気づいたらテストまであと数日しかなく、範囲の半分も終わっていない。テスト勉強が間に合わないと感じると焦るほど手が止まりがちですが、残り時間が少なくても点数を拾う方法はあります。この記事では、残り3日・前日・当日朝のそれぞれでやることと、短い時間で覚えるコツを紹介します。
テスト勉強が間に合わないとき、まず何をする?
最初にやるのは、問題集を開くことではなく「今回はやらないこと」を決めることです。残りの時間ですべての範囲を終えるのは難しいため、点数につながる部分に絞ります。
机に向かったら、10分だけ使って次の3つを紙に書き出しましょう。
- 教科ごとのテスト範囲と、ワークやプリントの残りの量。
- テストまでに勉強に使える時間(今日と明日で何時間あるか)。
- 教科ごとに「確実に取りたい問題」と「今回は捨てる問題」。
書き出してみると、あと少しで終わる教科と、ほとんど手つかずの教科が見えてきます。提出物がある場合は、提出日と提出の条件も確認しておきましょう。提出物は成績の評価に使われることもあるため、まずは期限までに出せる状態にしておくと安心です。
テストまでまだ1週間ほどある場合は、もう少し計画的に進められます。その場合はテスト1週間前から間に合わせるための優先順位と当日までの過ごし方を参考にしてください。
残り3日・前日・当日朝でやることは?
残り時間によって、やるべきことは変わります。時間が少なくなるほど、新しく覚えることより、覚えたことを確かめる時間を増やしていきます。
残り3日あるとき
3日あれば、主な単元の基本問題を固める時間は取れます。最初に教科ごとの時間割を作り、決めた時間が来たら次の教科に移りましょう。
たとえば1日目は「数学2時間・英語1時間・社会1時間」のように割り振ります。1つの教科に時間をかけすぎると、ほかの教科が手つかずのままテストを迎えてしまいます。3日目の夜は新しいことに手を広げず、間違えた問題の解き直しにあてると安心です。
前日しかないとき
前日は、テストに出やすいところに的を絞ります。次のような部分から優先しましょう。
- 教科書の太字や、授業中に先生が「大事」と言ったところ。
- 配られたプリントや、学校のワークで間違えた問題。
- 社会・理科の用語や英単語など、覚えればそのまま点になるもの。
理解に時間がかかる応用問題は、前日に深追いしないほうが無難です。夜遅くまで詰め込むより、決めた時間で切り上げて眠るほうが、翌日に力を出しやすくなります。理由は後半の睡眠の章で説明します。
当日の朝しかないとき
当日の朝は新しいことを覚えようとせず、前日までに見たものの最終確認だけにします。まとめノートや、間違えた問題に付けた印をざっと見返しましょう。
テスト直前の休み時間も使えます。英単語や用語を数個ずつ見て、言えるかどうかを確かめる程度で十分です。知らないページを開くと焦りが増えるので、覚えたことを確かめる時間にしましょう。
優先する教科と範囲はどう選ぶ?
優先するのは、短い時間でも点数が上がりやすい教科と、授業で扱った範囲です。難しい問題に挑むより、取れるはずの基本問題を落とさないことを目標にします。
暗記で点になる分野から手をつける
社会や理科の用語、英単語や熟語、国語の漢字などは、覚えた分だけ得点につながりやすい分野です。時間が少ないときほど、先にこうした範囲を片づけましょう。
数学や国語の読解のように理解を積み上げる教科は、短期間で大きく伸ばすのが難しいこともあります。その場合は教科書の例題やワークの基本問題に絞り、同じ型の問題を確実に解けるようにすることを目指します。
教材は授業プリント・ワーク・ノートに絞る
定期テストは授業で扱った内容から出題されます。そのため直前期に一番頼りになるのは、授業のプリントと自分のノート、学校のワークです。新しい参考書や問題集を買い足す必要はありません。
教科書は範囲の確認と太字の用語チェックに使い、問題演習はワークやプリントの解き直しに集中しましょう。教材を増やすより、手元の教材で間違えた問題をくり返すほうが効率的です。
短い時間で覚えるにはどうする?
