テストに向けて頑張ってきたからこそ、当日は体調を整えて、落ち着いて問題に向き合いたいですよね。ただ、「これを食べれば集中力が上がる」という特別な食べ物があるわけではありません。
この記事では、テスト前日の夕食から当日の朝ごはん、昼食、休み時間の軽食まで、集中力を保つための食事の考え方を場面ごとにまとめました。避けたい食べ方や、コンビニで選べる組み合わせも紹介します。
テスト前の食事で一番大切なことは?
いちばん大切なのは、いつもどおりの時間に、食べ慣れたものを適量食べることです。食べた直後に頭が良くなる食品はありません。一方で、空腹や胃もたれ、腹痛で集中が途切れるのは、食事の工夫で防げます。
脳は主にブドウ糖を使っている
脳は、体の中でも多くのエネルギーを使う器官です。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、脳の重さは体重の2%程度です。それでも、基礎代謝量の約20%を消費すると考えられています。
そして脳は、通常はブドウ糖をエネルギー源にしています。ブドウ糖は、ご飯やパン、麺類などに含まれる炭水化物(糖質)が消化されてできるものです。テストの日に朝ごはんを抜かないことが基本になるのは、このためです。
農林水産省の「朝食を毎日食べるとどんないいことがあるの?」というページでは、2023年度の全国学力・学習状況調査の結果が紹介されています。朝食を毎日食べている小・中学生と、全く食べていない小・中学生では、各教科の平均正答率に15ポイント前後の差がありました。朝食だけで点数が決まるわけではありませんが、生活リズムを整える目安のひとつになります。
甘いものだけで済ませないのがコツ
糖分の多いジュースや菓子パンだけで食事を済ませると、血糖値が急に上がりやすくなります。主食に卵や魚、大豆製品、乳製品などのたんぱく質を組み合わせましょう。野菜や海藻も添えると、食事全体の消化がゆるやかになり、腹持ちも良くなります。
集中できない原因は栄養だけとは限らない
「集中できないのは栄養が足りないから?」と感じる人もいるでしょう。実際には、睡眠不足や疲れ、スマホの通知など、食事以外の原因が重なっていることも多いものです。睡眠の考え方は受験生に必要な睡眠時間の目安で、勉強中の眠気については勉強中に眠くなる原因と眠気対策で詳しく紹介しています。
テスト前日の夜は何を食べるといい?
前日の夕食は、消化が良く、食べ慣れたメニューを腹八分目にするのがおすすめです。胃腸に負担をかけず、早めに眠れる状態を作ることが、翌日の集中力につながります。
前日の夕食に向いているメニュー
- 主食は、ご飯やうどん、雑炊などを普段どおりの量で食べます。
- おかずは、鶏肉や白身魚、豆腐、卵など、脂の少ないたんぱく質が向いています。
- 豚肉には、糖質をエネルギーに変えるときに必要なビタミンB1が多く含まれます。
- 煮物や汁物にすると、体が温まり、消化もしやすくなります。
たとえば、豚肉と豆腐の煮物、親子丼、具だくさんのうどんなどは、前日の夕食に取り入れやすいメニューです。家族にお願いするときは、「いつもの味で、量は少し控えめに」と伝えると準備してもらいやすいでしょう。
カツ丼や生ものは無理に食べなくていい?
「試験に勝つ」の語呂合わせでカツ丼を食べる習慣がありますが、揚げ物は脂質が多く、消化に時間がかかります。普段から食べ慣れていて胃もたれしない人なら、量を控えめにすれば問題ありません。心配なら、ゲン担ぎは数日前に済ませておくのもひとつの方法です。
刺身などの生もの、加熱が十分でない肉料理も、前日と当日は避けておくと安心です。初めて行くお店での外食や、普段食べない豪華な料理も、テストが終わってからの楽しみに取っておきましょう。
試験当日の朝ごはんはどう選ぶ?
当日の朝ごはんは、ご飯やパンなどの主食に、卵や納豆、ヨーグルトなどのたんぱく質を組み合わせるのが基本です。量はいつもと同じくらいにして、食べ慣れたものを選びましょう。
食べ終える時間の目安は?
朝食は、試験開始の2〜3時間前には食べ終えておくと、移動やトイレの時間にゆとりが持てます。本番の日だけ早起きしても、体はすぐには慣れません。数日前から当日と同じ時間に起きて、同じ時間に朝ごはんを食べておくのがおすすめです。
ご飯とパンはどちらがいい?
どちらでも構いません。普段食べている方を選ぶのがいちばんです。ご飯なら、おにぎりに焼き魚や卵焼き、みそ汁を合わせると、主食とたんぱく質がそろいます。パンなら、菓子パンだけで済ませず、卵やハムをはさんだサンドイッチに牛乳やヨーグルトを添えるとバランスが良くなります。
玄米や全粒粉パン、オートミールなど食物繊維の多い主食は、血糖値の上がり方がゆるやかになりやすい食品です。ただし、食べ慣れていない人が当日だけ切り替えると、お腹が張ることがあります。普段から食べている人向けの選択肢と考えてください。
緊張して食べられないときは?
