勉強に集中できる音楽の選び方|おすすめBGMジャンルと使い方

勉強に集中できる音楽の選び方|おすすめBGMジャンルと使い方

「音楽を流しながら勉強したいけれど、どんな曲なら集中できるのか分からない」という人は多いのではないでしょうか。好きな曲をそのまま流すと、かえって手が止まってしまうこともあります。この記事では、勉強に集中できる音楽を選ぶ基準と、おすすめのBGMジャンル、勉強の内容に合わせた使い分けを紹介します。

音楽で勉強に集中しやすくなるのはどんなとき?

音楽が役立つのは、周りの雑音を目立たなくしたいときと、気分を整えて勉強を始めたいときです。一方で、音楽そのものが読む力や覚える力を高めてくれるわけではありません。

周りの雑音を目立たなくできる

家族の話し声やテレビの音など、不意に聞こえる音は集中を途切れさせます。一定の音を流しておくと、こうした音が気になりにくくなります。家の中の音がどうしても気になる場合は、家で勉強できない原因と今日からできる対処法もあわせて読んでみてください。

気分を整え、勉強を始めるきっかけになる

やる気が出ない日でも、決まった曲を流すと「さあ始めよう」と気持ちを切り替えやすくなる人がいます。毎回同じプレイリストを使えば、その曲が勉強を始める合図になります。

「クラシックで頭が良くなる」は言い過ぎ

モーツァルトを聴くと成績が上がるという「モーツァルト効果」を聞いたことがある人もいるでしょう。これを検証した研究に、Thompsonらの研究(2001年、学術誌Psychological Science)があります。この研究では、聴いた後の課題の成績差は、気分や覚醒度(頭の冴え具合)の違いで説明できると報告されました。

つまり、曲そのものに特別な力があるというより、気分が上向くことがプラスに働くと考えられます。音楽が勉強に与える良い面と悪い面は、音楽を聴きながら勉強する効果とデメリットで研究をもとに詳しく整理しています。

勉強に集中できる音楽を選ぶ3つの基準

勉強用のBGMは、歌詞がない・テンポが落ち着いている・聴き慣れているの3つを満たす曲が基本です。ジャンルを選ぶ前に、まずこの3点を確認しましょう。

歌詞のない曲を選ぶ

歌詞のある曲を流すと、つい言葉を聞き取ろうとしてしまいます。特に日本語の歌は意味が自然に頭に入るため、読解や作文など言葉を使う勉強とぶつかりやすくなります。英語の歌も、意味を追ってしまう人は同じです。好きな歌を流したいときは、インストゥルメンタル版(歌のない演奏版)を探してみてください。

テンポが穏やかで、音の変化が少ない曲

急に大きな音が入る曲や盛り上がりの激しい曲は、そのたびに注意が音楽に向いてしまいます。一定のリズムで淡々と続く曲のほうが、背景として流しやすいでしょう。

何度も聴いて展開を知っている曲

初めて聴く曲は、「次はどうなるのだろう」と耳が向きがちです。何度も聴いて展開を知っている曲なら、音楽を意識せずに済む時間が長くなります。新しい曲を探すのは休憩時間にして、勉強中は決まったプレイリストを使うのがおすすめです。

勉強BGMにおすすめの音楽ジャンル

3つの基準を満たしやすいのは、クラシックのピアノ曲、ローファイ、環境音、ゲームや映画のサウンドトラックです。それぞれの特徴を表にまとめました。

ジャンル特徴合いやすい場面
クラシックのピアノ曲歌詞がなく、静かな曲を選びやすい。計算、ノートまとめ、書き取り。
ローファイ柔らかい音とゆったりしたビートが一定に続く。計算や作業中心の勉強。
環境音・ホワイトノイズメロディがなく、周りの物音を目立たなくする。音楽だと気が散る人、読解中。
ゲーム・映画のサウンドトラック聴き慣れた歌なしの曲なら気が散りにくい。単純作業、気分を上げたいとき。

クラシックはピアノ独奏などの静かな曲から

クラシックは歌詞のない曲が多く、勉強用BGMの定番です。ただし交響曲のように、静かな部分と盛り上がる部分の音量差が大きい曲は、その変化が気になることがあります。最初はピアノ独奏曲のように、音の数が少なく落ち着いた曲から試すとよいでしょう。

例えばサティの「ジムノペディ」やドビュッシーの「月の光」は、ゆったりしたピアノ曲としてよく知られています。「集中できるクラシック」を探すときは、こうした静かな曲を目安にしてみてください。

ローファイは一定のビートで流しやすい

ローファイ(Lo-fi hip hop)は、少しこもった柔らかい音と、ゆったりしたビートが特徴のジャンルです。歌のない曲が多く、同じ調子で長く続くため、BGMとして流しやすい音楽です。

動画サイトや音楽配信サービスで「lofi study」などと検索すると、勉強向けのプレイリストが見つかります。無料の動画サイトでは途中で広告が流れることもあるので、気になる人は再生前に確認しておきましょう。

環境音・ホワイトノイズは音楽が苦手な人向け

メロディがあると気が散るという人は、雨音や川の音、カフェのざわめきなどの環境音を試してみてください。ホワイトノイズは「サー」という一定の音で、周りの物音を目立たなくするために使われます。

適度な雑音については、Mehtaらの研究(2012年、学術誌Journal of Consumer Research)がよく知られています。この研究では、70デシベル程度の中くらいの雑音のほうが、50デシベルの静かな環境よりも創造的な課題の成績が良くなりました。一方、85デシベルの大きな雑音では成績が下がっています。

