中学校の通知表で5を取るには?評価の仕組みと3観点ごとの対策

中学校の通知表で5を取るには?評価の仕組みと3観点ごとの対策

定期テストではそれなりに点を取れているのに、通知表がなかなか「5」にならない。そんな悩みを持つ中学生や保護者の方は少なくありません。

通知表で5を取るには、テストの点だけでなく3つの観点をそろえて伸ばすことが大切です。この記事では、評定が決まる仕組みを文部科学省の資料をもとに整理し、観点ごとに今日からできる取り組みと、家庭でできるサポートを紹介します。

通知表で5を取るには何が必要?評定が決まる仕組み

結論からいうと、通知表の「5」は3つの観点の評価をまとめたうえで、各学校が決めた方法で付けられます。定期テストの点数は大切な材料ですが、それだけで決まるわけではありません。

中学校の成績は3つの観点で評価される

中学校では、新しい学習指導要領が始まった2021年度から、次の3つの観点で学習の状況を評価しています。もとになっているのは、文部科学省が2019年3月に出した学習評価と指導要録の改善についての通知です。

観点主に見られること材料の例
知識・技能用語や公式を理解し、使えるかどうか。定期テスト、小テスト、実技など。
思考・判断・表現知識を使って考え、自分の言葉で説明できるかどうか。記述問題、レポート、発表など。
主体的に学習に取り組む態度粘り強く取り組み、学び方を調整しようとしているかどうか。振り返り、提出物やノートの記述、授業での取り組みなど。

通知表では、観点ごとの評価をABCの代わりに◎○△などで示す学校もあります。表記は違っても、3つの観点で見ているという点は同じです。

3観点がすべてAでも「5」とは限らない

観点ごとの評価は、A(十分満足できる)、B(おおむね満足できる)、C(努力を要する)の3段階です。一方、評定の「5」は、文部科学省が示す指導要録の記載事項で「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」状況とされています。

つまり、3観点がすべてAでも、Aの中身によっては「4」になることがあります。ABCから評定への換算方法は各学校が定めるため、細かな基準は学校ごとに違います。

また、評定は学習指導要領の目標にどこまで到達したかで付ける仕組みです。周りの生徒と比べて人数を割り振る方式ではないため、「5はクラスで何人まで」という枠はありません。

「知識・技能」で高い評価を取るには?定期テストの取りこぼしを減らす

この観点では、基本的な知識や技能を身につけ、使いこなせるかが見られます。定期テストで基本問題を確実に取り、ケアレスミスを減らすことが一番の近道です。

なお、「何点取れば5」という決まった基準はありません。テストの難しさや、ほかの材料との組み合わせで変わるからです。

テスト2週間前から逆算して計画を立てる

範囲表が配られたら、教科ごとに「ワーク10〜25ページ」「プリント3枚」のように、やることを具体的に書き出しましょう。2週間前から始めれば、学校のワークを2回以上解く時間を作れます。終わったものに印をつけていくと、残りの量が見えて焦りにくくなります。

ワークは「解き直し」までがセット

1回目で間違えた問題に印をつけ、2回目以降はその問題を中心に解き直します。間違えた理由を「覚えていなかった」「問題文を読み違えた」のように短くメモしておくと、同じミスを防ぎやすくなります。

復習のタイミングを工夫したい人は、定期テストで高得点をとるための復習のタイミングとやり方も参考にしてください。

「思考・判断・表現」を伸ばすには?考えた過程を言葉にする

この観点では、身につけた知識を使って考え、判断し、それを表現できるかが見られます。テストの応用問題や記述問題、レポート、発表などが主な材料です。

記述問題は空欄のままにしない

答えに自信がなくても、関係するキーワードや考えの筋道を書いておきましょう。採点基準によっては部分点がつくことがあります。解き直しのときは模範解答と見比べ、どの要素が足りなかったかを確かめると、次の記述で点を取りやすくなります。

レポートや作文は「結論→理由→まとめ」の順で書く

最初に自分の考えを書き、次に理由や具体例、最後にもう一度結論をまとめると、読み手に伝わりやすい文章になります。授業で扱った資料やデータを根拠に使えば、学んだ知識を活用していることも示せます。

話し合いでは根拠と一緒に意見を言う

グループワークや発表では、目立つ役割を担うことよりも、「なぜそう考えたのか」を説明できることが大切です。ほかの人の意見を聞いて考えが変わったときは、その理由も言えると、考えが深まったことが伝わります。

