家庭教師と個人契約するやり方は、「条件を決める→先生を探す→面談と体験授業→契約書→指導開始」の5ステップです。
時給の目安は、大学生の先生で1時間1,500〜3,000円ほどです。センター経由より安くなりやすい反面、先生探しやトラブル対応はご家庭で引き受けることになります。
この記事では、個人契約の相場、先生の見つけ方とそれぞれのリスク、契約書の作り方、税金やトラブルの注意点を順に整理します。センター経由との比較表も載せているので、どちらが合うかを考える材料にしてください。
家庭教師の個人契約とは?センター経由との違いを比較
個人契約とは、家庭教師センターなどの仲介を通さず、ご家庭と先生が直接契約する方法です。料金は抑えやすい一方、講師交代やトラブル対応の仕組みはありません。
センター経由では、先生探しや日程の調整、授業料の請求、トラブル時の対応をセンターが担います。個人契約では、これらをすべてご家庭と先生で決めて進めます。
個人契約とセンター経由の比較表
| 項目 | 個人契約 | センター経由 |
|---|---|---|
| 料金 | 指導料と交通費が中心。仲介の費用がないぶん安くなりやすい。 | 指導料のほかに、入会金や管理費がかかる場合がある。 |
| 先生探し | ご家庭で探し、身元や指導力も自分たちで確かめる。 | センターが選考し、条件に合う先生を紹介する。 |
| 講師交代 | 合わなければ、次の先生を自分で探し直す。 | 交代の制度がある。無料かどうかや回数の制限は会社で違う。 |
| トラブル対応 | 先生との話し合いで解決する。 | 担当者に相談でき、間に入ってもらえる。 |
| 教材 | 手持ちの教科書や問題集を使うことが多い。 | 手持ち教材で進める会社と、指定教材を買う会社がある。 |
| 解約 | 契約書で決めた条件に従う。 | 規約で決まる。条件によっては特定商取引法の対象になる。 |
比べるときは、1時間あたりの料金だけでなく、入会金や教材費を含めた年間の総額でそろえるのが基本です。センターの選び方は家庭教師センターの選び方と主な会社の比較で紹介しています。
個人契約のメリットとデメリット
個人契約の主なメリットは、次の3つです。
- 仲介の費用がかからないぶん、毎月の支払いを抑えやすい。
- 「数学だけ見てほしい」「学校のワークを使ってほしい」といった要望を、先生に直接伝えられる。
- 日程の変更や相談をすぐにやり取りでき、先生との距離が近くなりやすい。
一方で、次のようなデメリットとリスクがあります。
- 先生の身元や指導力を、ご家庭で見極める必要がある。
- 急な欠席や辞退、支払いの行き違いがあっても、間に入ってくれる人がいない。
- 先生と合わなくても、代わりの先生を紹介してもらえない。
- 指導中のけがや物の破損に備えた補償があるかどうかも、自分たちで確認することになる。
家庭教師という方法そのものにも、向き不向きがあります。個人契約かセンターかを決める前に、家庭教師のメリット・デメリットも確認しておくと判断しやすくなります。
解約ルールの違い
事業者と結ぶ家庭教師の契約のうち、期間が2か月を超え、金額が5万円を超えるものは、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たります。
この場合、法律で決められた書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフができます。中途解約するときの解約料にも上限があります(消費者庁「特定継続的役務提供」)。
こうしたルールは、事業者との契約を前提にしたものです。個人の先生と契約するときは、やめるときの条件を契約書で決めておくことが、センター経由以上に大切になります。
家庭教師の個人契約の相場は?時給の目安
個人契約の時給は、大学生の先生なら1時間1,500〜3,000円前後が目安です。プロの先生は2,000〜10,000円と幅が広く、受験対策ほど高くなります。
個人契約の授業料には公的な統計がありません。ここでは、学習情報サイトStudySearchがまとめた相場表(2026年8月更新)を紹介します。
| 学年・目的 | 大学生の先生 | プロの先生 |
|---|---|---|
| 中学生(通常の学習) | 1,500〜2,000円。 | 2,000〜6,000円。 |
| 中学生(高校受験) | 2,000〜3,000円。 | 2,500〜10,000円。 |
| 高校生(通常の学習) | 1,500〜2,000円。 | 3,000〜7,000円。 |
| 高校生(大学受験) | 2,000〜3,000円。 | 5,000〜10,000円。 |
出典はStudySearch「家庭教師の料金相場」です。いずれも1時間あたりの指導料で、交通費は含みません。
月謝に直すといくらになる?