ただし、これはアイデアを出す課題での結果で、暗記や計算にもそのまま当てはまるとは限りません。「雑音があったほうが集中できる」と決めつけず、自分に合うかどうかを試す程度に考えましょう。

ゲームや映画のサウンドトラックも候補になる

何度も聴いたゲームや映画、アニメのサウンドトラックも、歌のない曲なら勉強用BGMに使えます。展開を知っている曲は、先ほどの「聴き慣れている」という基準を満たしやすいからです。ただし、戦闘シーンのような激しい曲や、場面を思い出して気持ちが高ぶる曲は避けたほうが無難です。

勉強中は避けたい音楽の特徴

集中の妨げになりやすいのは、歌詞のある曲、テンポが速く激しい曲、大きすぎる音量です。次のような音は、勉強中は控えめにしましょう。

  • 歌詞のある曲です。特に日本語の歌は、読む・書く勉強とぶつかりやすくなります。
  • テンポが速く激しい曲です。気持ちが高ぶり、じっくり考える勉強には向きません。
  • 大きすぎる音量です。耳が疲れやすく、家族の呼びかけにも気づきにくくなります。
  • トークや実況が入る動画やラジオです。話の内容に耳が向いてしまいます。
  • 初めて聴く曲ばかりのランダム再生です。次の曲が気になり、手が止まりがちです。

テンポの速い曲も、勉強を始める前に気分を上げる目的で短く聴くなら問題ありません。曲が終わったら音楽を止めるか、落ち着いた曲に切り替えてから問題に取りかかりましょう。

音楽で流れを整えても、どうしても気持ちが乗らない日はあります。そんなときは、勉強のやる気が出ないときの対処法から今の自分に合う方法を選んでみてください。

勉強の内容に合わせたBGMの使い分け

音楽を流すかどうかは、その日にやる勉強の中身で決めるのが現実的です。言葉を使う勉強ほど静かに、手を動かす勉強ほど音楽を使いやすいと考えてください。

勉強の内容BGMの目安
計算練習、漢字や単語の書き取り歌詞のない曲を小さめの音量で流す。
英語や国語の長文読解、記述問題無音か、環境音程度にとどめる。
社会や理科の用語の暗記無音か、歌詞のない静かな曲を小さく流す。
数学の応用問題、初めて解く問題無音で取り組むのがおすすめ。
勉強を始める前、休憩明け好きな曲で気分を整えてから止める。

迷ったら、同じ種類の問題を「音楽あり」と「無音」で解き比べてみるのも一つの方法です。正答率やかかった時間を比べると、自分に合う使い方が見えてきます。中高生だけでなく、資格試験の勉強をしている大人にも同じ考え方が使えます。

音楽を勉強に生かすための使い方のコツ

同じ曲でも、音量や聴き方しだいで勉強の味方にもじゃまにもなります。次の4つを意識してみてください。

音量は周りの音が少し聞こえるくらいに

音量は、周りの音が少し聞こえる程度の小ささが目安です。世界保健機関(WHO)の安全な聴き方に関する案内では、機器の音量を最大の60%以下にすることや、こまめに耳を休ませることを勧めています。

長時間イヤホンを使い続けると、耳への負担も大きくなります。耳鳴りや聞こえにくさが続くときは、早めに耳鼻咽喉科に相談してください。

イヤホン・スピーカー・耳栓を使い分ける

家族の声が気になるなら、イヤホンやヘッドホンで聴くと周りの音を遮りやすくなります。周囲の騒音を打ち消すノイズキャンセリング機能付きのものなら、音量を上げなくても周りの音が気になりにくいでしょう。

耳が疲れやすい人は、小さなスピーカーで部屋に薄く流す方法もあります。音楽は要らず、ただ静かにしたいだけなら、耳栓を使うのも一つの手です。

曲は先に決め、再生したらスマホを離す

音楽アプリを開いたついでに、通知やSNSを見てしまうのはよくあることです。プレイリストは勉強を始める前に決めておき、再生したらスマホを手の届かない場所に置きましょう。

再生時間が決まったプレイリストを使えば、15分や25分など勉強時間の区切りにもなります。スマホが気になって集中が続かない人は、中学生でもできるスマホの集中対策も参考にしてください。

無音で勉強する時間もつくる

定期テストや入試の本番では、音楽を聴きながら問題を解くことはできません。いつも音楽に頼っていると、静かな試験会場でかえって落ち着かなくなることもあります。過去問や模試の解き直しなど本番を意識した演習は、無音で取り組む習慣をつけておきましょう。

家では静かな環境をつくりにくい場合は、図書館や自習室を使うのも方法です。近くで勉強できる場所と集中しやすいスポットも参考にしてみてください。

まとめ

勉強に集中できる音楽を選ぶポイントを振り返ります。

  • 歌詞がなく、テンポが落ち着いた、聴き慣れた曲を選びます。
  • クラシックのピアノ曲、ローファイ、環境音、サウンドトラックが主な候補です。
  • 読解や考える問題は無音か環境音、計算や書き取りは小さめのBGMが目安です。
  • 音量は控えめにし、本番に向けて無音で解く時間もつくりましょう。

「世界一集中できる音楽」のように、誰にでも合う一曲はありません。いくつか試しながら、自分が落ち着いて取り組める音を見つけてみてください。