英検準1級のリスニングで点が伸びず、悩んでいる人は少なくありません。2級と比べると話題が専門的になり、「速くてついていけない」「Part2の長い英文が頭に残らない」と感じやすいパートです。
先に結論をお伝えすると、準1級のリスニングはパートごとに聞き方を変えることと、聞き取れない原因を特定してから練習することで伸ばしやすくなります。この記事では、2026年度の出題形式、パート別のコツ、原因別の対処法、勉強の進め方を順番に解説します。
英検準1級リスニングの出題形式(2026年度)
英検準1級のリスニングは、一次試験で筆記(90分)に続いて行われます。時間は約30分で、3つのパートに分かれた全29問です。
| パート | 内容 | 問題数 |
|---|---|---|
| Part1 | 2人の会話を聞き、内容に合う選択肢を選ぶ | 12問 |
| Part2 | 社会や科学などのパッセージを聞き、1つにつき2問に答える | 12問 |
| Part3 | 案内放送や電話の音声ガイダンスなど、Real-Life形式の音声を聞く | 5問 |
放送はどのパートも1回だけです。選択肢は問題冊子に印刷されており、解答時間は各問の放送が終わってから10秒間とされています。なお、準1級のリスニングは2024年度のリニューアルで形式が変わっていません。
リスニングの英検CSEスコアは750点満点で、リーディング・ライティングと同じ配点です。一次試験は3技能の合計で判定されるため、リスニングで安定して得点できると合格にぐっと近づきます。スコアの仕組みは英検準1級の合格点とCSEスコアの解説で詳しく紹介しています。
パート別の特徴と解き方のコツ
3つのパートは、それぞれ聞き取るべきポイントが違います。パートごとに意識する点を決めておくと、本番で迷わずに済みます。
Part1(会話):最後のやりとりまで集中する
Part1は、家庭や職場、学校などを舞台にした男女2人の会話です。旺文社の解説では、会話の長さは100語前後とされています。会話の後半で予定が変わったり、話し手の本音が出たりする展開がよくあるため、最後のやりとりまで集中して聞くことが大切です。
質問は「女性はこのあと何をするか」「男性は何を示唆しているか」のように、話し手の次の行動や意図を問うものがよく見られます。会話の細部より、2人が最終的にどうするのかをつかむ意識で聞きましょう。
放送前の説明(Directions)が流れている間に、選択肢にざっと目を通しておきましょう。選択肢から話題を予想しておくと、何を聞き取ればよいかが絞れます。
Part2(パッセージ):前半と後半で聞き分ける
Part2は、150語前後のパッセージを聞いて2問に答える形式で、これが6題あります。歴史、自然科学、社会問題など、話題は幅広く専門的です。多くの受験者が点を落としやすいパートといわれています。
パッセージは前半と後半で話が展開し、1問目が前半、2問目が後半の内容に対応することが多いといわれます。選択肢を先に見て、前半で聞かれそうなこと、後半で聞かれそうなことを大まかに分けておくと聞き取りやすくなります。
正解の選択肢は、放送の表現を別の言い方に変えた「言い換え(パラフレーズ)」になっていることがよくあります。放送と同じ単語が入っている選択肢に飛びつかず、内容が一致しているかで判断しましょう。
Part3(Real-Life):質問を先に読む
Part3は、案内放送やコマーシャル、電話の音声ガイダンスなど、日常生活で聞く音声が題材です。問題冊子には状況(Situation)と質問(Question)が印刷されていて、放送の前に10秒間、読む時間があります。
この10秒では、まず質問を読み、次に状況で自分の条件を確認する順番がおすすめです。「あなたは何をすべきか」を問う質問がよく出るため、状況に書かれた条件に合う情報だけを拾うつもりで聞きましょう。
たとえば「あなたは空港にいて、午後3時発の便に乗り継ぐ予定だ」という状況(オリジナルの例)なら、午後3時の便に関係する案内に集中します。ほかの便や別の条件の話は、聞き流して問題ありません。
聞き取れない原因と対処法
「聞き取れない」と感じる原因は、人によって違います。原因がわからないまま問題を解き続けても伸びにくいので、まずは自分がどこでつまずいているのかを確認しましょう。
| 原因 | よくある状態 | 対処法 |
|---|---|---|
| 語彙不足 | スクリプトを読んでも意味がわからない | 単語帳の音声で、発音と意味をセットで覚える |
