テスト前なのに机に向かう気になれず、「勉強だるい」とつぶやいたまま、気づけばスマホを見ていた。そんな日は、中高生なら誰にでもあります。
この記事では、勉強がだるくなる主な原因と、だるくて勉強できない日に試せる対処法をまとめました。自分に当てはまるものから試してみてください。
「勉強だるい」と感じるのは、怠けではなくよくあること
勉強がだるいと感じるのは珍しいことではなく、性格や能力の問題ではありません。多くの場合、体の疲れ、気持ちの負担、勉強する環境のどれかが重なっています。
勉強は、がんばってもすぐには結果が見えにくいものです。しかも「やらなければいけない」という義務感がついて回ります。目の前にもっと手軽で楽しいことがあれば、そちらに気持ちが向くのは自然なことです。
大切なのは、だるさを気合いで押し切ることではありません。原因を見分けて、それに合った手を打つことです。まずは下の表で、今の自分に近いものを探してみてください。
| だるさのタイプ | よくあるサイン | まず試したいこと |
|---|---|---|
| 体の疲れ | 眠い、体が重い、部活の後で頭が働かない | 睡眠を確保し、短い休憩や軽い運動を挟む。 |
| 気持ちの疲れ | 何のためにやるのか分からない、完璧にできる気がしない | 目標を小さくして、5分だけ始める。 |
| 環境 | スマホが気になる、自分の部屋だと気が散る | スマホを別の部屋に置くか、勉強する場所を変える。 |
勉強がだるくなる主な原因
勉強のだるさは、ひとつの原因だけでなく、いくつかが絡み合って生まれることがよくあります。代表的な4つを見ていきましょう。
睡眠不足や部活の疲れで、体がだるい
体がだるくて勉強できないときは、まず睡眠が足りているかを確認しましょう。厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧めています。
同じガイドでは、睡眠が足りないと学業成績が下がることや、気分が落ち込みやすくなることが報告されていると紹介されています。部活や習い事で体が疲れている日は、机に向かっても集中が続きにくいものです。疲れが強い日の進め方は、疲れて勉強できないときの無理のない勉強法も参考にしてください。
何のために勉強するのかが見えなくなっている
「これをやって何になるんだろう」と感じ始めると、手が止まりやすくなります。受験や定期テストまでの期間が長いほど、今日の勉強と目標のつながりは見えにくくなるものです。
目的がはっきりしないまま量だけをこなそうとすると、勉強はただの作業になってしまいます。そうなると、だるさはどんどん大きくなっていきます。
スマホがすぐ手の届く場所にある
スマホが近くにあると、使っていなくても意識がそちらに向きがちです。2017年、テキサス大学オースティン校の研究チームが約800人を対象にした実験の結果を発表しました。スマホを別の部屋に置いた人のほうが、机の上に置いた人より、記憶や思考を使うテストの成績が良かったというものです。
その後の研究をまとめた分析では、影響は最初の報告より小さい可能性も指摘されています。それでも、SNSや動画はすぐに楽しさが手に入るぶん、勉強中の誘惑になりやすいのは確かです。スマホとの距離の取り方は、スマホをやめたい中学生のための集中対策で詳しく紹介しています。
完璧にやろうとして、始める前から気が重い
「やるなら完璧に」「計画どおりでないと意味がない」と考えていると、少しつまずいただけで投げ出したくなります。始める前から気が重くなるのも、このタイプによくあることです。
テスト前や受験期は、ここにプレッシャーも重なります。その状態が続くと、「だるい」「何もしたくない」という無気力な感じにつながることがあります。
だるいまま無理に続けても、効率は上がりにくい
だるさを無視して机に座り続けても、成果にはつながりにくいのが実際のところです。時間を増やすより、先に原因への手当てをしたほうが、結果的に近道になります。
集中できないまま教科書を眺める「なんとなく勉強」では、内容が頭に残りにくくなります。時間だけが過ぎて手ごたえがないと、「こんなにやったのに」という不満も生まれます。すると次の日は、さらに机に向かいにくくなってしまいます。
疲れを抱えたまま無理を重ねると、心も体も疲れ切って、しばらく何も手につかなくなることもあります。勉強時間を増やす前に、まず始め方と質を見直しましょう。
勉強がだるいときに今日からできる対処法
だるいときは、やる気が出るのを待つより、始めるハードルを下げるほうがうまくいきます。ここでは、その日のうちに試せる方法を紹介します。
「5分だけ」と決めて始める
やる気は、始める前より始めた後に出てくることがよくあります。「5分やったらやめてもいい」と決めて、まずテキストを開いてみましょう。
