中学校の三者面談で聞くことは?中3の進路相談と親の準備

三者面談が近づくと、何を聞かれるのか不安になる保護者は少なくありません。短い時間であっという間に終わり、聞きたかったことを聞けなかったという声もよく耳にします。この記事では、中学校の三者面談で実際に話される内容を学年別に整理します。あわせて、面談の前に家庭で準備しておきたいことと、その場で聞いておきたい質問も紹介します。

三者面談は「決める場」ではなく「すり合わせる場」

三者面談は、進路をその場で決定する場ではありません。先生・保護者・生徒の3人が、同じ情報を持つために開かれる時間です。

学校には、定期テストの点数だけでなく、提出物や授業中の様子といった記録があります。一方で家庭には、本人が家でどう過ごし、何に迷っているかという情報があります。この2つを突き合わせることが、面談のいちばんの目的です。

進路指導そのものの位置づけは、国の基準にも定められています。生徒が自らの生き方を考え、主体的に進路を選択できるようにすること。そのために、学校の教育活動全体を通じて計画的・組織的な進路指導を行うこと。この考え方が中学校学習指導要領の総則に示されています。

面談は、その進路指導の一部として行われるものです。だからこそ、生徒本人が同席することに意味があります。本人がいない場で決まった進路は、本人のものになりにくいからです。

中学校の三者面談はいつ行われる?

多くの中学校では、1学期の終わりごろと2学期の終わりごろに実施されます。ただし回数も時期も学校ごとに違います。学校だよりや年間行事予定で確認するのが確実です。

中でも重みがあるのが、中学3年生の2学期に行われる面談です。2学期の成績が出そろい、受験する高校を絞り込む時期と重なるためです。この面談で話した内容をもとに、願書の準備が進んでいきます。

1回あたりの時間は、15分から20分程度に設定されることが一般的です。短いと感じるかもしれません。ですが準備さえしておけば、必要なことを聞くには十分な長さです。

学年別に、三者面談で話される内容

同じ三者面談でも、学年によって話題の中心は変わります。中1と中2は学校生活が中心で、中3は進路が中心になります。

中学1年生・2年生の面談

この時期は、学校生活に慣れているかどうかが主な話題になります。授業中の様子、友人関係、部活動との両立などが取り上げられます。

成績の話も出ますが、順位よりも学習習慣に焦点が当たることが多くなります。家庭学習の時間や、提出物の出し方について指摘を受けることもあります。

中1や中2の面談は、進路に直結しないぶん軽く見られがちです。しかし気になる点をこの段階で共有しておくと、後から立て直すのがずっと楽になります。評定は中3だけで決まるものではないからです。

中学3年生の面談

中3の面談では、志望校と現在の学力の距離が中心の話題になります。模試や実力テストの結果、評定、出願できる高校の選択肢が具体的に示されます。

先生から複数の高校名が挙がることもあります。その場で決める必要はありません。持ち帰って、家庭でゆっくり話し合ってかまいません。

出願のしかたには併願の考え方も関わってきます。単願と併願の違いを先に押さえておくと、面談での話が理解しやすくなります。

面談の前には、学校から進路希望調査の用紙が配られることが多いです。第一志望の書き方や、まだ決まっていないときの書き方は進路希望調査の書き方の記事にまとめています。

また、中3の面談は1学期と2学期で意味合いが変わります。1学期の面談は、志望校の候補を広めに出して方向を確かめる段階です。2学期の面談は、その候補を実際に出願できる形まで絞り込む段階になります。同じ「進路の話」でも、求められる具体性がまったく違います。

面談の前に、家庭で準備しておきたい3つのこと

準備なしで臨むと、先生の説明を聞いて終わってしまいがちです。次の3つをそろえておくだけで、面談の密度は大きく変わります。

  • 通知表と直近のテスト結果を並べておく。数字を見ながら話せます。
  • 本人の希望を先に聞いておく。面談の場で初めて聞くと親子で食い違います。
  • 聞きたいことを3つまでに絞ってメモする。限られた時間に優先順位がつきます。

