英検準1級の要約問題は、200語程度の英文を読み、60〜70語の英語で要約する問題です。得点のカギは、段落ごとの要点を拾い、自分の言葉で言い換え、自分の意見を足さないことです。
この記事では、要約問題の形式と採点の観点、解き方の4ステップ、使えるテンプレートを順に説明します。後半では例題と解答例を使って、実際の書き方も確認します。
英検準1級の要約問題とは|形式と語数
要約問題は、一次試験の筆記(90分)で大問4として出題されます。2024年度第1回の問題形式リニューアルで加わった問題で、英検S-CBTでは2024年5月実施分から導入されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題位置 | 大問4 |
| 英文 | 200語程度 |
| 解答の語数 | 60〜70語 |
| 大問5 | 意見論述 |
2026年度の形式です。
リニューアルでは要約問題が加わった分、リーディングの問題数が41問から31問に減りました。筆記の試験時間は90分のままです。
語数は「60〜70語」の指定
要約の語数は、2025年度第1回から「目安」ではなく、指定の範囲として示されるようになりました。問題冊子では、60〜70語で要約するよう指示されます。
なお、大問5の意見論述は、今も「120〜150語」が目安という表記です。2つの課題で語数の示し方が違う点に注意しましょう。
英文は3段落構成が多い
要約する英文は、3つの段落で構成されることが多いとされています。第1段落で話題が示され、第2段落と第3段落で賛成と反対、利点と問題点などが述べられる流れが典型です。
解答時間は自分で配分する必要があります。旺文社の解説では、要約は約20分が目安とされています。筆記全体の配分は英検準1級の試験時間と時間配分も参考にしてください。
採点基準と0点になるケース
要約問題は、内容・構成・語彙・文法の4つの観点で採点されます。出版社などの解説では、各観点4点、合計16点満点とされています。
| 観点 | 主に見られる点 |
|---|---|
| 内容 | 要点を過不足なくまとめているか |
| 構成 | 話の流れが分かりやすいか |
| 語彙 | 適切に言い換えているか |
| 文法 | 文の形が正確で多様か |
4つの観点の概要です。
要約になっていない解答は0点のことも
問題冊子には、要約になっていない解答は0点になることがあると注意書きがあります。本文の語句をつなぎ合わせただけの答案や、本文と関係のない内容は特に危険です。
要約は意見を述べる課題ではありません。自分の考えや本文にない情報を書き足さないことが、0点を避けるための基本です。
要約問題の解き方|4つのステップ
要約は「読む→要点を選ぶ→言い換える→つなぐ」の順で進めると、時間内にまとめやすくなります。
ステップ1:段落ごとの役割をつかむ
まず本文を段落ごとに読み、それぞれが「話題」「賛成・利点」「反対・問題点」のどれにあたるかを確認します。段落の最初の文や、However などの転換を表す語に注目すると見つけやすくなります。
読みながら、段落ごとに日本語で一言メモを残しておくと、書くときに迷いにくくなります。
ステップ2:要点を選び、具体例はまとめる
各段落から、筆者が伝えたい要点を1〜2つ選びます。60〜70語に収めるため、具体例や細かい説明は一般的な言葉でまとめるのが基本です。
たとえば「仕事や学校、病院に行きやすくなる」という具体例は、「日々の移動がしやすくなる」とまとめられます。
ステップ3:自分の言葉で言い換える
要点が決まったら、本文とは違う単語や文の形で書き直します。本文の表現をそのまま使う部分が多いと、語彙の観点で評価が下がりやすくなります。
品詞を変える、主語を入れ替える、似た意味の語に置き換えるといった方法が使えます。ふだんから同じ意味の表現をセットで覚えておくと、本番で言い換えやすくなります。
ステップ4:つなぎ言葉で流れを示し、語数を確認する
文と文のつながりは、つなぎ言葉(ディスコースマーカー)で示します。利点から問題点へ移るときは、However や On the other hand が使えます。理由や結果を示すときは、because や As a result などを使います。
書き終えたら、必ず語数を数えましょう。指定の60〜70語に収まっているかを確認してから、スペルや文法の見直しに移ります。
要約は採点の観点がはっきりしている分、第三者の目で答案を見てもらうと伸びやすい問題です。独学で不安がある場合は、英検に特化したマンツーマン指導で添削を受けるのもひとつの方法です。
すぐ使える要約テンプレート
本文が「話題→賛成→反対」の3段落なら、要約も3つのパートで組み立てると安定します。次の表現を型として覚えておきましょう。
話題を示す書き出し
- 話題の提示には「In recent years, 〜 has attracted attention.」が使えます。
