通知表オール4は、授業やテストにきちんと取り組んできた証拠です。一方で「偏差値でいうとどのくらい?」「どの高校を目指せる?」と気になっている人も多いでしょう。
この記事では、オール4の偏差値の目安、高校入試での内申点の扱い、オール4を取るための方法を順に説明します。
通知表オール4の偏差値はどのくらい?
公式の換算表はありませんが、5教科がすべて4なら、模試の偏差値で50台半ばが一つの目安と考えられます。ただし、これは大まかな見当です。同じオール4でも、学校や受ける模試によって偏差値には幅が出ます。
通知表と偏差値は測り方が違う
通知表の評定は、学習の目標にどこまで届いたかで決まります。いわゆる「絶対評価」で、クラスの順位で数が決まるわけではありません。
一方の偏差値は、同じテストを受けた人の中での位置を表す数字です。平均点を取った人が偏差値50になり、点数の散らばり方によって上下が決まります。
得点の分布が左右対称の山形に近い場合、偏差値55以上は上位およそ31%、60以上は上位およそ16%にあたります。偏差値50がどのくらいの位置なのかは、偏差値50の意味とレベルを解説した記事も参考になります。
同じオール4でも偏差値に幅が出る理由
通知表は学校の先生がつけるため、テストの難しさや評価の細かな基準は学校ごとに違います。また、評定には定期テストだけでなく、提出物や授業での取り組みも反映されます。
そのため、テストが得意なオール4の人と、提出物で評価を積み上げたオール4の人とでは、模試の結果が変わることがあります。模試を受ける人の層も影響し、上位校を目指す人が多く受ける模試では、同じ実力でも偏差値は低めに出ます。
自分の本当の位置を知りたいときは、地域の公立高校入試に合わせた模試を一度受けてみるのが確実です。
「オール4」は5教科と9教科のどちらの話?
「オール4」には、主要5教科がすべて4の場合と、実技を含む9教科すべてが4の場合の2つの使い方があります。偏差値と結びつけて考えるなら、見るべきは5教科の評定です。
高校入試の学力検査は、多くの地域で国語・数学・英語・理科・社会の5教科で行われます。模試の偏差値も同じ5教科で出るため、実技教科の評定は偏差値とはあまり関係しません。
9教科オール4は45点満点中36点
9教科を5段階で評価すると、1学年あたりの満点は45点です。9教科オール4なら36点、5教科オール4なら25点満点中20点になります。
ただし、合計が同じ36点でも中身は人によって違います。5教科に5が多い人と、実技教科に5が多い人とでは、模試の偏差値に差が出やすくなります。合計点だけでなく、5教科の評定を分けて見ることが大切です。
評定の4は「十分満足できる」状況
文部科学省は、中学校の指導要録に関する通知の中で、評定を次のように区別しています。
- 5は「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」状況。
- 4は「十分満足できる」状況。
- 3は「おおむね満足できる」状況。
- 2は「努力を要する」状況。
- 1は「一層努力を要する」状況。
評定は、2019年3月の文部科学省の通知で示された3つの観点をもとに決まります。3つの観点とは「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」です。観点ごとのA・B・Cと評定の対応は、学校や自治体の方針によって異なります。
つまりオール4は、どの教科でも目標を「十分満足できる」レベルで達成しているという評価です。オール3との違いを知りたい人は通知表オール3の偏差値と行ける高校の記事を読んでみてください。さらに上を目指す人には、オール5の偏差値と高校の目安の記事がおすすめです。
オール4は高校入試でどのくらい有利?