短時間で覚えるには、読むだけの勉強を減らし、自分で思い出す練習を増やすのが近道です。あわせて、集中を邪魔するものを遠ざけておきましょう。
読み返すより、解いて思い出す
教科書やノートを何度も読み返すと分かった気にはなりますが、テストで思い出せるとは限りません。問題を解いたり、答えを隠して思い出したりするほうが、記憶に残りやすいとされています。
米国ケント州立大学のジョン・ダンロスキー氏らは2013年、よく使われる10種類の学習法の効果を比べたレビュー論文を発表しました。その中で、自分でテストする「練習テスト」と、間をあけてくり返す「分散学習」が、特に役立つ方法と評価されています。一方で、読み返しや下線引きは効果が低い方法とされました。論文の概要は発行元である心理科学協会(APS)の紹介ページで読めます(英語)。
前日や当日の朝でも、ワークの問題を解き直す、単語を隠して言ってみる、といった形で思い出す回数を増やしましょう。間違えた問題に印を付け、時間をあけてもう一度解くと、分散学習の考え方も取り入れられます。
「見る・隠す・声に出す」で暗記する
用語や英単語を覚えるときは、まず答えを見て、次に隠し、声に出して言えるかを確かめます。言えなかったものだけに印を付けて、もう一度くり返しましょう。
声に出すと、覚えたつもりの語句が本当に言えるかどうかがはっきりします。書いて覚える方法もありますが、時間が限られているときは、書く回数より確かめる回数を増やすほうが効率的です。
スマホを離し、25分ずつ区切る
勉強中のスマートフォンは、通知を切るだけでなく、別の部屋など手の届かない場所に置きましょう。目に入るところにあると、つい気になって集中が途切れやすくなります。スマホとの距離の取り方は、中学生でもできるスマホの集中対策でくわしく紹介しています。
集中が続かないときは、25分勉強して短い休憩をはさむ「ポモドーロ・テクニック」も試してみてください。1980年代にフランチェスコ・シリロ氏が大学生のころに考えた時間管理の方法です。タイマーで区切ると「あと25分だけ」と思えて、取りかかりやすくなります。
徹夜で詰め込むのはやめたほうがいい?
前日の徹夜はおすすめできません。眠気が残ると頭が働きにくくなり、問題文の読み違いやケアレスミスが増えやすくなるからです。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することが推奨されています。同じガイドは、こどもの睡眠不足が学業成績の低下などにつながることや、寝る前のスマホなどの使用が寝つきを悪くすることにも触れています。
テスト前にいつもより睡眠が短くなるのは仕方ない面もあります。それでも徹夜は避け、決めた時刻には布団に入るようにしましょう。受験期も含めた睡眠時間の考え方は、受験生の睡眠時間は何時間が正解かを解説した記事でも紹介しています。
当日の朝ごはんと体調も整える
テスト当日は朝ごはんを食べ、水分もとっておきましょう。熱がある、体調がひどく悪いといった場合は無理をせず、保護者に伝えて学校や医療機関に相談してください。体調を崩したときの考え方は、定期テスト前に体調を崩したときの対処法にまとめています。
次のテストで間に合わなくならないためには?
テスト勉強が間に合わなくなるのは、やる気がないからとは限りません。多くの場合、取りかかりの遅れと、計画の見積もりの甘さが重なっています。
始めるハードルを下げる
やるべきことが大きく見えるときや、何から手をつければいいか分からないときほど、人は作業を先延ばしにしがちです。「やる気が出たら始めよう」と待っているうちに、テスト直前になってしまうこともよくあります。
対策は、始めるハードルをできるだけ下げることです。「ワークを1ページだけ」「単語を10個だけ」と小さく決めると、手をつけやすくなります。
範囲が出たら、すぐに量を見積もる
次のテストでは、範囲が発表された日に、教科ごとのワークやプリントの量を書き出しておきましょう。「毎日1時間」と決めるより、「水曜までに数学のワークを3ページ進める」のように日付とやることを結びつけると、進み具合を確かめやすくなります。
部活や習い事がある日は勉強時間が減るので、あらかじめ差し引いて計画すると崩れにくくなります。テスト期間の1日の組み立て方は、テスト週間の勉強スケジュールと効率アップのコツが参考になります。ふだんの授業をよく聞き、習ったその週のうちにワークを少し進めておくだけでも、テスト前の負担はかなり軽くなります。
まとめ
テスト勉強が間に合わないときは、全部をやろうとせず、取れるところから確実に固めるのが基本です。
- 最初の10分で範囲と残り時間を書き出し、捨てる範囲を決める。
- 残り3日なら教科ごとの時間割を作り、前日は出やすい所、当日朝は確認だけにする。
- 読み返すより、問題を解いて思い出す練習を増やす。
- 徹夜は避け、決めた時刻には寝る。
今回うまくいかなかったことは、次のテストの計画づくりに生かしていきましょう。