机に向かっているのに、同じ行を何度も読み返してしまう。そんな経験はありませんか?集中が切れたときは、無理に粘るより短い気分転換を挟んだほうが、結果的に勉強は進みやすくなります。この記事では、数分でできる勉強の気分転換の方法を、休憩を入れる間隔の目安とあわせて紹介します。休憩が長引かないためのコツもまとめました。
勉強中に気分転換が必要なのはなぜ?
集中力は、気合いだけで何時間も保てるものではないからです。同じ姿勢で座り続け、ノートや画面を近くで見続けると、頭だけでなく体や目も疲れてきます。
疲れたまま机に向かっていても、問題文が頭に入らなかったり、ケアレスミスが増えたりしがちです。いったん手を止めて体と目を休めると、戻ったあとに勉強を再開しやすくなります。気分転換はサボりではなく、長く勉強を続けるための準備だと考えてよいでしょう。
公的な資料でも、こまめに休むことが勧められています。たとえば文部科学省の児童生徒の健康への配慮に関するページでは、「30分に1回はタブレットから目をはなそう」と呼びかけています。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023(こども版)でも、座りっぱなしの時間、特にスクリーンタイムを減らすことが勧められています。
休憩はどのくらいの間隔で取ればいい?
一つの目安は、30〜50分勉強したら5〜10分休むくらいです。集中が続く長さは人や科目によって違うので、まずはこの範囲で試し、自分に合う長さを探してみてください。
大人のパソコン作業については、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(2019年策定)が参考になります。1時間以内を1サイクルとし、サイクルの間に10〜15分の作業休止を取るよう示されています。勉強でも、1時間以上ぶっ通しで続けるのは避けたほうが無難です。
タイマーで区切るポモドーロ・テクニック
休むタイミングを決めるのが苦手なら、タイマーで区切る方法が便利です。よく知られているのが、25分集中して5分休むことをひと区切りにするポモドーロ・テクニックです。イタリアのフランチェスコ・シリロ氏が考案した方法で、何セットか続けたら長めの休憩を取ります。
25分が短すぎると感じる人は、40分勉強して10分休むなど、自分に合う長さに調整してかまいません。大切なのは、休憩を始める時間だけでなく、終わる時間も先に決めておくことです。
集中が切れたサインが出たら早めに休む
時間を決めていても、眠い日や難しい単元のときは早めに限界が来ます。同じ問題を何度読んでも頭に入らない、字が雑になってきた、といったサインが出たら、区切りを待たずに一度休みましょう。
5分でできる勉強の気分転換の方法
短い休憩では、頭を使わずに体と目を休めましょう。ポモドーロ・テクニックの考案者も、休憩中は頭を使う作業を避け、席を離れて体を動かすよう勧めています。
立ち上がってストレッチをする
いちばん手軽なのは、席を立って体を伸ばすことです。両腕を上に伸ばす、肩を回す、首をゆっくり倒すなど、座り姿勢で固まりやすいところをほぐしましょう。その場で足踏みをしたり、階段を一往復したりするだけでも気分が切り替わります。
激しい運動をする必要はありません。息が上がるほど動くと、かえって疲れて勉強に戻りにくくなります。
窓の外など遠くを眺めて目を休める
教科書やノート、タブレットを近くで見続けると、目も疲れてきます。休憩のときは画面から離れ、窓の外の景色など遠くをぼんやり眺めてみてください。目を閉じて、しばらく何も見ない時間をつくるのもよい方法です。
ゆっくり呼吸して気持ちを整える
テスト前の焦りや不安で集中できないときは、呼吸を整えるのも一つの方法です。背すじを伸ばして座り、鼻からゆっくり吸って、吸ったときより長めに時間をかけて口から吐きます。これを何回か繰り返すと、気持ちを切り替えるきっかけになります。
水を飲む・顔を洗う・換気する
水やお茶を飲む、冷たい水で顔や手を洗う、窓を開けて空気を入れ替える。こうした小さな行動も、気分を変えるきっかけになります。部屋が暑すぎたり空気がこもっていたりすると頭がぼんやりしやすいので、休憩のたびに室温や換気も見直しましょう。
好きな曲を1〜2曲だけ聴く
音楽が好きな人は、休憩中に好きな曲を聴くのもよいでしょう。ただし、動画サイトやアプリを開くと次々に再生されて、休憩が長引きがちです。「2曲聴いたら戻る」のように、曲数で終わりを決めておくと安心です。勉強中にBGMを流すかどうかは、音楽を聴きながら勉強する効果とデメリットで詳しく解説しています。
疲れがたまったら長めの休憩で何をする?