| 音の変化 | 読めばわかるのに、音だと気づけない | スクリプトを見ながら音読し、音のつながりを確認する |
| 処理速度 | 聞き取れても内容が頭に残らない | 速読と要点のメモで、英語の語順のまま理解する |
音の変化の例としては、get it が「ゲリッ」のように聞こえるものがあります。文字だけで英語を学んできた人ほど、こうした音のつながりでつまずきやすくなります。語彙を増やしたい人は、英検準1級の単語対策もあわせて確認してください。
Part2が苦手なときの練習手順
Part2が苦手な場合は、いきなり本番形式で解き続けるより、1つのパッセージを深く練習するほうが効果的です。次の手順で進めてみましょう。
- まず通して聞き、話題と話の流れをつかむ
- スクリプトを見て、聞き取れなかった箇所に印をつける
- 印をつけた箇所の原因(語彙・音の変化・文の構造)を確認する
- スクリプトを見ながら音声に合わせて読む(オーバーラッピング)
- 最後にスクリプトを見ずにもう一度聞き、理解できるか確かめる
学術的な話題が苦手な人は、ニュースや科学系の英文を日ごろから読んでおくと背景知識が増え、聞き取りの助けになります。
どこでつまずいているのかを自分で判断するのが難しい場合は、英検に特化したマンツーマン指導で弱点を一緒に整理してもらうのも一つの方法です。
リスニング力を伸ばす勉強法ロードマップ
リスニングは、段階に合わせて練習の中身を変えると効率よく伸ばせます。基礎固め、実戦練習、直前期の3段階で考えてみましょう。
基礎固め期:音と意味を結びつける
最初は、単語や熟語を音で聞いてすぐに意味がわかる状態を目指します。読んで意味がわかる単語でも、聞いて反応できなければ得点につながりません。過去問のスクリプトを使い、知らない語句や聞き取れなかった表現を1つずつ確認していきましょう。
音声は、Part1のような短い会話から始めると取り組みやすくなります。慣れてきたら、Part2の長いパッセージに進みましょう。
音声に少し遅れて同じように発音する「シャドーイング」も、音の変化に慣れる練習になります。最初はスクリプトを見ながらのオーバーラッピングから始め、慣れたらスクリプトなしで取り組みましょう。
実戦期:過去問で弱点を記録する
基礎が固まってきたら、過去問や予想問題で本番と同じ形式の練習をします。答え合わせだけで終わらせず、どのパートで、どんな理由で間違えたのかを記録しておくと、復習の優先順位がはっきりします。
リスニング専用の問題集としては、旺文社の『英検分野別ターゲット 英検準1級リスニング問題 改訂版』があります。オリジナル問題150問で、パートごとの攻略法を学べる構成です。2018年の発行ですが、準1級のリスニングは形式が変わっていないため演習に使えます。
選択肢を先に読むタイミングやメモの取り方も、この時期に自分に合う形を決めておきましょう。過去問の入手方法は英検準1級の過去問の入手方法、問題集選びは英検準1級のおすすめ参考書で紹介しています。
直前期:解いた問題を聞き直して仕上げる
試験が近づいたら、新しい教材に手を広げるより、これまで解いた過去問の音声を聞き直して精度を上げる時期です。筆記90分とリスニング約30分を続けて解く練習もしておくと、本番の集中力の配分がつかめます。
パートの説明が流れている間に次のパートの選択肢を見るなど、本番での時間の使い方も確認しておきましょう。一次試験全体の時間配分は英検準1級の試験時間と時間配分が参考になります。
聞き流しの正しい使い方
英語を聞き流すだけの学習は、耳を英語に慣らす効果はあるものの、それだけで準1級レベルのリスニング力を伸ばすのは難しいとされています。聞き流しでは、自分がどこを聞き取れていないのかに気づかないまま音声が進んでしまうからです。
一方で、内容をすでに理解した音声を聞き流すのは、復習として役に立ちます。一度スクリプトで確認した過去問の音声を、通学時間などのすき間時間に聞き直す方法がおすすめです。英語のリズムに慣れ、初めて聞く音声にも対応しやすくなります。
聞き流しはあくまで補助として使い、学習の中心には「精聴(細かく聞き取る練習)」と問題演習を置きましょう。
まとめ
英検準1級のリスニングは約30分・29問で、放送は1回だけです。Part1は会話の最後まで集中し、Part2は前半と後半で聞き分け、Part3は質問を先に読むことが基本の解き方です。
伸び悩んでいるときは、語彙・音の変化・処理速度のどこに原因があるのかを見極め、精聴と演習を中心に練習を続けましょう。
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