英検準1級を独学で目指すとき、「どの勉強法を選べばいいのか」と迷う方は多いのではないでしょうか。参考書や講座の選択肢が多く、何から手をつけるべきか悩むのは自然なことです。
その選択肢の一つが、英語多読を軸に独学法を発信している黒坂岳央氏の勉強法です。この記事では、黒坂氏がブログで紹介している英検準1級の進め方を「黒坂式」と呼びます。そのうえで、教材の順番と使い方、2024年度以降の試験形式に合わせた3か月の進め方、独学での注意点をまとめます。
黒坂式とは:多読を軸にした独学法
黒坂式の特徴は、単語帳の丸暗記ではなく、英文を繰り返し読みながら語彙と読解力を同時に伸ばす点にあります。まずは黒坂氏の経歴と、準1級の学習の流れを確認しましょう。
黒坂岳央氏とは
黒坂岳央氏は、実業家・ビジネスジャーナリストとして活動し、英語学習についても発信している人物です。著書に『中学レベルの僕が「読むだけ勉強法」で英語をペラペラ話せるようになった!』(副題「1年でTOEIC985点&英検1級!」、大和出版、2018年)があります。
ブログ「黒坂岳央の超・英語ブログ」やYouTubeの「黒坂岳央の『超』英語多読チャンネル」では、英検2級・準1級・1級の独学法を公開しています。ブログでは、本人の経歴として英検1級合格やTOEIC985点の取得を挙げています。
準1級の学習ロードマップ
黒坂氏は、準1級の学習を始める目安を「英検2級に合格済み、または英単語4,000〜5,000語と英文法を習得済み」としています。そのうえで、次の順番で進めるロードマップを示しています。
- 『文で覚える単熟語(文単)』で、長文を読みながら単語を覚える
- 『でる順パス単』で、文単にない単語を補う
- 過去問で、単語・リーディング・リスニングをまとめて鍛える
- 英作文の型を覚えて、実践問題で書く練習をする
- 一次試験の後に、面接の対策を始める
単語の覚え方は、知らない語を調べてテキストに書き込み、反復して読み、シャドーイングとセルフテストで仕上げる流れです。シャドーイングは、音声を少し遅れて追いかけながら声に出す練習を指します。
英検準1級の試験内容と黒坂式の相性
準1級は語彙のレベルが高く、読む量も多い試験です。そのため、読みながら語彙を増やす黒坂式の考え方と相性がよいといえます。まずは2026年度の試験内容を確認しましょう。
一次試験(2026年度)
| 技能 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| リーディング | 31問(短文の語句空所補充18問・長文の語句空所補充6問・長文の内容一致選択7問) | 筆記90分(リーディングとライティングの合計) |
| ライティング | 英文要約(60〜70語)と意見論述(120〜150語)の2題 | 筆記90分に含む |
| リスニング | 29問(会話12問・文12問・Real-Life形式5問)。放送は1回 | 約30分 |
ライティングは、2024年度のリニューアルで英文要約が加わり2題になりました。合格基準スコアは、一次試験が2250点満点中1792点です。試験の全体像は英検準1級の試験内容の解説で詳しく紹介しています。
二次試験(面接)
二次試験は面接委員1人との約8分の面接です。自由会話のあと、4コマのイラストを使ったナレーション(考える時間1分・話す時間2分)を行い、4つの質問に答えます。合格基準スコアは750点満点中512点です。
黒坂式が活きる分野
黒坂式が特に役立ちやすいのは、語彙問題と長文読解です。文単のように文脈の中で単語を覚えると、単語の使われ方もあわせて身につきます。英文要約も「読んで要点をつかむ」力が土台になるため、読む習慣がある人ほど取り組みやすくなります。
一方で、要約・意見論述・面接には試験ならではの型があります。多読だけで対応できるわけではないので、型の練習も並行して進めましょう。
黒坂氏が勧める教材と使い方
黒坂氏のブログでは、準1級の合格に必要な教材として次の5冊を挙げています(2025年5月の記事)。いずれも市販の教材です。
| 教材 | 出版社 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 英検準1級 過去6回全問題集 | 旺文社 | 本番形式の演習と語彙の仕上げ |
| 英検準1級 文で覚える単熟語 | 旺文社 | 長文を読みながら単語を覚える |
| 英検準1級 でる順パス単 | 旺文社 | 短文つきで単語を補強する |
| 英検準1級 最短合格!要約&英作文完全制覇 | ジャパンタイムズ出版 | 要約と意見論述の練習 |