2〜3時間勉強を続けたあとや、どうしても集中が戻らないときは、15〜30分ほどの長めの休憩を取りましょう。短い休憩とは違い、場所を変えたり外に出たりして、しっかり頭を切り替えるのがポイントです。
散歩や家の用事で体を動かす
家の周りを10分ほど歩く、洗濯物を取り込む、食器を片づけるなど、体を動かしながら頭を休める過ごし方がおすすめです。外の空気に触れたり、目に入る景色が変わったりするだけでも、気分は切り替わりやすくなります。保護者の方は、お子さんにちょっとした用事を頼むのも自然な声かけになります。
勉強する場所を変える
同じ机に向かい続けて飽きてきたら、場所を変えるのも一つの手です。リビングや図書館、自習室などに移るだけで、気持ちが新しくなることがあります。家の外で勉強できる場所の探し方は、近くで勉強できる場所とおすすめスポットでまとめています。
眠いときは机に伏せて短く休む
休憩しても眠気が取れないときは、机に伏せて少しだけ目を閉じるのも方法です。ベッドで横になると深く眠ってしまいやすいので、タイマーをかけて短めにしておきましょう。眠気が強いときの対処法は、勉強中に眠くなる原因と眠気対策も参考にしてください。
気分転換が逆効果になるのはどんなとき?
休憩が長引いたり、かえって疲れたりする過ごし方は避けたいところです。特に次のようなパターンは、気分転換のつもりが勉強に戻れなくなる原因になりがちです。
- スマホで動画やSNSを見始め、気づいたら30分以上たっていた。
- ベッドに横になり、そのまま寝てしまった。
- ゲームや漫画を少しだけのつもりで始め、続きが気になって戻れなくなった。
スマホは休憩中も手の届かない場所に置く
スマホは終わりの区切りがつきにくく、5分程度の短い休憩には向いていません。短い休憩では画面を見ないことを基本にし、スマホを使うなら長めの休憩で時間を決めて使うのがおすすめです。勉強中の置き場所やルールの決め方は、中学生でもできるスマホの集中対策で紹介しています。
戻ったら最初にやることを決めてから休む
休憩のあとに机へ戻れない原因の一つは、何から始めるかを考えるのがおっくうになることです。休む前に「戻ったら問題集の12番から」のように、次の一手をメモしておきましょう。休憩の終わりをタイマーで知らせるようにしておけば、だらだら延びるのも防げます。
気分転換しても疲れが取れないときは?
休憩をはさんでも集中できない日が続くなら、勉強の仕方より生活のほうに原因があるかもしれません。まずは睡眠時間を見直してみてください。
厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するとされています。夜ふかしで睡眠が削られていると、昼間にいくら休憩を入れても疲れは抜けにくいものです。
勉強量が多すぎて疲れがたまっている場合は、1日の予定そのものを見直すことも必要です。無理なく続けるための考え方は、疲れて勉強できないときに無理なく続く勉強法で詳しく紹介しています。
だるさや眠気、気分の落ち込みが長く続く場合は、一人で抱え込まないでください。保健室の先生やスクールカウンセラー、かかりつけの医療機関に相談すると、原因を一緒に考えてもらえます。保護者の方も、やる気の問題と決めつけずに、お子さんの様子を見守ってあげてください。
まとめ
- 休憩は30〜50分に1回、5〜10分を目安にして、タイマーで区切る。
- 短い休憩では、ストレッチや遠くを眺めるなど、頭を使わずに体と目を休める。
- スマホやベッドは休憩を長引かせやすいので、使い方を先に決めておく。
- 休んでも疲れが取れないときは、睡眠時間や1日の勉強量を見直す。
自分に合う気分転換の方法が見つかると、長い時間の勉強も続けやすくなります。今日の勉強から、まずは1回タイマーをかけて休憩を取ってみてください。