受験生になったのに、気づくとスマホを開いてしまう。そんな自分に焦っている中学3年生や、お子さんのスマホの使い方が気になっている保護者の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、高校受験中のスマホとの付き合い方を、ルールの決め方と中3の時期ごとの見直し方を中心にまとめます。iPhone・Androidの制限機能の使い方や、保護者ができるサポートも紹介します。
高校受験中のスマホは取り上げるべき?
結論から言うと、完全に取り上げるより、使う時間と置き場所のルールを決めて管理するほうが長続きします。スマホは友達や塾との連絡、調べものにも使うため、ゼロにすると別の困りごとが出やすいからです。
スマホが気になるのは意志が弱いからではない
SNSや動画、ゲームのアプリは、つい長く使いたくなるように作られています。通知が届くたびに気になり、少しのつもりが30分、1時間と過ぎてしまうのは珍しいことではありません。
クラスのグループトークに返信しないと話題に置いていかれそう、という不安もスマホから離れにくくする理由です。やめられない自分を責めるより、スマホと物理的に距離を取る仕組みを作るほうが近道です。
スマホの使い方と成績の関係を調べた例もある
仙台市教育委員会と東北大学は、「学習意欲」の科学的研究に関するプロジェクトを共同で続けています。平成26年度の資料では、スマホや携帯電話の長時間使用が学力に悪影響を与えるとまとめています。
平成28年度の資料では「努力を無駄にしたくないなら勉強中はスマホOFF」と呼びかけています。スマホだけで成績が決まるわけではありませんが、使い方を見直すきっかけにはなるはずです。
高校受験中に決めておきたいスマホのルール
まず決めたいのは「時間」「場所」「夜」の3つです。この3つが決まっていると、使うかどうか迷う場面が減ります。
使う時間は「今より減らす」ところから決める
最初の1週間は、今どのくらい使っているかを確認します。iPhoneのスクリーンタイムやAndroidのDigital Wellbeingを見ると、アプリごとの使用時間がわかります。
いきなりゼロを目指すと反動が出やすいので、今より1日30分〜1時間減らすくらいの目標から始めましょう。減らした時間を何に使うかは、中学生受験生の勉強時間の目安を参考にすると決めやすくなります。
時間のルールは、できるだけ本人が決めるのがおすすめです。自分で納得して決めたルールのほうが守りやすく、1週間ごとに振り返って調整すれば無理も出にくくなります。
勉強中はスマホを別の部屋に置く
いちばん効果がわかりやすいのは、勉強中はスマホを手の届かない場所に置くことです。机の引き出しやかばんの中では、すぐに取り出せてしまいます。
リビングなど別の部屋に置くか、家族に預けておきましょう。急な連絡が心配なら、「急ぎの用事は家族の電話にかけてもらう」と決めておくと安心です。塾や図書館で勉強するときは、通知を切ってかばんの奥にしまいます。
寝る前は使わず、充電は寝室の外でする
夜のスマホは、睡眠時間を削る原因になりがちです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するようすすめています。
同じガイドによると、眠りを促すメラトニンは就寝の約2時間前から分泌が始まります。その後にスマホなどの強い光を浴びると、分泌が抑えられて寝つきが遅れやすくなります。ガイドでも、スマホやタブレットを寝室に持ち込まないことがすすめられています。
そこで、充電器はリビングに置き、寝る前にそこへ戻すルールにすると続けやすくなります。受験期に必要な睡眠については、受験生の睡眠時間と成績を守る睡眠のとり方でも詳しく紹介しています。
中3の時期に合わせてスマホのルールを見直す
ルールは一度決めたら終わりではありません。中3の1年は時期によって勉強の中身も忙しさも変わるため、節目ごとに見直すと守りやすくなります。
夏休みまでは使い方を記録してルールを試す
部活を引退するまでは、ルールを試しながら自分に合う形を探す時期です。使用時間の記録を見ながら、平日と休日でそれぞれ何時間なら守れるかを確かめておきましょう。
夏休みは自由な時間が増えるぶん、スマホの時間も増えやすくなります。午前中は使わない、使うのは夕食後の30分だけ、のように時間帯で区切ると生活リズムも崩れにくくなります。
2学期は定期テストと模試に合わせて使う時間を減らす
2学期は定期テストや模試が続き、内申点に関わる成績もつく時期です。内申点の対象になる学年や学期は、都道府県によって異なります。
テストの2週間前からは、使う時間を短くしたり、ゲームやSNSのアプリに上限を設けたりしましょう。テストが終わったら元に戻す、とメリハリをつけると気持ちも続きやすくなります。
冬休みから入試までは連絡と暗記以外を控える
入試が近づくと、SNSで倍率や合否の噂を目にして不安になることがあります。入試の日程や倍率などの情報は、志望校や教育委員会の公式サイトで確かめるようにしましょう。
この時期は、グループトークの通知を切り、使い道を連絡と暗記アプリに絞るのがおすすめです。試験当日の携帯電話の扱いは、受験する学校や都道府県の案内に従ってください。
入試が終わった後の使い方も先に話しておく
