高学歴はどこから?最低ラインの目安を国公立・私立別に解説

高学歴はどこから?最低ラインの目安を国公立・私立別に解説

「高学歴って、どこの大学からなんだろう?」と気になったことはありませんか。志望校を考え始めた高校生や、お子さんの進路を考える保護者の方にとって、よく耳にするのに意外とはっきりしない言葉です。この記事では、高学歴に明確な定義がない理由と、よく挙げられる最低ラインの目安を国公立・私立別に整理します。あわせて、就職との関係や、高校生が今からできることも紹介します。

高学歴はどこから?決まった定義はなく目安は人それぞれ

結論からいうと、「高学歴はここから」という公的な基準はありません。法律や統計で決められた区分ではなく、世間で使われている目安にすぎないからです。

そのうえで、ネット上や就職の話題でよく見られるのは、次のような線引きです。

  • 私立大学なら、MARCH・関関同立から上を高学歴とする見方。
  • 国公立大学なら、旧帝大や上位の国立大学、あるいは国公立全体を高学歴とする見方。
  • 最難関に絞って、東京一工・旧帝大・早慶だけを高学歴とする厳しめの見方。

どれか一つが正解というより、誰がどんな場面で言っているかによってラインが動く、と考えるのが現実的です。

本来の「学歴」は最終学歴のこと

学歴という言葉は、もともと最後に卒業した学校の段階を指します。中学・高校・大学・大学院のどれを出たか、という意味です。大学を出ていればそれだけで高学歴、と見られた時代もありました。

しかし今は、大学への進学がめずらしくありません。文部科学省の令和7年度学校基本調査によると、大学(学部)への進学率は過年度卒を含めて58.6%です。令和8年度の速報値では、全国の大学は816校(国立85校・公立104校・私立627校)あります。

同世代の約6割が大学に進む今、大卒かどうかだけでは差がつきにくくなりました。そのため「高学歴」は、どの大学を出たかを指して使われることがほとんどです。なお、学部卒業者のうち大学院などへ進む人は12.7%で、大学院卒を高学歴と呼ぶ場面もあります。

偏差値で見るなら55〜60あたりが境目とされやすい

偏差値で線を引く場合は、55〜60あたりを境目とする意見がよく見られます。成績の分布が正規分布に近いとき、偏差値60は上位約16%にあたる位置です。

ただし、大学の偏差値は模試を実施する会社ごとに数値が違います。たとえば河合塾のボーダー偏差値は、合格の可能性が50%に分かれるラインを示したものです。

また、大学受験の模試を受けるのは大学進学を目指す人が中心です。同じ偏差値50でも、高校入試の偏差値50とは意味が違う点に注意しましょう。

高学歴の最低ラインはどこ?国公立・私立別の目安

最低ラインとしてよく挙がるのは、私立ならMARCH・関関同立、国公立なら旧帝大に次ぐ上位の国立大学です。ただし国公立は、大学名にかかわらず高く見られやすいという特徴があります。

私立はMARCH・関関同立が境目

MARCHは明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の5校です。関関同立は関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学の4校を指します。MARCHに学習院大学を加えて「GMARCH」と呼ぶこともあります。

どちらも首都圏と関西を代表する、知名度の高い私立の大学群です。私立で高学歴の最低ラインが語られるときは、多くの場合この層が境目になります。各大学の偏差値や並び順は、GMARCHの偏差値と序列をまとめた記事で詳しく紹介しています。

国公立は「国公立なら高学歴」と見る人もいる

国公立大学の一般選抜では、共通テストで多くの教科を受けるのが一般的です。さらに大学ごとの個別試験にも備える必要があります。そのため「国公立に受かった人は幅広く勉強してきた」と受け止められやすいのです。

こうした理由から、地方の国公立大学も含めて高学歴と見る人がいます。一方で厳しめに見る人は、旧帝大(北海道・東北・東京・名古屋・京都・大阪・九州の7大学)を基準にします。筑波大学・神戸大学・横浜国立大学などの上位国立を境目にする人も少なくありません。

日東駒専・産近甲龍は意見が分かれる

日東駒専は日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学の4校です。産近甲龍は京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学を指します。いずれも規模が大きく、全国的に名前を知られた中堅私立の大学群です。

この層を高学歴に含めるかどうかは、人によって意見が分かれます。ただ、入試が簡単なわけではなく、合格にはしっかりした準備が必要です。難しさの実態は、日東駒専が「普通に難しい」と言われる理由と受験戦略で解説しています。

