英検準1級の一次試験で、合格基準スコアに「あと100点」「あと50点」届かなかったという方は少なくありません。この差は、技能別のCSEスコアから弱点を特定し、対策を絞り込むことで縮めていける差です。
この記事では、CSEスコアと成績表の読み方を確認したうえで、リーディング・ライティング・リスニング・二次試験の技能別に、スコアを上げる方法を解説します。試験の形式や日程は2026年度の情報です。
英検準1級の「あと100点」はCSEスコアでどう読むか
英検準1級の一次試験は、3技能の合計CSEスコアが1792点以上なら合格です。「あと100点」なら1692点前後、「あと50点」なら1742点前後だったということになります。
一次試験の満点と合格基準スコア
CSEスコアは、英検の成績を技能ごとに数値で示す共通の尺度です。準1級の満点と合格基準スコアは次のとおりです。
| 区分 | 満点 | 合格基準スコア |
|---|---|---|
| リーディング | 750 | (技能ごとの基準はなし) |
| ライティング | 750 | (技能ごとの基準はなし) |
| リスニング | 750 | (技能ごとの基準はなし) |
| 一次試験(合計) | 2250 | 1792 |
| 二次試験(スピーキング) | 750 | 512 |
一次試験は3技能の合計で合否が決まり、合格基準スコアは回によって変わらない固定の値です。1792点を3技能で割ると1技能あたり約597点なので、各技能600点前後がひとつの目安になります。
成績表の英検バンドで差を確かめる
成績表には、合格基準スコアとの差を25点刻みで示す「英検バンド」も載っています。たとえば「−4」なら合格まで約100点、「−2」なら約50点の差というのがおおよその目安です。
正答数ではなく技能別スコアで考える
CSEスコアは、IRT(項目応答理論)という統計的な方法で回ごとに算出されます。そのため、同じ正答数でも回によってスコアが変わり、正答数から自分でスコアを計算することはできません。
「あと何問正解すればよいか」より、「どの技能のスコアをどれだけ上げるか」で考えるのが現実的です。なお協会は、2016年度第1回の一次試験では、準1級は各技能の正答率7割程度の受験者の多くが合格したと示しています。スコアの仕組みは英検準1級の合格点とCSEスコアの解説で詳しくまとめています。
まず成績表で足りない技能を特定する
あと100点・50点を埋める近道は、3技能のうちどこで点を落としたかを特定することです。3技能の満点はどれも750点で、合否への影響は同じです。
得意な技能をさらに伸ばすより、低い技能を600点前後まで戻すほうが、合計スコアは上がりやすいことが多いです。不合格になりやすいパターンは、主に次の3つです。
- ライティングが低い:要約と意見論述の2題で750点分を占めます。1題の出来が悪いだけでも、合計が大きく下がります。
- リーディングが低い:語彙不足が原因のことが多く、語彙問題だけでなく長文の理解にも影響します。
- リスニングが低い:放送は1回だけで、話題も幅広いため、「聞けているつもり」でも点数が安定しないことがあります。
リーディングで確実に点を積む方法
リーディングは、語彙と長文の両方で、準備した分が点につながりやすい技能です。2026年度の準1級リーディングは全31問です。
内訳は、大問1が短文の語句空所補充(18問)、大問2が長文の語句空所補充(6問)、大問3が長文の内容一致選択(7問)です。
語彙問題(大問1)を得点源にする
大問1は、短い英文の空所に合う単語や句動詞を選ぶ問題です。ここを安定させると、リーディング全体のスコアが底上げされます。
単語帳は1冊に絞り、繰り返し使うのがおすすめです。たとえば旺文社の『英検準1級 でる順パス単』は、準1級によく出る単語・熟語をまとめた定番の1冊です。
ただし、単語帳を眺めるだけでは定着しにくいとされています。例文ごと音読する、覚えた単語で短い英文を作るなど、アウトプットを組み合わせましょう。英語のニュース記事を週に数回読むと、文脈の中で単語に出会う機会も増えます。
長文(大問2・3)の解き方と時間配分
大問2は長文の空所に合う語句を選ぶ問題で、段落の流れをつかむ力が問われます。空所の前後だけでなく、段落全体の主張と「逆接」「具体例」などのつながりを意識して読みましょう。
