英検の成績表には、合否や英検CSEスコアと並んで「英検バンド」という数字が印刷されています。「+1」「−2」といった短い表記ですが、これは合格ラインまでの距離を示す数字です。

この記事では、この数字が何を表しているのかを整理します。プラスとマイナスの読み方、一次試験と二次試験での扱い、次の受験に向けて何を決められるのかを、英検協会の説明にもとづいて見ていきます。

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英検バンドとは?合格ラインまでの距離を表す指標

英検バンドは、合格までどれくらい足りなかったか、あるいはどれくらい余裕があったかを示す数字です。英検協会は、「英検CSEスコアと合否をもとに判定する英検バンドで、スコアだけでは実感しづらい「合格ラインまでの距離」が分かりやすくなります。」と説明しています。

区切り方も公表されています。協会は、英検バンドを「各級の一次試験・二次試験の合格基準スコア(英検CSEスコア)を起点とし、スコアを25点刻みに区切ったもの」と定めています。

つまり英検バンドは、点数そのものではなく合格ラインから数えて何番目の帯にいるかを表す番号です。スコアが何点だったかは、同じ成績表に載っている英検CSEスコアのほうで確認します。

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プラスとマイナスの読み方

英検バンドの数字には、必ずプラスかマイナスの符号が付きます。符号が合否に、数字が合格ラインからの距離に対応します。

プラスは合格、数字が大きいほど余裕があった

協会は、「合格基準スコア(英検CSEスコア)を上回る一つ目のバンドは+1、その上のバンドは+2です。」と説明しています。合格ラインをわずかに超えた人が「+1」、そこからさらに25点ほど上の人が「+2」になります。

プラスの数字が大きいほど、合格ラインに対して余裕があったということです。2015年の発表資料でも、協会はこの指標について次のように述べています。

協会は、英検バンドは合格した場合にも「高いレベルで合格したのか」「ぎりぎりで合格したのか」を知ったり比較したりする目安になる、と説明しています。

マイナスは不合格、あと何点かの目安になる

合格基準スコアに届かなかった場合は、協会の説明どおり「下回った場合は数字の前に “-” が付きます。」という表記になります。「−1」が合格ラインのすぐ下の帯です。

1つの帯が25点刻みなので、マイナスの数字から不足分のおおよその幅が読み取れます。目安としては次のように考えられます。

  • −1なら、合格基準スコアまで25点ほどの範囲に入っていたことになります。
  • −2なら、25点から50点ほどの差があったことになります。
  • −4なら、75点から100点ほどの差があったことになります。

あくまで帯の幅から計算した目安です。正確な差を知りたいときは、成績表に出ている英検CSEスコアと合格基準スコアを直接くらべてください。

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英検バンドは一次試験と二次試験の両方に出る

英検バンドは一次試験だけのものではありません。協会は「英検バンドは一次試験・二次試験両方の成績表に表示されます。」と明記しています。

一次と二次では、合否の決まり方そのものが違います。協会は、一次試験はリーディング・リスニング・ライティングの3技能(4級以下はリーディングとリスニングの2技能)の各技能別スコアの合算で判定すると説明しています。

一方、二次試験については「二次試験はスピーキングのスコアのみで判定いたします。」と定めています。つまり二次の成績表に出る英検バンドは、スピーキング1技能だけで決まった距離です。

二次試験で「−1」だった場合、足りなかったのは面接のスコアだけです。一次の対策をやり直すのではなく、面接の練習に時間を使うほうが近道になります。

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英検バンドはなぜ作られたのか

英検バンドは、合否だけでは見えない途中経過を示すために導入されました。協会は2015年の発表で、「各級を目標とした英語能力の中間目標段階を明示する為に、「英検バンド」という概念を開発いたしました。」と述べています。

同じ資料では、英検バンドを「受験者のモチベーション向上を図る目的で導入したもので、合格と不合格を連続的に幅で捉えた指標です。」とも説明しています。

ここが大事なところです。合否だけを見ると「受かった」か「落ちた」かの二択になります。英検バンドは、その間を25点刻みの帯でつなぎ、前回からどれだけ前に進んだかを数字で確かめられるようにしたものです。

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英検バンドのもとになる英検CSEスコアの仕組み

英検バンドを正しく読むには、もとになっている英検CSEスコアの性質を知っておく必要があります。協会は英検CSEスコアを、ユニバーサルなスコア尺度CSE(Common Scale for English)を英検の各級で表記したものだと説明しています。