緊張で食欲がわかない朝もあります。そんなときは、バナナ、ヨーグルト、スープやみそ汁など、のどを通りやすいものを少しでも口にしておきましょう。何も食べずに出かけるより、少量でも糖質をとっておく方が安心です。緊張による腹痛や吐き気が毎回のように続く場合は、かかりつけの医療機関に相談してみてください。
昼食と休み時間は何を食べる?
昼食は腹八分目、休み時間は軽食を少しだけ、が基本です。食べ過ぎを避けながら、エネルギー切れも防ぐことを意識しましょう。
昼食は腹八分目にする
昼食をたくさん食べると、午後の試験中に眠くなりやすくなります。お弁当は普段より少し軽めにして、「もう少し食べられる」くらいでやめておくのがおすすめです。おにぎりやサンドイッチなど短時間で食べられるものにすると、見直しや休憩の時間も確保できます。
休み時間の軽食はラムネやバナナを少量
科目の合間に補給するなら、ブドウ糖が主成分のラムネ菓子が手軽です。ブドウ糖はそれ以上消化する必要がなく、そのまま吸収されます。バナナや小さなおにぎり、ひと口サイズのチョコレートも、短い休み時間に食べやすい軽食です。
どれも食べ過ぎると眠気や胃もたれにつながるので、数粒か数口にとどめましょう。試験会場によっては、飲食できる場所や時間が決まっていることもあります。受験票や案内で事前に確認しておくと安心です。勉強中の間食も含めた選び方は、勉強中に食べるお菓子の選び方でも紹介しています。
飲み物は水や麦茶を基本に
飲み物は、水や麦茶などカフェインを含まないものを基本にすると安心です。コーヒーや緑茶、紅茶、エナジードリンクにはカフェインが含まれています。農林水産省のカフェインの過剰摂取についてでは、とり過ぎるとめまいや心拍数の増加、不安、不眠などが起こりうると説明されています。
同じページでは、子どもはカフェインを含む刺激物を控えるべきだという考え方も紹介されています。エナジードリンクは製品によってカフェインが多いものもあるので、前日や当日に「気合い入れ」で飲むのはやめておきましょう。冷たい飲み物でお腹を壊しやすい人は、常温か温かい飲み物を水筒に入れておくのがおすすめです。勉強中の飲み物については、勉強のお供に向いている飲み物の選び方で詳しくまとめています。
テスト当日に避けたい食べ方は?
当日は、いつもと違うことをしないのがいちばんの対策です。次のような食べ方や飲み方は、体調を崩したり眠くなったりする原因になりやすいので避けましょう。
- 初めて食べるものや、飲み慣れないサプリメント、栄養ドリンクを当日に試す。
- 揚げ物や脂の多い料理、辛い料理をたくさん食べる。
- 冷たい飲み物やアイスを一度にたくさんとる。
- 空腹を我慢して、昼休みにまとめて食べ過ぎる。
- 甘い飲み物やお菓子だけで食事を済ませる。
- 朝ごはんを食べずに試験を受ける。
食物アレルギーがある場合は、ナッツや乳製品など「集中に良い」と言われる食品でも、無理に取り入れる必要はありません。テスト前に体調を崩してしまったときの考え方は、受験生が体調不良になったときの対処法を参考にしてください。
コンビニで選ぶならどんな組み合わせ?
会場の近くで朝食や昼食を買う場合も、「主食+たんぱく質+温かい汁物」を意識すると選びやすくなります。組み合わせの例をまとめました。
| 場面 | 組み合わせの例 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝食 | 鮭おにぎり、ゆで卵、インスタントのみそ汁 | 主食とたんぱく質がそろい、汁物で体も温まります。 |
| 朝食 | 卵サンド、ヨーグルト | パン派の人向けです。菓子パンだけより、たんぱく質もとれます。 |
| 昼食 | おにぎり、豚汁 | おにぎりの数で量を調整しやすい組み合わせです。 |
| 休み時間 | ラムネ、バナナ、小袋のナッツ | 少量で持ち運びやすく、短時間で食べられます。 |
| 飲み物 | 水、麦茶 | カフェインを含まないので、前日や当日も安心して飲めます。 |
どの組み合わせも、普段から食べているものなら安心です。会場周辺のお店が混み合うこともあるので、朝のうちに買っておくと慌てずに済みます。
まとめ
テスト前の食事で意識したいのは、次の3点です。
- 前日の夜は、消化が良く食べ慣れたものを腹八分目にして、早めに寝る。
- 当日の朝は主食とたんぱく質をそろえ、試験開始の2〜3時間前には食べ終える。
- 休み時間はラムネやバナナを少量にし、飲み物は水や麦茶を基本にする。
特別なことをするより、いつものリズムで食べて眠ることが、当日に力を出し切るためのいちばんの準備です。