「主体的に学習に取り組む態度」とは?挙手の回数より学び方が見られる

この観点で見られるのは、手を挙げた回数やノートを取っているかといった、行動の傾向ではありません。文部科学省の通知では、粘り強く取り組む中で、自分の学習を調整しようとしているかを含めて評価するとされています。

「先生にやる気を見せる」ことよりも、分からない部分に気づき、やり方を工夫しながら取り組む姿勢を積み重ねることが評価につながります。

分からないところを放置せず、自分で手を打つ

授業で分からなかったところは、その日のうちに教科書を読み直したり、先生に質問したりして解消しましょう。「どこが分からないのか」を具体的に言えるようになると、質問そのものが学びに向かう姿勢を示してくれます。

提出物は期限を守り、中身で差をつける

提出物は、出したかどうかだけでなく、中身も見られることが多い材料です。答えを写しただけのワークでは、どこでつまずいたのかが先生に伝わりません。次の点を意識すると、取り組みの跡が残る提出物になります。

  • 丸つけをして、間違えた問題を解き直す。
  • 数学の途中式や、考えた過程を省かずに書く。
  • 解けなかった問題には、どこまで考えたかや調べたことをメモする。
  • 期限に間に合いそうにないときは、前もって先生に相談する。

振り返りシートは「次にどうするか」まで書く

単元の終わりに書く振り返りは、この観点の材料になることがあります。「楽しかった」「難しかった」で終わらせず、「計算ミスが多いと分かったので、次は見直しの時間をとる」のように、次の行動まで書くのがポイントです。

ノートは後で自分が使える形にまとめる

板書を写すだけでなく、先生が口頭で話した補足や、自分が間違えやすい点も書き加えましょう。ノートを集めて確認する先生もいますが、きれいさよりも、後で見返したときに復習に使えるかどうかを大切にしてください。

テストは取れているのに4のままなのはなぜ?見直したい3つのこと

定期テストで平均点を大きく上回っているのに4が続く場合は、テスト以外の材料か、応用問題の失点で差がついている可能性があります。次の3つを見直してみましょう。

  • 提出物が「終わらせるだけ」になっていないか。丸写しや空欄が多いと、学習の状況が伝わりにくくなります。
  • 記述問題や応用問題で失点していないか。基本問題が満点でも、思考・判断・表現の評価が伸びにくいことがあります。
  • 振り返りや授業中の取り組みで、学び方の工夫が見えているか。

いちばん確実なのは、先生に直接聞くことです。「5を取るには、どの観点を伸ばせばよいですか」と尋ねれば、具体的な助言をもらえることがあります。三者面談の機会を使うのもよい方法です。

4から5へ上げたい教科がいくつもある人は、通知表オール4の意味と成績を上げる方法もあわせて読むと、全体の立て直し方が分かります。全教科で5をそろえた場合の目安は、オール5の偏差値と行ける高校の目安で紹介しています。

保護者ができるサポートは?お子さんの取り組みを支える関わり方

保護者の方にできるのは、勉強を代わりにすることではなく、お子さんが自分で取り組める環境と気持ちを整えることです。

  • 勉強に集中できる場所を用意し、スマホやゲームの置き場所を一緒に決める。
  • テスト前の計画は、お子さんが立てたものを一緒に見て、無理がないか話し合う。
  • 点数だけでなく、「毎日ワークを進めていたね」のように取り組みの過程を具体的に認める。
  • 通知表の観点別の評価を一緒に見て、どの観点を伸ばすか話し合う。

面談では、評価の材料や提出物の状況を先生に尋ねておくと、家庭での声かけも具体的になります。お子さんへの声のかけ方に迷うときは、勉強しない中学生への声かけと関わり方も参考にしてください。

なお、通知表の評定は高校入試の内申点にも使われます。どの学年の成績をどう計算するかは都道府県によって違うため、内申点の出し方と計算方法で仕組みを確認しておくと安心です。

まとめ

  • 通知表の「5」は、3つの観点の評価をまとめ、各学校が決めた方法で付けられる。
  • テストでは基本の取りこぼしを減らし、記述問題にも粘り強く答える。
  • 提出物や振り返りは、中身と「次にどうするか」で取り組みを示す。
  • 迷ったら、伸ばすべき観点を先生に直接聞く。

評価の仕組みが分かれば、やるべきことははっきりします。できるところから一つずつ始めてみてください。