とありますが、実際には本編のほかに準1級対策用200語とTEAP用140語が収録されており、総収録語数は2,240語です。3つのパートに分かれたレベル別構成になっており、難易度を段階的に上げながら学習できる設計になっています。

一方、英検準1級の合格に必要とされる語彙数は、一般的に7,500語〜9,000語と言われています。ターゲット1900の2,240語はあくまでも「核となる基礎語彙」の集合体であり、準1級で問われる高度な語彙をすべてカバーするには届かないのが正直なところです。

ただし、語彙数の不足イコール「使えない」ということではありません。単語帳としての「基礎固め力」と「出題率」は別の話です。次に、実際の出題との対応度を見てみましょう。

準1級の語彙問題で問われる単語はターゲット1900に入っているか

実際の英検準1級の語彙問題(大問1)との対応を調べた分析では、ターゲット1900の語彙問題における出題率は約62%という結果が出ています。これは英検準1級専用に作られた「出る順パス単準1級」の67%に次ぐ数字で、他の単語帳と比較してもトップクラスの水準です。

また、2025年1月に実施された英検で78.6%という高いカバー率を記録したという分析データも報告されています。つまり、ターゲット1900をしっかり仕上げた状態であれば、語彙問題の6〜7割前後は正解できる下地が整うということになります。

ただし、残り3〜4割は準1級特有の難単語です。試験本番で高得点を狙うためには、ターゲット1900だけでは足りない語彙域を別の手段で補う必要があります。

ターゲット1900 exとは何か、通常版との違いを整理する

「ターゲット1900 ex」という名前を見聞きしたことがある方もいるかもしれません。ただし、注意が必要です。ここでいう「ex(EX)」は、ターゲットシリーズとは別の出版社から出ている「単熟語EX 英検準1級」を指すことがほとんどです。

単熟語EX 英検準1級の収録内容と難易度

「出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX(第2版)」は、ジャパンタイムズ出版から2023年3月に改訂版が発売された準1級専用の単語帳です。見出し語は2,412語、総収録語数は約3,900語と大ボリュームで、単語(Part1)、熟語(Part2)、テクニカルタームの3部構成になっています。

英検準1級の大問1(語彙問題)に頻出する単語を「出る順」に並べた設計で、難易度の高い語彙が前半に凝縮されています。語源情報・類義語・反意語・派生語も記載されており、単語を文脈のなかで体系的に覚えられる点が大きな強みです。付属アプリやダウンロード音声も用意されており、学習スタイルに合わせて使いやすい作りになっています。

準1級対策における単熟語EXの有効性

単熟語EXはターゲット1900と比べると全体的に難易度が高く、「ターゲット1900ではカバーしきれない準1級特有の語彙」を重点的に収録しています。ターゲット1900で土台を固めた後にEXへ進むと、語彙力がもう一段引き上げられる感覚を得られます。

ターゲット1900とEXは競合関係ではなく、補完関係です。ターゲット1900で身につけた基礎語彙の上に、EXで準1級頻出語彙を積み上げるというイメージで使うのが最も効果的です。

ターゲット1900とexを組み合わせた準1級対策の進め方

ターゲット1900とEXの2冊を使う場合、どちらから始め、いつ切り替えるかが合否を左右します。ここでは、効率的に両者を活用するロードマップを説明します。

まずターゲット1900を完成させる:優先度の考え方

単語帳学習の大原則は「1冊を完成させてから次へ進む」ことです。ターゲット1900を途中で放置したままEXに移行すると、基礎語彙に抜けが生じ、長文読解や英作文でも影響が出ます。

まず目標とするのは、ターゲット1900を全2,240語完全に仕上げることです。特にPart1(800語)とPart2(1,500語まで)を優先的に習得すると、準1級の語彙問題で6〜7割程度の土台が整います。アプリを活用した反復確認が効果的で、完璧に覚えた単語を記録しながら進めると達成感が得やすくなります。

EXをどのタイミングで導入するか

ターゲット1900の全語彙を9割以上定着させたと感じたタイミングが、EX導入の目安です。具体的には、過去問演習で語彙問題に取り組んだときに「知らない単語が多く残る」と感じたら、EXへの移行サインと考えてよいでしょう

EXは全体を一度に仕上げようとするとボリュームに圧倒されます。まずはPart1(単語)の前半に収録されている頻出度の高い語彙から着手し、過去問で実際に出題された単語と照合しながら進めると効率が上がります。準1級の試験日まで3〜4か月の余裕があれば、ターゲット1900仕上げ→EX前半習得→過去問演習というサイクルで進めるのが現実的です。

単語帳以外で補うべき準1級の語彙域

単語帳2冊を仕上げてもなお、準1級では「時事・社会問題系の語彙」が出題されます。これは単語帳だけで対応するのが難しい領域です。英字新聞や英語のオンライン記事(BBC、The Japan Timesなど)を週1〜2本読む習慣をつけると、単語帳に載っていない文脈ごとの語彙を補うことができます。

また、過去問を解く際に知らなかった単語をノートにまとめ、繰り返し確認する「自分専用の単語帳」を作ることも、仕上げ段階の語彙強化として非常に有効です。

ターゲット1900で準1級を目指す人がよく感じる疑問

ここでは、実際に準1級を目指す学習者から寄せられることの多い疑問に答えます。

「ターゲット1900だけでは足りない」は本当か

この疑問への答えは「単独では語彙問題の得点だけを最大化するには不十分だが、土台としては非常に優秀」というものです。

前述のとおり、ターゲット1900の出題率は約62%と高い水準にあります。つまり、ターゲット1900を完全に仕上げれば、語彙問題で6割程度は安定して正解できる下地が作れます。残りの差分をEXや過去問学習で補えば、合格ラインには十分届きます。

「ターゲット1900だけでは足りない」という声は事実の一面ではありますが、それはあくまで「満点を狙う場合」の話です。合格を目標とするのであれば、ターゲット1900はコストパフォーマンスが非常に高い選択肢です。特に大学受験と英検の両立を目指す受験生には、1冊で2つの目標に対応できる点が大きなメリットになります。

準1級合格者はどんな単語帳を使っているか

準1級の合格体験記を見ると、以下のような学習パターンが多く見られます。

  • ターゲット1900を仕上げてからEXに移行したパターン:大学受験組に多く、ターゲット1900の完成度を高めた後にEXで上積みするスタイル。
  • 単熟語EX単独で取り組んだパターン:英検準1級専願で、最初からEXに絞って集中した層。

どちらのルートでも合格している方は多くいます。重要なのは「どの単語帳を使うか」よりも「選んだ1冊を最後まで完成させること」です。ターゲット1900をすでに使い込んでいるなら、その学習資産を最大限活かしたうえでEXを追加するのが、もっとも無駄のない戦略といえます。

英検準1級の語彙対策で大切なのは、手元の単語帳を1冊完成させることから始めることです。ターゲット1900はその「最初の1冊」として、準1級対策の出発点に十分なりえます。ぜひ今日から1語ずつ積み上げていきましょう。