大学群で見る学歴の序列まとめ

世間でよく使われる大学群を、国公立と私立に分けて整理すると次のとおりです。大学群は受験の世界で使われる通称で、公式の区分ではありません。

大学群主な大学補足
東京一工東京大学、京都大学、一橋大学、東京科学大学国立の最難関とされる4大学です。
旧帝大北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学戦前の帝国大学を前身とする7大学です。
上位国立筑波大学、神戸大学、横浜国立大学、千葉大学など旧帝大に次ぐ国立として挙がりやすい大学です。
早慶早稲田大学、慶應義塾大学私立の最難関とされる2校です。
上理ICU上智大学、東京理科大学、国際基督教大学早慶と合わせて「早慶上理ICU」とも呼ばれます。
GMARCH学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学首都圏の有名私立です。
関関同立関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学関西の有名私立です。
成成明学獨國武成蹊大学、成城大学、明治学院大学、獨協大学、國學院大學、武蔵大学MARCHに次ぐ首都圏の私立です。
日東駒専日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学首都圏の中堅私立です。
産近甲龍京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学関西の中堅私立です。

東京科学大学は、2024年10月に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して生まれた国立大学です。そのため、東京一工の「工」は現在この大学を指します。

表の並びはおおよそのイメージで、実際の難易度は学部や入試方式によって大きく前後します。学部ごとの最新の目安は、河合塾Kei-Netの入試難易予想ランキング表で確認できます。河合塾自身も、ボーダーラインは入試の難易度を表すもので、大学の教育内容や社会的な位置づけを示すものではないと説明しています。

大学ごとの細かな位置づけを知りたい場合は、学歴ランクの全体像と大学序列をまとめた記事もあわせて読んでみてください。

学歴が就職で気にされるのはなぜ?学歴フィルターの実態

就職で学歴が話題になるのは、応募者が多い企業ほど、大学名を選考の手がかりにすることがあると考えられているためです。ただし、学歴だけで合否が決まるわけではありません。

学歴フィルターは公表されない

学歴フィルターとは、出身大学によって説明会の予約や書類選考に差がつくとされる仕組みです。企業がその有無や基準を公表することはまずありません。そのため、どの大学からが対象なのかを外から確かめることはできません。

ネット上では「人気企業ではMARCH・関関同立がボーダー」といった声も見られますが、実際の事情は企業や年度によって違います。噂をうのみにせず、大学が公開している就職実績などで、志望する業界への進路を確かめるのが確実です。

企業が学歴を気にする背景には、難関大学の合格には長い期間の努力が必要だ、という見方もあります。学歴を「努力を続けられる力」の目安の一つとして見てきた面があるということです。

インターンシップなど学歴以外で評価される機会もある

学歴以外の材料で評価される仕組みも整ってきています。令和4年6月に、文部科学省・厚生労働省・経済産業省によるインターンシップの基本的な考え方(いわゆる三省合意)が改正されました。

これにより、2025年3月に卒業・修了する学生から、基準を満たすインターンシップで企業が得た学生の情報を採用選考に使えるようになりました。使えるのは採用選考の開始時期以降に限られます。基準には「5日間以上」などの実施期間も含まれ、詳しくは文部科学省のインターンシップに関するページで確認できます。

こうしたインターンシップで力を示せれば、大学名だけでは伝わらない強みを見てもらえる可能性があります。IT系などでは、身につけたスキルや制作物を重視して採用する企業もあります。

高学歴であることは、将来の選択肢を広げる材料の一つです。ただ、大学で何を学び、どんな経験を積むかも、同じくらい大切だといえます。

高学歴を目指す高校生が今からできることは?

目標とする大学群が決まったら、今の学力との差を知り、基礎から順に埋めていくのが近道です。早く動き始めるほど、選べる大学の幅は広がります。

志望校との差を模試で確かめる

まずは模試の結果と、志望校のボーダー偏差値を見比べてみましょう。差が5なのか10なのかで、必要な勉強量や期間は大きく変わります。偏差値の上げ方は、偏差値を上げる勉強法と期間の目安で詳しく紹介しています。

志望校を選ぶときは、偏差値だけで決めないことも大切です。学部で学べる内容や卒業後の進路、キャンパスの雰囲気も確かめておくと、入学後のミスマッチを防げます。オープンキャンパスは、それを自分の目で確かめるよい機会です。

高1・高2のうちに英語と数学の基礎を固める

難関大学の入試でも、合否を分けるのは基礎の完成度であることが多いものです。特に英語は国公立・私立を問わず多くの大学・学部で課されます。単語と文法を早めに固めておくと、あとの受験勉強がぐっと楽になります。

学校の授業と定期テストを大切にし、毎日の勉強時間を少しずつ確保するところから始めましょう。受験勉強をいつ始めるか迷っているなら、高2から受験勉強を始めても間に合うかを解説した記事も参考になります。

まとめ

高学歴に公的な定義はありませんが、よく挙がる目安をまとめると次のとおりです。

  • 私立はMARCH・関関同立、国公立は上位国立や国公立全体が最低ラインとされやすい。
  • 大学群は通称で、難易度は学部や入試方式によって大きく変わる。
  • 就職では学歴が話題になるが、インターンシップなど学歴以外で評価される機会もある。

大学名は、将来の選択肢を広げる材料の一つにすぎません。どの大学を目指すにしても、今日の勉強の積み重ねがいちばんの近道です。