英検準1級の過去問集を選ぶとき、関正生先生の『世界一わかりやすい 英検準1級に合格する過去問題集』(KADOKAWA)が気になっている方もいるでしょう。解説のわかりやすさで知られるシリーズですが、買う前に確認しておきたい点があります。
先に結論をお伝えすると、本書は解説を重視した3回分の過去問集ですが、最新版が2021-2022年度用のため、2024年度のリニューアル前の形式です。2026年度の試験を受けるなら、新形式の過去問と組み合わせて使いましょう。この記事では、本書の特徴と使い方、ほかの過去問集との違いを解説します。
結論:解説重視の3回分過去問集。ただし形式は2024年度より前
まずは本書の基本情報を確認しましょう。いずれもKADOKAWAの商品ページで確認できる内容です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 2021-2022年度用 CD2枚付 世界一わかりやすい 英検準1級に合格する過去問題集 |
| 著者・出版社 | 関正生・桑原雅弘 著/KADOKAWA |
| 発売日 | 2021年10月1日 |
| 価格・判型 | 2,200円(税込)、A5判・582ページ |
| 収録 | 過去問3回分と解説、CD2枚 |
| 試験形式 | 2024年度リニューアル前(要約問題は含まれない) |
2026年9月時点で、KADOKAWAの公式サイトで確認できる準1級版はこの2021-2022年度用が最新です。これより新しい年度版は見当たりません。
著者の関正生先生と本書のシリーズ
関正生先生は、大学受験・TOEIC・英検の参考書を数多く手がけている英語講師です。KADOKAWAからは『英文法ポラリス』などの大学入試問題集や、スタディサプリENGLISHの名を冠したTOEIC単語集も出ています。
KADOKAWAの「世界一わかりやすい」シリーズには、英検3級〜準1級向けの「合格する授業」「英単語」「過去問題集」などがあります。準1級版は2019-2020年度用(関正生・竹内健 著)が先に出ており、2021-2022年度用では共著者が桑原雅弘先生に替わっています。
本書の特徴
出版社の紹介では、「3回分+充実の解説」「丸暗記のいらない、わかりやすい解説」が本書の柱とされています。具体的には、次の3点が特徴です。
「なぜその答えになるか」がわかる解説
本書の中心は解説です。正解を確認するだけでなく、根拠となる箇所や考え方を理解することを重視しています。間違えた問題から「次に同じタイプが出たらどう解くか」を学びたい人に向いています。
3回分に絞って、やり切りやすい
収録は3回分で、6回分や9回分を収録した過去問集より少なめです。そのぶん1回ごとの解説にページを割いており、582ページというボリュームがあります。1回ずつ時間をかけて復習したい人には扱いやすい量です。
リスニング音声はCD2枚
リスニングの音声はCD2枚で付いています。準1級のリスニングは2024年度のリニューアルで形式が変わっていないため、本書のリスニング問題は今の形式の練習としても使えます。
なお、KADOKAWAの商品ページでは本書の正誤表が公開されています。使い始める前に確認しておくと安心です。
使う前に知っておきたい注意点:2024年度の形式変更
本書の最大の注意点は、2024年度第1回から始まった新しい試験形式に対応していないことです。準1級の主な変更点は次のとおりです。
| 項目 | 本書(旧形式) | 現在の形式(2026年度) |
|---|---|---|
| リーディング | 41問 | 31問(語彙問題が7問、長文の内容一致が3問減少) |
| ライティング | 意見論述の1題 | 要約(60〜70語)と意見論述の2題 |
| リスニング | 29問 | 変更なし |
| 面接 | No.1〜No.4 | No.4の前に話題導入文が加わった |
筆記の試験時間は90分のままですが、今は同じ時間の中で要約と意見論述の2題を書きます。本書で本番どおりの時間配分を練習することはできないので、時間配分の練習は新形式の過去問で行いましょう。
要約問題は本書に含まれないため、別の教材で対策が必要です。書き方は英検準1級の要約問題の解き方で解説しています。