大問3は、本文の内容に合う選択肢を選ぶ問題です。本文の表現は、選択肢では別の言葉に言い換えられていることが多くあります。普段から「この表現を別の言い方にするとどうなるか」を意識すると、言い換え(パラフレーズ)を見抜きやすくなります。
筆記試験は90分で、リーディングとライティングの両方を解きます。大問1に10〜12分、大問2・3に25〜30分を使い、ライティングに十分な時間を残すのがひとつの目安です。
ライティングで差を縮める方法
ライティングは、型と語数のルールを押さえると比較的早く安定しやすい技能です。2024年度のリニューアルで、準1級のライティングは要約(大問4)と意見論述(大問5)の2題になりました。
どちらの問題も、内容・構成・語彙・文法の4つの観点で、それぞれ0〜4点(計16点)で採点されます。
要約(大問4)は60〜70語の指定を守る
要約問題は、英文を読んでその内容を60〜70語の英語でまとめる問題です。2025年度第1回から、語数は「目安」ではなく指定の範囲として示されています。要約になっていない解答は0点になることがあるので注意が必要です。
- 段落ごとに要点を1文でまとめる:本文は3段落のことが多く、各段落の要点を1文ずつ書くと語数に収めやすくなります。
- 本文の表現をそのまま写さない:同じ意味の語句や別の構文に言い換えると、語彙と文法の評価につながります。
- つなぎ言葉で流れを示す:However や Therefore などを使うと、要約の論理がはっきりします。
具体的な書き方は英検準1級の要約問題の解き方で、例題とあわせて紹介しています。
意見論述(大問5)は型で安定させる
意見論述は、TOPICについて、示された4つのPOINTSから2つを使って意見を書く問題です。語数の目安は120〜150語で、序論・本論・結論の構成が求められます。
決まった型を1つ身につけることが、スコアを安定させる近道です。「序論(立場を示す)→理由1→理由2→結論(立場を繰り返す)」の4段落で書く練習をしましょう。
語彙と文法の観点では、be attributed to や take measures against など準1級レベルの表現を、正しく使えることが大切です。単語帳の語句を「書ける形」で覚えておくと、ライティングでも使いやすくなります。
ライティングは、自分では誤りに気づきにくい技能です。英検に特化したマンツーマン指導で要約と意見論述を定期的に添削してもらうと、減点の原因が見えやすくなります。
リスニングのスコアを底上げする方法
準1級のリスニングは全29問、時間は約30分で、放送は1回だけです。問題の先読みと、毎日の音読・シャドーイングの積み重ねが効果的とされています。
Part別の特徴と対策
| Part | 問題数 | 内容 | 対策のポイント |
|---|---|---|---|
| Part 1 | 12問 | 2人の会話(3〜4往復程度) | 選択肢を先に読み、話題を予測する |
| Part 2 | 12問 | 150語前後の説明文(1つに2問) | 主張→具体例→結論の流れをつかむ |
| Part 3 | 5問 | 館内放送や電話の音声ガイダンスなど(Real-Life形式) | 最初の10秒で状況と質問を読み、聞くポイントを絞る |
Part 3では、問題冊子に書かれた「状況(Situation)」と「質問(Question)」を読む時間が10秒あります。自分が何を知りたいのかを先に決めてから聞くと、必要な情報を拾いやすくなります。パート別のコツは英検準1級のリスニング対策で詳しく解説しています。
シャドーイングで耳を鍛える
シャドーイングは、音声を聞きながら少し遅れて同じ英語を口に出す練習です。英語の音のつながりやリズムに慣れる方法として、広く使われています。
教材には、旺文社『英検準1級 過去6回全問題集』の音声や、英検公式サイトで公開されている過去問の音声が使えます。次の順番で進めるのがおすすめです。
- まず問題を解き、何が聞き取れなかったかを確認します。
- スクリプトを見ながら、音声に合わせて音読します。
- スクリプトを見ずにシャドーイングします。
1日10〜15分でも、数か月続けることが大切です。リスニングは伸びるまでに時間がかかりやすいため、早めに始めましょう。
二次試験で「あと少し」だった場合の対策
二次試験(面接)は750点満点で、合格基準スコアは512点です。一次試験に合格していれば、一次試験免除を使って、次回以降は二次試験から受け直せます。
面接の流れと評価のポイント