とくに大切なのが2つめです。本人がどう考えているかを確かめないまま臨むと、先生の前で親子の意見が割れてしまいます。そうなると、残りの時間が意見の調整だけで終わってしまいます。

家庭の希望を言葉にしておくことは、学校の側にとっても助けになります。中学校における進路指導の手引(広島県教育委員会)でも、生徒や保護者の希望と志望理由を十分に把握することの大切さが示されています。

三者面談で聞いておきたいこと

聞くべきことは、成績に関することと進路に関することの2つに分けられます。どちらも、学校にしか分からない情報を引き出すのがねらいです。

反対に、インターネットで調べれば分かることを面談で聞くのはもったいない使い方です。高校の偏差値や学科の一覧は、家で調べられます。面談の時間は、目の前の先生しか知らない情報のために使ってください。

成績・内申点について聞くこと

  • 今の評定で、どのあたりの高校が現実的な選択肢になるか。
  • 評定を上げるために、どの教科のどの部分を改善すればよいか。
  • 提出物や授業態度で、先生が気になっている点はあるか。

評定の数字そのものより、どうすれば動かせるかを聞くほうが役に立ちます。評定が入試でどう使われるかの仕組みは、内申点の出し方と計算方法にまとめています。

進路・志望校について聞くこと

  • 志望校について、学校が持っている過去の進学状況の情報はあるか。
  • 受験する高校を最終的に決める期限はいつか。
  • 併願校を考えるとき、どんな組み合わせが多いか。

入試で使われる書類の中身が気になる場合もあると思います。その場合は、調査書に何が書かれているかもあわせて確認しておくと安心です。

なお、入試の制度は都道府県ごとに大きく異なります。正確な情報は、お住まいの都道府県教育委員会が公開する選抜要項が基準になります。栃木県の場合は栃木県教育委員会のページで、年度ごとの要項が公開されています。

塾に通っている場合は、塾の面談も別にあります。聞くことが学校とは違うので、塾の保護者面談で聞くこともあわせて確認しておくと迷いません。

「今の成績では厳しい」と言われたときの受け止め方

この言葉は、志望校をあきらめさせるためのものではありません。現在の数字と合格ラインの間に差がある、という事実の報告です。

動揺したまま帰ると、家で本人を責める形になりやすくなります。その場では、何がどれくらい足りないのかを具体的に聞くことに集中してください。

  • あと何点、または評定であといくつ必要か。
  • その差は、残りの期間で現実的に埋められる範囲か。
  • 併願先として、どのあたりを一緒に考えておくべきか。

差の大きさが分かれば、残りの期間の使い方を具体的に決められます。逆に、差が分からないままだと不安だけが残ります。志望校の見直しが必要になった場合の考え方は、高校選びの判断基準で整理しています。

面談が終わったあと、家でどう話すか

面談の効果が決まるのは、実は終わったあとの数日です。その日のうちに、聞いた内容を本人と一緒に確認しておきましょう。

このとき、言われた内容をそのまま伝えるだけで十分です。「だから言ったでしょう」と付け加えると、本人は話を聞かなくなります。面談で出た事実と、親の感想は分けて伝えるのがこつです。

そのうえで、次の面談までに何をするかを1つか2つだけ決めます。たくさん決めても続きません。本人が自分で選んだものであれば、なお続きやすくなります。

勉強に向かう気配がないときの接し方は、勉強しない中学生への声かけで具体的に紹介しています。

なお、面談だけでは解決しない悩みもあります。学校生活そのものがつらそうな様子であれば、無理に進路の話だけを進めないでください。スクールカウンセラーや、自治体の教育相談窓口に相談する方法もあります。

面談の翌日に、本人が自分から話し始めることもあります。そのときは、口をはさまずに最後まで聞いてください。自分の言葉で進路を語り始めたら、それが面談のいちばんの成果です。

まとめ

三者面談は、その場で結論を出す場ではありません。学校が持っている情報を受け取り、家庭の希望を伝えるための場です。

通知表を並べ、本人の希望を聞き、質問を3つ用意する。この準備だけで、15分の面談は十分に意味のある時間になります。そして面談のあと、本人と静かに話す時間を取ることを忘れないでください。