オール4は、内申点で大きく出遅れる心配の少ない成績です。ただし、公立高校の合否は当日の学力検査と内申点を合わせて決まります。内申点だけで有利かどうかは判断できません。
東京都の都立高校で計算した例
東京都の都立高校一般入試(第一次募集)の計算方法で、9教科オール4の場合を見てみます。
- 学力検査を行う5教科は評定をそのまま使うので、4×5で20点です。
- 学力検査のない実技4教科は評定を2倍にするので、4×2×4で32点です。
- 合計すると、65点満点中52点になります。
- 学力検査と7:3の比率で合わせる場合、調査書点は300点満点中240点です。
東京都の実施要綱では、全日制の比率は原則7:3とされています。令和9年度入試では、7:3と10:0の両方で計算し、高いほうを使う学校もあります。詳しくは東京都教育委員会の令和9年度入学者選抜実施要綱で確認できます。
学年ごとの扱いや換算のしかたは、内申点の出し方と計算方法の記事で詳しくまとめています。
都道府県ごとに計算方法が違う
内申点の計算方法は、都道府県によって大きく違います。主な違いは次の3つです。
- 中3の成績だけを使うか、中1・中2の成績も使うか。
- 実技4教科の評定に倍率をかけるかどうか。
- 学力検査と内申点をどんな比率で合わせるか。
中1の成績から内申点に入る地域では、早い学年から評定を積み上げておくことが大切です。志望する地域の教育委員会が出している入学者選抜の要項で、必ず確認しておきましょう。
私立高校は推薦や併願優遇の基準を確認
私立高校では、推薦入試や首都圏などの併願優遇で、内申の基準を設ける学校が多くあります。基準の数字や、どの教科を数えるかは学校ごとに違います。
オール4がどの学校の基準に届くかは、学校説明会や個別相談で確かめるのが確実です。一般入試で受ける場合は、当日の試験で点を取れる学力も欠かせません。
通知表でオール4を取るには何をすればいい?
オール4を取るには、定期テストの点数に加えて、3つの観点すべてで評価を落とさないことが大切です。テストの点が良くても、提出物が出ていないと評定が下がることがあります。
定期テストは授業とワークを軸に
定期テストは、多くの場合、授業で扱った内容と学校のワークが中心です。テストの2週間前にはワークを1周終わらせ、残りの期間で間違えた問題を解き直すと、得点が安定しやすくなります。
数学と英語は、前の単元の理解が次の単元の土台になります。分からないところはテスト前までため込まず、その週のうちに片づけるようにしましょう。
提出物は期限と中身の両方を大切に
提出物は、期限を守ることに加えて中身も見られます。答えを写して終わりにせず、間違えた問題を直し、なぜ間違えたかを一言書いておくと、取り組んだ跡がはっきり残ります。
授業での取り組みも、発言の回数だけで決まるものではありません。分からないところを質問したり、振り返りで次に工夫することを書いたりと、自分の学び方を見直す姿勢も大切です。
実技4教科も主要教科と同じように準備する
実技4教科は、東京都のように2倍で計算される地域もあり、内申点への影響は小さくありません。筆記テストは教科書や授業プリントから出ることが多いので、主要教科と同じように早めに準備しておきましょう。
体育や音楽の実技、美術や技術・家庭の作品は、苦手でも期限までに丁寧に仕上げることが大切です。4から5に上げたい教科がある人は、中学校の通知表で5を取る方法の記事も役立ちます。
模試で入試の得点力も確かめる
通知表の評定と、入試本番で点を取る力は同じではありません。中3の早い時期に模試を受けておくと、苦手な教科や単元が分かり、残りの期間で何を優先すべきかが見えてきます。
まとめ
通知表オール4について、ポイントを振り返ります。
- オール4の偏差値に公式の換算はなく、5教科オール4なら50台半ばが一つの目安です。
- 偏差値と関係が深いのは5教科の評定で、9教科の合計36点だけでは判断できません。
- 内申点の扱いは都道府県で違うため、志望する地域の要項で確認しましょう。
- オール4を取るには、定期テストに加えて提出物や授業での取り組み、実技4教科も大切です。
オール4は、毎日の授業に向き合ってきた成果です。自信を持ちながら、模試で実力も確かめて志望校選びを進めていきましょう。