合格基準スコアは回によって動かない

英検バンドの起点になる合格基準スコアは、毎回同じです。協会は「各級の合格基準スコア(英検CSEスコア)は固定されています。」と明記しています。

起点が動かないので、前回の「−3」と今回の「−1」を並べて比べることに意味があります。協会も、この仕組みによって違う回に同じ級を受験した結果を明確な数値で比較できると説明しています。

正答数からスコアもバンドも計算できない

自己採点で英検バンドを先に知ることはできません。協会は、スコアを全答案の採点後に統計的手法(Item Response Theory)を用いて算出していると説明しています。そのため、受験者が自分の正答数でスコアを算出することはできません。

協会はItem Response Theoryを、受験者の応答パターンを用いて、形式や難易度が異なるテストの結果を比較するための理論だと説明しています。同じ正答数でも回によってスコアが変わるのは、この調整があるためです。

級ごとの合格点とスコアの考え方は、英検2級の合格点と配点や英検準2級の合格ラインでも扱っています。

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同じ「−2」でも級によって重みが違う

英検バンドの1つの帯は、どの級でも25点です。ところが技能ごとの満点は級によって違うため、同じ「−2」でも全体に対する比率は変わります。

協会が公表している各級の技能ごとの満点スコアは、次のとおりです。

  • 1級は850点、準1級は750点です。
  • 2級は650点、準2級プラスは625点です。
  • 準2級は600点、3級は550点です。
  • 4級は500点、5級は425点です。

1技能の満点が425点の5級と、850点の1級では、25点の重みが同じではありません。下の級ほど、1バンドの25点が全体に占める割合は大きくなります。

もうひとつ知っておきたいのが、技能ごとの配分の考え方です。協会は、技能ごとに問題数は異なるものの、問題数に関係なく各技能にスコアを均等に配分していると説明しています。

そのうえで協会は、技能ごとに1問あたりのスコアへの影響は異なると述べています。問題数の少ない技能ほど、1問の重みが大きいということです。

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英検バンドからはわからないこと

便利な数字ですが、万能ではありません。英検バンドから読み取れないことを先に押さえておくと、余計な回り道をせずにすみます。

  • あと何問正解すれば合格だったかはわかりません。
  • どの技能で点を落としたかはわかりません。技能別のスコアを見る必要があります。
  • 次回の合格を保証するものでもありません。

とくに1つめは誤解されやすい点です。スコアが正答数から直接計算されない以上、バンドの数字を問題数に置きかえることはできません。

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英検バンドを見たあとにやること

英検バンドは、次に何をするかを決めるための出発点です。数字を見て終わりにせず、同じ成績表の技能別スコアとあわせて読みましょう。

まず技能別スコアで弱点を特定する

成績表には技能ごとのスコアも出ています。協会によると、3級から1級はライティングも含めた全4技能のスコアとトータルスコアが表示されます。

5級・4級については、リーディング、リスニングとスピーキングテストの3技能が表示されると説明されています。いちばん低い技能を1つ選び、そこから手をつけるのが現実的です。

どの技能をどう伸ばすかを一人で決めるのが難しいときは、級に特化したマンツーマン指導で成績表を一緒に読んでもらう方法もあります。

バンドが−1・−2なら戦い方を変えすぎない

マイナスが小さいときは、これまでの勉強の方向は大きく外れていません。教材を総入れ替えするより、弱い技能を1つ決めて積み増すほうが届きやすくなります。

スコアの差を技能別にどう埋めるかは、英検準1級であと100点・50点足りない人のスコアアップ戦略で具体的に扱っています。考え方は他の級にも応用できます。

なお、不合格でも英検CSEスコアそのものは証明書として使える場合があります。詳しくは英検の合格証明書と合格証書の違いをご覧ください。

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まとめ

英検バンドは、合格基準スコアを起点に英検CSEスコアを25点刻みで区切り、合格ラインまでの距離を示した数字です。プラスなら合格、マイナスなら不合格で、数字が大きいほど差が開いています。

  • 起点となる合格基準スコアは固定なので、回をまたいで比較できます。
  • 一次試験と二次試験の両方の成績表に表示されます。
  • あと何問だったかはわからないので、技能別スコアとあわせて読みます。

マイナスの数字は、落ちたという結果ではなく、残りの距離を測るための目盛りです。英検準1級の合格点とCSEスコアの解説も読むと、スコアの仕組み全体がつかめます。

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