高校受験の費用はいくら?受験料・入学金・塾代と支援制度

高校受験にお金がいくらかかるのか、見通しが立たないまま中学3年生を迎えるご家庭は少なくありません。高校受験の費用は、受験そのものにかかるお金、入学時に払うお金、塾や模試にかかるお金の3つに分けると整理できます。この記事では、それぞれの目安を公的な資料の数字で確認していきます。

高校受験の費用は3つに分けて考える

結論から言うと、高校受験の費用は次の3つに分けて見積もると見通しが立ちます。

  • 受験料(公立の受検料、私立の検定料)
  • 入学時に払うお金(入学料・入学金・施設費など)
  • 塾代・模試代・教材費。

このうち金額が大きくなりやすいのは、入学時に払うお金と塾代です。受験料そのものは、併願校を増やしても数万円の範囲に収まることがほとんどです。「受験にお金がかかる」という漠然とした不安は、この3つに分けた時点でかなり小さくなります。

お金が出ていく時期もばらばらです。受験料は12月から2月の出願時、入学時のお金は1月下旬から3月、塾代は1年を通してかかります。いつ、いくら必要になるかを時期で並べておくと、家計の準備がしやすくなります。

公立高校の受検料と入学料はいくら?

公立高校の受検料と入学料は、都道府県が条例で決めています。金額は地域ごとに定められていますが、多くの県で同じ水準になっています。

神奈川県の場合、全日制の入学検定料は2,200円、入学料は5,650円です。定時制はそれぞれ950円と2,100円で、通信制は徴収がありません。詳しくは神奈川県の県立高校受検料・入学料の案内で確認できます。

愛知県も全日制の入学料は5,650円で、神奈川県と同じ金額です。公立高校は、受検料と入学料を合わせても1万円かかりません。

授業料は全日制で年額118,800円です。ただし、この金額は後で説明する就学支援金でそのまま支給されます。そのため、公立高校の授業料の負担は実質的に0円になる家庭がほとんどです。

お住まいの都道府県の金額は、教育委員会のサイトに載っています。出願要項が配られる前でも調べられます。

受検料の納め方も確認しておきましょう。近年はインターネット出願が広がり、クレジットカードやコンビニで支払う方式が増えています。神奈川県のように、決済方法によって数十円から数百円のシステム利用料が別にかかる自治体もあります。

私立高校の受験料・入学金はいくら?

私立高校は、金額を学校ごとに決めています。受ける学校の募集要項で確認するのが確実ですが、目安になる調査が公表されています。

東京都が公表した令和8年度の学費一覧を見ると、検定料は2万円から3万円の間に集まっています。なかでも25,000円としている学校が多く見られます。

入学金と授業料の平均は次のとおりです。東京都内の全日制233校を対象にした令和8年度の調査の数字です。

  • 入学金の平均 254,599円
  • 授業料の平均(年額) 512,882円
  • 初年度納付金の総額の平均 1,007,549円。

一方、文部科学省が令和6年度に行った全国調査では、入学料165,898円、授業料457,331円、施設整備費等157,232円という結果でした。東京都の数字は全国平均よりかなり高めです。お住まいの地域の水準で考えてください。

初年度納付金には、制服代や教科書代、通学定期代は含まれていません。制服や指定用品だけで数万円から10万円ほどかかる学校もあります。入学が決まってから慌てないよう、学校説明会で目安を聞いておくと安心です。

併願すると受験料の合計はいくらになる?

受験料は、出願した学校の数だけかかります。公立1校と私立2校を受ける場合で計算してみます。

  • 公立高校の受検料 2,200円
  • 私立高校の検定料 25,000円×2校=50,000円
  • 合計 52,200円。

受験料だけで見れば、併願を1校増やしても数万円の差にとどまります。注意したいのは、そのあとに続く入学手続き金のほうです。

公立の結果を待つ間に、私立へ入学金を納めなければならないことがあります。この入学金は、公立に合格して進学先を変えても返ってこない学校が多くあります。

延納や返還の扱いは学校ごとに違います。出願する前に募集要項で確認しておくと、想定外の出費を避けられます。単願と併願のどちらで出願するかでも費用は変わるので、単願と併願の違いと併願優遇の仕組みもあわせて確認してみてください。

塾代と模試代は年間どのくらいかかる?

高校受験の費用のなかで、いちばん大きくなりやすいのが塾代です。

文部科学省の令和5年度子供の学習費調査によると、公立中学校に通う生徒1人あたりの学習塾費は年間およそ23万円でした。塾以外の習い事なども含めた学校外活動費は、合計で約35万6千円です。

学校に払うお金と学校外のお金を合わせた学習費の総額は、公立中学校で年間542,450円という結果でした。

ただし、これは中学1年生から3年生までの平均です。中学3年生は夏期講習や冬期講習が重なるため、平均より高くなります。講習費の目安は中学生の夏期講習の費用にまとめています。

塾は月謝だけで比べると判断を誤りがちです。入塾金や教材費、講習費を足した年間の総額で比べる方法は安い塾の選び方と塾の料金・費用の相場で説明しています。

模試は1回あたり4,000円から5,000円程度が目安です。地域ごとの模試は主催団体が受験料を公表しており、例えば関西で受ける生徒が多い模試については五ツ木模試の日程と受験料で紹介しています。年に何回受けるかを先に決めておくと、総額が読みやすくなります。

そのほか、過去問題集や参考書の費用もかかります。1冊1,000円台から2,000円台のものが多く、5教科分をそろえると1万円前後になります。学校説明会に行くための交通費も、遠方の高校を検討するなら見ておきたい出費です。

使える支援制度を確認する

授業料については、国の制度で支援を受けられます。高等学校等就学支援金という制度です。

この制度は令和8年度から所得制限が撤廃され、保護者の収入にかかわらず支給されるようになりました。制度の内容は文部科学省の高校生等への修学支援のページで確認できます。

支給の上限額は、公立高校の全日制で年額118,800円、私立高校の全日制で年額457,200円です。私立の通信制は年額337,200円が上限です。授業料がこの額に届かない場合は、授業料の分までが支給されます。

就学支援金は自動では支給されません。入学後に学校から案内があり、e-Shienというシステムか書類で申請します。手続きを忘れると受け取れないので、案内が来たらすぐに確認してください。

このほかに、受検料と入学料の免除制度を設けている自治体があります。授業料以外の教材費などには、高校生等奨学給付金という制度もあります。条件は自治体ごとに違うため、中学校の先生や自治体の窓口に確認するのが確実です。

私立高校に通う場合は、都道府県が独自に上乗せする授業料軽減の助成を行っていることもあります。国の就学支援金とは別の制度で、名称も条件も自治体ごとに異なります。志望校が決まったら、その学校のある自治体の制度も調べておくと負担の見通しが変わります。

費用でつまずかないための3つの確認

最後に、お金の面で慌てないために確かめておきたいことを3つ挙げます。

  • 併願する学校の数を秋のうちに決めておく
  • 私立の入学手続き金の締切日を、出願前に調べておく
  • 就学支援金や免除制度を、入学前に調べておく。

とくに大事なのが2つ目です。私立の入学手続き金は、公立の合格発表より前が締切になることがあります。ここを知らないまま出願すると、想定していなかった支払いが必要になります。

金額を見て受験校を減らそうと考える前に、まず制度と締切を確認してみてください。使える制度を知っているだけで、選べる高校の幅は変わります。お子さんと話すときも、数字が分かっていると落ち着いて相談できます。