- 「Some people/cities have started to 〜.」も書き出しに便利です。
賛成・利点を述べる表現
- 利点は「Supporters argue that 〜.」でまとめられます。
- 「This can help 〜 by 〜.」は理由を添えるときに便利です。
反対・問題点を述べる表現
- 転換には「However, critics point out that 〜.」が定番です。
- 「They also worry that 〜.」で問題点を追加できます。
テンプレートは便利ですが、型に頼りすぎて中身が薄くならないよう注意が必要です。まとめの一文を最後に足す場合も、本文にない結論や自分の意見は入れないようにします。より多くの表現は英検準1級ライティングのテンプレートとフレーズ集でも紹介しています。
例題で解き方を確認する
ここでは、当サイトで作成したオリジナルの例題を使って流れを確認します。英検協会がリニューアル時に公開した準1級の出題例も、イギリスの国立博物館の入場無料化をめぐる賛否を扱う3段落の英文でした。
例題の英文の構成
例題は「路線バスの無料化」をテーマにした、3段落の英文を想定します。各段落の内容は次のとおりです。
| 段落 | 内容 |
|---|---|
| 第1段落 | 税金でバスを無料にする都市がある |
| 第2段落 | 低所得層の移動、渋滞・大気汚染 |
| 第3段落 | 費用、混雑、効果は限定的との声 |
例題の段落構成です。
第2段落では、利点の具体例として通勤・通学・通院のしやすさや、商店街の客足が挙げられています。第3段落では、増税やサービス削減のおそれ、車ではなく徒歩や自転車の人が乗り換えるだけではないか、という批判が述べられています。
要約の解答例(65語)
Some cities now run free public buses paid for with taxes. Supporters believe this makes daily travel easier for low-income people and could reduce traffic and pollution while bringing more customers to shops. However, critics argue that it is costly and may lead to higher taxes or service cuts. They also say buses may become crowded and fewer drivers than expected might switch to buses.
第1文で話題、第2文で利点、第3文と第4文で問題点をまとめています。通勤・通学・通院という具体例は、「daily travel」という短い句にまとめました。
利点から問題点への転換は However で示しています。自分の意見は加えず、本文の内容だけで構成している点も確認してください。
よくある失敗と語数の調整
要約でつまずく人には、共通する失敗があります。自分の答案を見直すときのチェックポイントにしてください。
本文をそのまま写してしまう
もっとも多いのは、本文の表現をほぼそのまま使ってしまう失敗です。一度本文から目を離し、メモだけを見て書くと、自然に自分の言葉で書けるようになります。
具体例を詰め込みすぎる
具体例を全部入れようとすると、語数が足りなくなり、要点がぼやけます。例は1語か短い句にまとめ、各段落の中心となる主張を優先しましょう。
語数が多すぎる・少なすぎる
語数が多いときは、修飾語を削る、関係詞や分詞で2文を1文にまとめるといった方法で調整します。少ないときは、要点の説明を少し補うか、1文を2文に分けて整理します。
要約力を伸ばす練習法
要約の力は、読む練習と書く練習の両方で伸びていきます。毎日の学習に次の3つを取り入れてみてください。
- 長文を読むたびに、段落ごとの要点を1行で書き出す。
- 過去問や問題集の英文を使い、60〜70語で要約する。
- 書いた要約を添削してもらい、言い換えの弱点を知る。
段落の要点をつかむ練習は、リーディングの長文対策にもそのまま役立ちます。読解のコツは英検準1級リーディング対策で解説しています。
大問5の意見論述もあわせて対策したい場合は、英検準1級ライティング完全攻略で採点の観点や書き方を確認しておきましょう。
まとめ
英検準1級の要約問題は、200語程度の英文を60〜70語でまとめる問題です。段落ごとの役割をつかみ、要点を選んで自分の言葉で言い換え、つなぎ言葉で流れを示すのが基本の解き方です。
要約になっていない解答は0点になることもあるため、意見を足さず、語数を必ず確認しましょう。形式や日程などの最新情報は英検公式サイトでご確認ください。
自分の要約がどう評価されるか知りたい方は、英検専門のマンツーマンレッスンで添削を受けながら練習を進めることもできます。