例えば、中学生が大学生の先生に1回2時間、月4回教わるとします。時給1,500〜2,000円なら、月謝は12,000〜16,000円ほどです。
これに交通費が加わります。実費か定額か、上限をいくらにするかを最初に決めておきましょう。
センター経由の相場と比べる
家庭教師会社67社を調べた比較サイト「すぐなら」によると、センター経由の学生講師の時給は中学生で平均3,473円です。高校生では平均4,023円でした。
個人契約のほうが時給は低くなりやすいものの、センターの料金には講師交代やトラブル対応の手間も含まれています。全学年の相場や費用の内訳は、家庭教師の料金相場で詳しくまとめています。
塾に通う場合の費用と比べたいときは、個別指導と集団塾の料金相場も参考になります。
なお、安さだけで先生を選ぶと、途中で辞められてしまうこともあります。先生が無理なく続けられる金額かどうかも考えて決めましょう。
個人契約の家庭教師の見つけ方と、それぞれのリスク
先生の見つけ方は、主に「知人の紹介」「マッチングサイト」「SNSや地域の掲示板」の3つです。安心しやすいのは紹介で、リスクがいちばん大きいのはSNSや掲示板です。
| 見つけ方 | 良い点 | 主なリスク |
|---|---|---|
| 知人・卒業生の紹介 | 人柄が分かっていて、安心しやすい。 | 条件を言い出しにくく、断りにくい。 |
| マッチングサイト | 経歴や希望の時給を見比べられる。 | 手数料や本人確認の方法がサイトごとに違う。 |
| SNS・地域の掲示板 | 手軽で、費用がかからない。 | 身元を確かめにくく、困ったときの窓口がない。 |
知人や学校の先輩から紹介してもらう
いちばん安心しやすいのは、人柄を知っている人からの紹介です。知り合いの保護者や、お子さんの学校の卒業生などに声をかけてみましょう。
紹介であっても、面談や体験授業は省かないようにします。知り合い同士だと条件を言い出しにくいので、契約書で決めておくほうが、かえって関係がこじれにくくなります。
マッチングサイトを使う
先生とご家庭をつなぐマッチングサイトでは、プロフィールや指導経験、希望の時給を見比べて先生を探せます。複数の先生を比べられるので、地域の時給の目安をつかむのにも役立ちます。
ただし、手数料の有無や本人確認の方法、トラブル時の窓口はサービスによって違います。紹介料を1回だけ払う形や、利用料が続けてかかる形など、料金のしくみもさまざまです。
サイトの外で連絡や支払いをしてよいかが、規約で決まっていることもあります。登録する前に利用規約を確認しておきましょう。
SNSや地域の掲示板で探す
SNSの募集投稿や地域の掲示板で先生を探す方法もあります。手軽な反面、相手の身元を確かめにくく、トラブルの心配がいちばん大きい探し方です。
この方法を選ぶなら、面談で学生証や身分証を見せてもらい、住所や連絡先も確かめてから話を進めましょう。やり取りはお子さんに任せず、保護者が行うのが安心です。
センターで知り合った先生との直接契約は避ける
家庭教師センターから紹介された先生に、センターを外して個人契約を持ちかけるのは避けましょう。センターの規約で禁止され、違約金の対象になっている場合があります。利用中のセンターがあれば、まず規約を確認してください。
家庭教師と個人契約するやり方と契約書の作り方
個人契約は、次の5ステップで進めます。特に大切なのは、面談で身元を確かめることと、条件を契約書に残すことです。
- 教えてほしい科目、回数、予算、指導場所を家族で決める。
- 紹介やマッチングサイトなどで先生を探す。
- 面談と体験授業で、人柄や教え方、お子さんとの相性を確かめる。
- 授業料や解約の条件を話し合い、契約書を交わす。
- 指導が始まったら、報告と振り返りを続ける。
面談と体験授業で確かめること
面談には保護者も同席し、次の4点をこの段階で確かめておきましょう。
- 身元:大学生なら学生証、社会人なら運転免許証などの身分証を見せてもらう。
- 経験:これまでに教えた学年や科目、受験指導の経験を具体的に聞く。
- 相性:体験授業のあと、質問しやすかったか、説明が分かりやすかったかをお子さんに聞く。
- 場所と連絡:自宅なら家族の目が届く場所にし、連絡は保護者も把握できる方法にする。
お子さんを任せる相手なので、身分証の確認をお願いしても失礼にはあたりません。体験授業を有料にするかどうかも、事前に決めておくと気まずくなりません。
オンラインで教わる場合は、使うツールや通信環境を事前に試しておきます。オンライン指導の進め方は、オンライン家庭教師の比較と選び方も参考になります。
契約書に入れておきたい項目
個人契約でも、口約束だけで始めず、契約書を作っておきましょう。条件を書面に残しておけば、「言った・言わない」の行き違いを防げます。
| 項目 | 決めておく内容 |
|---|---|
| 指導の内容 | 科目、週の回数、1回の時間、指導場所(自宅かオンラインか)。 |
| 授業料 | 1時間または1回あたりの金額と、体験授業の扱い。 |
| 交通費 | 実費か定額か、上限があるか。 |
| 支払い | 支払日と方法、前払いか後払いか。 |
| 休みと振替 | 何日前までの連絡なら無料か、当日の休みや振替授業の扱い。 |