ライティングや面接は、自分の答えを添削してもらうことで伸びやすい分野です。独学での対策に不安がある場合は、英検に特化したマンツーマン指導を取り入れるのも一つの方法です。
本書の効果的な使い方
旧形式であることを踏まえると、本書は「解説で理解を深めるための教材」として使うのがおすすめです。次の順番で進めてみてください。
Step1:大問ごとに解いて、解き方を身につける
語彙問題、長文の空所補充、長文の内容一致、リスニングを、大問ごとに区切って解きます。語彙問題は今の形式より問題数が多いので、演習量を増やすつもりで取り組みましょう。
Step2:正解した問題も含めて解説を読む
採点後は、間違えた問題だけでなく、自信がなかった問題の解説も読みます。「なぜこの答えになるのか」を自分の言葉で説明できるようになるまで復習すると、ほかの回の問題にも応用しやすくなります。
Step3:リスニングはスクリプトで音読する
リスニングは、解いたあとにスクリプトを見ながら聞き直し、聞き取れなかった部分を確認します。そのうえで音読やシャドーイングを繰り返すと、音と文字のずれを減らす練習になります。
Step4:新形式の過去問で仕上げる
本書で解き方を固めたら、2024年度以降の過去問で本番どおりの時間配分を練習します。要約を含めた90分の使い方や、話題導入文つきの面接にも慣れておきましょう。過去問の入手方法は英検準1級の過去問の入手方法でまとめています。
ほかの英検準1級過去問集との比較
新形式の過去問を収録した問題集と比べると、本書の位置づけがはっきりします。価格と内容は、2026年9月時点の各出版社サイトの表示です。
| 過去問集 | 収録回数 | 新形式への対応 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 世界一わかりやすい 英検準1級に合格する過去問題集(KADOKAWA) | 3回分 | 対応していない(2021-2022年度用) | 2,200円 |
| 2026年度版 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社) | 6回分 | 2024年度第1回〜2025年度第2回の5回分が新形式 | 2,530円 |
| 2026-2027年対応 直前対策 英検準1級 3回過去問集(旺文社) | 3回分 | 2025年度第1回〜第3回で、すべて新形式 | 2,420円 |
| 英検赤本シリーズ 英検準1級 過去問集(教学社) | 9回分 | 新しい年度版ほど新形式の回が多い | 出版社サイトで確認 |
演習量を重視するなら旺文社の過去6回全問題集、2026年9月発売の新しい3回分で仕上げたいなら旺文社の3回過去問集が候補になります。旺文社の問題集の詳細は英検準1級 過去6回全問題集のレビューで、赤本などの直前対策本は直前対策本の比較記事で紹介しています。
本書は、これらの新形式の問題集を補う「解説で学ぶための1冊」として位置づけるとよいでしょう。
本書が向いている人・向いていない人
ここまでの内容をもとに、本書が合う人と合わない人を整理しました。
- 向いている人:解説をじっくり読んで、解き方の考え方を身につけたい人
- 向いている人:すでに新形式の過去問集を持っていて、演習と解説を補いたい人
- 向いている人:リスニングの復習用に、解説つきの問題を増やしたい人
- 向いていない人:1冊だけで2026年度の試験対策を完結させたい人
- 向いていない人:要約問題や新しい面接形式の練習をしたい人
ほかの参考書と組み合わせて学習計画を立てたい場合は、英検準1級のおすすめ参考書ランキングも参考にしてください。
まとめ
関正生先生の『世界一わかりやすい 英検準1級に合格する過去問題集』は、3回分の過去問をわかりやすい解説でじっくり学べる1冊です。一方で、最新版は2021-2022年度用で、2024年度から加わった要約問題などには対応していません。
2026年度の試験を受けるなら、本書で解き方の考え方を学び、新形式の過去問集で時間配分と要約を仕上げる組み合わせがおすすめです。最新の試験情報は英検公式サイトでご確認ください。
要約や意見論述の添削、面接の練習まで一人ひとりに合わせて進めたい場合は、Jumpstart Englishのマンツーマンレッスンもご検討ください。小学生〜高校生を対象に、英検全級の対策を完全オンラインで行っています。