| 英検準1級 面接大特訓 | Jリサーチ出版 | 二次試験の対策 |
本は改訂されることがあるので、購入時は最新版かどうかを確認しましょう。たとえば『でる順パス単』は、2026年7月に6訂版が出ています。文単の詳しい使い方は英検準1級の文単の使い方、ほかの単語帳との違いは英検準1級の単語帳ランキングで比べられます。
著書やブログとの付き合い方
黒坂氏の著書は準1級専用の対策本ではなく、多読を中心にした英語学習の考え方を知るための本です。学習の方向性をつかむには役立ちますが、試験対策そのものは上の教材で進める必要があります。
「考え方や順番はブログや著書で確認し、具体的な演習は定番教材で行う」という役割分担を意識すると、迷わず進められます。
黒坂式で進める3か月の学習スケジュール
ここでは、黒坂式の順番をもとに、準1級を3か月で目指す場合の進め方の例を紹介します。黒坂氏自身のスケジュールではなく、ロードマップを3か月に当てはめた一例です。今の英語力や使える時間に合わせて調整してください。
| 時期 | 主な内容 |
|---|---|
| 1か月目 | 文単を中心に語彙の土台を作る。知らない語を書き込み、反復して読む。後半からパス単も並行する。 |
| 2か月目 | 過去問で長文とリスニングを練習する。要約と意見論述は型を覚え、週2〜3本を目安に書く。 |
| 3か月目 | 過去問を本番と同じ時間で解き、時間配分を確認する。弱い分野を補強し、一次試験の後は面接対策に切り替える。 |
過去問の解き方のポイント
黒坂氏は、過去問を解くときに「1問解いたらすぐに答え合わせをして解説を読み込む」ことを勧めています。正解かどうかだけでなく、なぜその答えになるのか、ほかの選択肢がなぜ違うのかまで確認すると、理解が深まります。過去問集の選び方は英検準1級 過去6回全問題集のレビューを参考にしてください。
語彙・読解・英作文・リスニングの優先順位
黒坂式の順番に沿うなら、優先順位は語彙→読解→英作文・要約→リスニングです。黒坂氏は、語彙やリーディングの力が足りないままリスニングだけを続けても伸びにくいと説明しています。
要約は、英文の要点をつかんで60〜70語にまとめる問題です。時間はかかりますが、コツをつかめば得点が安定しやすい分野なので、2か月目以降に集中して取り組みましょう。書き方は英検準1級の要約問題の解き方で詳しく解説しています。
中学生・高校生で準1級を目指す場合は、学校の勉強との両立も課題になります。英検に特化したマンツーマン指導で、英作文や面接の添削を受けながら進めるのも一つの方法です。
独学で失敗しないための注意点
黒坂式は英語力の土台づくりに向いていますが、進め方を誤ると成果が出にくくなります。独学で陥りやすい点と対策をまとめます。
多読だけに頼らず過去問で形式に慣れる
よくある失敗は、読むことだけに時間を使い、試験対策が手薄になることです。準1級には問題形式ごとの解き方や時間配分があります。定期的に過去問を解き、本番の感覚を保ちましょう。
語彙の学習と多読を並行する
知らない単語が多い英文をたくさん読んでも、内容が理解できず効果が薄くなります。多読は知っている単語が多いほど進めやすいため、単語帳での学習と並行して進めることが大切です。
最低ラインを決めて毎日続ける
忙しい日でも途切れないように、「英文を5分読む」「単語を10語確認する」など、1日の最低ラインを低めに決めておきましょう。最低ラインを守るだけでも、学習の習慣が崩れにくくなります。
受験日から逆算して計画する
2026年度第3回の一次試験(本会場)は2027年1月24日で、個人申込の期間は2026年10月30日〜12月14日です。本会場の検定料は10,400円です(2026年度)。準1級はコンピューターで受ける英検S-CBTでも受験できますが、実施日は限られています。最新情報は英検公式サイトで確認してください。
まとめ:黒坂式は定番教材と組み合わせて活かす
黒坂式は、英文を繰り返し読みながら語彙と読解力を伸ばし、過去問と型の練習で仕上げる独学法です。最後にポイントを整理します。
- 学習を始める目安は、英検2級レベルの語彙と文法を身につけていること
- 文単→パス単→過去問→英作文→面接の順に進める
- 2024年度以降は要約(60〜70語)が加わったため、型の練習も欠かせない
- 多読だけに頼らず、過去問で形式と時間配分に慣れる
まずは黒坂氏のブログや著書で学習の全体像をつかみ、自分の英語力に合わせて計画を立ててみてください。小学生〜高校生で準1級を目指すなら、英検専門のオンライン英語スクールJumpstart Englishで、完全マンツーマンの対策を受けることもできます。