準1級の面接は約8分で、面接委員は1人です。流れは次のとおりです。
- 最初に、面接委員と簡単な自由会話をします。
- 4コマのイラストを見て、ナレーションをします(考える時間1分・話す時間2分)。
- No.1〜No.4の質問に答えます(イラストに関する1問、カードのトピックに関する2問、社会性のある話題の1問)。
評価では、応答の内容・発音・語い・文法・語法・情報量に加え、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度も見られます。自然な聞き返しは減点されませんが、不自然な聞き返しや繰り返しは減点の対象です。
練習では、実際に声に出して時間を計り、自分の解答を録音して聞き返すのが効果的です。文法の誤りや言葉に詰まる箇所を客観的に確認できます。ナレーションの型は英検準1級の4コマナレーション攻略を参考にしてください。
一次試験免除と二次試験までの期間
一次試験に合格し、二次試験が不合格または欠席だった場合は、翌年度の同じ回まで一次試験免除で申し込めます。検定料は通常と同じです。制度の詳細は英検準1級の一次試験免除制度とS-CBTの解説をご覧ください。
一次試験の合否が出てから二次試験までは、2〜3週間ほどしかありません。2026年度第2回では、一次のウェブ合否公開が10月26日、二次試験はA日程が11月8日、B日程が11月15日です。一次の対策と並行して、面接の練習も早めに始めておくと安心です。
あと100点を縮める学習スケジュールの立て方
次の受験日から逆算し、スコアの低い技能を先に補強し、直前1か月は過去問で仕上げる流れがおすすめです。
スコア別・弱点補強プラン
成績表で3技能のバランスを確認し、1つだけ極端に低い技能があれば、その技能を最優先にします。
- リーディングが低い場合:単語帳での語彙強化(毎日30分程度)と、週3回ほどの長文の精読を中心にします。
- ライティングが低い場合:要約と意見論述の型を先に覚え、過去問で週2〜3本書きます。添削を受けると改善点がわかりやすくなります。
- リスニングが低い場合:毎日のシャドーイング(10〜15分)を習慣にします。時間がかかる技能なので、最初に着手しましょう。
3技能とも同じくらい低い場合は、型を覚えると形になりやすいライティングから始め、次に語彙、並行してリスニングを進めるとよいでしょう。
試験直前1か月の仕上げ方
試験まで1か月を切ったら、新しい参考書には手を出さず、これまでの教材を復習する期間に切り替えます。過去問を本番と同じ時間配分で解き、間違えた理由を1問ずつ確認しましょう。
直前の1週間は新しい知識を詰め込むより、今の力を本番で出し切る準備に集中します。前日は軽い復習にとどめ、十分に睡眠をとりましょう。
2026年度第3回の日程とS-CBT
2026年9月現在、次に申し込める従来型の試験は2026年度第3回です。
| 項目 | 2026年度第3回(従来型) |
|---|---|
| 個人申込期間 | 2026年10月30日〜12月14日(コンビニ系の支払いは12月11日まで) |
| 一次試験(本会場) | 2027年1月24日(日) |
| 一次のウェブ合否公開 | 2027年2月15日(月) |
| 二次試験 | A日程 2月28日(日)/B日程 3月7日(日) |
コンピューターで受ける英検S-CBTでも、準1級を受験できます。同じ検定回の中で同じ級を最大3回まで受けられ、従来型との併願も可能です。ただし準1級は実施日が限られるため、早めに日程を確認しましょう。最新情報は英検公式サイトでご確認ください。
まとめ:弱点の技能を絞ってあと100点を埋める
「あと100点」「あと50点」足りなかったときは、まず成績表を確認しましょう。技能別のCSEスコアと英検バンドから弱点を特定し、低い技能から順に対策を積み重ねることが合格への近道です。
- 一次の合格基準は3技能の合計で1792点で、各技能600点前後が目安です。
- ライティングは、型と語数の指定を守ると安定しやすくなります。
- リスニングは、先読みとシャドーイングを毎日続けましょう。
- 二次試験で不合格でも、一次試験免除を使えば二次から受け直せます。
独学で伸び悩んでいる場合は、弱点の技能を客観的に見てもらうのも一つの方法です。Jumpstart Englishは、小学生〜高校生を対象に英検全級に対応した、完全マンツーマン・完全オンラインの英検専門スクールです。英検準1級に向けた個別の対策も相談できます。