「受験が終わったら週末は自由に使ってよい」など、入試後の約束を先に決めておくのも一つの方法です。ゴールが見えると、今のルールも前向きに守りやすくなります。
スマホに制限をかける方法(iPhone・Android)
意志だけに頼らず、スマホに標準で入っている制限機能を使いましょう。使える時間やアプリを機械的に区切れるので、ルールを守りやすくなります。
iPhoneはスクリーンタイムで時間とアプリを制限する
iPhoneでは「設定」の「スクリーンタイム」から、使用時間の確認や制限ができます。保護者が管理する場合は、ファミリー共有でお子さんのApple Accountを家族グループに入れておきます。
そのうえで、保護者のiPhoneの「設定」から「ファミリー」を開き、お子さんの名前を選んで「スクリーンタイム」を設定します。
Appleのサポートページによると、「許容時間」ではゲームやSNSなどカテゴリ別に使える時間の長さを決められます。「スクリーンタイムのスケジュール」では、時間帯ごとに使えるアプリを選べます。
項目の名前はiOSのバージョンによって異なるので、見つからないときはサポートページで確認してください。スクリーンタイムのパスコードは、保護者が自分のデバイスから設定・管理できます。
Androidは標準の制限機能とファミリーリンクを使う
Androidでは「Digital Wellbeing」で使用時間を確認できます。設定アプリの「Digital Wellbeing と保護者による使用制限」から開けますが、メニューの名前は機種によって違う場合があります。
「アプリタイマー」でアプリごとに1日の上限を決めると、上限に達したときにアプリが終了し、アイコンがグレー表示になります。画面を白黒にしたり音を消したりできる「おやすみ時間モード」も、寝る前のルールづくりに役立ちます。
保護者が管理したい場合は、Googleのファミリーリンクを使います。ファミリーリンクのヘルプでは、利用時間の上限や休息時間を保護者のスマホから設定できると案内されています。制限を設定できるのは、Android 7以降の端末です。
制限の設定は親子で一緒に行う
制限機能は、保護者がこっそり設定するより、親子で画面を見ながら一緒に設定するほうがうまくいきます。どのアプリを何時まで使うかを話し合うこと自体が、自分で管理する練習になるからです。
辞書や学習アプリ、家族との連絡のように、いつでも使えるようにしておくものも一緒に決めておきましょう。パスコードは保護者が持ち、本人が勝手に解除できないようにしておくと安心です。
使ってよい時間は勉強と息抜きに分けて使う
スマホは使い方しだいで勉強の道具にもなります。使ってよい時間の中でも、目的を決めて使うのがポイントです。
- 英単語や一問一答のアプリで、通学中や休憩中に暗記をする。
- 学校や塾からの連絡、宿題の確認をする。
- わからない言葉や問題の解き方を調べる。
- 息抜きとして、時間を決めて動画やSNSを楽しむ。
気をつけたいのは、勉強しながら動画を流したり、調べもののついでにSNSを開いたりする「ながらスマホ」です。使うときは目的を1つに絞り、タイマーで時間を区切ると、だらだら使いを防げます。
息抜きの時間まで我慢する必要はありません。集中アプリやタイマーを使った勉強の工夫は、中学生向けのスマホをやめて集中する方法で詳しくまとめています。
保護者ができるスマホ管理のサポート
保護者の役割は、見張ることより、お子さんがルールを守りやすい環境を一緒に作ることです。
いきなり取り上げる前に話し合う
スマホを取り上げるとすぐに効果が出るように見えますが、反発されたり、隠れて使うようになったりすることがあります。高校に進むと保護者の目が届かない場面も増えるため、今のうちに自分で管理する力を育てたいところです。
「平日は何時まで使う?」「勉強中はどこに置く?」とお子さんに問いかけ、本人が決めたルールを保護者が支える形が理想です。決めたルールは紙に書いて、見える場所に貼っておきましょう。守れなかったときの対応まで含めたルールの作り方は、受験生のスマホ管理ルールの決め方も参考になります。
家族も一緒にスマホを置く時間を作る
子どもだけにスマホを我慢させると、不公平に感じやすいものです。夕食の時間は家族全員スマホを置く、夜10時以降はリビングで充電するなど、家族みんなで守るルールにすると協力しやすくなります。
声をかけるときは責めずに様子を聞く
スマホを触っている姿を見ると、つい「またスマホ?」と言いたくなります。そんなときは「今日はどこまで進んだ?」のように、勉強の様子を聞く声かけに変えてみましょう。
言い方の具体例は、勉強しない中学生への声かけと関わり方で紹介しています。やめたくてもやめられない状態が続く場合は、担任の先生やスクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口に相談してみてください。
まとめ
- 高校受験中のスマホは、取り上げるより時間・場所・夜のルールで管理する。
- 中3の夏、2学期、冬休みから入試までと、時期ごとにルールを見直す。
- iPhoneのスクリーンタイムやAndroidのファミリーリンクで、ルールを守りやすくする。
- ルールは親子で話し合って決め、家族も一緒に守る。
スマホとの距離を上手に取れれば、受験勉強に使える時間と集中力はしっかり増えていきます。できるところから一つずつ試してみてください。