実際に手を動かしてみると、「もう少しだけ続けよう」と思えることは少なくありません。5分でやめたとしても、何もしなかった日より一歩進んでいます。なかなか始められない悩みについては、勉強しなきゃいけないのにできない原因と動き出す方法もあわせて読んでみてください。
最初は得意な科目や簡単な問題から手をつける
だるいときに、いきなり苦手科目の難しい問題から始めるのはおすすめしません。得意な科目や、昨日の復習のようにすぐ解ける問題から始めると、「できた」という感覚が得られます。
小さな「できた」が続くと気持ちが軽くなり、そのあとで苦手な科目にも取りかかりやすくなります。
勉強する場所を変えてみる
自分の部屋では、ベッドや漫画が目に入って気が散りやすいものです。図書館や学校の自習室など、勉強する人が集まる場所に移るだけで、気持ちが切り替わることがあります。
「せっかく来たのだから少しはやろう」という気持ちが生まれやすいのも、場所を変える良さです。行き先の候補は、近くで勉強できる場所のまとめから探してみてください。
10分ほど軽く体を動かしてから机に向かう
机に向かっても頭がぼんやりするときは、いったん立ち上がって体を動かしてみましょう。筑波大学の研究チームが2018年に発表した研究では、ヨガや太極拳くらいのごく軽い運動を10分行った後、記憶のテストの成績が上がったと報告されています。
近所を少し歩く、ストレッチをするなど、息が上がらない程度の運動で十分です。外の空気を吸うと、気分転換にもなります。
音楽を聴くなら、歌詞のない曲を小さめの音量で
無音より少し音があるほうが集中しやすい、という人もいます。その場合は、歌詞のない曲や自然の音などを、小さめの音量で流してみましょう。
歌詞のある曲は言葉に気を取られやすく、英単語の暗記や長文読解のように言葉を扱う勉強では邪魔になりがちです。音があるほうが集中できるかどうかは人によって違うので、はかどらないと感じたら無音に戻しましょう。
だるさをためこまないための習慣づくり
その場しのぎの対処だけでなく、だるさがたまりにくい毎日を作っておくと、勉強を続けるのがぐっと楽になります。
目標は「今日中に終わる量」まで小さくする
「今日は数学を3時間やる」のような大きな目標は、始める前から気が重くなりがちです。「例題を5問解く」「英単語を10個覚える」のように、今日中に終わる具体的な量に分けましょう。
終わったらチェックを入れるだけでも、達成した感覚が残ります。小さな目標を毎日クリアしていくことが、勉強を習慣にする土台になります。
勉強した記録を残して、積み上げを見えるようにする
やった内容と時間を記録しておくと、自分の努力が目に見える形で残ります。「今日もここまでやった」と振り返れることが、翌日の意欲につながります。
記録は手書きのノートでも、Studyplusのような学習記録アプリでもかまいません。続けやすい書き方は、勉強記録ノートの書き方と続けるコツで紹介しています。
睡眠・朝ごはん・日中の運動でリズムを整える
生活のリズムが乱れると、日中の集中力や気力が落ちやすくなります。先ほどの睡眠ガイドでも、朝に太陽の光を浴びること、朝食をしっかりとること、日中に運動することが勧められています。
夜遅くまで勉強して睡眠を削るのは、かえって逆効果になりかねません。寝る時間を先に決めて、そこから逆算して勉強の予定を立てるようにしましょう。
どうしても動けないときは、休むことと相談することも選択肢に
いろいろ試しても動けない日は、思い切って休むのも立派な選択です。休むことはサボりではなく、疲れた心と体を回復させるための時間です。
「今日は勉強しない」と決めてしっかり休むと、翌日から気持ちを切り替えやすくなることがあります。
ただし、何もやる気が起きない状態や気分の落ち込みが何週間も続くとき、眠れない・食欲がないといった変化があるときは、一人で抱え込まないでください。家族や担任の先生、スクールカウンセラーなど、話しやすい大人に相談しましょう。
体のだるさが長く続く、朝起きられない日が多いといった場合は、かかりつけの医療機関で相談すると安心です。誰にも話しにくいときは、文部科学省の24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)に、夜間や休日でも電話で相談できます。
保護者の方は、お子さんが「だるい」と口にしたとき、すぐに「怠けている」と決めつけないことが大切です。睡眠時間や部活の負担など、まずは生活の様子を一緒に振り返るところから始めてみてください。
まとめ
- 勉強がだるいのは珍しいことではなく、主な原因は体の疲れ・気持ちの負担・環境の3つです。
- だるい日は「5分だけ」「簡単な問題から」と、始めるハードルを下げましょう。
- 睡眠・朝ごはん・日中の運動で、だるさがたまりにくいリズムを作りましょう。
- 動けない状態が続くときは、休むことや大人に相談することも考えてください。
全部を一度に変えなくても大丈夫です。今日できそうなことを一つだけ選んで、試してみてください。