| 先生の都合による休み | 連絡の期限と、振替のしかた。 |
| 契約期間と解約 | 期間と更新の方法、やめるときは何週間前に伝えるか。 |
| 個人情報 | 成績や家庭の情報を外に出さないこと。 |
同じ内容の契約書を2通作り、双方が署名して1通ずつ保管します。授業料を見直すときの決め方も、あらかじめ書いておくと話し合いがしやすくなります。
テンプレートを使うときのポイント
インターネットで公開されている契約書のひな形を使うと、一から作るより手軽です。ただし、項目をそのまま使うのではなく、話し合って決めた条件に合わせて書き換えましょう。
特に、休みの扱いと解約の条件は家庭ごとに違います。空欄や「別途相談」のまま残さず、具体的な日数や金額を書き込んでおくことが大切です。
個人契約の税金とトラブル時の注意点
一般のご家庭が先生に授業料を払うとき、源泉徴収は原則として必要ありません。税金の申告が必要かどうかは、受け取る先生の側で判断することになります。
税金:ご家庭と先生、それぞれの扱い
国税庁は、給与を払っていない個人が報酬を支払う場合、源泉徴収の必要はないと案内しています(国税庁 No.2793)。
先生が受け取る授業料は、給与ではなく雑所得などとして扱われるのが一般的です。アルバイト先で年末調整を受けている先生は、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。
この基準は国税庁 No.1900で確認できます。ここでの所得は、受け取った金額から交通費などの経費を引いた額です。
大学生の先生の場合は、親の扶養の範囲に影響することもあります。金額が大きくなりそうなときは、先生自身が税務署などで確認しておくよう伝えると親切です。
よくあるトラブルと防ぎ方
- 急な欠席や遅刻:振替の有無と、何日前までの連絡なら無料かを契約書に書く。
- 支払いの行き違い:振込など記録が残る方法にし、現金なら領収書をもらう。
- 先生の急な辞退:受験期に困らないよう、辞めるときは何週間前に伝えるかを決める。
- 指導中のけがや物の破損:ご家庭や先生が入っている保険で対応できるかを確かめる。
支払日は契約書どおりに守ります。支払いの遅れは、先生との信頼関係が崩れる原因になります。
授業のあとは、その日の内容と宿題、次回の予定を短く共有してもらいましょう。月に1回ほど、保護者と先生、お子さんの3人で進み具合を話し合うと、つまずきや不満に早く気づけます。
教材を勧められたときと、困ったときの相談先
先生やセンターから高額な教材を勧められたら、その場で決めないようにしましょう。内容と必要性、支払いの総額、解約の条件を確かめてから判断します。
事業者との契約で教材を一緒に買った場合、教材も特定商取引法の「関連商品」として、クーリング・オフや中途解約の対象になります。
個人契約のトラブルは、契約書と支払いの記録が話し合いの土台になります。センターなど事業者との契約で困ったときは、消費者ホットライン「188」で近くの消費生活センターに相談できます。
手間が不安ならセンター経由も選択肢(家庭教師のサクシードの例)
先生探しやトラブル対応を自分でするのが不安なら、センター経由を選ぶのも一つの方法です。その場合は、教材販売の有無、講師交代、解約の条件の3点を確かめましょう。
この3点がはっきりしているセンターの一つが、家庭教師のサクシードです。公式サイトで確認できる主な条件は次のとおりです。
- 教材:高額な教材のセット販売はなく、手持ちの教科書や参考書、塾のテキストで指導する。
- 講師交代:先生が合わないと感じたら、無料で何度でも交代できる。
- 支払い:月謝制で、毎月26日に口座振替か振込。ローンやチケット制ではない。
- 退会:原則月末で、1か月前までに伝えれば退会費・違約金はかからない。
- 料金:1時間あたり中学生4,070円〜、高校生5,280円〜(税込)。
料金は2026年9月時点の公式サイトの表示で、今後変わることがあります。入会金や交通費の金額は公式サイトに載っていないため、見積もりのときに確認してください。
指導料のみで試算すると、中学生が90分×月4回なら24,420円〜(税込)です。個人契約より時給は上がりますが、先生探しや交代の手間をセンターに任せられます。
個人契約と総額で比べたいときは、家庭教師のサクシード公式サイトの無料体験・見積もりで、学年と回数に合った月謝を確かめてみてください。
公式サイトには、無料体験に参加しても入会の義務はないと書かれています。個人契約の候補と並べて、落ち着いて比べられます。
まとめ
- 個人契約は費用を抑えやすい一方、先生選びとトラブル対応をご家庭で引き受ける方法です。
- 時給の目安は、大学生の先生で1時間1,500〜3,000円ほどです。プロは受験対策ほど高くなります。
- 先生は紹介やマッチングサイトで探し、面談で身分証と経験、体験授業で相性を確かめます。
- 授業料や休みの扱い、解約の条件は契約書に書き、2通作って保管します。
- ご家庭の源泉徴収は原則不要で、先生は所得に応じて確定申告が必要になる場合があります。
手間が大きいと感じたら、センター経由や個別指導塾とも総額で比べてみてください。どの方法でも、最初の準備を丁寧にしておけば、お子さんに合った先生と長く続けやすくなります。